125 / 611
4章 救出部隊もミイラ取りがミイラになってぐちょぐちょえっち
121:工作★
しおりを挟む
サリアとリリーが、教祖エリアスとその神官たちによって礼拝堂の奥にある「儀式の間」へと連れ去られた後、従者ミハイルを演じるセブンは、割り当てられた宿泊用の個室で静かに待機していた。彼の表情は、感情を排した従者の仮面を保っているが、その内部では、人間を超えた情報処理能力がフル稼働していた。耳に装着された超小型通信インプラントを通じて、サリアとリリーの生体情報(心拍数、呼吸、ストレスレベル)はリアルタイムで彼に送られてくる。同時に、彼は自身の生体センサーと、ヘルメスIVから密かに持ち込んだ(あるいは彼の身体そのものに内蔵されている)広域センサーを用いて、この緑の教団本拠地の構造と、内部のエネルギーの流れ、通信網のパターンなどをスキャンし、解析を進めていた。
『サリア様、リリー様。私はここで待機し、周囲の状況を探ります。お二人は、どうかご無事で。そして…楽しんでいらっしゃるとよろしいかと』
セブンは、二人にだけ聞こえるように、インプラントを通じて低い声で囁いた。その言葉には、従者としての忠誠心と、そして彼女たちの状況に対する、彼なりの複雑な感情…あるいは、計算された挑発が含まれていたのかもしれない。サラの倒錯した嗜好を知る彼は、この状況が彼女にとって必ずしも苦痛だけではない可能性を理解していた。リリスに至っては、既に彼の「調教」によって、快楽への渇望が理性を上回っている。
二人の生体情報が、儀式の間へと入った直後から急激な変化を示し始めたことを確認すると、セブンは静かに立ち上がった。心拍数の急上昇、呼吸の乱れ、アドレナリンとエンドルフィンの分泌亢進を示す微細な生化学的変化。それらは、彼女たちが強いストレスと、そして同時に強烈な性的興奮状態にあることを示唆していた。セブンは、彼女たちの身の安全については、当面問題ないと判断した。教祖たちの目的は、彼女たちを殺害することではなく、篭絡し、支配することにある。ならば、この時間を利用して、自身の目的…遺跡に関する情報収集と、教団の無力化…を進めるべきだ。
セブンは、音もなく部屋を出ると、教団本拠地の内部構造を探るべく、行動を開始した。彼の動きには一切の無駄がなく、まるで闇に溶け込む影のようであった。従者服の下の生体金属の肉体は、周囲の環境に合わせて体温や表面の質感を微調整し、赤外線センサーや熱センサーによる探知を回避する。足音は完全に消され、呼吸音すらも最小限に抑えられている。彼の視覚センサーは、可視光だけでなく、赤外線、紫外線、さらには微弱なテラヘルツ波まで捉え、暗闇の中でも周囲の状況を正確に把握する。聴覚センサーは、壁越しの人間の会話や、機械の作動音、エネルギーの流れまでをも捉えることができた。
セブンは、事前にスキャンしておいた本拠地の構造データを基に、最も警戒が厳重で、かつ重要な施設が存在する可能性が高いエリアへと向かった。それは、礼拝堂や居住区画から離れた、本拠地の地下深くに位置する区画であった。通路は、地上部分と同様に、黒曜石のような未知の素材で作られ、所々に燐光を発する苔が張り付いている。空気はひんやりと湿っており、カビ臭さと金属臭が混じり合っている。セブンは、自身のセンサーを最大限に活用し、警備システムや監視装置の位置、そして人間の気配を探りながら、慎重に、しかし迅速に進んでいった。
やがて、セブンは目的の区画へと到達した。そこは、明らかに他の区画とは異なる雰囲気を漂わせていた。通路の壁には、より多くの配線ケーブルやエネルギー伝導管が這い、空気中には微弱ながらも高エネルギー反応が感じられる。そして、通路の突き当たりには、重厚な金属製の扉があった。扉には、複雑な電子ロックと、物理的な多重ロック機構が施されており、厳重な警備体制が敷かれていることが窺えた。扉の上部には、「第7武器庫」というプレートが掲げられている。
(武器庫…か。予想通りだな)
セブンは内心で呟いた。カルト教団とはいえ、これだけの規模の拠点を維持し、外部からの干渉を排除するためには、相応の武力が必要となる。セブンは、扉のロック機構を解析し始めた。電子ロックは、量子暗号化された高度なものであったが、セブンの持つ、アーティファクト由来の計算能力とハッキング技術の前では、無力に等しかった。彼は、自身の指先から微細な自己組織化機械群を放出し、ロックシステムの内部回路に物理的に接続させると、瞬時に暗号鍵を解読し、防御システムを無効化した。物理ロックも同様に、機械群が内部の機構を精密に操作し、音もなく解錠していく。
重厚な扉が、静かに開かれた。その内部に広がっていたのは、セブンの予想を遥かに超える規模の、巨大な武器庫であった。広大な空間には、様々な種類の兵器が、整然と、しかし大量に保管されている。壁際には、旧式のマスドライバー…電磁力によって実体弾を超高速で射出する原始的ながら破壊力の高い兵器…が数十基並べられている。中央部には、比較的新しいモデルと思われる、指向性エネルギー兵器…レーザー砲やプラズマ砲…が、大型のものから携行可能なライフルタイプまで、数百丁単位でラックに収められている。さらに、対人・対装甲用の各種ミサイルやグレネード、高性能爆薬、そして個人用のパワーアーマーや戦闘ドローンまでが、所狭しと配備されていた。その規模と種類は、単なるカルト教団の自衛力を遥かに超え、小規模な軍隊に匹敵するレベルであった。
(これほどの兵力を…一体どこから入手したのだ? オリジン社からの横流しか、あるいは裏社会との繋がりか…? いずれにせよ、放置はできんな)
セブンは、冷静に状況を分析した。これらの兵器が、もし外部へと持ち出されれば、大陸全体の安全保障に関わる重大な脅威となりえる。迅速かつ完全に無力化する必要がある。
『サリア様、リリー様。私はここで待機し、周囲の状況を探ります。お二人は、どうかご無事で。そして…楽しんでいらっしゃるとよろしいかと』
セブンは、二人にだけ聞こえるように、インプラントを通じて低い声で囁いた。その言葉には、従者としての忠誠心と、そして彼女たちの状況に対する、彼なりの複雑な感情…あるいは、計算された挑発が含まれていたのかもしれない。サラの倒錯した嗜好を知る彼は、この状況が彼女にとって必ずしも苦痛だけではない可能性を理解していた。リリスに至っては、既に彼の「調教」によって、快楽への渇望が理性を上回っている。
二人の生体情報が、儀式の間へと入った直後から急激な変化を示し始めたことを確認すると、セブンは静かに立ち上がった。心拍数の急上昇、呼吸の乱れ、アドレナリンとエンドルフィンの分泌亢進を示す微細な生化学的変化。それらは、彼女たちが強いストレスと、そして同時に強烈な性的興奮状態にあることを示唆していた。セブンは、彼女たちの身の安全については、当面問題ないと判断した。教祖たちの目的は、彼女たちを殺害することではなく、篭絡し、支配することにある。ならば、この時間を利用して、自身の目的…遺跡に関する情報収集と、教団の無力化…を進めるべきだ。
セブンは、音もなく部屋を出ると、教団本拠地の内部構造を探るべく、行動を開始した。彼の動きには一切の無駄がなく、まるで闇に溶け込む影のようであった。従者服の下の生体金属の肉体は、周囲の環境に合わせて体温や表面の質感を微調整し、赤外線センサーや熱センサーによる探知を回避する。足音は完全に消され、呼吸音すらも最小限に抑えられている。彼の視覚センサーは、可視光だけでなく、赤外線、紫外線、さらには微弱なテラヘルツ波まで捉え、暗闇の中でも周囲の状況を正確に把握する。聴覚センサーは、壁越しの人間の会話や、機械の作動音、エネルギーの流れまでをも捉えることができた。
セブンは、事前にスキャンしておいた本拠地の構造データを基に、最も警戒が厳重で、かつ重要な施設が存在する可能性が高いエリアへと向かった。それは、礼拝堂や居住区画から離れた、本拠地の地下深くに位置する区画であった。通路は、地上部分と同様に、黒曜石のような未知の素材で作られ、所々に燐光を発する苔が張り付いている。空気はひんやりと湿っており、カビ臭さと金属臭が混じり合っている。セブンは、自身のセンサーを最大限に活用し、警備システムや監視装置の位置、そして人間の気配を探りながら、慎重に、しかし迅速に進んでいった。
やがて、セブンは目的の区画へと到達した。そこは、明らかに他の区画とは異なる雰囲気を漂わせていた。通路の壁には、より多くの配線ケーブルやエネルギー伝導管が這い、空気中には微弱ながらも高エネルギー反応が感じられる。そして、通路の突き当たりには、重厚な金属製の扉があった。扉には、複雑な電子ロックと、物理的な多重ロック機構が施されており、厳重な警備体制が敷かれていることが窺えた。扉の上部には、「第7武器庫」というプレートが掲げられている。
(武器庫…か。予想通りだな)
セブンは内心で呟いた。カルト教団とはいえ、これだけの規模の拠点を維持し、外部からの干渉を排除するためには、相応の武力が必要となる。セブンは、扉のロック機構を解析し始めた。電子ロックは、量子暗号化された高度なものであったが、セブンの持つ、アーティファクト由来の計算能力とハッキング技術の前では、無力に等しかった。彼は、自身の指先から微細な自己組織化機械群を放出し、ロックシステムの内部回路に物理的に接続させると、瞬時に暗号鍵を解読し、防御システムを無効化した。物理ロックも同様に、機械群が内部の機構を精密に操作し、音もなく解錠していく。
重厚な扉が、静かに開かれた。その内部に広がっていたのは、セブンの予想を遥かに超える規模の、巨大な武器庫であった。広大な空間には、様々な種類の兵器が、整然と、しかし大量に保管されている。壁際には、旧式のマスドライバー…電磁力によって実体弾を超高速で射出する原始的ながら破壊力の高い兵器…が数十基並べられている。中央部には、比較的新しいモデルと思われる、指向性エネルギー兵器…レーザー砲やプラズマ砲…が、大型のものから携行可能なライフルタイプまで、数百丁単位でラックに収められている。さらに、対人・対装甲用の各種ミサイルやグレネード、高性能爆薬、そして個人用のパワーアーマーや戦闘ドローンまでが、所狭しと配備されていた。その規模と種類は、単なるカルト教団の自衛力を遥かに超え、小規模な軍隊に匹敵するレベルであった。
(これほどの兵力を…一体どこから入手したのだ? オリジン社からの横流しか、あるいは裏社会との繋がりか…? いずれにせよ、放置はできんな)
セブンは、冷静に状況を分析した。これらの兵器が、もし外部へと持ち出されれば、大陸全体の安全保障に関わる重大な脅威となりえる。迅速かつ完全に無力化する必要がある。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
