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4章 救出部隊もミイラ取りがミイラになってぐちょぐちょえっち
123:工作
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兵器の無力化を終えたセブンは、武器庫のさらに奥へと進んだ。そこには、武器庫本体とは隔壁で仕切られた、比較的小さな部屋があった。扉には、武器庫以上に厳重なセキュリティが施されており、「中央情報管理室」というプレートが掲げられている。おそらく、この教団の機密情報が集約されている場所だろう。セブンは、再びハッキング能力を駆使し、扉のロックを解除すると、静かに内部へと足を踏み入れた。
部屋の中央には、巨大な冷却装置に囲まれた、大型の量子計算機システムが鎮座していた。その周囲には、複数のコンソール端末と、データストレージユニットが設置されている。壁一面には、ホログラムディスプレイが埋め込まれ、教団内部の通信状況や、拠点各所の監視映像、そして遺跡内部の環境データと思われる情報が、絶えず表示されている。空気は、冷却装置の作動音と、サーバーの低い唸りで満たされていた。ここが、緑の教団の神経中枢部であることは明らかだった。
セブンは、メインの量子計算機システムにアクセスを開始した。その防御システムは、オリジン社や軍レベルのものを想定していたが、予想に反して、比較的旧式で、脆弱なものであった。おそらく、教団の技術レベルでは、これ以上のセキュリティを構築できなかったのだろう。あるいは、この聖域の奥深くにあるという油断があったのかもしれない。セブンは、ものの数分でシステムへのフルアクセス権限を掌握すると、内部データの解析を開始した。
膨大なデータの中から、セブンは目的の情報を効率的に検索していく。教団の組織構成、信徒リスト、資金の流れ、外部組織との接触記録、そして…教祖エリアスの個人的なログデータ。セブンは、エリアスのログデータに特に注目した。そこには、彼の歪んだ思想、信徒に対する支配欲、そして性的搾取の実態などが、赤裸々に記録されていた。セブンは、その内容に嫌悪感を覚えながらも、冷静に必要な情報を抽出していく。
そして、ついにセブンは、決定的な情報にたどり着いた。それは、エリアスが個人的に記録していた、遺跡内部の構造に関するデータと、彼自身の私室に関する記述であった。ログには、こう記されていた。
『…我が私室の奥、タペストリーの裏には、古代の民が遺した隠し通路が存在する。それは、遺跡のさらに深部…あの「生命の胎」へと繋がる、唯一の道である。この秘密は、私だけが知るもの。この通路を通って、私は定期的に「原初の生命体」と交信し、その力を授かっておるのだ。他の者には、決して知られてはならぬ…』
(やはり…!)
セブンは、確信を得た。教祖の私室から、遺跡の最深部へと繋がる隠し通路。そこを進めば、遺跡の中心、人知の及ばぬ秘密の領域へとたどり着けるはずだ。そして、そこには、セブン自身のルーツや、アーティファクトに関する、さらなる秘密が隠されている可能性が高い。
セブンは、必要な情報を全て自身のメモリにコピーし、アクセスログを完全に消去すると、静かに情報管理室を後にした。彼の次の目的地は、決まった。教祖エリアスの私室。そして、その先にある、遺跡の深淵である。彼は、従者ミハイルの仮面の下で、冷徹な決意を新たにしていた。サラとリリスの身の安全を確保しつつ、この遺跡の謎を解き明かし、そして必要であれば、この歪んだ教団と、その力の源泉を、完全に破壊することを。彼の生体金属の瞳が、暗闇の中で、静かに、しかし鋭く輝いた。
***
部屋の中央には、巨大な冷却装置に囲まれた、大型の量子計算機システムが鎮座していた。その周囲には、複数のコンソール端末と、データストレージユニットが設置されている。壁一面には、ホログラムディスプレイが埋め込まれ、教団内部の通信状況や、拠点各所の監視映像、そして遺跡内部の環境データと思われる情報が、絶えず表示されている。空気は、冷却装置の作動音と、サーバーの低い唸りで満たされていた。ここが、緑の教団の神経中枢部であることは明らかだった。
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膨大なデータの中から、セブンは目的の情報を効率的に検索していく。教団の組織構成、信徒リスト、資金の流れ、外部組織との接触記録、そして…教祖エリアスの個人的なログデータ。セブンは、エリアスのログデータに特に注目した。そこには、彼の歪んだ思想、信徒に対する支配欲、そして性的搾取の実態などが、赤裸々に記録されていた。セブンは、その内容に嫌悪感を覚えながらも、冷静に必要な情報を抽出していく。
そして、ついにセブンは、決定的な情報にたどり着いた。それは、エリアスが個人的に記録していた、遺跡内部の構造に関するデータと、彼自身の私室に関する記述であった。ログには、こう記されていた。
『…我が私室の奥、タペストリーの裏には、古代の民が遺した隠し通路が存在する。それは、遺跡のさらに深部…あの「生命の胎」へと繋がる、唯一の道である。この秘密は、私だけが知るもの。この通路を通って、私は定期的に「原初の生命体」と交信し、その力を授かっておるのだ。他の者には、決して知られてはならぬ…』
(やはり…!)
セブンは、確信を得た。教祖の私室から、遺跡の最深部へと繋がる隠し通路。そこを進めば、遺跡の中心、人知の及ばぬ秘密の領域へとたどり着けるはずだ。そして、そこには、セブン自身のルーツや、アーティファクトに関する、さらなる秘密が隠されている可能性が高い。
セブンは、必要な情報を全て自身のメモリにコピーし、アクセスログを完全に消去すると、静かに情報管理室を後にした。彼の次の目的地は、決まった。教祖エリアスの私室。そして、その先にある、遺跡の深淵である。彼は、従者ミハイルの仮面の下で、冷徹な決意を新たにしていた。サラとリリスの身の安全を確保しつつ、この遺跡の謎を解き明かし、そして必要であれば、この歪んだ教団と、その力の源泉を、完全に破壊することを。彼の生体金属の瞳が、暗闇の中で、静かに、しかし鋭く輝いた。
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