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第14話 夫の知らない顔
レオナルドに直談判した翌日から、屋敷の空気は目に見えて変わった。
これまでとは違う種類の緊張感が、静かに張り詰めている。
執務室からはひっきりなしに人の出入りがあり、早馬が何度も門を出入りする音が聞こえた。
その全てが、私の「お願い」に端を発していることを、私は肌で感じていた。
正直に言えば、半信半疑だった部分もある。
あれだけ家庭に無関心だった彼が、本当に動いてくれるのだろうか、と。
だが、その疑念は、翌日の午後には木っ端微塵に打ち砕かれた。
執事が、私の部屋を訪れたのだ。
その腕には、分厚い革のファイルが何冊も抱えられていた。
「奥様。旦那様より、こちらをご確認いただきたいとのことです」
執事はそう言うと、ファイルをテーブルの上に恭しく並べた。
その量に、私は思わず目を見開く。
「これは……?」
「イザベラお嬢様の、魔法の家庭教師候補者リストでございます」
ファイルを開いた私は、息を呑んだ。
そこには、候補者一人ひとりの詳細な経歴が、びっしりと記されていた。
名前、年齢、所属、専門分野、指導実績。
果ては、その人物の性格や思想、交友関係に至るまで。
まるで、国の重要人物を調査した機密報告書のようだった。
そして、そこに並ぶ名前の、錚々たること。
王宮魔術師団の副師団長。
魔術師団を引退し、辺境で隠居生活を送るという伝説の大賢者。
隣国の魔法アカデミーで教鞭をとる、若き天才魔導師。
中には、ドワーフの国に住むという、古代魔法の研究者まで含まれていた。
「……これを、たった一日で?」
私の声は、驚きで震えていた。
尋常な情報収集能力ではない。
公爵家の情報網を最大限に活用したとしても、これだけの情報をこれほどの速度で集められるものではないだろう。
これは、レオナルド・フォン・エルグランドという個人の、執念の産物だった。
「旦那様は昨夜、一睡もされておりません。徹夜で各地の諜報員に指示を出し、リストを作成しておいででした」
執事は、淡々と事実を告げる。
その言葉に、私は胸を突かれた。
あの後、彼はすぐに動き出し、文字通り寝る間も惜しんで、娘のために奔走してくれていたのだ。
その事実が、じわりと胸の奥を温かくした。
「ですが」と執事は続けた。
「旦那様は、このリストの誰一人として、まだご満足なされておりません。『帯に短し襷に長し』。そう仰せでした」
私は改めて、リストに目を通した。
どの人物も、私から見れば望外と言えるほどの実力者ばかりだ。
だが、レオナルドの目には、彼らの欠点が見えているのだろう。
この人物は性格に難がある。この人物は指導経験が少ない。この人物は思想がエルグランド家の方針と合わない。
彼の完璧主義が、一切の妥協を許さないのだ。
その日の夜。
私は、昨夜と同じように夜食のトレイを手に、彼の執務室へと向かった。
扉の前まで来ると、中からレオナルドの苛立ったような低い声が漏れ聞こえてくる。
相手は、執事のようだった。
「論外だ。この男は確かに実力はあるが、金に汚いという噂がある。娘を金蔓としか見ないような人間に、教育を任せられるか」
「では、こちらの元騎士団長はいかがでしょう。人格は高潔そのものですが」
「専門が戦闘魔法に偏りすぎている。娘に必要なのは、力そのものではなく、力を制御する術だ。目的が違う」
私は、扉を開けるのをためらった。
彼の仕事の邪魔をしてはいけない。
そう思い、そっと扉の隙間から中の様子を窺う。
そこには、私が今まで見たことのないレオナルドの姿があった。
机の上には、昨日私が見たものよりもさらに多くの資料が、山のように積み上げられている。
その中央で、彼は眉間に深い皺を寄せ、一枚一枚の書類に鋭い視線を走らせていた。
その目は、国政の重要案件を裁可する時と同じ。いや、それ以上に真剣で、情熱的な光を宿していた。
彼は、仕事をしているのではなかった。
父親として、娘の未来を必死で切り拓こうとしているのだ。
これまで彼が家庭を顧みなかったのは、愛情がなかったからではないのかもしれない。
彼にとって、国に尽くし、公爵家を守り抜くことこそが、家族への最大の愛情表現だったのではないか。
そして今、彼は初めて、「娘の教育」という名の、新しい「仕事」に全力で取り組んでいる。
不器用で、遠回りで、でも、これ以上なく誠実な愛情の形。
「どうした。そこにいるのだろう」
私の気配に気づいたのか、レオナルドが鋭く声をかけてきた。
私は観念して、静かに部屋に入る。
「……申し訳ありません。お邪魔をするつもりは」
「構わん。それより、お前も目を通せ」
彼はそう言うと、机の上に広げられた数枚の書類を、顎でしゃくった。
それは、彼が一次選考で選び抜いた、最終候補者たちのリストだった。
「お前が母親として見て、どう思うか意見を聞かせろ」
その言葉は、命令だった。
だが、同時に、私を対等なパートナーとして認めている証でもあった。
私はトレイを置くと、彼の隣に立ち、真剣な眼差しで書類を読み込み始めた。
「この方は……素晴らしい経歴ですわね。でも、少し厳しすぎるかもしれません。今のイザベラには、まず自信を持たせてくれる方が……」
「ふむ。……では、この女魔術師はどうか。温厚な人柄で知られているが」
「ええ、素敵ですわ。ただ、専門が古代魔法というのは、少し特殊すぎないでしょうか。基礎を学ぶ段階では、もっと普遍的な知識を持つ方が……」
私たちが交わすのは、夫婦の会話というよりは、一つのプロジェクトを成功させるための、戦略会議のようだった。
だが、そのやり取りが、私にはたまらなく心地よかった。
彼の隣に立ち、同じ目的のために、共に頭を悩ませる。
今まで考えたこともなかった、夫婦の形。
ふと、書類をめくる彼の指先に、小さな切り傷があるのに気づいた。
おそらく、大量の紙で切ってしまったのだろう。
その小さな傷が、彼の奮闘を何よりも雄弁に物語っていた。
私の胸の奥が、きゅうっと甘く痛んだ。
この人は、本当に不器用な人だ。
そして、本当に、深い愛情を持った人だ。
「あなた」
私は無意識に、彼の手にそっと触れていた。
レオナルドは驚いて、私の顔を見る。
その鋼色の瞳が、戸惑いに揺れていた。
「……ありがとうございます。イザベラのために、これほどまでに尽くしてくださって」
私が心からの感謝を伝えると、彼は気まずそうに視線を逸らした。
そして、耳がほんのりと赤く染まっているのを、私は見逃さなかった。
氷の公爵様の、初めて見る動揺だった。
「……当然のことを、しているまでだ」
彼はそう吐き捨てると、私の手に触れていた自分の手を、慌てたように引っこめた。
その仕草が、なぜだかとても愛おしく思えた。
結局、その夜も結論は出なかった。
レオナルドの厳しい基準をクリアできる候補者は、まだ見つかっていない。
だが、私は少しも不安ではなかった。
彼がこれほど真剣になってくれているのなら、必ず最高の教師が見つかるはずだ。
執務室を後にする私に、レオナルドが背後から声をかけた。
「……そのスープ、悪くなかった。また頼む」
振り返らずに、私は「はい、喜んで」と答えた。
扉を閉めた背中が、熱い。
私の心は、夫の知らなかった情熱的な一面に触れ、かつてないほどに高揚していた。
これは、ただの尊敬だろうか。それとも、感謝だろうか。
あるいは、私がとうの昔に諦めていたはずの、妻としての淡い恋心なのかもしれない。
まだ名前のつけられないその感情を胸に、私は自分の部屋へと続く廊下を、少しだけ弾むような足取りで歩いていくのだった。
これまでとは違う種類の緊張感が、静かに張り詰めている。
執務室からはひっきりなしに人の出入りがあり、早馬が何度も門を出入りする音が聞こえた。
その全てが、私の「お願い」に端を発していることを、私は肌で感じていた。
正直に言えば、半信半疑だった部分もある。
あれだけ家庭に無関心だった彼が、本当に動いてくれるのだろうか、と。
だが、その疑念は、翌日の午後には木っ端微塵に打ち砕かれた。
執事が、私の部屋を訪れたのだ。
その腕には、分厚い革のファイルが何冊も抱えられていた。
「奥様。旦那様より、こちらをご確認いただきたいとのことです」
執事はそう言うと、ファイルをテーブルの上に恭しく並べた。
その量に、私は思わず目を見開く。
「これは……?」
「イザベラお嬢様の、魔法の家庭教師候補者リストでございます」
ファイルを開いた私は、息を呑んだ。
そこには、候補者一人ひとりの詳細な経歴が、びっしりと記されていた。
名前、年齢、所属、専門分野、指導実績。
果ては、その人物の性格や思想、交友関係に至るまで。
まるで、国の重要人物を調査した機密報告書のようだった。
そして、そこに並ぶ名前の、錚々たること。
王宮魔術師団の副師団長。
魔術師団を引退し、辺境で隠居生活を送るという伝説の大賢者。
隣国の魔法アカデミーで教鞭をとる、若き天才魔導師。
中には、ドワーフの国に住むという、古代魔法の研究者まで含まれていた。
「……これを、たった一日で?」
私の声は、驚きで震えていた。
尋常な情報収集能力ではない。
公爵家の情報網を最大限に活用したとしても、これだけの情報をこれほどの速度で集められるものではないだろう。
これは、レオナルド・フォン・エルグランドという個人の、執念の産物だった。
「旦那様は昨夜、一睡もされておりません。徹夜で各地の諜報員に指示を出し、リストを作成しておいででした」
執事は、淡々と事実を告げる。
その言葉に、私は胸を突かれた。
あの後、彼はすぐに動き出し、文字通り寝る間も惜しんで、娘のために奔走してくれていたのだ。
その事実が、じわりと胸の奥を温かくした。
「ですが」と執事は続けた。
「旦那様は、このリストの誰一人として、まだご満足なされておりません。『帯に短し襷に長し』。そう仰せでした」
私は改めて、リストに目を通した。
どの人物も、私から見れば望外と言えるほどの実力者ばかりだ。
だが、レオナルドの目には、彼らの欠点が見えているのだろう。
この人物は性格に難がある。この人物は指導経験が少ない。この人物は思想がエルグランド家の方針と合わない。
彼の完璧主義が、一切の妥協を許さないのだ。
その日の夜。
私は、昨夜と同じように夜食のトレイを手に、彼の執務室へと向かった。
扉の前まで来ると、中からレオナルドの苛立ったような低い声が漏れ聞こえてくる。
相手は、執事のようだった。
「論外だ。この男は確かに実力はあるが、金に汚いという噂がある。娘を金蔓としか見ないような人間に、教育を任せられるか」
「では、こちらの元騎士団長はいかがでしょう。人格は高潔そのものですが」
「専門が戦闘魔法に偏りすぎている。娘に必要なのは、力そのものではなく、力を制御する術だ。目的が違う」
私は、扉を開けるのをためらった。
彼の仕事の邪魔をしてはいけない。
そう思い、そっと扉の隙間から中の様子を窺う。
そこには、私が今まで見たことのないレオナルドの姿があった。
机の上には、昨日私が見たものよりもさらに多くの資料が、山のように積み上げられている。
その中央で、彼は眉間に深い皺を寄せ、一枚一枚の書類に鋭い視線を走らせていた。
その目は、国政の重要案件を裁可する時と同じ。いや、それ以上に真剣で、情熱的な光を宿していた。
彼は、仕事をしているのではなかった。
父親として、娘の未来を必死で切り拓こうとしているのだ。
これまで彼が家庭を顧みなかったのは、愛情がなかったからではないのかもしれない。
彼にとって、国に尽くし、公爵家を守り抜くことこそが、家族への最大の愛情表現だったのではないか。
そして今、彼は初めて、「娘の教育」という名の、新しい「仕事」に全力で取り組んでいる。
不器用で、遠回りで、でも、これ以上なく誠実な愛情の形。
「どうした。そこにいるのだろう」
私の気配に気づいたのか、レオナルドが鋭く声をかけてきた。
私は観念して、静かに部屋に入る。
「……申し訳ありません。お邪魔をするつもりは」
「構わん。それより、お前も目を通せ」
彼はそう言うと、机の上に広げられた数枚の書類を、顎でしゃくった。
それは、彼が一次選考で選び抜いた、最終候補者たちのリストだった。
「お前が母親として見て、どう思うか意見を聞かせろ」
その言葉は、命令だった。
だが、同時に、私を対等なパートナーとして認めている証でもあった。
私はトレイを置くと、彼の隣に立ち、真剣な眼差しで書類を読み込み始めた。
「この方は……素晴らしい経歴ですわね。でも、少し厳しすぎるかもしれません。今のイザベラには、まず自信を持たせてくれる方が……」
「ふむ。……では、この女魔術師はどうか。温厚な人柄で知られているが」
「ええ、素敵ですわ。ただ、専門が古代魔法というのは、少し特殊すぎないでしょうか。基礎を学ぶ段階では、もっと普遍的な知識を持つ方が……」
私たちが交わすのは、夫婦の会話というよりは、一つのプロジェクトを成功させるための、戦略会議のようだった。
だが、そのやり取りが、私にはたまらなく心地よかった。
彼の隣に立ち、同じ目的のために、共に頭を悩ませる。
今まで考えたこともなかった、夫婦の形。
ふと、書類をめくる彼の指先に、小さな切り傷があるのに気づいた。
おそらく、大量の紙で切ってしまったのだろう。
その小さな傷が、彼の奮闘を何よりも雄弁に物語っていた。
私の胸の奥が、きゅうっと甘く痛んだ。
この人は、本当に不器用な人だ。
そして、本当に、深い愛情を持った人だ。
「あなた」
私は無意識に、彼の手にそっと触れていた。
レオナルドは驚いて、私の顔を見る。
その鋼色の瞳が、戸惑いに揺れていた。
「……ありがとうございます。イザベラのために、これほどまでに尽くしてくださって」
私が心からの感謝を伝えると、彼は気まずそうに視線を逸らした。
そして、耳がほんのりと赤く染まっているのを、私は見逃さなかった。
氷の公爵様の、初めて見る動揺だった。
「……当然のことを、しているまでだ」
彼はそう吐き捨てると、私の手に触れていた自分の手を、慌てたように引っこめた。
その仕草が、なぜだかとても愛おしく思えた。
結局、その夜も結論は出なかった。
レオナルドの厳しい基準をクリアできる候補者は、まだ見つかっていない。
だが、私は少しも不安ではなかった。
彼がこれほど真剣になってくれているのなら、必ず最高の教師が見つかるはずだ。
執務室を後にする私に、レオナルドが背後から声をかけた。
「……そのスープ、悪くなかった。また頼む」
振り返らずに、私は「はい、喜んで」と答えた。
扉を閉めた背中が、熱い。
私の心は、夫の知らなかった情熱的な一面に触れ、かつてないほどに高揚していた。
これは、ただの尊敬だろうか。それとも、感謝だろうか。
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