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第八十四話 竜の道
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レオンとゼノヴィアが遺跡の入り口で死闘を繰り広げている頃。
私とカイザーは、遺跡の深部へと続く長い長い通路を駆け抜けていた。
背後からは時折、空間が揺れるほどの凄まじい魔力の衝突が伝わってくる。
二人が命を懸けて、私たちのために道を作ってくれている。
その無言の信頼が、私たちの足を前に、前にと進ませていた。
通路は次第にその様相を変えていった。
最初は人工的に作られた石畳の道だったが、やがてそれは自然の洞窟のようなごつごつとした岩肌へと変わっていく。
道は複雑に入り組み、まるで迷宮のようだった。
いくつもの分かれ道。
そのどれが正解の道なのか。
「……こっちだ」
カイザーは一切迷わなかった。
彼はその竜としての超感覚で、この遺跡の中心から放たれる微かな、しかし邪悪な魔力の流れを正確に感じ取っているのだ。
私たちは走り続けた。
だが、敵も黙って私たちを通してくれるわけではなかった。
ガシャアン!
突然、私たちの目の前の天井が崩れ落ちてきた。
巨大な岩石が道を完全に塞いでしまう。
「……罠か」
カイザーが忌々しげに舌打ちをする。
その岩の向こう側から、邪神の眷属たちの甲高い鳴き声が聞こえてくる。
彼らはこうして私たちの行く手を阻み、時間を稼ぐつもりなのだ。
「私がやります!」
私は一歩前に出た。
そして白き水晶の杖を構える。
「光よ!」
杖の先端から凝縮された光の矢が放たれた。
それは一直線に巨大な岩石へと突き刺さる。
ズガアアンッ!
凄まじい轟音と共に、岩石は粉々に砕け散った。
その威力は以前とは比べ物にならない。
カイザーとの絆が、私の聖なる力をさらに高みへと引き上げてくれているのだ。
だが。
砕け散った岩の向こう側。
そこにはおびただしい数の眷属たちが壁のように立ちはだかっていた。
「……きりがない!」
私が次の攻撃を準備しようとした、その時。
カイザーが私の前に立った。
「……アリア。下がるんだ」
その声は静かだったが、絶対的な自信に満ちていた。
「ここからは俺のやり方で行く」
「え……?」
私が戸惑っていると。
彼の体は再び眩い光に包まれた。
人型から、あの神々しい黒竜の姿へと。
狭い洞窟の中には収まりきらないほどの巨大な体。
だが、彼はその巨体を巧みにしならせ、この地下空間にその身を横たえた。
その黄金の瞳が、前方に立ちはだかる眷属の壁を冷ややかに見据える。
「……道を開けろ、虫けらども」
その低い唸り声。
それだけで眷属たちが恐怖に後ずさる。
そしてカイザーは、その巨大な顎をゆっくりと開いた。
喉の奥。
世界の全てを焼き尽くす紅蓮の炎が渦を巻く。
ブレス。
「カイザー様、だめ!」
私は思わず叫んだ。
こんな狭い密閉空間でブレスを放てば、私たち自身もただでは済まない。
だが、彼が放ったのは炎ではなかった。
それは、純粋な力の奔流。
衝撃波。
グオオオオオオオオオオッ!!!
咆哮の形をとった破壊の波動が、一直線に洞窟の中を突き進んでいった。
眷属の壁はまるで紙屑のように、いとも簡単に吹き飛ばされる。
それだけではない。
衝撃波は眷属たちを飲み込んだ後もその威力を衰えさせることなく、洞窟の壁そのものを粉々に打ち砕きながら突き進んでいく。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!
遺跡全体が悲鳴を上げるように激しく揺れる。
天井から岩が降り注ぐ。
だが、その全てはカイザーの硬い鱗に弾かれ、私たちに届くことはない。
彼は自らの力で、この複雑な迷宮を破壊し、新たな道を創造したのだ。
一直線の最短ルートを。
竜の道。
やがて衝撃波が収まった時。
私たちの目の前には、巨大な風穴が空いていた。
その穴の向こう側。
遥か遠くに、微かな光が見えた。
禍々しい紫色の光。
祭壇の光だ。
「……行くぞ」
カイザーは竜の姿のまま、その巨体で自らが開けた道を突き進んでいく。
私はその広い背中にしっかりと しがみつく。
彼の圧倒的な力。
それはただ破壊のためだけにあるのではない。
道を切り拓くための力。
愛する者をその目的地へと導くための力。
私は彼の温かい背中に頬を寄せた。
もう、迷わない。
この竜の道が続く、その先へ。
私たちは必ずたどり着く。
そして、この忌まわしい戦いを終わらせるのだ。
決戦の地は、もう目と鼻の先だった。
私とカイザーは、遺跡の深部へと続く長い長い通路を駆け抜けていた。
背後からは時折、空間が揺れるほどの凄まじい魔力の衝突が伝わってくる。
二人が命を懸けて、私たちのために道を作ってくれている。
その無言の信頼が、私たちの足を前に、前にと進ませていた。
通路は次第にその様相を変えていった。
最初は人工的に作られた石畳の道だったが、やがてそれは自然の洞窟のようなごつごつとした岩肌へと変わっていく。
道は複雑に入り組み、まるで迷宮のようだった。
いくつもの分かれ道。
そのどれが正解の道なのか。
「……こっちだ」
カイザーは一切迷わなかった。
彼はその竜としての超感覚で、この遺跡の中心から放たれる微かな、しかし邪悪な魔力の流れを正確に感じ取っているのだ。
私たちは走り続けた。
だが、敵も黙って私たちを通してくれるわけではなかった。
ガシャアン!
突然、私たちの目の前の天井が崩れ落ちてきた。
巨大な岩石が道を完全に塞いでしまう。
「……罠か」
カイザーが忌々しげに舌打ちをする。
その岩の向こう側から、邪神の眷属たちの甲高い鳴き声が聞こえてくる。
彼らはこうして私たちの行く手を阻み、時間を稼ぐつもりなのだ。
「私がやります!」
私は一歩前に出た。
そして白き水晶の杖を構える。
「光よ!」
杖の先端から凝縮された光の矢が放たれた。
それは一直線に巨大な岩石へと突き刺さる。
ズガアアンッ!
凄まじい轟音と共に、岩石は粉々に砕け散った。
その威力は以前とは比べ物にならない。
カイザーとの絆が、私の聖なる力をさらに高みへと引き上げてくれているのだ。
だが。
砕け散った岩の向こう側。
そこにはおびただしい数の眷属たちが壁のように立ちはだかっていた。
「……きりがない!」
私が次の攻撃を準備しようとした、その時。
カイザーが私の前に立った。
「……アリア。下がるんだ」
その声は静かだったが、絶対的な自信に満ちていた。
「ここからは俺のやり方で行く」
「え……?」
私が戸惑っていると。
彼の体は再び眩い光に包まれた。
人型から、あの神々しい黒竜の姿へと。
狭い洞窟の中には収まりきらないほどの巨大な体。
だが、彼はその巨体を巧みにしならせ、この地下空間にその身を横たえた。
その黄金の瞳が、前方に立ちはだかる眷属の壁を冷ややかに見据える。
「……道を開けろ、虫けらども」
その低い唸り声。
それだけで眷属たちが恐怖に後ずさる。
そしてカイザーは、その巨大な顎をゆっくりと開いた。
喉の奥。
世界の全てを焼き尽くす紅蓮の炎が渦を巻く。
ブレス。
「カイザー様、だめ!」
私は思わず叫んだ。
こんな狭い密閉空間でブレスを放てば、私たち自身もただでは済まない。
だが、彼が放ったのは炎ではなかった。
それは、純粋な力の奔流。
衝撃波。
グオオオオオオオオオオッ!!!
咆哮の形をとった破壊の波動が、一直線に洞窟の中を突き進んでいった。
眷属の壁はまるで紙屑のように、いとも簡単に吹き飛ばされる。
それだけではない。
衝撃波は眷属たちを飲み込んだ後もその威力を衰えさせることなく、洞窟の壁そのものを粉々に打ち砕きながら突き進んでいく。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!
遺跡全体が悲鳴を上げるように激しく揺れる。
天井から岩が降り注ぐ。
だが、その全てはカイザーの硬い鱗に弾かれ、私たちに届くことはない。
彼は自らの力で、この複雑な迷宮を破壊し、新たな道を創造したのだ。
一直線の最短ルートを。
竜の道。
やがて衝撃波が収まった時。
私たちの目の前には、巨大な風穴が空いていた。
その穴の向こう側。
遥か遠くに、微かな光が見えた。
禍々しい紫色の光。
祭壇の光だ。
「……行くぞ」
カイザーは竜の姿のまま、その巨体で自らが開けた道を突き進んでいく。
私はその広い背中にしっかりと しがみつく。
彼の圧倒的な力。
それはただ破壊のためだけにあるのではない。
道を切り拓くための力。
愛する者をその目的地へと導くための力。
私は彼の温かい背中に頬を寄せた。
もう、迷わない。
この竜の道が続く、その先へ。
私たちは必ずたどり着く。
そして、この忌まわしい戦いを終わらせるのだ。
決戦の地は、もう目と鼻の先だった。
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