5 / 50
第五話 銀色の神獣
しおりを挟む
床に残された魔石と錆びた大剣。ガーディアンスケルトンが存在していた唯一の証だ。俺はそれを拾い上げ、改めて【神の眼】で鑑定した。
【アイテム名】魂の宿る大剣
【ランク】B(封印状態)
【状態】呪詛による劣化、錆の付着。本来の性能が著しく低下している。
【詳細】古代の鍛冶師が魂を込めて作り上げた魔剣。聖なる銀で浄化し、研磨することで真の力を解放する。解放後は、使用者の魔力に応じて切れ味が増す特性を持つ。
【真の名称】ソウルイーター
「……ソウルイーターだと?」
ただの錆びた剣ではなかった。適切な処置を施せば、Bランク級の強力な魔剣になるという。こんな情報、通常の鑑定スキルでは到底見抜けない。アレクシスたちがこれを見つけたとしても、価値のないガラクタだと判断して捨て置いただろう。
「これも、神の眼の力か」
俺はソウルイーターを慎重に背負った。今の俺にはこれを浄化する手段がないが、いずれ必ず役に立つ時が来るはずだ。
興奮で高鳴る心臓を落ち着かせ、俺は再びダンジョンの奥へと歩を進めた。
通路は迷路のように入り組んでいたが、【神の眼】は壁の向こう側にある通路の構造や、床下に隠された罠の位置までも見通すことができた。
【警告:前方5メートル、床下に感圧式の落とし穴。深さ10メートル。底には毒を塗った杭】
【警告:前方通路の壁、左右に矢の発射口。赤外線感知式の罠】
次々と現れるウィンドウの警告に従い、俺はまるで答えを知っているパズルを解くかのように、罠を一つずつ解除していく。もし【神の眼】がなければ、最初の落とし穴で俺は確実に死んでいただろう。
かつてのパーティーでの探索を思い出す。罠の可能性がある場所では、いつも俺が先頭に立たされた。鑑定で危険を察知し、皆を安全なルートへ導く。それでも、リリアナは言った。「あなたの慎重さは臆病なだけ。もっと大胆に進めないの?」と。
「……ふん。大胆に進んだ結果が、串刺しか」
皮肉な笑みが、自然と口元に浮かんだ。
彼らがいかに、俺の地道な貢献の上で安穏と冒険していたか。今ごろ思い知っていればいい。いや、おそらく彼らは気づきもしないだろう。自分たちの実力で切り抜けてきたと、今も信じているに違いない。
そんなことを考えながら進んでいると、やがて通路は終わりを告げ、巨大なドーム状の空間に出た。
そこは、まるで神殿だった。
天井は遥か高く、どこからか差し込む淡い光が、空間全体を幻想的に照らしている。壁には星図のような精密な模様が描かれ、床には巨大な魔法陣が刻まれていた。空気中に満ちる魔素の密度は、入り口付近とは比較にならないほど濃い。
そして、その空間の中央。
一段高くなった円形の祭壇の上に、それはいた。
最初は、銀色の毛玉にしか見えなかった。
近づくにつれて、その正体が分かる。銀色の美しい毛並みを持つ、子犬ほどの大きさの獣。狼に似ているが、その姿は気品に満ち、神々しささえ感じさせた。
だが、その神々しい獣はひどく弱っているようだった。祭壇に繋がれた黒い鎖に身を縛られ、ぐったりと体を横たえている。呼吸は浅く、時折か細い声で「くぅん」と鳴くだけだった。
俺は息を殺し、【神の眼】を集中させた。
鑑定結果が、俺の脳を揺さぶる。
【名前】フェン(名を持たないため仮称)
【種族】神獣(フェンリル)
【ランク】???(測定不能)
【状態】極度の衰弱、魔力欠乏、主との契約喪失による存在希薄化。このままでは24時間以内に消滅する。
【弱点】なし
【スキル】
・???(封印)
・???(封印)
・???(封印)
【詳細】
月の女神に仕えし伝説の神獣フェンリルの幼体。遥か昔、主と共にこの神殿を守っていたが、主が命を落としたことで魔力供給が途絶え、永い眠りについていた。侵入者の魔力に反応して覚醒したが、蓄積された魔力は既に尽きかけている。
【契約条件】
純粋な魔力を持つ者が、自らの魔力を分け与え、魂の共鳴に成功した場合、新たな主として認識し、主従契約を結ぶ。契約者はフェンリルの絶大な力の一部を行使する権利を得る。
「……神獣、フェンリル……」
嘘だろう。おとぎ話や英雄譚にしか出てこない、伝説の中の存在。それが、今、目の前で死にかけている。
ランクは測定不能。スキルはすべて封印されているが、そのポテンシャルは計り知れない。
俺はゴクリと唾を飲んだ。
神獣と契約する。
それは、どんな冒険者にとっても夢物語だ。もし成功すれば、俺は文字通り世界でも指折りの力を手にすることになる。アレクシスたちを見返すどころの話ではない。英雄や賢者と呼ばれる存在と、肩を並べることさえ可能になるかもしれない。
だが、リスクも大きい。
【神の眼】は「純粋な魔力を持つ者」と示しているが、それが俺に当てはまる保証はない。鑑定士である俺の魔力量は、お世辞にも多いとは言えない。下手に魔力を分け与えれば、俺自身が衰弱し、共倒れになる可能性だってある。
どうする?
見過ごして、このダンジョンから立ち去るか?
安全な道を選び、薬草採取の報酬である銀貨5枚を握りしめて、辺境の街で地道に暮らすか?
それとも、この千載一遇のチャンスに、すべてを賭けるか?
俺は、祭壇の上で弱々しく横たわる銀色の獣を見た。
その金色の瞳が、わずかに俺の方を向いた気がした。そこには、何の力も敵意もない。ただ、永い孤独と、消えゆく命の儚さだけが揺らめいていた。
その瞳を見た瞬間、俺の心は決まった。
損得勘定や、復讐心だけではない。
俺も、捨てられた。
信じていた仲間から、無価値だと断じられ、一人で闇の中に突き落とされた。
この小さな神獣も、主を失い、誰にも知られず、たった独りで消えようとしている。
「……冗談じゃない」
俺は呟き、祭壇に向かって歩き出した。
「俺もお前と同じ、捨てられた身だ。そんなお前を見捨てて、俺だけが生き延びるなんて、できるわけないだろう」
理屈じゃない。これは、俺の意地だ。
もしここで失敗して死ぬなら、それも俺の運命だ。だが、何もしないで後悔するより、ずっといい。
俺は祭壇の前に立つと、震える手を伸ばした。
ぐったりとしていたフェンリルが、俺の気配に気づき、最後の力を振り絞るように頭を上げた。その金色の瞳が、まっすぐに俺を捉える。
俺は意を決して、その小さな頭に、そっと手を置いた。
ひんやりとした、しかし驚くほど柔らかな毛皮の感触。
俺は目を閉じ、体内のけっして多くはない魔力を、すべてその小さな体に注ぎ込むイメージを描いた。
さあ、どうなる。俺の運命は、ここですべて決まる。
【アイテム名】魂の宿る大剣
【ランク】B(封印状態)
【状態】呪詛による劣化、錆の付着。本来の性能が著しく低下している。
【詳細】古代の鍛冶師が魂を込めて作り上げた魔剣。聖なる銀で浄化し、研磨することで真の力を解放する。解放後は、使用者の魔力に応じて切れ味が増す特性を持つ。
【真の名称】ソウルイーター
「……ソウルイーターだと?」
ただの錆びた剣ではなかった。適切な処置を施せば、Bランク級の強力な魔剣になるという。こんな情報、通常の鑑定スキルでは到底見抜けない。アレクシスたちがこれを見つけたとしても、価値のないガラクタだと判断して捨て置いただろう。
「これも、神の眼の力か」
俺はソウルイーターを慎重に背負った。今の俺にはこれを浄化する手段がないが、いずれ必ず役に立つ時が来るはずだ。
興奮で高鳴る心臓を落ち着かせ、俺は再びダンジョンの奥へと歩を進めた。
通路は迷路のように入り組んでいたが、【神の眼】は壁の向こう側にある通路の構造や、床下に隠された罠の位置までも見通すことができた。
【警告:前方5メートル、床下に感圧式の落とし穴。深さ10メートル。底には毒を塗った杭】
【警告:前方通路の壁、左右に矢の発射口。赤外線感知式の罠】
次々と現れるウィンドウの警告に従い、俺はまるで答えを知っているパズルを解くかのように、罠を一つずつ解除していく。もし【神の眼】がなければ、最初の落とし穴で俺は確実に死んでいただろう。
かつてのパーティーでの探索を思い出す。罠の可能性がある場所では、いつも俺が先頭に立たされた。鑑定で危険を察知し、皆を安全なルートへ導く。それでも、リリアナは言った。「あなたの慎重さは臆病なだけ。もっと大胆に進めないの?」と。
「……ふん。大胆に進んだ結果が、串刺しか」
皮肉な笑みが、自然と口元に浮かんだ。
彼らがいかに、俺の地道な貢献の上で安穏と冒険していたか。今ごろ思い知っていればいい。いや、おそらく彼らは気づきもしないだろう。自分たちの実力で切り抜けてきたと、今も信じているに違いない。
そんなことを考えながら進んでいると、やがて通路は終わりを告げ、巨大なドーム状の空間に出た。
そこは、まるで神殿だった。
天井は遥か高く、どこからか差し込む淡い光が、空間全体を幻想的に照らしている。壁には星図のような精密な模様が描かれ、床には巨大な魔法陣が刻まれていた。空気中に満ちる魔素の密度は、入り口付近とは比較にならないほど濃い。
そして、その空間の中央。
一段高くなった円形の祭壇の上に、それはいた。
最初は、銀色の毛玉にしか見えなかった。
近づくにつれて、その正体が分かる。銀色の美しい毛並みを持つ、子犬ほどの大きさの獣。狼に似ているが、その姿は気品に満ち、神々しささえ感じさせた。
だが、その神々しい獣はひどく弱っているようだった。祭壇に繋がれた黒い鎖に身を縛られ、ぐったりと体を横たえている。呼吸は浅く、時折か細い声で「くぅん」と鳴くだけだった。
俺は息を殺し、【神の眼】を集中させた。
鑑定結果が、俺の脳を揺さぶる。
【名前】フェン(名を持たないため仮称)
【種族】神獣(フェンリル)
【ランク】???(測定不能)
【状態】極度の衰弱、魔力欠乏、主との契約喪失による存在希薄化。このままでは24時間以内に消滅する。
【弱点】なし
【スキル】
・???(封印)
・???(封印)
・???(封印)
【詳細】
月の女神に仕えし伝説の神獣フェンリルの幼体。遥か昔、主と共にこの神殿を守っていたが、主が命を落としたことで魔力供給が途絶え、永い眠りについていた。侵入者の魔力に反応して覚醒したが、蓄積された魔力は既に尽きかけている。
【契約条件】
純粋な魔力を持つ者が、自らの魔力を分け与え、魂の共鳴に成功した場合、新たな主として認識し、主従契約を結ぶ。契約者はフェンリルの絶大な力の一部を行使する権利を得る。
「……神獣、フェンリル……」
嘘だろう。おとぎ話や英雄譚にしか出てこない、伝説の中の存在。それが、今、目の前で死にかけている。
ランクは測定不能。スキルはすべて封印されているが、そのポテンシャルは計り知れない。
俺はゴクリと唾を飲んだ。
神獣と契約する。
それは、どんな冒険者にとっても夢物語だ。もし成功すれば、俺は文字通り世界でも指折りの力を手にすることになる。アレクシスたちを見返すどころの話ではない。英雄や賢者と呼ばれる存在と、肩を並べることさえ可能になるかもしれない。
だが、リスクも大きい。
【神の眼】は「純粋な魔力を持つ者」と示しているが、それが俺に当てはまる保証はない。鑑定士である俺の魔力量は、お世辞にも多いとは言えない。下手に魔力を分け与えれば、俺自身が衰弱し、共倒れになる可能性だってある。
どうする?
見過ごして、このダンジョンから立ち去るか?
安全な道を選び、薬草採取の報酬である銀貨5枚を握りしめて、辺境の街で地道に暮らすか?
それとも、この千載一遇のチャンスに、すべてを賭けるか?
俺は、祭壇の上で弱々しく横たわる銀色の獣を見た。
その金色の瞳が、わずかに俺の方を向いた気がした。そこには、何の力も敵意もない。ただ、永い孤独と、消えゆく命の儚さだけが揺らめいていた。
その瞳を見た瞬間、俺の心は決まった。
損得勘定や、復讐心だけではない。
俺も、捨てられた。
信じていた仲間から、無価値だと断じられ、一人で闇の中に突き落とされた。
この小さな神獣も、主を失い、誰にも知られず、たった独りで消えようとしている。
「……冗談じゃない」
俺は呟き、祭壇に向かって歩き出した。
「俺もお前と同じ、捨てられた身だ。そんなお前を見捨てて、俺だけが生き延びるなんて、できるわけないだろう」
理屈じゃない。これは、俺の意地だ。
もしここで失敗して死ぬなら、それも俺の運命だ。だが、何もしないで後悔するより、ずっといい。
俺は祭壇の前に立つと、震える手を伸ばした。
ぐったりとしていたフェンリルが、俺の気配に気づき、最後の力を振り絞るように頭を上げた。その金色の瞳が、まっすぐに俺を捉える。
俺は意を決して、その小さな頭に、そっと手を置いた。
ひんやりとした、しかし驚くほど柔らかな毛皮の感触。
俺は目を閉じ、体内のけっして多くはない魔力を、すべてその小さな体に注ぎ込むイメージを描いた。
さあ、どうなる。俺の運命は、ここですべて決まる。
180
あなたにおすすめの小説
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。
ヒツキノドカ
ファンタジー
誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。
そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。
しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。
身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。
そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。
姿は美しい白髪の少女に。
伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。
最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。
ーーーーーー
ーーー
閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります!
※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!
魔力ゼロで出来損ないと追放された俺、前世の物理学知識を魔法代わりに使ったら、天才ドワーフや魔王に懐かれて最強になっていた
黒崎隼人
ファンタジー
「お前は我が家の恥だ」――。
名門貴族の三男アレンは、魔力を持たずに生まれたというだけで家族に虐げられ、18歳の誕生日にすべてを奪われ追放された。
絶望の中、彼が死の淵で思い出したのは、物理学者として生きた前世の記憶。そして覚醒したのは、魔法とは全く異なる、世界の理そのものを操る力――【概念置換(コンセプト・シフト)】。
運動エネルギーの法則【E = 1/2mv²】で、小石は音速の弾丸と化す。
熱力学第二法則で、敵軍は絶対零度の世界に沈む。
そして、相対性理論【E = mc²】は、神をも打ち砕く一撃となる。
これは、魔力ゼロの少年が、科学という名の「本当の魔法」で理不尽な運命を覆し、心優しき仲間たちと共に、偽りの正義に支配された世界の真実を解き明かす物語。
「君の信じる常識は、本当に正しいのか?」
知的好奇心が、あなたの胸を熱くする。新時代のサイエンス・ファンタジーが、今、幕を開ける。
ザコ魔法使いの僕がダンジョンで1人ぼっち!魔獣に襲われても石化した僕は無敵状態!経験値が溜まり続けて気づいた時には最強魔導士に!?
さかいおさむ
ファンタジー
戦士は【スキル】と呼ばれる能力を持っている。
僕はスキルレベル1のザコ魔法使いだ。
そんな僕がある日、ダンジョン攻略に向かう戦士団に入ることに……
パーティに置いていかれ僕は1人ダンジョンに取り残される。
全身ケガだらけでもう助からないだろう……
諦めたその時、手に入れた宝を装備すると無敵の石化状態に!?
頑張って攻撃してくる魔獣には申し訳ないがダメージは皆無。経験値だけが溜まっていく。
気づけば全魔法がレベル100!?
そろそろ反撃開始してもいいですか?
内気な最強魔法使いの僕が美女たちと冒険しながら人助け!
世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~
aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」
勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......?
お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?
防御力ゼロと追放された盾使い、実は受けたダメージを100倍で反射する最強スキルを持ってました
黒崎隼人
ファンタジー
どんな攻撃も防げない【盾使い】のアッシュは、仲間から「歩く的」と罵られ、理不尽の限りを尽くされてパーティーを追放される。長年想いを寄せた少女にも裏切られ、全てを失った彼が死の淵で目覚めたのは、受けたダメージを百倍にして反射する攻防一体の最強スキルだった!
これは、無能と蔑まれた心優しき盾使いが、真の力に目覚め、最高の仲間と出会い、自分を虐げた者たちに鮮やかな鉄槌を下す、痛快な成り上がり英雄譚! 「もうお前たちの壁にはならない」――絶望の底から這い上がった男の、爽快な逆転劇が今、始まる。
復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」
孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。
だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。
1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。
スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。
それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。
それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。
増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。
一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。
これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。
【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】
その攻撃、収納する――――ッ!
【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。
理由は、マジックバッグを手に入れたから。
マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。
これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる