72 / 95
第72話:自給自足国家
しおりを挟む
俺が告げたあまりにも突拍子もない作戦名に、シルフィとリズベットは一瞬呆気に取られたような顔をした。
「……収穫祭? お頭、あんた、この状況で何を言ってるんだい?」
リズベットが信じられないといった様子で聞き返す。
「ええ。史上最大の収穫祭です」
俺は真剣な顔で頷いた。「敵の狙いは俺たちを孤立させ、疲弊させること。ならば俺たちはその逆を行く。この籠城生活を楽しんでみせる。俺たちの村がどれほど豊かで、いかなる状況でも揺らぐことのない真の『理想郷』であるかを、敵に、そして世界に見せつけてやるんだ」
俺の作戦の意図を理解した二人の顔に、やがて悪戯っぽい笑みが浮かんだ。
「……なるほど。物理的な攻撃ではなく、精神的な攻撃で敵の心を折るというわけですね。実にあなたらしい、意地の悪い作戦ですわ」
シルフィが楽しそうに微笑む。
「へっ、面白え! 最高じゃねえか! 奴らが飢えと寒さで震えてる横で、アタシたちは美味い飯食って宴会を開くってわけかい! これ以上痛快な仕返しはねえな!」
リズベットも腹を抱えて笑った。
俺たちの奇妙な反撃作戦は、その日のうちから開始された。
まず、俺は【ガイア・ウェザー】を使い、村の上空だけを穏やかな晴天へと変えた。壁一枚隔てた外では冷たい風が吹き荒れているというのに、村の中だけは春のような暖かな陽光が降り注いでいる。
次に、俺は村人たちをシェルターから出し、広場に集めた。
そして、宣言した。
「皆、聞いてくれ! 今日から毎日が収穫祭だ!」
俺の言葉に最初は戸惑っていた村人たちも、俺の真意を理解するとやがて歓声を上げた。
恐怖に怯えているだけでは何も変わらない。ならば、この逆境を楽しんでやろう。アルカディアの民の底力が試される時だった。
広場には再び屋台が立ち並んだ。
オーギュストの食堂はこれまでにないほど豪華な料理を、毎日無料で振る舞った。ダンジョンの各階層から直送される新鮮で栄養満点の食材。グロウマッシュルームのステーキ、スタミナベリーのタルト、そして第四階層の爆炎唐辛子を使った体が芯から温まる激辛スープ。
その食欲をそそる匂いは風に乗って、壁の外の帝国軍の陣地まで容赦なく届けられた。
リズベットの工房では弟子たちが楽器を作り、村の音楽好きたちが陽気な音楽を奏で始めた。広場では昼夜を問わず宴が繰り広げられる。
シルフィは薬草を調合し、心安らぐ香りのアロマを村中に焚いた。それは周期的に響く砲撃の轟音によるストレスを和らげる効果があった。
俺たちの村は戦場とは思えないほどの平和と活気と、そして幸福な匂いに満ち溢れていた。
その光景は壁の外で、日に日に厳しい状況に追い込まれていく帝国軍の兵士たちにとって、まさに地獄の光景だった。
彼らが口にしているのは冷たく硬い携帯用のレーションだけ。
夜は寒さと、いつ飛んでくるか分からない砲撃の恐怖に怯えながら仮眠を取る。
そんな彼らの鼻腔を毎日毎日、香ばしい肉の焼ける匂いやパンの焼ける甘い香りがくすぐるのだ。
壁の向こうから聞こえてくる楽しげな音楽と人々の笑い声。
自分たちは一体何と戦っているのか。
何のためにこんな過酷な状況に耐えているのか。
兵士たちの心に疑念と、そして強烈な『羨望』が芽生え始めていた。
「……将軍閣下。兵士たちの間で動揺が広がっております」
帝国軍の本陣で、副官が苦々しい顔でヴァルケンハインに報告した。「敵は我々の兵糧攻めなど全く意に介していない模様。それどころか我々を挑発するかのように、連日祝祭を繰り広げております。兵たちの士気は日に日に低下しており……」
ヴァルケンハインは黙って望遠鏡で壁の内側の様子を眺めていた。
彼の鉄仮面のような表情は変わらない。
だが、その瞳の奥では彼の完璧な計算が根底から覆されつつあることへの、静かな焦りが渦巻いていた。
彼はアルカディアをただの要塞だと考えていた。
だが、違った。
この村はそれ自体が食料も資源も娯楽さえも、すべてを自給自足で生み出し続ける一個の『完結した世界』だったのだ。
外部からの補給を断つという兵糧攻めの概念が、そもそも通用しない相手だった。
それどころか補給を絶たれ先に飢えるのは、むしろ包囲している自分たちの方なのだ。
このまま長期戦になれば先に音を上げるのは、間違いなく帝国軍。
ヴァルケンハインは生まれて初めて自分の立てた作戦が完全に裏目に出たことを、認めざるを得なかった。
「……面白い」
彼は再びそう呟いた。
だが、その声にはもはや余裕の色はない。
「ここまで私を追い詰めるとはな。アルフォンス……。貴様はただの魔術師ではない。一つの国の王として認めてやらねばなるまい」
彼は望遠鏡を置くと静かに立ち上がった。
その顔には冷徹な計算者のものではなく、獲物を前にした一人の武人としての闘争本能が燃え上がっていた。
「……全軍に伝えろ」
彼は副官に最後の命令を下した。
「小細工は終わりだ」
「明日、夜明けと共に総攻撃を開始する」
ヴァルケンハインはついにその最大の切り札を切ることを決意した。
物量による一点突破。
鋼鉄の虐殺者と呼ばれた男の最も得意とする、そして最も残忍な戦術。
アルカディアの偽りの収穫祭は終わろうとしていた。
そして本当の、血で血を洗う最終決戦の火蓋が切って落とされようとしていた。
「……収穫祭? お頭、あんた、この状況で何を言ってるんだい?」
リズベットが信じられないといった様子で聞き返す。
「ええ。史上最大の収穫祭です」
俺は真剣な顔で頷いた。「敵の狙いは俺たちを孤立させ、疲弊させること。ならば俺たちはその逆を行く。この籠城生活を楽しんでみせる。俺たちの村がどれほど豊かで、いかなる状況でも揺らぐことのない真の『理想郷』であるかを、敵に、そして世界に見せつけてやるんだ」
俺の作戦の意図を理解した二人の顔に、やがて悪戯っぽい笑みが浮かんだ。
「……なるほど。物理的な攻撃ではなく、精神的な攻撃で敵の心を折るというわけですね。実にあなたらしい、意地の悪い作戦ですわ」
シルフィが楽しそうに微笑む。
「へっ、面白え! 最高じゃねえか! 奴らが飢えと寒さで震えてる横で、アタシたちは美味い飯食って宴会を開くってわけかい! これ以上痛快な仕返しはねえな!」
リズベットも腹を抱えて笑った。
俺たちの奇妙な反撃作戦は、その日のうちから開始された。
まず、俺は【ガイア・ウェザー】を使い、村の上空だけを穏やかな晴天へと変えた。壁一枚隔てた外では冷たい風が吹き荒れているというのに、村の中だけは春のような暖かな陽光が降り注いでいる。
次に、俺は村人たちをシェルターから出し、広場に集めた。
そして、宣言した。
「皆、聞いてくれ! 今日から毎日が収穫祭だ!」
俺の言葉に最初は戸惑っていた村人たちも、俺の真意を理解するとやがて歓声を上げた。
恐怖に怯えているだけでは何も変わらない。ならば、この逆境を楽しんでやろう。アルカディアの民の底力が試される時だった。
広場には再び屋台が立ち並んだ。
オーギュストの食堂はこれまでにないほど豪華な料理を、毎日無料で振る舞った。ダンジョンの各階層から直送される新鮮で栄養満点の食材。グロウマッシュルームのステーキ、スタミナベリーのタルト、そして第四階層の爆炎唐辛子を使った体が芯から温まる激辛スープ。
その食欲をそそる匂いは風に乗って、壁の外の帝国軍の陣地まで容赦なく届けられた。
リズベットの工房では弟子たちが楽器を作り、村の音楽好きたちが陽気な音楽を奏で始めた。広場では昼夜を問わず宴が繰り広げられる。
シルフィは薬草を調合し、心安らぐ香りのアロマを村中に焚いた。それは周期的に響く砲撃の轟音によるストレスを和らげる効果があった。
俺たちの村は戦場とは思えないほどの平和と活気と、そして幸福な匂いに満ち溢れていた。
その光景は壁の外で、日に日に厳しい状況に追い込まれていく帝国軍の兵士たちにとって、まさに地獄の光景だった。
彼らが口にしているのは冷たく硬い携帯用のレーションだけ。
夜は寒さと、いつ飛んでくるか分からない砲撃の恐怖に怯えながら仮眠を取る。
そんな彼らの鼻腔を毎日毎日、香ばしい肉の焼ける匂いやパンの焼ける甘い香りがくすぐるのだ。
壁の向こうから聞こえてくる楽しげな音楽と人々の笑い声。
自分たちは一体何と戦っているのか。
何のためにこんな過酷な状況に耐えているのか。
兵士たちの心に疑念と、そして強烈な『羨望』が芽生え始めていた。
「……将軍閣下。兵士たちの間で動揺が広がっております」
帝国軍の本陣で、副官が苦々しい顔でヴァルケンハインに報告した。「敵は我々の兵糧攻めなど全く意に介していない模様。それどころか我々を挑発するかのように、連日祝祭を繰り広げております。兵たちの士気は日に日に低下しており……」
ヴァルケンハインは黙って望遠鏡で壁の内側の様子を眺めていた。
彼の鉄仮面のような表情は変わらない。
だが、その瞳の奥では彼の完璧な計算が根底から覆されつつあることへの、静かな焦りが渦巻いていた。
彼はアルカディアをただの要塞だと考えていた。
だが、違った。
この村はそれ自体が食料も資源も娯楽さえも、すべてを自給自足で生み出し続ける一個の『完結した世界』だったのだ。
外部からの補給を断つという兵糧攻めの概念が、そもそも通用しない相手だった。
それどころか補給を絶たれ先に飢えるのは、むしろ包囲している自分たちの方なのだ。
このまま長期戦になれば先に音を上げるのは、間違いなく帝国軍。
ヴァルケンハインは生まれて初めて自分の立てた作戦が完全に裏目に出たことを、認めざるを得なかった。
「……面白い」
彼は再びそう呟いた。
だが、その声にはもはや余裕の色はない。
「ここまで私を追い詰めるとはな。アルフォンス……。貴様はただの魔術師ではない。一つの国の王として認めてやらねばなるまい」
彼は望遠鏡を置くと静かに立ち上がった。
その顔には冷徹な計算者のものではなく、獲物を前にした一人の武人としての闘争本能が燃え上がっていた。
「……全軍に伝えろ」
彼は副官に最後の命令を下した。
「小細工は終わりだ」
「明日、夜明けと共に総攻撃を開始する」
ヴァルケンハインはついにその最大の切り札を切ることを決意した。
物量による一点突破。
鋼鉄の虐殺者と呼ばれた男の最も得意とする、そして最も残忍な戦術。
アルカディアの偽りの収穫祭は終わろうとしていた。
そして本当の、血で血を洗う最終決戦の火蓋が切って落とされようとしていた。
11
あなたにおすすめの小説
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
《レベル∞》の万物創造スキルで追放された俺、辺境を開拓してたら気づけば神々の箱庭になっていた
夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティーの雑用係だったカイは、魔王討伐後「無能」の烙印を押され追放される。全てを失い、死を覚悟して流れ着いた「忘れられた辺境」。そこで彼のハズレスキルは真の姿《万物創造》へと覚醒した。
無から有を生み、世界の理すら書き換える神の如き力。カイはまず、生きるために快適な家を、豊かな畑を、そして清らかな川を創造する。荒れ果てた土地は、みるみるうちに楽園へと姿を変えていった。
やがて、彼の元には行き場を失った獣人の少女やエルフの賢者、ドワーフの鍛冶師など、心優しき仲間たちが集い始める。これは、追放された一人の青年が、大切な仲間たちと共に理想郷を築き、やがてその地が「神々の箱庭」と呼ばれるまでの物語。
お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。
幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』
電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。
龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。
そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。
盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。
当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。
今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。
ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。
ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ
「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」
全員の目と口が弧を描いたのが見えた。
一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。
作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌()
15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26
『ゴミ掃除』が役立たずと追放されたが、実は『存在抹消』級のチートだった。勇者一行がゴミで溺れているが、俺は辺境で美少女と温泉宿を経営中なので
eringi
ファンタジー
「悪いが、お前のスキル『ゴミ掃除』は魔王討伐の役には立たない。クビだ」
勇者パーティの雑用係だったアレクは、戦闘の役に立たないという理由で、ダンジョンの最深部手前で追放されてしまう。
しかし、勇者たちは気づいていなかった。
彼らの装備が常に新品同様だったのも、野営地が快適だったのも、襲い来る高レベルモンスターの死体が跡形もなく消えていたのも、すべてアレクが『掃除』していたからだということに。
アレクのスキルは単なる掃除ではない。対象を空間ごと削り取る『存在抹消』レベルの規格外チートだったのだ。
一人になったアレクは、気ままに生こうと辺境の廃村にたどり着く。
そこでボロボロになっていた伝説のフェンリル(美少女化)を『洗浄』して懐かれたり、呪われたエルフの姫君を『シミ抜き』して救ったりしているうちに、いつの間にかそこは世界最高峰の温泉宿になっていて……?
一方、アレクを失った勇者パーティは、武器は錆びつき、悪臭にまみれ、雑魚モンスターの処理すら追いつかず破滅の一途をたどっていた。
「今さら戻ってきてくれと言われても、俺はお客さん(美少女)の背中を流すのに忙しいんで」
これは、掃除屋の少年が無自覚に最強の座に君臨し、幸せなスローライフを送る物語。
借金まみれの錬金術師、趣味で作ったポーションがダンジョンで飛ぶように売れる~探索者の間で【伝説のエリクサー】として話題に~
わんた
ファンタジー
「今日中に出ていけ! 半年も家賃を滞納してるんだぞ!」
現代日本にダンジョンとスキルが存在する世界。
渋谷で錬金術師として働いていた裕真は、研究に没頭しすぎて店舗の家賃を払えず、ついに追い出されるハメになった。
私物と素材だけが残された彼に残された選択肢は――“現地販売”の行商スタイル!
「マスター、売ればいいんですよ。死にかけの探索者に、定価よりちょっと高めで」
提案したのは、裕真が自作した人工精霊・ユミだ。
家事万能、事務仕事完璧、なのにちょっとだけ辛辣だが、裕真にとっては何物にも代えがたい家族でありパートナーでもある。
裕真はギルドの後ろ盾、そして常識すらないけれど、素材とスキルとユミがいればきっと大丈夫。
錬金術のスキルだけで社会の荒波を乗り切る。
主人公無双×のんびり錬金スローライフ!
72時間ワンオペ死した元球児、女神の『ボッタクリ』通販と『絶対破壊不能』のノートPCで異世界最強のコンビニ・スローライフを始める
月神世一
ファンタジー
「剣? 魔法? いいえ、俺の武器は『鈍器になるノートPC』と『時速160kmの剛速球』です」
あらすじ
ブラックコンビニで72時間連続勤務の末、過労死した元甲子園優勝投手・赤木大地。
目覚めた彼を待っていたのは、コタツでソシャゲ三昧のダメ女神・ルチアナだった。
「手違いで死なせちゃった☆ 詫び石代わりにこれあげる」
渡されたのは、地球のAmazonもGoogleも使える『絶対破壊不能』のノートPC。
ただし、購入レートは定価の10倍という超ボッタクリ仕様!?
「ふざけんな! 俺は静かに暮らしたいんだよ!」
ブラック労働はもうこりごり。大地は異世界の緩衝地帯「ポポロ村」で、地球の物資とコンビニ知識、そして「うなる右腕(ジャイロボール)」を武器に、悠々自適なスローライフを目指す!
……はずが、可愛い月兎族の村長を助けたり、腹ペコのエルフ王女を餌付けしたり、気づけば村の英雄に!?
元球児が投げる「紅蓮の魔球」が唸り、女神の「ボッタクリ通販」が世界を変える!
異世界コンビニ・コメディ、開店ガラガラ!
『追放された底辺付与術師、実は【全自動化】のチートスキル持ちでした〜ブラックギルドを追い出されたので、辺境で商会を立ち上げたら勝手に世界規
NagiKurou
ファンタジー
「お前のような、一日中デスクに座って何もしない無能はクビだ!」
国内最大のギルド『栄光の剣』で、底辺の付与術師として働いていたアルスは、ある日突然、強欲なギルドマスターから追放を言い渡される。
しかし、彼らは知らなかった。ギルドの武器の自動修復、物流の最適化、資金管理に至るまで、すべてアルスの固有スキル【全自動化(ワークフロー構築)】によって完璧にシステム化され、回っていたことを。
「俺がいなくなったら、あの自動化システム、全部止まるけど……まあいいか」
管理権限を解除し、辺境へと旅立ったアルス。彼は自身のスキルを使って、圧倒的な耐久力を誇る銀色の四輪型重装ゴーレムを作り出し、気ままな行商を始める。
一度構築すれば無限に富を生み出す「全自動」のチートスキルで、アルスの商会は瞬く間に世界規模へとスケールしていく!
一方、すべてを失ったギルドは、生産ラインが崩壊し、絶望のどん底へと突き落とされていくのだった……。
「雑草係」と追放された俺、スキル『草むしり』でドラゴンも魔王も引っこ抜く~極めた園芸スキルは、世界樹すら苗木扱いする神の力でした~
eringi
ファンタジー
「たかが雑草を抜くだけのスキルなんて、勇者パーティには不要だ!」
王立アカデミーを首席で卒業したものの、発現したスキルが『草むしり』だった少年・ノエル。
彼は幼馴染の勇者に見下され、パーティから追放されてしまう。
失意のノエルは、人里離れた「魔の森」で静かに暮らすことを決意する。
しかし彼は知らなかった。彼のスキル『草むしり』は、対象を「不要な雑草」と認識すれば、たとえドラゴンであろうと古代兵器であろうと、根こそぎ引っこ抜いて消滅させる即死チートだったのだ。
「あれ? この森の雑草、ずいぶん頑丈だな(ドラゴンを引っこ抜きながら)」
ノエルが庭の手入れをするだけで、Sランク魔物が次々と「除草」され、やがて森は伝説の聖域へと生まれ変わっていく。
その実力に惹かれ、森の精霊(美女)や、亡国の女騎士、魔王の娘までもが彼の「庭」に集まり、いつしかハーレム状態に。
一方、ノエルを追放した勇者たちは、ダンジョンの茨や毒草の処理ができずに進行不能となり、さらにはノエルが密かに「除草」していた強力な魔物たちに囲まれ、絶望の淵に立たされていた。
「ノエル! 戻ってきてくれ!」
「いや、いま家庭菜園が忙しいんで」
これは、ただ庭いじりをしているだけの少年が、無自覚に世界最強に至る物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる