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第三十九話 帰還と世界の秘密
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重力に縛られ、地面にひれ伏す騎士たちを、後から駆けつけたガルダの兵士たちに引き渡した時、村人たちは、カケルを遠巻きに、そして畏敬の念に満ちた瞳で見つめていた。
もはや、感謝の言葉すらかけられない。彼らの目に映るカケルは、人知を超えた力を持つ、神か、あるいはそれに近しい何かだったからだ。
「……行こう」
カケルは、その視線から逃れるように、短く告げた。
再び三人の体はふわりと宙に浮き、村人たちの拝むような視線を背に受けながら、音もなく空の彼方へと消えていった。
アストリアへの帰路は、静かだった。
眼下に広がる、見慣れたガルダ公国の田園風景。以前、キャタピラでこの道を駆けた時とは、見える景色がまるで違う。
「……なんだか、不思議な気分ね」
ティリアが、カケルの腕に掴まりながら、ぽつりと呟いた。
「以前は、ただ必死で、目の前の敵を倒すことしか考えられなかった。でも、こうして空の上から見ると、私たちが守ろうとしているものが、こんなに広くて、綺麗なんだって、改めて思うわ」
「そうだな」
カケルは、静かに頷いた。
「守るものが、増えた。背負うものも、大きくなった。……だが、悪くない」
彼の横顔は、穏やかだった。重力と共に、かつて彼を縛り付けていた、焦りや苛立ちといった感情も、どこかへ振り払われたかのようだった。
やがて、前方にアストリアの城壁が見えてきた。
カケルは、速度を落とし、城の中庭めがけて、ゆっくりと降下していく。
その姿を、城壁の上で見張りをしていた兵士が、いち早く見つけた。
「な、なんだ、あれは!?」
「人が……空から……!?」
兵士たちは、慌てて警鐘を鳴らそうとする。だが、その人影が、見覚えのある鋼鉄の巨体であることに気づくと、今度は、驚愕で動きを止めた。
「て、鉄の救世主様……!?」
「翼もなしに、空を……! まさか、魔法まで、お使いに……!?」
彼らの混乱をよそに、カケル、ティリア、そしてナナの三人は、まるで羽毛が舞い降りるかのように、音もなく、中庭の石畳に着地した。
「リゼット様!」
知らせを受けたハインケルが、数名の騎士と共に、執務室から駆け出してくる。そして、そこに立つ三人の姿を見て、絶句した。
無傷のカケル。その隣には、無事なティリア。そして、見慣れない、銀髪の少女。
何より、彼らが、空から舞い降りてきたという事実が、ハインケルの常識を、粉々に打ち砕いた。
「……カケル殿……ご無事で……」
「ああ。少し、道草を食ったがな」
カケルは、こともなげに答えた。
「リゼットはどこだ?」
「は、はい! 執務室で、お待ちです!」
ハインケルは、まだ状況が飲み込めていない様子で、三人を執務室へと案内した。
「カケル殿! ティリア!」
執務室の扉が開くと、椅子から立ち上がったリゼットが、駆け寄ってきた。その瞳には、安堵の涙が浮かんでいる。
彼女は、二人が無事なことを確認すると、その視線を、二人の後ろに立つ、見慣れない少女――ナナに向けた。
「……そちらの方は?」
「紹介する。ナナだ。古代遺跡で、俺たちを助けてくれた」
カケルが、簡潔に紹介する。
ナナは、リゼットの前に進み出ると、人形のように、無表情のまま、一礼した。
『初めまして、ガルダ公国公爵、リゼット・フォン・ガルダ。私は、ユニット734。このサンクチュアリの、管理補助インターフェイスです』
「サンクチュアリ……? 遺跡のことですか?」
『はい。そして、今、私は、彼の者を、新たな『主(マスター)』として、認識しています』
ナナは、カケルを一瞥して、そう告げた。
その言葉に、リゼットもハインケルも、驚きを隠せない。
「マスター……? カケル殿が……?」
「話せば長くなる」
カケルは、話を遮った。
「だが、リゼット。あんたにも、知っておいてもらう必要がある。この世界の、本当の姿についてな」
カケルは、ナナに目配せをした。ナナは、その意図を正確に読み取り、静かに、語り始めた。
魔法が、古代の『創造主』によって作られた、巨大なシステムであること。
この世界が、彼らの壮大な『実験場』であること。
ソレイユ王国が、システムの安定を守るための『番人』であること。
そして、カケルが、システムの根幹に干渉できる、唯一の『管理者』であること。
ナナの口から語られる事実は、あまりに衝撃的で、荒唐無稽だった。
リゼットは、最初は、ただ呆然と、その物語を聞いていた。だが、話が進むにつれて、彼女の聡明な頭脳は、これまで抱いてきた数々の疑問が、一つ、また一つと、解き明かされていくのを感じていた。
なぜ、ソレイユは、あれほどまでに、魔法の血統に固執するのか。
なぜ、彼らは、機械技術を、世界の理を乱す『禁忌』として、排斥するのか。
そして、なぜ、カケルという存在が、この時代に、この場所に、現れたのか。
全てが、繋がっていく。
「……そんな……」
全ての真実を聞き終えた時、リゼットは、椅子に、崩れるように座り込んだ。その顔は、青ざめている。
一国の君主として、彼女は、誰よりも、この世界の平和と、民の安寧を願ってきた。だが、その平和が、巨大な嘘と、隠蔽された真実の上に成り立つ、脆い砂上の楼閣だったとは。
「では……我々が、ソレイユに抗い、魔導工学を発展させることは……ギルベルト様が言っていたように、この世界を、崩壊させる行為だったと……言うのですか……?」
彼女の声は、震えていた。自らの信じてきた正義が、実は、世界を破滅に導く、悪だったのかもしれない。その事実は、彼女の心を、深く、抉った。
「……それは、違う」
静かに、しかし、力強く、その言葉を否定したのは、カケルだった。
彼は、窓の外に広がる、アストリアの街並みを見つめながら、言った。
「世界の安定? システムの調和? 웃기지 마라。そのために、魔法の才能がないというだけで、虐げられ、搾取される人間がいる。発展の可能性を、無理やり押さえつけられ、貧困に喘ぐ国がある。そんなもんが、本当に『正しい世界』なのか?」
カケルの言葉が、リゼットの心に、突き刺さる。
「システムが、古くなって、時代に合わなくなったのなら、アップデートするか、新しいOSに乗り換えりゃいいだけの話だ。ソレイユの連中は、ただ、変化を恐れ、自分たちの既得権益を守りたいだけだ。世界の安定なんざ、ただの言い訳に過ぎん」
彼は、リゼットに向き直った。その蒼い瞳には、揺るぎない確信が宿っている。
「俺は、俺のやり方で、この世界を『再構築(リビルド)』する。魔法と、科学が、対立するんじゃなく、共存できる、新しい世界をな。魔法が使える奴も、使えない奴も、誰もが笑って暮らせる世界を、この手で、創り上げてやる」
それは、神への、反逆宣言。
そして、新たな世界を創造するという、創造主への、挑戦状だった。
リゼットは、カケルの顔を、じっと見つめていた。
彼の瞳にあるのは、独善的な野心ではない。ただ、理不尽を許さない、まっすぐな怒りと、そして、そこに住む人々への、不器用だが、深い愛情。
彼女の心にあった、迷いの霧が、晴れていく。
そうだ。この男に、自分は、この国の、いや、この世界の未来を、賭けたのではなかったか。
「……ええ」
リゼットは、立ち上がった。その顔には、もはや、迷いはない。一人の君主としての、覚悟が決まっていた。
「私も、戦います。貴方と共に。貴方が、創ろうとしている、新しい世界のために」
彼女は、カケルに、その手を差し伸べた。
カケルもまた、その再生された、温かい手で、リゼットの手を、固く、握り返した。
三人の間に、新たな、そして、より強固な絆が、生まれた瞬間だった。
だが、彼らがこれから向き合うべき現実は、あまりに巨大で、そして、複雑だった。
世界のシステムそのものを、敵に回す。それは、具体的に、何を意味するのか。
創造主とは、一体、何者なのか。彼らは、今、どこにいるのか。
そして、ギルベルトを失ったソレイユ王国は、次なる「アンチウイルス」として、何を仕掛けてくるのか。
謎は、まだ、山積みだった。
だが、彼らの瞳には、もはや、恐れはなかった。
世界の秘密の一端に触れた彼らは、今、運命の歯車を、自らの手で、大きく、回し始めたのだ。
物語は、国家間の戦争から、世界の理を巡る、壮大な叙事詩へと、その幕を開けようとしていた。
もはや、感謝の言葉すらかけられない。彼らの目に映るカケルは、人知を超えた力を持つ、神か、あるいはそれに近しい何かだったからだ。
「……行こう」
カケルは、その視線から逃れるように、短く告げた。
再び三人の体はふわりと宙に浮き、村人たちの拝むような視線を背に受けながら、音もなく空の彼方へと消えていった。
アストリアへの帰路は、静かだった。
眼下に広がる、見慣れたガルダ公国の田園風景。以前、キャタピラでこの道を駆けた時とは、見える景色がまるで違う。
「……なんだか、不思議な気分ね」
ティリアが、カケルの腕に掴まりながら、ぽつりと呟いた。
「以前は、ただ必死で、目の前の敵を倒すことしか考えられなかった。でも、こうして空の上から見ると、私たちが守ろうとしているものが、こんなに広くて、綺麗なんだって、改めて思うわ」
「そうだな」
カケルは、静かに頷いた。
「守るものが、増えた。背負うものも、大きくなった。……だが、悪くない」
彼の横顔は、穏やかだった。重力と共に、かつて彼を縛り付けていた、焦りや苛立ちといった感情も、どこかへ振り払われたかのようだった。
やがて、前方にアストリアの城壁が見えてきた。
カケルは、速度を落とし、城の中庭めがけて、ゆっくりと降下していく。
その姿を、城壁の上で見張りをしていた兵士が、いち早く見つけた。
「な、なんだ、あれは!?」
「人が……空から……!?」
兵士たちは、慌てて警鐘を鳴らそうとする。だが、その人影が、見覚えのある鋼鉄の巨体であることに気づくと、今度は、驚愕で動きを止めた。
「て、鉄の救世主様……!?」
「翼もなしに、空を……! まさか、魔法まで、お使いに……!?」
彼らの混乱をよそに、カケル、ティリア、そしてナナの三人は、まるで羽毛が舞い降りるかのように、音もなく、中庭の石畳に着地した。
「リゼット様!」
知らせを受けたハインケルが、数名の騎士と共に、執務室から駆け出してくる。そして、そこに立つ三人の姿を見て、絶句した。
無傷のカケル。その隣には、無事なティリア。そして、見慣れない、銀髪の少女。
何より、彼らが、空から舞い降りてきたという事実が、ハインケルの常識を、粉々に打ち砕いた。
「……カケル殿……ご無事で……」
「ああ。少し、道草を食ったがな」
カケルは、こともなげに答えた。
「リゼットはどこだ?」
「は、はい! 執務室で、お待ちです!」
ハインケルは、まだ状況が飲み込めていない様子で、三人を執務室へと案内した。
「カケル殿! ティリア!」
執務室の扉が開くと、椅子から立ち上がったリゼットが、駆け寄ってきた。その瞳には、安堵の涙が浮かんでいる。
彼女は、二人が無事なことを確認すると、その視線を、二人の後ろに立つ、見慣れない少女――ナナに向けた。
「……そちらの方は?」
「紹介する。ナナだ。古代遺跡で、俺たちを助けてくれた」
カケルが、簡潔に紹介する。
ナナは、リゼットの前に進み出ると、人形のように、無表情のまま、一礼した。
『初めまして、ガルダ公国公爵、リゼット・フォン・ガルダ。私は、ユニット734。このサンクチュアリの、管理補助インターフェイスです』
「サンクチュアリ……? 遺跡のことですか?」
『はい。そして、今、私は、彼の者を、新たな『主(マスター)』として、認識しています』
ナナは、カケルを一瞥して、そう告げた。
その言葉に、リゼットもハインケルも、驚きを隠せない。
「マスター……? カケル殿が……?」
「話せば長くなる」
カケルは、話を遮った。
「だが、リゼット。あんたにも、知っておいてもらう必要がある。この世界の、本当の姿についてな」
カケルは、ナナに目配せをした。ナナは、その意図を正確に読み取り、静かに、語り始めた。
魔法が、古代の『創造主』によって作られた、巨大なシステムであること。
この世界が、彼らの壮大な『実験場』であること。
ソレイユ王国が、システムの安定を守るための『番人』であること。
そして、カケルが、システムの根幹に干渉できる、唯一の『管理者』であること。
ナナの口から語られる事実は、あまりに衝撃的で、荒唐無稽だった。
リゼットは、最初は、ただ呆然と、その物語を聞いていた。だが、話が進むにつれて、彼女の聡明な頭脳は、これまで抱いてきた数々の疑問が、一つ、また一つと、解き明かされていくのを感じていた。
なぜ、ソレイユは、あれほどまでに、魔法の血統に固執するのか。
なぜ、彼らは、機械技術を、世界の理を乱す『禁忌』として、排斥するのか。
そして、なぜ、カケルという存在が、この時代に、この場所に、現れたのか。
全てが、繋がっていく。
「……そんな……」
全ての真実を聞き終えた時、リゼットは、椅子に、崩れるように座り込んだ。その顔は、青ざめている。
一国の君主として、彼女は、誰よりも、この世界の平和と、民の安寧を願ってきた。だが、その平和が、巨大な嘘と、隠蔽された真実の上に成り立つ、脆い砂上の楼閣だったとは。
「では……我々が、ソレイユに抗い、魔導工学を発展させることは……ギルベルト様が言っていたように、この世界を、崩壊させる行為だったと……言うのですか……?」
彼女の声は、震えていた。自らの信じてきた正義が、実は、世界を破滅に導く、悪だったのかもしれない。その事実は、彼女の心を、深く、抉った。
「……それは、違う」
静かに、しかし、力強く、その言葉を否定したのは、カケルだった。
彼は、窓の外に広がる、アストリアの街並みを見つめながら、言った。
「世界の安定? システムの調和? 웃기지 마라。そのために、魔法の才能がないというだけで、虐げられ、搾取される人間がいる。発展の可能性を、無理やり押さえつけられ、貧困に喘ぐ国がある。そんなもんが、本当に『正しい世界』なのか?」
カケルの言葉が、リゼットの心に、突き刺さる。
「システムが、古くなって、時代に合わなくなったのなら、アップデートするか、新しいOSに乗り換えりゃいいだけの話だ。ソレイユの連中は、ただ、変化を恐れ、自分たちの既得権益を守りたいだけだ。世界の安定なんざ、ただの言い訳に過ぎん」
彼は、リゼットに向き直った。その蒼い瞳には、揺るぎない確信が宿っている。
「俺は、俺のやり方で、この世界を『再構築(リビルド)』する。魔法と、科学が、対立するんじゃなく、共存できる、新しい世界をな。魔法が使える奴も、使えない奴も、誰もが笑って暮らせる世界を、この手で、創り上げてやる」
それは、神への、反逆宣言。
そして、新たな世界を創造するという、創造主への、挑戦状だった。
リゼットは、カケルの顔を、じっと見つめていた。
彼の瞳にあるのは、独善的な野心ではない。ただ、理不尽を許さない、まっすぐな怒りと、そして、そこに住む人々への、不器用だが、深い愛情。
彼女の心にあった、迷いの霧が、晴れていく。
そうだ。この男に、自分は、この国の、いや、この世界の未来を、賭けたのではなかったか。
「……ええ」
リゼットは、立ち上がった。その顔には、もはや、迷いはない。一人の君主としての、覚悟が決まっていた。
「私も、戦います。貴方と共に。貴方が、創ろうとしている、新しい世界のために」
彼女は、カケルに、その手を差し伸べた。
カケルもまた、その再生された、温かい手で、リゼットの手を、固く、握り返した。
三人の間に、新たな、そして、より強固な絆が、生まれた瞬間だった。
だが、彼らがこれから向き合うべき現実は、あまりに巨大で、そして、複雑だった。
世界のシステムそのものを、敵に回す。それは、具体的に、何を意味するのか。
創造主とは、一体、何者なのか。彼らは、今、どこにいるのか。
そして、ギルベルトを失ったソレイユ王国は、次なる「アンチウイルス」として、何を仕掛けてくるのか。
謎は、まだ、山積みだった。
だが、彼らの瞳には、もはや、恐れはなかった。
世界の秘密の一端に触れた彼らは、今、運命の歯車を、自らの手で、大きく、回し始めたのだ。
物語は、国家間の戦争から、世界の理を巡る、壮大な叙事詩へと、その幕を開けようとしていた。
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