外れスキル【アイテム錬成】でSランクパーティを追放された俺、実は神の素材で最強装備を創り放題だったので、辺境で気ままな工房を開きます

夏見ナイ

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第7話 森の奥の輝き

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エルフリーデンの町外れに広がる森は、静かで穏やかだった。
王都周辺の森のように、ゴブリンや凶暴な獣の気配はない。聞こえてくるのは、風が木々の葉を揺らす音と、鳥のさえずりだけ。俺は久しぶりに、心の底から深呼吸をした。新鮮な空気が肺を満たし、強張っていた体が少しだけほぐれるようだ。

パーティにいた頃、薬草の採取はいつも俺の仕事だった。ガイアスたちは「戦闘員が手を汚すことではない」と言って、危険な場所でも俺一人に採取を任せきりだったからだ。そのおかげで、薬草や毒草、食べられる植物の知識だけは豊富に身についていた。皮肉なものだ。

俺は地面に注意深く視線を落としながら、森の奥へと進んでいく。
「これは……鎮静効果のあるミント草か」
「こっちは、傷薬の材料になるリリーフハーブだな」

次々と目的の薬草を見つけ、有り合わせの布袋に入れていく。これらを町の薬屋に持っていけば、わずかながら金になるだろう。道端には木苺も実っており、口に放り込むと甘酸っぱい味が広がった。生きている、という実感が湧いてくる。

夢中で採取を続けているうちに、気づけば森のかなり深いところまで来ていた。日はまだ高いが、木々が密集しているせいで、あたりは少し薄暗い。
そろそろ引き返そうかと思った、その時だった。
ごつごつとした木の根に足を取られ、俺は派手に転んでしまった。

「うわっ!」
情けない声が漏れる。受け身を取り損ね、顔から地面に突っ込む形になった。
「い、痛たた……」
顔を上げると、鼻の頭に泥が付いている。幸い、大きな怪我はなさそうだ。
体を起こし、服についた土を払おうとした、その瞬間。

ふと、視界の隅で何かが淡く光ったのが見えた。
俺が転んだ拍子に、地面の腐葉土が少しめくれ上がった場所。その下から、蛍の光よりももっと穏やかで、静かな光が漏れている。

なんだ……?
最初は、光る苔か何かかと思った。しかし、その光は明滅することなく、一定の輝きを放ち続けている。
好奇心に駆られた俺は、おそるおそるその場所に近づき、手で土をかきわけた。

土の中から現れたのは、信じられないほど美しい鉱石だった。
大きさは俺の拳ほど。磨かれた水晶のように透き通っており、その形はまるで天からこぼれ落ちた一粒の涙のようだった。
そして、その鉱石自体が、内側から月光のような、神聖ささえ感じさせる青白い光を放っていた。

俺はまるで魔法にかけられたかのように、その場に膝をつき、じっとそれを見つめていた。
ひんやりとした森の空気の中で、その鉱石だけが確かな存在感を主張している。
これが何なのか、俺には皆目見当もつかない。ただ、これがそこらに転がっているただの石ではないことだけは、直感でわかった。

ゴクリと唾を飲み込む。
俺はゆっくりと手を伸ばし、その不思議な鉱石に触れた。ひんやりとした感触と共に、なぜか心がすうっと安らぐような、不思議な感覚が指先から伝わってくる。

今の俺には、財産も、力も、居場所もない。
だが、この輝きは、もしかしたら――。

俺は拾い上げた鉱石を、採取した薬草とは別の、一番綺麗なぼろ布でそっと包み、シャツの内ポケットに大切にしまい込んだ。
ずしりとした重みが、なぜか未来への希望のように感じられた。
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