外れスキル【アイテム錬成】でSランクパーティを追放された俺、実は神の素材で最強装備を創り放題だったので、辺境で気ままな工房を開きます

夏見ナイ

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第69話 王都工房での共同作業

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(※プロット89話~91話を統合)

俺たちが二つの神話級素材を携え、王都へ帰還したという報せは、瞬く間に城中を駆け巡った。
国王アルベリオン三世自らが俺たちを出迎え、その手には、涙が浮かんでいた。
「おお……よくぞ、戻ってくれた! これで、この国は救われる!」
その姿は、一国の王というよりは、ただ民を案ずる一人の父親のようだった。

休む間もなく、俺たちは王城の地下にある、最も優れた工房へと案内された。
そこは、俺の辺境の工房とは比べ物にならないほど、広大で、そして最新の設備が整っていた。巨大な魔法炉、魔力を帯びた巨大な金床、そして、国中から集められた最高の職人たちが、緊張した面持ちで俺たちの到着を待っていた。

だが、この作業は、彼らに手伝えるものではない。
伝説の武具の創造は、神話級の素材を扱える、特別な力を持つ者だけで行わなければならなかった。
俺は、工房にいた職人たちに丁重に頭を下げ、部屋から出てもらった。
がらんとした巨大な工房に残されたのは、俺と、リリア、そしてイグナの三人だけ。

「……始めようか」
俺の言葉を合図に、最後の、そして最大の共同作業が始まった。

まず、俺は『竜の心臓石』を、魔法炉の中心に設置した。
馬車ほどの大きさがあった石は、俺の【アイテム錬成】によって、盾の大きさにまで凝縮されている。だが、その内部に秘められた熱量と魔力は、変わらず凄まじいものだった。
「イグナ、頼む!」

「うむ! 我が同胞の炎、受けるがいい!」
イグナが、炉に向かって深く息を吸い込み、そして、吐き出した。
彼女の口から放たれたのは、ただの炎ではない。万物を溶かし、万物を創造する、竜王だけが操ることを許された、白銀の『創生の炎』だった。

ゴオオオオッ!

創生の炎が、竜の心臓石を包み込む。石は、真っ赤な輝きから、太陽のような純白の輝きへと姿を変え、次第に柔らかくなっていく。
俺は、その瞬間を見計らい、巨大な魔法の槌を振り上げた。

カン! キィン!

俺が槌を打ち込むたびに、工房全体が揺れるほどの衝撃が走る。
ただ叩くのではない。盾としての理想的な形、衝撃を吸収し、分散させるための完璧な内部構造をイメージし、魔力を込めて打ち込んでいく。
汗が、滝のように額から流れ落ちる。一振り一振りに、俺の魂の全てを込めた。

盾の形が整っていくと、今度はリリアの出番だった。
「聖なる守護の力よ、この盾に宿りたまえ!」
彼女が盾に手をかざすと、その手から、慈愛に満ちた聖なる光が溢れ出し、盾の表面に吸い込まれていく。
盾の表面には、複雑で美しい、竜の紋章がみるみるうちに刻まれていった。それは、あらゆる攻撃を弾き、持ち主を絶対的に守護する、神聖な結界の紋様だった。

『竜神の盾』が、ついにその形を成した。
それは、ただの防具ではない。それ自体が、難攻不落の城塞とでも言うべき、絶対的な守りのオーラを放っていた。

「……次は、剣だ」
休む間もなく、俺たちは『破邪の聖剣』の作成に取り掛かる。
今度は、『世界樹の聖なる枝』を金床の上に置き、イグナの創生の炎で、その内部に眠る神聖な金属繊維を抽出していく。
俺はその繊維を、一筋一筋、丹念に編み上げるように打ち延ばし、剣の形へと鍛え上げていった。

「アルト、集中しろ!」「アルトさん、頑張って!」
リリアとイグナの声援が、朦朧とし始めた俺の意識を繋ぎ止める。
剣の刀身が完成すると、リリアが再び祈りを捧げた。
今度は、守りの力ではない。あらゆる邪を打ち破り、悪を滅する、峻厳で、絶対的な『破邪の力』を、剣に注ぎ込んでいく。

刀身が、まばゆい光を放ち、その表面に、古代の神聖文字が浮かび上がった。
それは、ゴーレムの魔力を無効化するための、古代の呪文そのものだった。

三日三晩、俺たちは飲まず食わず、眠ることなく、作業に没頭した。
俺が槌を振るい、イグナが炎で焼きを入れ、リリアが聖なる力を注ぐ。
三人の魂が、完全に一つになった、奇跡の共同作業。

そして、四日目の朝。
工房に、夜明けの光が差し込んだ、その瞬間。
全ての作業が、終わった。

工房の中央には、二つの武具が、静かに、しかし圧倒的な存在感を放って置かれていた。
あらゆる攻撃を跳ね返す、絶対的な守りを持つ『竜神の盾』。
あらゆる邪悪を滅する、絶対的な攻撃力を持つ『破邪の聖剣』。

伝説は、今、この瞬間、現実のものとなったのだ。
俺たちは、疲れ果てた体で、互いの肩を支え合いながら、その奇跡の光景を、ただ黙って見つめていた。
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