81 / 100
第81話 聖女の目覚め
しおりを挟む
聖女セシリアの意識回復。その報せは王都中に瞬く間に広がり、絶望に沈んでいた人々の心に一年ぶりとなる希望の灯をともした。大神殿の前には噂を聞きつけた民衆が集まり始め、女神への感謝と聖女の回復を祝う祈りの声が夜通し響き渡っていた。
だが、その熱狂の中心である聖女の私室は対照的に静まり返っていた。俺は魂の戦いで消耗しきった体を、リゼットの肩を借りてようやく支えている状態だった。
「ルーク、もう限界だろう。少し休め」
「……ええ。ですが、まだ……」
俺の視線はベッドの上で穏やかな寝息を立てるセシリアに注がれていた。彼女の最後の言葉。「本当の戦いは、これからです」。その言葉が重い楔のように俺の胸に突き刺さっている。
「分かっている。だが、お前が倒れては元も子もない」
リゼットの言葉に、ノエルも頷いた。
「そうだね。ひとまず君は回復に専念して。後のことは私たちに任せて」
仲間たちの気遣いに、俺は頷くしかなかった。老神官長が俺たちのために大神殿で最も賓客をもてなすための豪華な部屋を用意してくれていた。俺は仲間たちに両脇を抱えられるようにして、その部屋へと向かった。
部屋のソファに体を沈めると、どっと疲労が押し寄せてきた。魂が肉体に戻ってきたばかりで、まだ完全に馴染んでいないような奇妙な感覚。俺はそのまま深い眠りに落ちていきそうになった。
その時だった。部屋の扉が控えめにノックされた。
「……ルーク様。聖女セシリア様がお目覚めになられ、あなた様にお会いしたいとおっしゃっております」
侍女の言葉に、俺たちは顔を見合わせた。意識が戻ったばかりで、すぐに?
俺たちが戸惑っていると、扉が静かに開かれ、老神官長に付き添われたセシリアが自らの足で立っていた。彼女は眠っていた時の寝間着ではなく、聖女としての清らかな純白の衣を身にまとっている。その姿はまだ十歳にも満たない少女とは思えないほど、神々しいまでの威厳に満ちていた。
「……セシリア様。ご無理をなさっては」
「いいえ、神官長。もう大丈夫です。そして、話さなければならないことがあります」
彼女の声はか細いが、揺るぎない響きを持っていた。俺たちは彼女を部屋の中へと招き入れた。
セシリアはまず俺の前に立つと、深く、深くその小さな体を折り曲げて頭を下げた。
「ルーク。私の魂を絶望の闇から救い出してくださり、心から感謝いたします」
その丁寧で心のこもった礼に、俺は慌てて彼女の肩を支えた。
「顔を上げてください。俺はやるべきことをやっただけです」
「いいえ」
彼女は顔を上げ、俺の目をまっすぐに見つめた。その瑠璃色の瞳には、俺の魂の奥底まで見通すかのような深い叡智の光が宿っている。
「あなたはただ私を救っただけではありません。私の魂の世界で呪いの核と対峙したことで、その記憶の一部をご覧になったはずです」
「記憶の一部……?」
「はい。『奈落の蛇』がこの私を使って何をしようとしていたのか。その全てを、です」
彼女の言葉に、俺たちは息を呑んだ。聖女の魂は呪いの培養炉にされながらも、敵の計画の全てをその内側から見ていたのだ。
「彼らの真の目的は『奈落の冠』を作ることだけではありません。それは計画のほんの第一段階に過ぎないのです」
セシリアは、ゆっくりと、しかしはっきり と語り始めた。
「彼らの最終目的。それはこの大神殿の地下深く……禁断の聖域に封印されし『古代の遺物』をその手に収めること」
「古代の遺物……?」
神官長が訝しげに眉をひそめた。
「そのようなもの、わしは聞いたことがないが……」
「大神殿のほんの僅かな者しか知らない最高機密だからです」
セシリアは静かに告げた。
「その遺物の名は『邪神の心臓』。かつて、光の女神様が世界を創りし時に戦い、封じ込めたとされる古の邪神の、力の源泉そのものです」
その言葉に、部屋の空気が凍り付いた。邪神の心臓。そんな神話の中の存在が、この大神殿の地下に?
「『奈落の蛇』は、その心臓の封印を解き、その力を取り込むことで彼らが信奉する『奈落の主』をこの世に完全に復活させようと企んでいるのです。もし、それが成されればこの国どころか、世界そのものが終わります」
俺たちは、その陰謀のあまりにも壮大なスケールに言葉を失った。
「私がかけられた呪いは大神殿の守りを内側から弱め、聖域の結界を無力化するための陽動に過ぎませんでした。そして、彼らは待っていたのです。私を救うために大神殿の全ての戦力が儀式に集中する、その瞬間を」
彼女の瞳が鋭い光を放った。
「彼らは今、この瞬間こそ大神殿の守りが最も手薄になっていると確信しているはずです。私が目覚めたことであなたたちが勝利の安堵に浸っている、この一瞬こそが彼らにとって最大の好機なのです」
その言葉は予言だった。聖女としての絶対的な確信に満ちた、未来の宣告。
俺の背筋を冷たい汗が伝った。
俺たちは勝ったのではなかった。敵の掌の上で踊らされていたに過ぎなかったのだ。聖女の治療は、彼らの最終目的を達成するための最後の引き金でしかなかった。
「……まさか」
リゼットが窓の外に視線を向けた。王都の夜景は静まり返っている。だが、その静寂が嵐の前の不気味な静けさに感じられた。
その、刹那だった。
ゴゴゴゴゴゴゴ……!
大神殿全体が激しく揺れた。それは地震ではなかった。地下の遥か深い場所から突き上げてくるような、邪悪な魔力の爆発。
同時に大神殿の外から、人々の絶叫と建物が破壊される轟音が津波のように押し寄せてきた。
「な、何事だ!?」
神官長が狼狽の声を上げる。
リゼットが窓際に駆け寄り、外の様子を確認した。そして、絶望に顔を歪ませた。
「……敵襲。それも本隊だ。王都の四方から、同時に……!」
窓の外。平和だったはずの王都の夜景は、今やいくつもの黒い煙と燃え盛る炎で、地獄の業火のように染まっていた。
聖女セシリアの予言はあまりにも正確に、そしてあまりにも早く、現実のものとなった。
「ルーク」
セシリアが俺の名を呼んだ。彼女の顔に恐怖の色はない。ただ、聖女としての揺るぎない覚悟だけがあった。
「本当の戦いが、始まります」
俺は消耗しきった体に無理やり力を込めて立ち上がった。
仲間たちが俺の隣に立つ。
王都の、そして世界の運命を懸けた最後の決戦。その火蓋が、今、切って落とされた。
だが、その熱狂の中心である聖女の私室は対照的に静まり返っていた。俺は魂の戦いで消耗しきった体を、リゼットの肩を借りてようやく支えている状態だった。
「ルーク、もう限界だろう。少し休め」
「……ええ。ですが、まだ……」
俺の視線はベッドの上で穏やかな寝息を立てるセシリアに注がれていた。彼女の最後の言葉。「本当の戦いは、これからです」。その言葉が重い楔のように俺の胸に突き刺さっている。
「分かっている。だが、お前が倒れては元も子もない」
リゼットの言葉に、ノエルも頷いた。
「そうだね。ひとまず君は回復に専念して。後のことは私たちに任せて」
仲間たちの気遣いに、俺は頷くしかなかった。老神官長が俺たちのために大神殿で最も賓客をもてなすための豪華な部屋を用意してくれていた。俺は仲間たちに両脇を抱えられるようにして、その部屋へと向かった。
部屋のソファに体を沈めると、どっと疲労が押し寄せてきた。魂が肉体に戻ってきたばかりで、まだ完全に馴染んでいないような奇妙な感覚。俺はそのまま深い眠りに落ちていきそうになった。
その時だった。部屋の扉が控えめにノックされた。
「……ルーク様。聖女セシリア様がお目覚めになられ、あなた様にお会いしたいとおっしゃっております」
侍女の言葉に、俺たちは顔を見合わせた。意識が戻ったばかりで、すぐに?
俺たちが戸惑っていると、扉が静かに開かれ、老神官長に付き添われたセシリアが自らの足で立っていた。彼女は眠っていた時の寝間着ではなく、聖女としての清らかな純白の衣を身にまとっている。その姿はまだ十歳にも満たない少女とは思えないほど、神々しいまでの威厳に満ちていた。
「……セシリア様。ご無理をなさっては」
「いいえ、神官長。もう大丈夫です。そして、話さなければならないことがあります」
彼女の声はか細いが、揺るぎない響きを持っていた。俺たちは彼女を部屋の中へと招き入れた。
セシリアはまず俺の前に立つと、深く、深くその小さな体を折り曲げて頭を下げた。
「ルーク。私の魂を絶望の闇から救い出してくださり、心から感謝いたします」
その丁寧で心のこもった礼に、俺は慌てて彼女の肩を支えた。
「顔を上げてください。俺はやるべきことをやっただけです」
「いいえ」
彼女は顔を上げ、俺の目をまっすぐに見つめた。その瑠璃色の瞳には、俺の魂の奥底まで見通すかのような深い叡智の光が宿っている。
「あなたはただ私を救っただけではありません。私の魂の世界で呪いの核と対峙したことで、その記憶の一部をご覧になったはずです」
「記憶の一部……?」
「はい。『奈落の蛇』がこの私を使って何をしようとしていたのか。その全てを、です」
彼女の言葉に、俺たちは息を呑んだ。聖女の魂は呪いの培養炉にされながらも、敵の計画の全てをその内側から見ていたのだ。
「彼らの真の目的は『奈落の冠』を作ることだけではありません。それは計画のほんの第一段階に過ぎないのです」
セシリアは、ゆっくりと、しかしはっきり と語り始めた。
「彼らの最終目的。それはこの大神殿の地下深く……禁断の聖域に封印されし『古代の遺物』をその手に収めること」
「古代の遺物……?」
神官長が訝しげに眉をひそめた。
「そのようなもの、わしは聞いたことがないが……」
「大神殿のほんの僅かな者しか知らない最高機密だからです」
セシリアは静かに告げた。
「その遺物の名は『邪神の心臓』。かつて、光の女神様が世界を創りし時に戦い、封じ込めたとされる古の邪神の、力の源泉そのものです」
その言葉に、部屋の空気が凍り付いた。邪神の心臓。そんな神話の中の存在が、この大神殿の地下に?
「『奈落の蛇』は、その心臓の封印を解き、その力を取り込むことで彼らが信奉する『奈落の主』をこの世に完全に復活させようと企んでいるのです。もし、それが成されればこの国どころか、世界そのものが終わります」
俺たちは、その陰謀のあまりにも壮大なスケールに言葉を失った。
「私がかけられた呪いは大神殿の守りを内側から弱め、聖域の結界を無力化するための陽動に過ぎませんでした。そして、彼らは待っていたのです。私を救うために大神殿の全ての戦力が儀式に集中する、その瞬間を」
彼女の瞳が鋭い光を放った。
「彼らは今、この瞬間こそ大神殿の守りが最も手薄になっていると確信しているはずです。私が目覚めたことであなたたちが勝利の安堵に浸っている、この一瞬こそが彼らにとって最大の好機なのです」
その言葉は予言だった。聖女としての絶対的な確信に満ちた、未来の宣告。
俺の背筋を冷たい汗が伝った。
俺たちは勝ったのではなかった。敵の掌の上で踊らされていたに過ぎなかったのだ。聖女の治療は、彼らの最終目的を達成するための最後の引き金でしかなかった。
「……まさか」
リゼットが窓の外に視線を向けた。王都の夜景は静まり返っている。だが、その静寂が嵐の前の不気味な静けさに感じられた。
その、刹那だった。
ゴゴゴゴゴゴゴ……!
大神殿全体が激しく揺れた。それは地震ではなかった。地下の遥か深い場所から突き上げてくるような、邪悪な魔力の爆発。
同時に大神殿の外から、人々の絶叫と建物が破壊される轟音が津波のように押し寄せてきた。
「な、何事だ!?」
神官長が狼狽の声を上げる。
リゼットが窓際に駆け寄り、外の様子を確認した。そして、絶望に顔を歪ませた。
「……敵襲。それも本隊だ。王都の四方から、同時に……!」
窓の外。平和だったはずの王都の夜景は、今やいくつもの黒い煙と燃え盛る炎で、地獄の業火のように染まっていた。
聖女セシリアの予言はあまりにも正確に、そしてあまりにも早く、現実のものとなった。
「ルーク」
セシリアが俺の名を呼んだ。彼女の顔に恐怖の色はない。ただ、聖女としての揺るぎない覚悟だけがあった。
「本当の戦いが、始まります」
俺は消耗しきった体に無理やり力を込めて立ち上がった。
仲間たちが俺の隣に立つ。
王都の、そして世界の運命を懸けた最後の決戦。その火蓋が、今、切って落とされた。
19
あなたにおすすめの小説
掘鑿王(くっさくおう)~ボクしか知らない隠しダンジョンでSSRアイテムばかり掘り出し大金持ち~
テツみン
ファンタジー
『掘削士』エリオットは、ダンジョンの鉱脈から鉱石を掘り出すのが仕事。
しかし、非戦闘職の彼は冒険者仲間から不遇な扱いを受けていた。
ある日、ダンジョンに入ると天災級モンスター、イフリートに遭遇。エリオットは仲間が逃げ出すための囮(おとり)にされてしまう。
「生きて帰るんだ――妹が待つ家へ!」
彼は岩の割れ目につるはしを打ち込み、崩落を誘発させ――
目が覚めると未知の洞窟にいた。
貴重な鉱脈ばかりに興奮するエリオットだったが、特に不思議な形をしたクリスタルが気になり、それを掘り出す。
その中から現れたモノは……
「えっ? 女の子???」
これは、不遇な扱いを受けていた少年が大陸一の大富豪へと成り上がっていく――そんな物語である。
お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。
幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』
電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。
龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。
そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。
盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。
当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。
今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。
ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。
ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ
「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」
全員の目と口が弧を描いたのが見えた。
一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。
作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌()
15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26
レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない
あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。
無能扱いされ、パーティーを追放されたおっさん、実はチートスキル持ちでした。戻ってきてくれ、と言ってももう遅い。田舎でゆったりスローライフ。
さら
ファンタジー
かつて勇者パーティーに所属していたジル。
だが「無能」と嘲られ、役立たずと追放されてしまう。
行くあてもなく田舎の村へ流れ着いた彼は、鍬を振るい畑を耕し、のんびり暮らすつもりだった。
――だが、誰も知らなかった。
ジルには“世界を覆すほどのチートスキル”が隠されていたのだ。
襲いかかる魔物を一撃で粉砕し、村を脅かす街の圧力をはねのけ、いつしか彼は「英雄」と呼ばれる存在に。
「戻ってきてくれ」と泣きつく元仲間? もう遅い。
俺はこの村で、仲間と共に、気ままにスローライフを楽しむ――そう決めたんだ。
無能扱いされたおっさんが、実は最強チートで世界を揺るがす!?
のんびり田舎暮らし×無双ファンタジー、ここに開幕!
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
神眼のカードマスター 〜パーティーを追放されてから人生の大逆転が始まった件。今さら戻って来いと言われてももう遅い〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「いいかい? 君と僕じゃ最初から住む世界が違うんだよ。これからは惨めな人生を送って一生後悔しながら過ごすんだね」
Fランク冒険者のアルディンは領主の息子であるザネリにそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
父親から譲り受けた大切なカードも奪われ、アルディンは失意のどん底に。
しばらくは冒険者稼業をやめて田舎でのんびり暮らそうと街を離れることにしたアルディンは、その道中、メイド姉妹が賊に襲われている光景を目撃する。
彼女たちを救い出す最中、突如として【神眼】が覚醒してしまう。
それはこのカード世界における掟すらもぶち壊してしまうほどの才能だった。
無事にメイド姉妹を助けたアルディンは、大きな屋敷で彼女たちと一緒に楽しく暮らすようになる。
【神眼】を使って楽々とカードを集めてまわり、召喚獣の万能スライムとも仲良くなって、やがて天災級ドラゴンを討伐するまでに成長し、アルディンはどんどん強くなっていく。
一方その頃、ザネリのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
ダンジョン攻略も思うようにいかなくなり、ザネリはそこでようやくアルディンの重要さに気づく。
なんとか引き戻したいザネリは、アルディンにパーティーへ戻って来るように頼み込むのだったが……。
これは、かつてFランク冒険者だった青年が、チート能力を駆使してカード無双で成り上がり、やがて神話級改変者〈ルールブレイカー〉と呼ばれるようになるまでの人生逆転譚である。
元公務員、辺境ギルドの受付になる 〜『受理』と『却下』スキルで無自覚に無双していたら、伝説の職員と勘違いされて俺の定時退勤が危うい件〜
☆ほしい
ファンタジー
市役所で働く安定志向の公務員、志摩恭平(しまきょうへい)は、ある日突然、勇者召喚に巻き込まれて異世界へ。
しかし、与えられたスキルは『受理』と『却下』という、戦闘には全く役立ちそうにない地味なものだった。
「使えない」と判断された恭平は、国から追放され、流れ着いた辺境の街で冒険者ギルドの受付職員という天職を見つける。
書類仕事と定時退勤。前世と変わらぬ平穏な日々が続くはずだった。
だが、彼のスキルはとんでもない隠れた効果を持っていた。
高難易度依頼の書類に『却下』の判を押せば依頼自体が消滅し、新米冒険者のパーティ登録を『受理』すれば一時的に能力が向上する。
本人は事務処理をしているだけのつもりが、いつしか「彼の受付を通った者は必ず成功する」「彼に睨まれたモンスターは消滅する」という噂が広まっていく。
その結果、静かだった辺境ギルドには腕利きの冒険者が集い始め、恭平の定時退勤は日々脅かされていくのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる