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第35話 作戦会議
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翌日の放課後、私たちは寮の談話室の一つを借り切り、初めての作戦会議を開いていた。
テーブルの上には演習場の詳細な地図と、トーナメントの組み合わせ表が広げられている。
アンナとカインは少し緊張した面持ちで私のことを見ていた。私が「特別な軍師がいる」とだけ告げて、二人をここに集めたからだ。
「リリアーナ。その、特別な軍師ってのは一体誰なんだ? アラン王子にでも頼んだのか?」
カインがいぶかしげに尋ねてくる。
私は少し困ったように微笑んだ。
「ええと……その方は少し特殊な事情があって、今は姿を見せることができないのです。でも、その知識と戦術眼は、この国の誰よりも確かですわ」
私は二人にルークの存在をどう説明したものかと思案していた。
だが、その心配は杞憂に終わった。
「そっか! リリアーナさんの知り合いなら、きっとすごい人に違いないね!」
アンナはあっさりとそう言って、何の疑いもなく目を輝かせた。
カインも、「……お前がそこまで言うなら、信じよう」と、ぶっきらぼうながらも頷いてくれた。
二人の私に対する絶対的な信頼が、胸に温かく沁みた。
こうして、私とアンナとカイン、そして誰にも見えないルークという、四人(?)による秘密の作戦会議が始まった。
「まず、基本方針だ」
ルークの声が私の心に直接響く。私は彼の言葉をそのまま、自分の言葉として二人に伝えていった。
「私たちのチームの強みは、三者三様の役割が明確であること。カインは前衛として敵を引きつけ、攪乱する『剣』。アンナは後方から多彩な魔道具で戦場を支配する『盾であり罠』。そしてリリアーナ、君は全てを統括し、決定的な一撃を放つ『王』だ」
『剣』、『盾』、『王』。
その分かりやすい役割分担に、アンナとカインは真剣な表情で頷いた。
「次に、敵の分析だ。一回戦の相手は特に目立った能力を持つ者がいない、平均的なチーム。油断さえしなければ、まず負けることはないだろう。問題は二回戦。シャルロッテたちのチームだ」
私はルークの言葉に従い、組み合わせ表のシャルロッテたちの名前を指さした。
「シャルロッテは火属性魔法の使い手。その威力は学年でもトップクラスですわ。ただし感情的になりやすく、大振りな攻撃が多いのが弱点」
「バルドルは土属性の防御魔法を得意としている。持久戦に持ち込まれると厄介だが、動きが鈍重で機動力に欠ける」
「そして、ライオネル。彼は風の魔法で遠距離からの精密な攻撃を得意としています。三人の中では最も冷静で厄-介な相手と言えるでしょう」
私の淀みない分析に、アンナとカインは驚きの色を隠せないでいた。
「す、すごいよリリアーナさん! まるでずっと前から彼らのことを研究してたみたい!」
「ああ……。俺も知らなかった情報まである。その軍師とやらは、一体何者なんだ……?」
私は苦笑いを浮かべながら、話を続けた。もちろん、全てはルークが霊体であることを活かして彼らの訓練を「観察」してきた結果なのだが、それを説明するわけにはいかない。
「彼らの基本的な戦術はこうなるはずです」
私は演習場の地図の上に、駒を置くように指を動かした。
「まず、バルドルの土魔法で強固な陣地を築き、そこにシャルロッテが陣取る。そしてライオネルが遊撃手として動き回り、遠距離から私たちを牽制しつつ近づく者を迎撃する。典型的な籠城戦術ですわ」
その的確な戦術予測にカインは唸った。
「なるほどな。そうなると俺が正面から突っ込んでも、バルドルの壁に阻まれ、ライオネルとシャルロッテの集中砲火を浴びるだけか。厄介だな」
「うんうん。私も罠を仕掛ける前に近づいたら、風で吹き飛ばされちゃうかも……」
二人の懸念に、私は静かに首を振った。
「いいえ。その戦術には大きな穴があります」
「穴?」
「ええ」と、私は自信を持って頷いた。
「彼らはプライドが高く、個人技に頼りがち。つまり『連携』という概念が欠けているのです。特にシャルロッテは自分が主役でなければ気が済まない性格。必ずどこかで突出してくるはず。そこが私たちの勝機ですわ」
私の言葉には、ルークの揺るぎない確信が宿っていた。
そして、私は彼から授けられた必勝の策を二人に告げた。
「まず、作戦の第一段階。カイン、あなたには陽動をお願いします」
「陽動?」
「ええ。あなたは正面から派手に攻めかかってください。ただし本気で攻める必要はありません。目的は敵の注意をあなた一人に引きつけること。バルドルの壁を崩すふりをして、ライオネルの風の刃を巧みにかわし続けてください」
「なるほどな。囮になれ、ということか。任せておけ、得意分野だ」
カインが不敵に笑う。
「その間に、作戦の第二段階。アンナ、あなたは演習場の地形を利用して彼らの陣地の周囲に、あなたの得意な魔道具を仕掛けてください。ただしそれは攻撃用の罠ではありません」
「じゃあ、何を仕掛けるの?」
アンナが不思議そうに首を傾げた。
私はにやりと笑ってみせた。
「『音』と『光』を出すだけの、ただの『おもちゃ』ですわ」
「おもちゃ……?」
「ええ。派手な音や眩しい光を放つだけの無害な魔道具。それを複数箇所で時間差で作動させるのです。そうすれば敵はどこから本当の攻撃が来るのか分からなくなり、混乱するはず」
アンナの目がきらりと輝いた。
「そっか! 陽動で注意を引きつけて、さらに偽の罠で攪乱するんだね! 面白い! 任せて、とびっきりの『びっくり箱』をたくさん作ってくるよ!」
アンナが頼もしく胸を叩く。
「そして敵が完全に混乱し、シャルロッテが苛立ちから陣地を飛び出した瞬間が、作戦の最終段階です」
私は地図上の一点を指さした。
「わたくしが森の中に隠れて待機し、突出してきたシャルロッテを背後から一撃で無力化します。大将を失った軍は烏合の衆。残った二人を制圧するのは容易いはずですわ」
完璧な作戦だった。
それは私たち三人の長所を最大限に活かし、敵の弱点を的確に突く、芸術的なまでに練り上げられた戦術。
アンナとカインは呆然と私を見つめていたが、やがてその表情は興奮と闘志に満ちたものへと変わっていった。
「……すげえ。リリアーナ、お前……」
「すごいよ! なんだかもう勝てる気しかしないよ!」
二人の称賛の言葉に、私は少し照れながらも心の中で呟いた。
(ありがとうございます、ルーク。最高の軍師様)
『礼には及ばん。だが、忘れるな』
ルークの声が私の心をそっと引き締めた。
『作戦はあくまで机上のものだ。戦場では常に予想外のことが起こる。最後に勝利を掴むのは、作戦の完璧さではない。仲間を信じ、己を信じる、その心の強さだということを』
彼の言葉を、私は深く胸に刻み込んだ。
私たちのチームは、最強の作戦と、そして何よりも強い絆という武器を手に入れた。
中間試験の開始を告げる鐘が鳴るまで、あと数日。
私たちの間にはもう微塵の不安もなかった。あるのは、これから始まる戦いへの熱い高揚感だけだった。
シャルロッテ。バルドル。ライオネル。
あなたたちが仕掛けてくるであろう、どんな卑劣な手も私たちの前では無力だと、すぐに思い知ることになるだろう。
テーブルの上には演習場の詳細な地図と、トーナメントの組み合わせ表が広げられている。
アンナとカインは少し緊張した面持ちで私のことを見ていた。私が「特別な軍師がいる」とだけ告げて、二人をここに集めたからだ。
「リリアーナ。その、特別な軍師ってのは一体誰なんだ? アラン王子にでも頼んだのか?」
カインがいぶかしげに尋ねてくる。
私は少し困ったように微笑んだ。
「ええと……その方は少し特殊な事情があって、今は姿を見せることができないのです。でも、その知識と戦術眼は、この国の誰よりも確かですわ」
私は二人にルークの存在をどう説明したものかと思案していた。
だが、その心配は杞憂に終わった。
「そっか! リリアーナさんの知り合いなら、きっとすごい人に違いないね!」
アンナはあっさりとそう言って、何の疑いもなく目を輝かせた。
カインも、「……お前がそこまで言うなら、信じよう」と、ぶっきらぼうながらも頷いてくれた。
二人の私に対する絶対的な信頼が、胸に温かく沁みた。
こうして、私とアンナとカイン、そして誰にも見えないルークという、四人(?)による秘密の作戦会議が始まった。
「まず、基本方針だ」
ルークの声が私の心に直接響く。私は彼の言葉をそのまま、自分の言葉として二人に伝えていった。
「私たちのチームの強みは、三者三様の役割が明確であること。カインは前衛として敵を引きつけ、攪乱する『剣』。アンナは後方から多彩な魔道具で戦場を支配する『盾であり罠』。そしてリリアーナ、君は全てを統括し、決定的な一撃を放つ『王』だ」
『剣』、『盾』、『王』。
その分かりやすい役割分担に、アンナとカインは真剣な表情で頷いた。
「次に、敵の分析だ。一回戦の相手は特に目立った能力を持つ者がいない、平均的なチーム。油断さえしなければ、まず負けることはないだろう。問題は二回戦。シャルロッテたちのチームだ」
私はルークの言葉に従い、組み合わせ表のシャルロッテたちの名前を指さした。
「シャルロッテは火属性魔法の使い手。その威力は学年でもトップクラスですわ。ただし感情的になりやすく、大振りな攻撃が多いのが弱点」
「バルドルは土属性の防御魔法を得意としている。持久戦に持ち込まれると厄介だが、動きが鈍重で機動力に欠ける」
「そして、ライオネル。彼は風の魔法で遠距離からの精密な攻撃を得意としています。三人の中では最も冷静で厄-介な相手と言えるでしょう」
私の淀みない分析に、アンナとカインは驚きの色を隠せないでいた。
「す、すごいよリリアーナさん! まるでずっと前から彼らのことを研究してたみたい!」
「ああ……。俺も知らなかった情報まである。その軍師とやらは、一体何者なんだ……?」
私は苦笑いを浮かべながら、話を続けた。もちろん、全てはルークが霊体であることを活かして彼らの訓練を「観察」してきた結果なのだが、それを説明するわけにはいかない。
「彼らの基本的な戦術はこうなるはずです」
私は演習場の地図の上に、駒を置くように指を動かした。
「まず、バルドルの土魔法で強固な陣地を築き、そこにシャルロッテが陣取る。そしてライオネルが遊撃手として動き回り、遠距離から私たちを牽制しつつ近づく者を迎撃する。典型的な籠城戦術ですわ」
その的確な戦術予測にカインは唸った。
「なるほどな。そうなると俺が正面から突っ込んでも、バルドルの壁に阻まれ、ライオネルとシャルロッテの集中砲火を浴びるだけか。厄介だな」
「うんうん。私も罠を仕掛ける前に近づいたら、風で吹き飛ばされちゃうかも……」
二人の懸念に、私は静かに首を振った。
「いいえ。その戦術には大きな穴があります」
「穴?」
「ええ」と、私は自信を持って頷いた。
「彼らはプライドが高く、個人技に頼りがち。つまり『連携』という概念が欠けているのです。特にシャルロッテは自分が主役でなければ気が済まない性格。必ずどこかで突出してくるはず。そこが私たちの勝機ですわ」
私の言葉には、ルークの揺るぎない確信が宿っていた。
そして、私は彼から授けられた必勝の策を二人に告げた。
「まず、作戦の第一段階。カイン、あなたには陽動をお願いします」
「陽動?」
「ええ。あなたは正面から派手に攻めかかってください。ただし本気で攻める必要はありません。目的は敵の注意をあなた一人に引きつけること。バルドルの壁を崩すふりをして、ライオネルの風の刃を巧みにかわし続けてください」
「なるほどな。囮になれ、ということか。任せておけ、得意分野だ」
カインが不敵に笑う。
「その間に、作戦の第二段階。アンナ、あなたは演習場の地形を利用して彼らの陣地の周囲に、あなたの得意な魔道具を仕掛けてください。ただしそれは攻撃用の罠ではありません」
「じゃあ、何を仕掛けるの?」
アンナが不思議そうに首を傾げた。
私はにやりと笑ってみせた。
「『音』と『光』を出すだけの、ただの『おもちゃ』ですわ」
「おもちゃ……?」
「ええ。派手な音や眩しい光を放つだけの無害な魔道具。それを複数箇所で時間差で作動させるのです。そうすれば敵はどこから本当の攻撃が来るのか分からなくなり、混乱するはず」
アンナの目がきらりと輝いた。
「そっか! 陽動で注意を引きつけて、さらに偽の罠で攪乱するんだね! 面白い! 任せて、とびっきりの『びっくり箱』をたくさん作ってくるよ!」
アンナが頼もしく胸を叩く。
「そして敵が完全に混乱し、シャルロッテが苛立ちから陣地を飛び出した瞬間が、作戦の最終段階です」
私は地図上の一点を指さした。
「わたくしが森の中に隠れて待機し、突出してきたシャルロッテを背後から一撃で無力化します。大将を失った軍は烏合の衆。残った二人を制圧するのは容易いはずですわ」
完璧な作戦だった。
それは私たち三人の長所を最大限に活かし、敵の弱点を的確に突く、芸術的なまでに練り上げられた戦術。
アンナとカインは呆然と私を見つめていたが、やがてその表情は興奮と闘志に満ちたものへと変わっていった。
「……すげえ。リリアーナ、お前……」
「すごいよ! なんだかもう勝てる気しかしないよ!」
二人の称賛の言葉に、私は少し照れながらも心の中で呟いた。
(ありがとうございます、ルーク。最高の軍師様)
『礼には及ばん。だが、忘れるな』
ルークの声が私の心をそっと引き締めた。
『作戦はあくまで机上のものだ。戦場では常に予想外のことが起こる。最後に勝利を掴むのは、作戦の完璧さではない。仲間を信じ、己を信じる、その心の強さだということを』
彼の言葉を、私は深く胸に刻み込んだ。
私たちのチームは、最強の作戦と、そして何よりも強い絆という武器を手に入れた。
中間試験の開始を告げる鐘が鳴るまで、あと数日。
私たちの間にはもう微塵の不安もなかった。あるのは、これから始まる戦いへの熱い高揚感だけだった。
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