12 / 14
side∶凛 4
しおりを挟む陸は、兄さんに……陸が思い描く優しくて真面目で頭が良い理想の兄さんに、抱かれたいんだよ。心では、兄さんはそんなことしないって思ってるんだろうけどさ。陸の身体は、兄さんを求めてるんだよ。
それが、僕が陸に教えたかった、イイコト。
僕は陸のジャージの中に手を這わせる。汗で少しベタついているけどそれが逆に気持ちいい。
「ふふっ。ジャージって、こういうとき便利だよね」
僕は右手を、陸の背中からウエストに滑らせた。伸び縮みするゴムは僕の手を拒む事無く通過させる。
陸はくすぐったそうにしていたけれど、湿らせた指は少しの抵抗の後に陸の中に入った。
「ん、やっ」
耳元で聞こえる声が、少しだけ甘くなる。
中に入れた指に、陸が絡みついてくるのがわかる。
僕はそれが嬉しくて、反対の手で下着の中で窮屈そうにしている陸を撫でていた……無意識で。
……
「なーんでかなー。パンツが引っ掛かって下まで下げられなーいーの、なーんでかなぁー?」
僕は、陸の身体が今どうなってるか、陸にわかるようにワザとらしく言う。無意識で触っていたことをごまかすために。
「や、だ……見る、な」
口ではやだって言っておきながら、陸の身体は素直に反応する。
兄さんを、こうやって自分の中に入れると気持ちよくなることを、身体はすぐに理解する。
けれど。
指に熱さを感じるぶんだけ、僕に暗い影が忍び寄る。
この甘い声をさせているのは。
絡みつく熱が求めているのは。
僕じゃない。
僕は、僕の手の中で反応する陸に無意識で喜んでいた自分に、心の中で舌打ちした。
11
あなたにおすすめの小説
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式の話
八億児
BL
架空の国と儀式の、真面目騎士×どスケベビッチ王。
古代アイルランドには臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式があったそうで、それはよいものだと思いましたので古代アイルランドとは特に関係なく王の乳首を吸ってもらいました。
この変態、規格外につき。
perari
BL
俺と坂本瑞生は、犬猿の仲だ。
理由は山ほどある。
高校三年間、俺が勝ち取るはずだった“校内一のイケメン”の称号を、あいつがかっさらっていった。
身長も俺より一回り高くて、しかも――
俺が三年間片想いしていた女子に、坂本が告白しやがったんだ!
……でも、一番許せないのは大学に入ってからのことだ。
ある日、ふとした拍子に気づいてしまった。
坂本瑞生は、俺の“アレ”を使って……あんなことをしていたなんて!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる