アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜

芍薬甘草湯

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追放編

ようやく帰還

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「‥‥‥ようやく‥‥‥着いたぁ」

 全身の激痛と激臭に耐えつつヨロヨロとなんとか歩いて冒険者ギルドに辿り着いた。門からここまでみんなに二度見されたよ。

「おかえり、アルくん。って、どうしたのっ!? すごく臭うわよ?」

「あ、すみません。ちょっとドラゴンの糞が‥‥‥」
「先にこっちでシャワー浴びてちょうだい。他の方にも迷惑になるから」
「ごめんなさい」

 アンナさんがシャワー室に案内してくれた。ヨロヨロと歩く。

「このズボンはもう捨てるわね。えーっと、ちょっと待ってて」

 アンナさんが一度シャワー室から出て行った。少しして戻ってきた。

「このお古で悪いけど、コレ履きなさい」
「ふぁい」

 アンナさんって優しいよなぁ。ホントに好きになっちゃうよ。
 アンナさんの用意してくれたズボンに履き替える。サイズは少し緩かった。ベルトで締めれば問題ないけど。それとなんか見覚えがあったけど思い出せない。
 まぁいいか。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「で、随分と遅い帰りだったわね。いったい何があったの?」
「いやぁ、なんと言えばいいのか? あ、そうだ。コレって引き取り出来ますか?」

ドンっ!!

 受付カウンターにオーク肉の塊を置いた。
 ふう、重かった。

「えぇ!? なにこれ!? オーク肉じゃないの!! どうしたのよ、コレェ!?」
 叫ぶアンナさん、声が大きいよ。
 注目を集めてしまった。

「おいおい、アルよ。人のドロップ品を盗むのは犯罪だぞ?」
 ギルマスのブライアンさんまでやって来た。

「え? 盗んでませんよ。自分で倒しましたから」
「嘘ついてもすぐにバレるからな、【鑑定】‥‥‥? !? え? なんだコレ? アル、ホントにコレお前が倒したのか?」
 ブライアンさんの鑑定はドロップ品の権利者、つまりモンスターの討伐者までわかるらしい。

「さっきからそう言ってるじゃないですか」
「‥‥‥すまなかった。この通りだ」
 ギルマスが頭を下げて謝罪してきたせいで周りがざわざわと騒がしくなってしまった。

「も、もういいですから」
「ありがとう、アル。お詫びと言ってはなんだが、なんでも相談に乗るから言ってくれ」
「わかりました。じゃあ、後でお願いします」

「アルくん、オーク肉の報酬がコレね。討伐依頼も出てたから受注した事にして依頼達成にしといたわ」
 ドン、と置かれる。やはり討伐依頼の方が儲かるんだなぁ。
「あ、残りはとりあえず口座に‥‥‥」
 端数の中身の軽いやつだけもらった。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「‥‥‥おい!」

 たくさんお金が入ってしまった。どうしよう、何に使おうかなぁ?

「おい、そこの! そんなとこでボーッと突っ立ってんじゃねーよ、邪魔だよ!!」

 受付近くで考え事してたから他の冒険者に注意されてしまった。
「あ、すみません」
「フン! さっさと退けってんだ」
 振り返ると女の人と二人の男性がいた。どうやらさっきの声は女の人のだろう。

 女の人は肌の露出の多い鎧に身を包んでいる。いわゆるビキニアーマーってやつかな。赤い髪は肩くらい。装備からすると『剣士』っぽい。
 男の一人は動き易そうな服装でゴーグルを頭にかけていた。『探索者《シーカー》』っぽいな。
 もう一人は多分『魔法使い』だな、それらしい服装で杖を持っていた。

 俺は謝罪をしてギルドの受付から離れた。

 あー、怖かった‥‥‥!
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