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トーナメント地方予選編
準決勝第二試合②
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「なんかやるんならさっさとやらねーと‥‥‥」
アランが再度腰を落として構える。また連続攻撃に繋げるための初撃が来そうだ。
「‥‥‥終わっちまうぞっ!?」
「くっ!」
こちらも再度バックステップで避けた。だが武舞台の端へと追い込まれてしまった。
もう躊躇してる場合じゃない‥‥‥。
懐から取り出した竜の秘薬(中)を使った。有効時間は五分間。
「!? なんだかわかんねーけどこれで終わりだべっ!!」
再度初撃を放ってくる。が、さすがは竜の秘薬だ。避けるのだけで必死だったあの初撃がゆっくりに見えるようになった。
さて、どう倒そうか? やり過ぎたら殺してしまうはずだ。
たしか護符で防げるのは致命的な一撃だったよな。
この初撃にカウンターを被せてもいいんだけどラッキーパンチで倒したみたいに思われても癪だ。このアランは特にソフィアを狙ってるから解らせないといけないよな。再度挑まれても面倒だし。
という訳で指一本で全て受けきる事にした。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
(アラン視点)
「そりゃそりゃそりゃそりゃそりゃあ!!!!」
初撃が入った後はいつものラッシュが決まる‥‥‥はずだっただ。オラのラッシュは一撃一撃が速くて重いと自負してる。一回戦の盾を構えたロイドさんさえも後退させるくらいだからな。
それをこいつはさっきから指一本で抑えてやがるべ!? しかも後ろには一ミリも下がる事なく!?
なんなんだ、コイツは!?
初めにかけられたやたらと滑る液はオラの魔力で洗い流せたけんど。さっき使った薬のせいだべか?
あ‥‥‥、ラッシュのスピードが落ちてきただ。ラッシュの継続時間は約三分間。それが終わると息が上がってしまって隙だらけになっちまう‥‥‥。なんとか一撃でも入れないと‥‥‥。
「‥‥‥ハァハァ‥‥‥ゼェゼェ‥‥‥」
「終わったか?」
結局一撃もまともに入れられなかっただ。アルフレッドも安心した表情を浮かべてやがるな。
くっそ‥‥‥、こっちはもう腕も上がんなそうだべ。息するのだけで精一杯だ。
アルフレッドは手のひらをこちらに向けてやがる。こりゃあ、もう勝てねーわ。降参すっか‥‥‥。
「‥‥‥ハァハァ‥‥‥ゼェゼェ‥‥‥ま、まいっ‥‥‥!?」
『参った』と言い切る前にアルフレッドの掌底がオラに触れたのはわかった。『当たった』とか『打ち込まれた』じゃなくて『触れた』だ。
オラは武舞台の端まで追い込んでいたはずだべ。それがそこから逆の端を超えて闘技場の壁まで吹き飛ばされただ。護符なんか跡形もなく砕け散っていた。
「‥‥‥場外! アルフレッド選手の勝利!!」
完璧に負けただ‥‥‥、オラじゃ全然勝てなかっただな。護符が無かったらオラ死んでただ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
勝ったぞ‥‥‥なんとかな。
反対の壁まで吹き飛ばされたアランがヨロヨロと武舞台の中央まで戻ってくる。終わりの挨拶をするつもりなのだろう。
うぅ‥‥‥、なるべく早くしてくれ。
間もなく時間が‥‥‥。
「オラの負けだぁ。おめさん強ぇやな?」
握手を求めて手を差し出してきた。こちらも手を出そうとする。
「こちらこそ‥‥‥ギャアアア!!」
キター!!! 例の副作用。全身の激しい痛みで立てなくなり倒れた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
(アラン視点)
いいいいいぃ!?
オラが握手を求めたら蹲って倒れたべ。
なんで勝ったオメーさんが倒れてんだよ!?
アランが再度腰を落として構える。また連続攻撃に繋げるための初撃が来そうだ。
「‥‥‥終わっちまうぞっ!?」
「くっ!」
こちらも再度バックステップで避けた。だが武舞台の端へと追い込まれてしまった。
もう躊躇してる場合じゃない‥‥‥。
懐から取り出した竜の秘薬(中)を使った。有効時間は五分間。
「!? なんだかわかんねーけどこれで終わりだべっ!!」
再度初撃を放ってくる。が、さすがは竜の秘薬だ。避けるのだけで必死だったあの初撃がゆっくりに見えるようになった。
さて、どう倒そうか? やり過ぎたら殺してしまうはずだ。
たしか護符で防げるのは致命的な一撃だったよな。
この初撃にカウンターを被せてもいいんだけどラッキーパンチで倒したみたいに思われても癪だ。このアランは特にソフィアを狙ってるから解らせないといけないよな。再度挑まれても面倒だし。
という訳で指一本で全て受けきる事にした。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
(アラン視点)
「そりゃそりゃそりゃそりゃそりゃあ!!!!」
初撃が入った後はいつものラッシュが決まる‥‥‥はずだっただ。オラのラッシュは一撃一撃が速くて重いと自負してる。一回戦の盾を構えたロイドさんさえも後退させるくらいだからな。
それをこいつはさっきから指一本で抑えてやがるべ!? しかも後ろには一ミリも下がる事なく!?
なんなんだ、コイツは!?
初めにかけられたやたらと滑る液はオラの魔力で洗い流せたけんど。さっき使った薬のせいだべか?
あ‥‥‥、ラッシュのスピードが落ちてきただ。ラッシュの継続時間は約三分間。それが終わると息が上がってしまって隙だらけになっちまう‥‥‥。なんとか一撃でも入れないと‥‥‥。
「‥‥‥ハァハァ‥‥‥ゼェゼェ‥‥‥」
「終わったか?」
結局一撃もまともに入れられなかっただ。アルフレッドも安心した表情を浮かべてやがるな。
くっそ‥‥‥、こっちはもう腕も上がんなそうだべ。息するのだけで精一杯だ。
アルフレッドは手のひらをこちらに向けてやがる。こりゃあ、もう勝てねーわ。降参すっか‥‥‥。
「‥‥‥ハァハァ‥‥‥ゼェゼェ‥‥‥ま、まいっ‥‥‥!?」
『参った』と言い切る前にアルフレッドの掌底がオラに触れたのはわかった。『当たった』とか『打ち込まれた』じゃなくて『触れた』だ。
オラは武舞台の端まで追い込んでいたはずだべ。それがそこから逆の端を超えて闘技場の壁まで吹き飛ばされただ。護符なんか跡形もなく砕け散っていた。
「‥‥‥場外! アルフレッド選手の勝利!!」
完璧に負けただ‥‥‥、オラじゃ全然勝てなかっただな。護符が無かったらオラ死んでただ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
勝ったぞ‥‥‥なんとかな。
反対の壁まで吹き飛ばされたアランがヨロヨロと武舞台の中央まで戻ってくる。終わりの挨拶をするつもりなのだろう。
うぅ‥‥‥、なるべく早くしてくれ。
間もなく時間が‥‥‥。
「オラの負けだぁ。おめさん強ぇやな?」
握手を求めて手を差し出してきた。こちらも手を出そうとする。
「こちらこそ‥‥‥ギャアアア!!」
キター!!! 例の副作用。全身の激しい痛みで立てなくなり倒れた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
(アラン視点)
いいいいいぃ!?
オラが握手を求めたら蹲って倒れたべ。
なんで勝ったオメーさんが倒れてんだよ!?
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