86 / 171
冒険者 編
望まない再会
しおりを挟むデフロック侯爵の屋敷についた、なんか派手だな。ゴテゴテとしてると言うか何というか、はっきり言えば美しくない。
「何だ?貴様らは?」
当然だが門番に止められる。すっごい感じ悪い。王家の依頼書を見せると態度がガラリと変わって通してくれた。
まぁ考えようによってはちゃんと仕事してるって事だろう、アップダウン激しくて耳キーンってなるわ。
「領主様は獣人がお好きでないから、お付きの者は馬車で待たれよ」
うわっ、そっち系の人間か。確かに差別的に扱われる事も多いらしいのは知ってたけどさ。
ローズとサラは慣れてるというか当たり前の顔をしている。
マリアも
「私もここで待つわ、そういう人とあまり顔を会わせたくないし」
と馬車に残った。
えー、俺一人で会うの?
屋敷の中に通された。太めの男性がいる。
「よく来た、其方が王家から派遣されて来た冒険者だな?」
「冒険者のネロと申します。来る途中の乾燥していた地域で雨を降らせてみたのですが、あまり効果がありませんでした。何か‥‥‥」
「何ぃ!効果がないだと⁉︎貴様ホンモノか?」
失礼だな、なんだこのオッサン‥‥‥てなんか前もこんな事があったような。アレは確か学院に入る前に‥‥‥。
「おい、聞いているのか?貴様!水魔法を見せてみろ!」
アレ?急にそんな展開?まぁ見せれば証明になるだろう。
「スコール!」
屋敷の屋根を叩きつけるように豪雨が降ってきた。俺も少しムキになっていたようで、少し魔力込めちゃったみたい。
「父上!何事でしょう?晴れていたのに急に大雨が‥‥。⁉︎ キサマ、まさか水か?何故ここにいる⁉︎」
急に誰か入ってきた。でもなんか聞いたことある声、見た事ある顔、俺を「水」と呼ぶ奴いたっけな。でも、名前が出てこない。
「えーっと、どちら様でしたっけ?」
「キサマ!忘れたとか言うんじゃないだろうな⁉︎」
「‥‥‥すいません」
「ダニエルだ!ダニエル=デフロック侯爵次期当主だ!」
あっ!思い出した!模擬戦の後、バックれた人だ。
「失礼しました。思い出しました。お元気そうですね」
「何をキサマ、いけしゃあしゃあと‥‥‥」
侯爵様が出てきて止めた。
「ダニエルよ、もう良い。話が進まん」
そうでした、ニセモノと疑われたから雨を降らせていたのだった。雨を止めた。
「侯爵様、これでいかがですか?」
「う‥‥む、ニセモノでは無さそうだな。となると効果がないとはどういう事だ?」
「雨の直後は湿っていますがすぐに乾いてしまうのです。この土地に何か原因があるのではないでしょうか?例えば呪いの類いとか‥‥‥」
「キサマ!我が領地が呪われていると吐かすか⁉︎」
「父上、このような者に頼る必要はございません。とっとと追い出しましょう!」
おっと、なんかマズイ雰囲気だ。
「いや、仮にも王家から派遣されてきたのだ。無闇に追い出すのはマズイ。うーむ」
じゃあこっちから提案しよう。
「とりあえず領都内の宿で待機しておりますので、何かございましたらお呼び下さい」
4
あなたにおすすめの小説
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
~クラス召喚~ 経験豊富な俺は1人で歩みます
無味無臭
ファンタジー
久しぶりに異世界転生を体験した。だけど周りはビギナーばかり。これでは俺が巻き込まれて死んでしまう。自称プロフェッショナルな俺はそれがイヤで他の奴と離れて生活を送る事にした。天使には魔王を討伐しろ言われたけど、それは面倒なので止めておきます。私はゆっくりのんびり異世界生活を送りたいのです。たまには自分の好きな人生をお願いします。
[完結]前世引きこもりの私が異世界転生して異世界で新しく人生やり直します
mikadozero
ファンタジー
私は、鈴木凛21歳。自分で言うのはなんだが可愛い名前をしている。だがこんなに可愛い名前をしていても現実は甘くなかった。
中高と私はクラスの隅で一人ぼっちで生きてきた。だから、コミュニケーション家族以外とは話せない。
私は社会では生きていけないほどダメ人間になっていた。
そんな私はもう人生が嫌だと思い…私は命を絶った。
自分はこんな世界で良かったのだろうかと少し後悔したが遅かった。次に目が覚めた時は暗闇の世界だった。私は死後の世界かと思ったが違かった。
目の前に女神が現れて言う。
「あなたは命を絶ってしまった。まだ若いもう一度チャンスを与えましょう」
そう言われて私は首を傾げる。
「神様…私もう一回人生やり直してもまた同じですよ?」
そう言うが神は聞く耳を持たない。私は神に対して呆れた。
神は書類を提示させてきて言う。
「これに書いてくれ」と言われて私は書く。
「鈴木凛」と署名する。そして、神は書いた紙を見て言う。
「鈴木凛…次の名前はソフィとかどう?」
私は頷くと神は笑顔で言う。
「次の人生頑張ってください」とそう言われて私の視界は白い世界に包まれた。
ーーーーーーーーー
毎話1500文字程度目安に書きます。
たまに2000文字が出るかもです。
魔晶石ハンター ~ 転生チート少女の数奇な職業活動の軌跡
サクラ近衛将監
ファンタジー
女神様のミスで事故死したOLの大滝留美は、地球世界での転生が難しいために、神々の伝手により異世界アスレオールに転生し、シルヴィ・デルトンとして生を受けるが、前世の記憶は11歳の成人の儀まで封印され、その儀式の最中に前世の記憶ととともに職業を神から告げられた。
シルヴィの与えられた職業は魔晶石採掘師と魔晶石加工師の二つだったが、シルヴィはその職業を知らなかった。
シルヴィの将来や如何に?
毎週木曜日午後10時に投稿予定です。
ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
【第2章完結】王位を捨てた元王子、冒険者として新たな人生を歩む
凪木桜
ファンタジー
かつて王国の次期国王候補と期待されながらも、自ら王位を捨てた元王子レオン。彼は自由を求め、名もなき冒険者として歩み始める。しかし、貴族社会で培った知識と騎士団で鍛えた剣技は、新たな世界で否応なく彼を際立たせる。ギルドでの成長、仲間との出会い、そして迫り来る王国の影——。過去と向き合いながらも、自らの道を切り開くレオンの冒険譚が今、幕を開ける!
転生令息は攻略拒否!?~前世の記憶持ってます!~
深郷由希菜
ファンタジー
前世の記憶持ちの令息、ジョーン・マレットスは悩んでいた。
ここの世界は、前世で妹がやっていたR15のゲームで、自分が攻略対象の貴族であることを知っている。
それはまだいいが、攻略されることに抵抗のある『ある理由』があって・・・?!
(追記.2018.06.24)
物語を書く上で、特に知識不足なところはネットで調べて書いております。
もし違っていた場合は修正しますので、遠慮なくお伝えください。
(追記2018.07.02)
お気に入り400超え、驚きで声が出なくなっています。
どんどん上がる順位に不審者になりそうで怖いです。
(追記2018.07.24)
お気に入りが最高634まできましたが、600超えた今も嬉しく思います。
今更ですが1日1エピソードは書きたいと思ってますが、かなりマイペースで進行しています。
ちなみに不審者は通り越しました。
(追記2018.07.26)
完結しました。要らないとタイトルに書いておきながらかなり使っていたので、サブタイトルを要りませんから持ってます、に変更しました。
お気に入りしてくださった方、見てくださった方、ありがとうございました!
異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!
夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。
ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。
そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。
視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。
二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。
*カクヨムでも先行更新しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる