転生の水神様ーー使える魔法は水属性のみだが最強ですーー

芍薬甘草湯

文字の大きさ
162 / 171
第二部 家庭編

チームハイドの活躍

しおりを挟む

「ハァーーッ!!!」
 俺の剣がオークを引き裂く。 

「セイッ! セイ、セイ、ハッ!!!」
 フローラの拳と蹴りでゴブリン達を吹き飛ばす。

「そりゃあぁーーーーーー!!!」
 ビアンカの槍がリザードマンを薙ぎ倒す。

「すごい勢いだニャ~、ウチら出番ないニャ」
「あいつら、ホント強くなったなぁ‥‥‥」

 この後も快進撃を続けた。
 俺たちは不思議と疲れないからな。

 さすがに四階層ともなると、敵自体が強くなってきた。あとは単純に物理攻撃だけじゃ効かなくなってきている。物理耐性のあるモンスターが増えてきた。

「どうする? 引き返すか?」
「ヤダ!!」
「嫌です!!」

 俺も一応聞いてみただけだ、引き返すつもりはハナからない。疲労している訳では無いし。



 五階層、フロアボスがいるはずだ。魔力が少し心許なくなってきたかな。帰りの分を考えるとそろそろ引き返すタイミングだろう。

「そろそろ戻ろう。ここまでのマッピングは出来て‥‥‥!!!! ハイド! 危ない!!」
「え? !!!!」

 サラさんが突き飛ばしてくれたお陰で俺は怪我をしなかった。‥‥‥俺は。

「大丈夫かい‥‥‥? ハイド‥‥‥」
 サラさんの肩に深々と矢のような針? が刺さっていた。
「!!!! サラさん!! ローズさん! サラさんが‥‥‥」
「大丈夫ニャ、ネロのポーションが‥‥‥ってまだまだ飛んでくるニャ!! 避けるニャ!」

 くっ! 相当な数の針が飛んできた。剣で払いつつサラさんを担いでその場を離れる。

 皆それぞれ針が掠ってしまったが、コレくらいなら‥‥‥。

 !? なんだ、これは‥‥‥、手が痺れる。剣を取り落としてしまった。

「ククク、麻痺毒が効いたようですね。やはりあなた方はこうするに限ります‥‥‥」

 暗闇から現れたのは執事に似た格好のモンスターだ。大きな角と蝙蝠の様な羽があった。
 魔族というやつか?
「なっ!? 麻痺毒だと‥‥‥? 貴様は誰だ‥‥‥?」
「これはこれは失礼しました。私は火針のプロクス。ここのフロアを任されております」


「なに‥‥‥何故フロアボスがボス部屋から出てきている?」
「ここは特殊なダンジョンでございますゆえ。他の方々もちゃ~んと効いているようですねぇ?」

「ぐっ! お前らだけでも逃げるニャ!!」
「ローズさん!!」
「うちは足が麻痺してるニャ。せめてここでこいつを食い止めるニャ! サラも置いてけニャ! 足が動くなら三人は逃げるニャ!」

「そうはいきませんよっと!」
「キャアッ!!!」
 ビアンカの足に針が刺さる。

「そっちのお嬢さんもっ!」
「キャアッ!」
 フローラも歩けなくなった。

「はい、貴方もっ!!」
「くっ! そうはいくかっ!!」
 利き手と逆で剣を持ち、払い除ける。

「ほう! 素晴らしい剣の腕ですねぇ。迂闊に近づくところでした。危ない、危ない、離れて攻撃しましょう。そして、コレだけの針は防げないでしょう?」

 くっ!! あの野郎、数えるのも嫌になるくらいの針を出してきやがった。

「ぐあぁーーー!!!!」
 ぐっ、ほとんど全身を刺された‥‥‥。

「痛いでしょう? そういう針ですからねぇ。私、強い冒険者をこうしてから蹴りつけるのが大好きでしてねぇ‥‥‥」

「‥‥‥妹達に‥‥‥手を出すな‥‥‥!」
 
「ほほーう!! 美しいぃ!! 実に美しいぃ!!! 兄妹愛というやつですかねぇ! よろしい! 貴方から先に痛めてあげましょうねぇーーーーーー!!!!」



「そら! そら! そら!! 痛いでしょう!? ほら、こっち向いてその表情を見せて下さいよ!!」

 ぐっ!! くそっ、こいつ楽しんでやがる。
全身を針で刺されたが、這うようにして妹達に覆い被さる。せめてコイツの蹴りが当たらないように‥‥‥。
 だがいつまで保つか‥‥‥。

「ふーう、貴方は声を上げないからツマラナイですねぇ~。そ~れっ!!」
 掴まれて投げられた‥‥‥。
 二人も手足が麻痺して無防備だ。

 まずい‥‥‥!! 



「だ、だれかっ‥‥‥!!!」

「クククッ! 誰も来ませ‥‥‥ぐはっ!!」
 突然、ヤツが吹き飛んだ。


 一瞬光って声がした。
「すまん、遅くなった‥‥‥」

 聞き覚えのある声‥‥‥

「ハイド、妹達をよく庇ってくれたな」

 黒い髪、黒い服‥‥‥そして黒い目‥‥‥

「ありがとう、あとは‥‥‥」

 来てくれたんだ、父様‥‥‥

「俺に任せろ!!」
しおりを挟む
感想 91

あなたにおすすめの小説

社畜サラリーマン、異世界でパンと魔法の経営革命

遊鷹太
ファンタジー
過労死寸前の30代サラリーマン・佐藤健は、気づけば中世ヨーロッパ風の異世界に転生していた。与えられたのは「発酵魔法」という謎のスキルと、前世の経営知識。転生先は辺境の寒村ベルガルド――飢えと貧困にあえぐ、希望のない場所。「この世界にパンがない…だと?」健は決意する。美味しいパンで、人々を笑顔にしよう。ブラック企業で培った根性と、発酵魔法の可能性。そして何より、人を幸せにしたいという純粋な想い。小さなパン屋から始まった"食の革命"は、やがて王国を、大陸を、世界を変えていく――。笑いあり、涙あり、そして温かい人間ドラマ。仲間たちとの絆、恋の芽生え、強大な敵との戦い。パン一つで世界を救う、心温まる異世界経営ファンタジー。

昭和生まれお局様は、異世界転生いたしましたとさ

蒼あかり
ファンタジー
局田舞子(つぼたまいこ)43歳、独身。 とある事故をきっかけに、彼女は異世界へと転生することになった。 どうしてこんなことになったのか、訳もわからぬままに彼女は異世界に一人放り込まれ、辛い日々を過ごしながら苦悩する毎日......。 など送ることもなく、なんとなく順応しながら、それなりの日々を送って行くのでありました。 そんな彼女の異世界生活と、ほんの少しのラブロマンスっぽい何かを織り交ぜながらすすむ、そんな彼女の生活を覗いてみませんか? 毎日投稿はできないと思います。気長に更新をお待ちください。

明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。 彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。 最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。 一種の童話感覚で物語は語られます。 童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです

異世界転生したおっさんが普通に生きる

カジキカジキ
ファンタジー
 第18回 ファンタジー小説大賞 読者投票93位 応援頂きありがとうございました!  異世界転生したおっさんが唯一のチートだけで生き抜く世界  主人公のゴウは異世界転生した元冒険者  引退して狩をして過ごしていたが、ある日、ギルドで雇った子どもに出会い思い出す。  知識チートで町の食と環境を改善します!! ユルくのんびり過ごしたいのに、何故にこんなに忙しい!?

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

俺のスキルが回復魔『法』じゃなくて、回復魔『王』なんですけど?

八神 凪
ファンタジー
ある日、バイト帰りに熱血アニソンを熱唱しながら赤信号を渡り、案の定あっけなくダンプに轢かれて死んだ 『壽命 懸(じゅみょう かける)』 しかし例によって、彼の求める異世界への扉を開くことになる。 だが、女神アウロラの陰謀(という名の嫌がらせ)により、異端な「回復魔王」となって……。 異世界ペンデュース。そこで彼を待ち受ける運命とは?

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

ゲームちっくな異世界でゆるふわ箱庭スローライフを満喫します 〜私の作るアイテムはぜーんぶ特別らしいけどなんで?〜

ことりとりとん
ファンタジー
ゲームっぽいシステム満載の異世界に突然呼ばれたので、のんびり生産ライフを送るつもりが…… この世界の文明レベル、低すぎじゃない!? 私はそんなに凄い人じゃないんですけど! スキルに頼りすぎて上手くいってない世界で、いつの間にか英雄扱いされてますが、気にせず自分のペースで生きようと思います!

処理中です...