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てるてる坊主
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私は怒ってる。
彼のLIMEの返事が遅い事とか。
最近、おやすみ電話をしなくなった事とか。
最低でも週に一度はしていたデートが月に一度になった事とか。
でも、そんな事を怒ってる訳じゃない。
不満がないかと言えば嘘になるけど、彼が仕事で忙しい事は分かっているし、仕方がないとも思ってる。
それでも明日だけは・・・
私を優先して欲しかった。
だって明日は二人の記念日。
毎年、この日だけは必ず二人でお祝いしようって約束してたのに・・・
「ごめん、明日ダメになった」
彼からのLIMEで私の心は一気に曇り空。
降水確率百パーセントだ。
窓の外を見ると外も生憎の雨模様で。
それは私の心の中を写してるみたいだ・・・
なんて感傷にも浸りたくなるよ。
窓際に吊るしたてるてる坊主も何だか寂しそう。
このまま未読にしてたらキャンセル自体が無かった事にならないかな?
そんな無駄な事を考えたりして。
やっぱり付き合って五年にもなるとこんなもんなのかも知れない。
重い女にだけはなりたくなくて。
理解のある彼女でいたかった。
なのに——いつの間にか私、ただの都合の良い女になってる?
考えないようにしてたけど、
やっぱり他に・・・・・・いるのかな。
———もう、潮時なのかも知れない。
そう思ったら、胸が締め付けられて。
苦しくて、切なくて。
心の奥に穴が空いた気がする。
ダメだ・・・涙が止まんないよ。
彼はもう冷めちゃったのかも知れないけど、昔と変わらず私は今でも彼が好き。
想うだけ無駄なのは分かってる。
それでもやっぱり彼が好きなの。
・・・後少しで今日が終わる。
彼と付き合ってから初めて一人で過ごす記念日。
彼が言わないなら、私から言わないと。
これ以上傷痕が深くなる前に。
そしたらいきなり彼からの着信音。
今度は何?
言い訳なんか聞きたくないよ。
これ以上追い討ち掛けたりしないで。
スマホを持つ手が震えてる。
〝応答〟のボタンがなかなか押せない。
・・・勇気出さなきゃダメだよね。
・・・いつまでも逃げてちゃダメだよね。
「・・・もしもし」
「外を見て」
カーテンから覗いてみると、窓の向こうに花束を持った彼が見えた。
「0時ぴったり」
言いたい事はいっぱいあるのに、
喉まで出掛かった言葉が声にならなくて。
「最近寂しい想いさせてばっかでごめん。こんな俺なのに、ずっと傍に居てくれて・・・
———本当にありがとう」
その言葉に色々な想いが込み上げて来て。
彼の顔がはっきり見えない・・・
それはきっと雨が降ってるせいなんだ。
「大好きだよ」
声にならない声が漏れる。
———チョロいと思われたって何だって。
やっぱり私は彼が好き。
「雨・・・上がったね」
窓際で揺れるてるてる坊主も何だか今は嬉しそう。
彼のLIMEの返事が遅い事とか。
最近、おやすみ電話をしなくなった事とか。
最低でも週に一度はしていたデートが月に一度になった事とか。
でも、そんな事を怒ってる訳じゃない。
不満がないかと言えば嘘になるけど、彼が仕事で忙しい事は分かっているし、仕方がないとも思ってる。
それでも明日だけは・・・
私を優先して欲しかった。
だって明日は二人の記念日。
毎年、この日だけは必ず二人でお祝いしようって約束してたのに・・・
「ごめん、明日ダメになった」
彼からのLIMEで私の心は一気に曇り空。
降水確率百パーセントだ。
窓の外を見ると外も生憎の雨模様で。
それは私の心の中を写してるみたいだ・・・
なんて感傷にも浸りたくなるよ。
窓際に吊るしたてるてる坊主も何だか寂しそう。
このまま未読にしてたらキャンセル自体が無かった事にならないかな?
そんな無駄な事を考えたりして。
やっぱり付き合って五年にもなるとこんなもんなのかも知れない。
重い女にだけはなりたくなくて。
理解のある彼女でいたかった。
なのに——いつの間にか私、ただの都合の良い女になってる?
考えないようにしてたけど、
やっぱり他に・・・・・・いるのかな。
———もう、潮時なのかも知れない。
そう思ったら、胸が締め付けられて。
苦しくて、切なくて。
心の奥に穴が空いた気がする。
ダメだ・・・涙が止まんないよ。
彼はもう冷めちゃったのかも知れないけど、昔と変わらず私は今でも彼が好き。
想うだけ無駄なのは分かってる。
それでもやっぱり彼が好きなの。
・・・後少しで今日が終わる。
彼と付き合ってから初めて一人で過ごす記念日。
彼が言わないなら、私から言わないと。
これ以上傷痕が深くなる前に。
そしたらいきなり彼からの着信音。
今度は何?
言い訳なんか聞きたくないよ。
これ以上追い討ち掛けたりしないで。
スマホを持つ手が震えてる。
〝応答〟のボタンがなかなか押せない。
・・・勇気出さなきゃダメだよね。
・・・いつまでも逃げてちゃダメだよね。
「・・・もしもし」
「外を見て」
カーテンから覗いてみると、窓の向こうに花束を持った彼が見えた。
「0時ぴったり」
言いたい事はいっぱいあるのに、
喉まで出掛かった言葉が声にならなくて。
「最近寂しい想いさせてばっかでごめん。こんな俺なのに、ずっと傍に居てくれて・・・
———本当にありがとう」
その言葉に色々な想いが込み上げて来て。
彼の顔がはっきり見えない・・・
それはきっと雨が降ってるせいなんだ。
「大好きだよ」
声にならない声が漏れる。
———チョロいと思われたって何だって。
やっぱり私は彼が好き。
「雨・・・上がったね」
窓際で揺れるてるてる坊主も何だか今は嬉しそう。
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