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朽ち行く花の後悔
消えない後悔
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「まずは謝りたい。この前はすまなかった」
唯理は目の前の少女に向かって頭を下げた。まずは前回の件のけじめをつけなければならないし、何よりこの話し合いで決着をつけるには互いに冷静になって話す必要がある。
テーブルを挟んで向かい合って座る少女もそれはわかっているだろう。
「もう気にしてないです。それよりも今後の話をしましょう」
唯理は交渉がしたいのだと察すると続けるように促した。
「あなたですよね。雫ちゃんに色々吹き込んでいるのは」
唯理は頷いた。ここで否定したところで話は進まない。
「私からのお願いはたった一つです。もう雫ちゃんと関わるのはやめてください。そして私達のことを詮索しないで」
その言葉に唯理は首を傾げた。
「私達っていうのは誰を指している?」
唯理の言葉に桜家は表情を変えて硬直した。
「……それは私と雫ちゃんに」
「違う」
唯理の声は決して大きい声ではなかった。だが、まるで波紋のように場を支配し静寂をもたらした。
「私達、ここで指す二人はお前、そして沢谷なんじゃないのか?」
唯理は核心をつく発言をする。その言葉に桜家は顔を引き締めた。そして自身の手を固く握る。
「なんの事を言ってるのかわかりません」
「お前は雨車の味方なんじゃなく沢谷の味方なんだろ?」
「そんなわけないでしょ!」
桜家は声を荒らげた。怒りのあまり席を立ちテーブルに手のひらを打ち付ける。
鈍い音が響いたあと二人は無言で睨み合った。
「そうやって威嚇するのは嘘がバレた人間に見られる特徴だ」
唯理の言葉に桜家は無言でうつむいた。それを見て唯理は自分の考えを述べる。
「沢谷があそこまで助長されてたのはお前がいじめられることを受け入れてたからだ。むしろいじめられたかったんじゃないのか?」
唯理は身を乗り出した。
「俺とお前が最初にあった日、明らかにお前は沢谷を庇おうとしていた。お前の優先順位の一番上は沢谷だ。だから雨車のことを拒絶した。沢谷を守るためにこの件から手を引かせようとした」
唯理は言葉で畳み掛ける。揺さぶった今なら彼女も本心を話すはずだ。
「……そうです」
重々しい口調だった。
「でも少し違います。私は沢谷さんも雫ちゃんも両方助けたかった。犠牲は私一人で良かった!」
「凄まじい自己犠牲だな。だが、それは普通じゃない。なんで自分も救ってやろうと思わないんだ?」
「止めて!」
うつむいたまま桜家は声を荒げる。その叫びは今から唯理が言おうとする言葉への拒絶だった。その体はまるで悪夢を思い出したように震えている。
「五年生のあの日、お前は沢谷に対して不利益なことをした。そしてそれを後悔している」
唯理はここで言葉を止めた。次に言うのは決定的な一言。これを言えばもう引き返せない。
いつも葛藤していた。自分が関わっていいのか、踏み込んでいいのか。そのたびに苦しんで祖母の言葉に縋った。
友達付き合いを減らして、見えたものを全てなかったことにして、そうやって平穏な時間を過ごした。
でもそれでも俺は……
「こんなにもこの件がこじれた理由、それはお前と沢谷の共依存関係だ。沢谷は自分の悪意をぶつける存在としてお前を欲し、お前は沢谷にいじめられることで贖罪を果たそうとした。それが俺の導き出した答えだ」
唯理は心底怒りを滲ませながら言葉を紡いだ。その怒りの矛先は桜家でも沢谷でもない。桜家の両親だ。
もし彼らが少しでも桜家の変化に気づいていれば、何かに悩んでいることを知りその後悔を取り除いていれば、ここまで酷いことにはならなかったかもしれない。
桜家に初めてあったとき、努めて冷静さを保っていた。そうしていなければ恐らく唯理は驚きに顔を歪ませていたはずだ。
バーベナ。唯理に見える桜家の心。それはもはや壊れる寸前であった。
まともな葉は何一つとしてなく、花の色はもはや本来は紫だったということがかろうじてわかる程度まで脱色している。乾ききった茎は今にも折れそうだった。
心が罰を欲していたとしても、それに耐えられるとは限らない。ボロボロになってもなお罰を欲するその心はもう限界だったはずだ。
「じゃあ、他に……どうすればよかったんですか……?」
嗚咽が混じった声だった。
「私はあの日、クラスメイトがお金を盗むのを見ました。お金を盗んでたのが沢谷さんじゃないって知ってました」
「なんでそれを言わなかったんだ?」
「言えるわけないでしょ!」
桜家の苦悶に満ちた絶叫が響く。
「言わなきゃいけないことくらい私が一番わかってました! でも怖かった! 私が真実を告げれば沢谷さんは助かる。でも私の言葉で他の人の人生が終わる。ずっと考えてました! どうすればみんな助かるのかって……」
唯理は言葉をつぐんだ。バーベナ、その花言葉は『後悔』。ずっと怯えて暮らしてきたのだろう。こうすればよかった、そんな後悔に幼い時から何度も苛まれてきたのだろう。
そんな状態であっては自分の選択に自信が持てなかったはずだ。だから桜家は逃げてしまった。選択することが怖くて、間違った時に後悔するのが怖くて閉じこもってしまったのだろう。
だが、皮肉にも後悔を避けるためのその行動が新たな後悔を生んでいる。
唯理は桜家の手を見つめた。きっと毎日一人で泣いていたはずだ。涙が染み込んだその手には夥しい数の花が見えた。
「もう私には何が正しくて何が間違ってるか、どうしたらいいのかわからないんです。でもそんな私でも唯一できることがあります。それが沢谷さんを受け入れることなんです」
桜家はゆっくりと顔を上げる。その顔にはいびつな笑顔が浮かんでいた。そして何かが壊れてしまったかのように、その両目からは大粒の涙があふれていた。
その雫が地面に落ち、彼女の原種が顕現する。
「これがお前の心か……」
唯理は固く目をつむった。あんまりだと思った。たくさん悩み、失敗しないように考えて、友達のことを思い苦しんで。自分のためじゃない。誰かのためを思って必死に頑張ってその結果が報われることもない。
これではあまりにも――
「救われないな」
白く変色したボロボロの茎、そしてその茎が支える散った花。まるで心の限界を表したかのようなボロボロの原種に残っているのは、膿のように禍々しいどろりとしたオーラだけであった。
そのオーラに充てられ、影響を受けているとわかっていながらも激しい後悔が唯理の胸の中でも渦巻いた。
「これ以上あなたが邪魔をするなら……」
桜家は小声でつぶやくと隠し持っていたカッターナイフを握りしめた。
その行動に唯理はゆっくりと立ち上がる。
もうやめろとは言えなかった。そんな言葉で止まれるのなら心が壊れる前にとっくに止まっている。
彼女が今こうしているのは後悔ゆえだ。決して消えることなく湧き続ける後悔。それが彼女を突き動かしている。
感情は理性なんかでは止まってくれない。どれだけ理論を振りかざして拒絶しようが絶対に自分から離れてくれない。涙のようにあふれてくる思いを押し込めるなんて不可能だ。
そのことを唯理は誰よりも理解していた。花が見える力がもたらすのは人の醜い部分を見てしまうという重荷だ。そんなこと頭ではちゃんと理解している。だから、人と関わらないようにしてきた。
だが、それでも苦しさは消えてくれなかった。その理由を俺は本当はちゃんと自覚していたのだ。祖母の言葉は正しい。悩むのも苦しむこともうんざりだ。無視することが正しい。
だが、正しいなんて理論で感情は止まってくれない。本当はずっと助けたかった。傲慢だとわかっていても、自分の目の届く人に幸せでいてほしかった。自分のこの目でみんなを救いたかった。
だから使う機会がないことなど分かりきっていたのに心を読み解くすべを身に着けた。いつか誰かの役に立てるとそんな淡い期待を抱いた。
『あなたも苦しんでいるように見えたから』
いつか聞いた、雨車の言葉。ああ、その通りだ。部外者がかかわるべきじゃないとわかっていても本当は見捨てたくなんてなかった。できることなら救ってあげたかったのだ。
桜家も同じだ。抑えられない思いが今最悪の形で具現化しようとしている。ここで止めてあげなければ、彼女はまた後悔する。きっともう立ち上がれない。
唯理は一人覚悟を決めた。それはあの日から、祖母が死んだ日から絶対にやらないと決めていた行為。だが、今だけはそれをなさなくてはならない。
「来いよ、俺の心」
目頭が熱くなるとともに一滴の雫が頬を流れた。その涙から美しくも残酷な花が花弁を開く。
クロユリ、その花言葉は『呪い』と『愛情』。クロユリの特性がどんなものかは唯理さえ正確には把握していない。だが大まかな影響は理解していた。
「うぅ……」
桜家は突如襲ってきためまいにカッターを手放しテーブルへ倒れるようにもたれかかった。甲高い耳鳴りと頭痛に苛まれているのだろう。
唯理は桜家が動けなくなったのを確認するとカッターナイフを取り上げた。
咲いたクロユリは原種ではなく通常の花だ。ならば大きく健康を損なうこともないはずだと唯理は自分に言い聞かせた。脳裏に祖母の最期がよぎるが、必死になって振り払う。
今はそのことを考える必要はない。そして、この話し合いを収めるための最後の作業が残っている。
唯理はまだ動く様子のない桜家を一瞥した後、玄関に向かう。そしてカギを開けるとそこには二人の少女が立っていた。
「ふざけるなよ、桜家」
沢谷の怒りのこもった怒声が静かな家の中に響き渡った。
唯理は目の前の少女に向かって頭を下げた。まずは前回の件のけじめをつけなければならないし、何よりこの話し合いで決着をつけるには互いに冷静になって話す必要がある。
テーブルを挟んで向かい合って座る少女もそれはわかっているだろう。
「もう気にしてないです。それよりも今後の話をしましょう」
唯理は交渉がしたいのだと察すると続けるように促した。
「あなたですよね。雫ちゃんに色々吹き込んでいるのは」
唯理は頷いた。ここで否定したところで話は進まない。
「私からのお願いはたった一つです。もう雫ちゃんと関わるのはやめてください。そして私達のことを詮索しないで」
その言葉に唯理は首を傾げた。
「私達っていうのは誰を指している?」
唯理の言葉に桜家は表情を変えて硬直した。
「……それは私と雫ちゃんに」
「違う」
唯理の声は決して大きい声ではなかった。だが、まるで波紋のように場を支配し静寂をもたらした。
「私達、ここで指す二人はお前、そして沢谷なんじゃないのか?」
唯理は核心をつく発言をする。その言葉に桜家は顔を引き締めた。そして自身の手を固く握る。
「なんの事を言ってるのかわかりません」
「お前は雨車の味方なんじゃなく沢谷の味方なんだろ?」
「そんなわけないでしょ!」
桜家は声を荒らげた。怒りのあまり席を立ちテーブルに手のひらを打ち付ける。
鈍い音が響いたあと二人は無言で睨み合った。
「そうやって威嚇するのは嘘がバレた人間に見られる特徴だ」
唯理の言葉に桜家は無言でうつむいた。それを見て唯理は自分の考えを述べる。
「沢谷があそこまで助長されてたのはお前がいじめられることを受け入れてたからだ。むしろいじめられたかったんじゃないのか?」
唯理は身を乗り出した。
「俺とお前が最初にあった日、明らかにお前は沢谷を庇おうとしていた。お前の優先順位の一番上は沢谷だ。だから雨車のことを拒絶した。沢谷を守るためにこの件から手を引かせようとした」
唯理は言葉で畳み掛ける。揺さぶった今なら彼女も本心を話すはずだ。
「……そうです」
重々しい口調だった。
「でも少し違います。私は沢谷さんも雫ちゃんも両方助けたかった。犠牲は私一人で良かった!」
「凄まじい自己犠牲だな。だが、それは普通じゃない。なんで自分も救ってやろうと思わないんだ?」
「止めて!」
うつむいたまま桜家は声を荒げる。その叫びは今から唯理が言おうとする言葉への拒絶だった。その体はまるで悪夢を思い出したように震えている。
「五年生のあの日、お前は沢谷に対して不利益なことをした。そしてそれを後悔している」
唯理はここで言葉を止めた。次に言うのは決定的な一言。これを言えばもう引き返せない。
いつも葛藤していた。自分が関わっていいのか、踏み込んでいいのか。そのたびに苦しんで祖母の言葉に縋った。
友達付き合いを減らして、見えたものを全てなかったことにして、そうやって平穏な時間を過ごした。
でもそれでも俺は……
「こんなにもこの件がこじれた理由、それはお前と沢谷の共依存関係だ。沢谷は自分の悪意をぶつける存在としてお前を欲し、お前は沢谷にいじめられることで贖罪を果たそうとした。それが俺の導き出した答えだ」
唯理は心底怒りを滲ませながら言葉を紡いだ。その怒りの矛先は桜家でも沢谷でもない。桜家の両親だ。
もし彼らが少しでも桜家の変化に気づいていれば、何かに悩んでいることを知りその後悔を取り除いていれば、ここまで酷いことにはならなかったかもしれない。
桜家に初めてあったとき、努めて冷静さを保っていた。そうしていなければ恐らく唯理は驚きに顔を歪ませていたはずだ。
バーベナ。唯理に見える桜家の心。それはもはや壊れる寸前であった。
まともな葉は何一つとしてなく、花の色はもはや本来は紫だったということがかろうじてわかる程度まで脱色している。乾ききった茎は今にも折れそうだった。
心が罰を欲していたとしても、それに耐えられるとは限らない。ボロボロになってもなお罰を欲するその心はもう限界だったはずだ。
「じゃあ、他に……どうすればよかったんですか……?」
嗚咽が混じった声だった。
「私はあの日、クラスメイトがお金を盗むのを見ました。お金を盗んでたのが沢谷さんじゃないって知ってました」
「なんでそれを言わなかったんだ?」
「言えるわけないでしょ!」
桜家の苦悶に満ちた絶叫が響く。
「言わなきゃいけないことくらい私が一番わかってました! でも怖かった! 私が真実を告げれば沢谷さんは助かる。でも私の言葉で他の人の人生が終わる。ずっと考えてました! どうすればみんな助かるのかって……」
唯理は言葉をつぐんだ。バーベナ、その花言葉は『後悔』。ずっと怯えて暮らしてきたのだろう。こうすればよかった、そんな後悔に幼い時から何度も苛まれてきたのだろう。
そんな状態であっては自分の選択に自信が持てなかったはずだ。だから桜家は逃げてしまった。選択することが怖くて、間違った時に後悔するのが怖くて閉じこもってしまったのだろう。
だが、皮肉にも後悔を避けるためのその行動が新たな後悔を生んでいる。
唯理は桜家の手を見つめた。きっと毎日一人で泣いていたはずだ。涙が染み込んだその手には夥しい数の花が見えた。
「もう私には何が正しくて何が間違ってるか、どうしたらいいのかわからないんです。でもそんな私でも唯一できることがあります。それが沢谷さんを受け入れることなんです」
桜家はゆっくりと顔を上げる。その顔にはいびつな笑顔が浮かんでいた。そして何かが壊れてしまったかのように、その両目からは大粒の涙があふれていた。
その雫が地面に落ち、彼女の原種が顕現する。
「これがお前の心か……」
唯理は固く目をつむった。あんまりだと思った。たくさん悩み、失敗しないように考えて、友達のことを思い苦しんで。自分のためじゃない。誰かのためを思って必死に頑張ってその結果が報われることもない。
これではあまりにも――
「救われないな」
白く変色したボロボロの茎、そしてその茎が支える散った花。まるで心の限界を表したかのようなボロボロの原種に残っているのは、膿のように禍々しいどろりとしたオーラだけであった。
そのオーラに充てられ、影響を受けているとわかっていながらも激しい後悔が唯理の胸の中でも渦巻いた。
「これ以上あなたが邪魔をするなら……」
桜家は小声でつぶやくと隠し持っていたカッターナイフを握りしめた。
その行動に唯理はゆっくりと立ち上がる。
もうやめろとは言えなかった。そんな言葉で止まれるのなら心が壊れる前にとっくに止まっている。
彼女が今こうしているのは後悔ゆえだ。決して消えることなく湧き続ける後悔。それが彼女を突き動かしている。
感情は理性なんかでは止まってくれない。どれだけ理論を振りかざして拒絶しようが絶対に自分から離れてくれない。涙のようにあふれてくる思いを押し込めるなんて不可能だ。
そのことを唯理は誰よりも理解していた。花が見える力がもたらすのは人の醜い部分を見てしまうという重荷だ。そんなこと頭ではちゃんと理解している。だから、人と関わらないようにしてきた。
だが、それでも苦しさは消えてくれなかった。その理由を俺は本当はちゃんと自覚していたのだ。祖母の言葉は正しい。悩むのも苦しむこともうんざりだ。無視することが正しい。
だが、正しいなんて理論で感情は止まってくれない。本当はずっと助けたかった。傲慢だとわかっていても、自分の目の届く人に幸せでいてほしかった。自分のこの目でみんなを救いたかった。
だから使う機会がないことなど分かりきっていたのに心を読み解くすべを身に着けた。いつか誰かの役に立てるとそんな淡い期待を抱いた。
『あなたも苦しんでいるように見えたから』
いつか聞いた、雨車の言葉。ああ、その通りだ。部外者がかかわるべきじゃないとわかっていても本当は見捨てたくなんてなかった。できることなら救ってあげたかったのだ。
桜家も同じだ。抑えられない思いが今最悪の形で具現化しようとしている。ここで止めてあげなければ、彼女はまた後悔する。きっともう立ち上がれない。
唯理は一人覚悟を決めた。それはあの日から、祖母が死んだ日から絶対にやらないと決めていた行為。だが、今だけはそれをなさなくてはならない。
「来いよ、俺の心」
目頭が熱くなるとともに一滴の雫が頬を流れた。その涙から美しくも残酷な花が花弁を開く。
クロユリ、その花言葉は『呪い』と『愛情』。クロユリの特性がどんなものかは唯理さえ正確には把握していない。だが大まかな影響は理解していた。
「うぅ……」
桜家は突如襲ってきためまいにカッターを手放しテーブルへ倒れるようにもたれかかった。甲高い耳鳴りと頭痛に苛まれているのだろう。
唯理は桜家が動けなくなったのを確認するとカッターナイフを取り上げた。
咲いたクロユリは原種ではなく通常の花だ。ならば大きく健康を損なうこともないはずだと唯理は自分に言い聞かせた。脳裏に祖母の最期がよぎるが、必死になって振り払う。
今はそのことを考える必要はない。そして、この話し合いを収めるための最後の作業が残っている。
唯理はまだ動く様子のない桜家を一瞥した後、玄関に向かう。そしてカギを開けるとそこには二人の少女が立っていた。
「ふざけるなよ、桜家」
沢谷の怒りのこもった怒声が静かな家の中に響き渡った。
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