涙と花

カイ異

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朽ち行く花の後悔

エピローグ

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「本当に厄介な物持ち込んでくれたな」
 唯理と雨車はいつかきた中華のチェーン店で打ち上げを行っていた。
 日をまたいだおかげで、何とか自分の中で沢谷と桜家のことを消化できており、自然と明るい会話が続いた。
「それは……ごめんなさい」
 夕食時でにぎわっていた店内では雨車の恥ずかし気な言葉はすぐにかき消されてしまう。だが、唯理は雨車が何を言おうとしたのかなんとなくわかっていた。
 それくらいできるほどには行動を共にしたつもりだ。
「謝るならせめて今回はお前のおごりにしろ」
 唯理の言葉に雨車はぎょっとしたように財布の中を確認する。
「冗談だ」
 慌てふためく雨車を見て満足したように唯理は言った。そしてきっと怒るだろうなと身構える。だが、雨車の行動は予想外の物だった。
「唯理さん、笑いましたね!」
 満面の笑顔で雨車は宣言した。
「違う!」
 唯理は慌てて視線をそらす、自分でも耳が赤くなっているのがわかった。
 そんな唯理を見て雨車はクスクス笑う。つられて唯理も笑ってしまう。
 楽しげな二人の声がにぎやかな店内の声に混ざっていった。
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