噓と迷宮

カイ異

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偽りの空

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 涼やかな風が頬を撫でる。裕翔ゆうとは無意識の内に自分の頬を触っていた。
 途端にはっと意識が覚醒する。目の前には奇妙な空間が広がっていた。
 あちこちに白く輝く、大理石出できた小さな楕円形の足場が浮かんでおり、その一つ一つに縁が金で彩られた全身鏡が置かれている。そして足場と足場の間を、これまたきれいな大理石の階段が複雑に結んでいた。
 きっとここは現実ではないのだろう。その証拠が目の前の景色だ。
 長方形の石がずれて重なっているだけの階段では足場が支えられるとは思えない。ここが現実ならとっくに崩れているはずだ。
 はっきりしていく意識の中で裕翔は次第に自分の状況を理解し始めた。
 腕を広げ自分にはあまりにも似つかわしくない快晴の空を仰ぎ見る。この空はきっと偽物なのだろう。
 ここは『迷宮』、罪人が送られる場所。抜け出す方法は唯一つ。
 「自身おのれ」を知ること。
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