5 / 32
一章~久方ぶりの土地~
出発
3つあるテーブルの1つを占領し、計6人が膝を突き合わせた。
「で、ここの状況は分かった。お前ら5人があの後から、この街を守っていた事も。」
「で、龍さん。あいつらの正体は分かったの?っていうか何処に居たの?」顔を突き出し疑問を口早に話すネズミ。
「何処に居たかはそのうち教えるが、あいつらの正体は正直分からん。」
あからさまにがっかりした5人を見回しながら龍が更に話す。
「ただ、あの後で色んな場所に変な建物が出来たのは聞いた。」
「「変な建物?」」全員の声が重なる。
「あぁ、どうやらあいつらが建てたらしく、各地に散らばって置かれている。」
「何のために?」
「恐らく、監視の為だろうな。」カウンターの中から声が飛んできた。
「あぁ、俺達みたいな奴等が出てこない様に。だと思ってる。」その声に龍が返事をして、更にカウンターに声をかける。
「ネズミがいてくれて助かったが、もう一人戦力が欲しい。頼めねぇか、戌?」
ネズミと龍以外の4人が立ち上がり、カウンターを見やる。
「マスター!?こ、この人が戌なんですか?」
「言ってなかったのかよ?」驚いて目を開く龍。
「昔の話だよ、悪いが今の俺が行った所で足手まといだ。」カウンターから出てきたマスターが足を引き摺りながらテーブルまで歩いていく。
「この通り、この店で仕事するのがやっとなんだ。その代わり…」豊の肩に手を置く
「こいつを連れて行け、基礎は教えといた。」
そう言われて思わず豊が戌を見やる。
「なるほど、柔道を教えたのはあんただったか。」
「いつか、こんな日がくるんじゃないかと思ってたからな。」
「お、俺が二人と一緒に?」豊の言葉が店内に消えていった。
*
バタン!とバックドアが閉まる。
「こんなもんかな。本当に貰っちまって良いのかよ?戌さん。」
4WDの車を撫でながら龍が問う。
「良い良い、どうせもう乗れないからな。そんなことより…」
ネズミと豊を含む5人が別れを惜しんでるのを横目に見ながら、龍の傍に寄りながら小声で呟く。
「午と未は何とか逃がせたが、そっちはどうだ?」
首を横に振りながら「寅は俺の身代わりになってくれた。丑と亥は最前線に立ってくれたから…」と消え入りそうな声で応えた。
「そうか…まぁ、鷹は生きてるだろうなぁ…」励ますように無理やり笑いながら戌が慰めながら右手を差し出す。
「あぁ、あいつは生きてるよ。」そして龍が手を握り返して、やっと笑った。
数十分後、静かになった街の中。
barの裏手に行き、いつもの様に不恰好な石3つに酒をかける。
「聞いたか?あいつはちゃんとお前らの事、気にかけてたぞ。全部終わったらこんな墓標まがいなもんじゃなくて立派な墓を建ててやるからな?寅、丑、亥。」
「で、ここの状況は分かった。お前ら5人があの後から、この街を守っていた事も。」
「で、龍さん。あいつらの正体は分かったの?っていうか何処に居たの?」顔を突き出し疑問を口早に話すネズミ。
「何処に居たかはそのうち教えるが、あいつらの正体は正直分からん。」
あからさまにがっかりした5人を見回しながら龍が更に話す。
「ただ、あの後で色んな場所に変な建物が出来たのは聞いた。」
「「変な建物?」」全員の声が重なる。
「あぁ、どうやらあいつらが建てたらしく、各地に散らばって置かれている。」
「何のために?」
「恐らく、監視の為だろうな。」カウンターの中から声が飛んできた。
「あぁ、俺達みたいな奴等が出てこない様に。だと思ってる。」その声に龍が返事をして、更にカウンターに声をかける。
「ネズミがいてくれて助かったが、もう一人戦力が欲しい。頼めねぇか、戌?」
ネズミと龍以外の4人が立ち上がり、カウンターを見やる。
「マスター!?こ、この人が戌なんですか?」
「言ってなかったのかよ?」驚いて目を開く龍。
「昔の話だよ、悪いが今の俺が行った所で足手まといだ。」カウンターから出てきたマスターが足を引き摺りながらテーブルまで歩いていく。
「この通り、この店で仕事するのがやっとなんだ。その代わり…」豊の肩に手を置く
「こいつを連れて行け、基礎は教えといた。」
そう言われて思わず豊が戌を見やる。
「なるほど、柔道を教えたのはあんただったか。」
「いつか、こんな日がくるんじゃないかと思ってたからな。」
「お、俺が二人と一緒に?」豊の言葉が店内に消えていった。
*
バタン!とバックドアが閉まる。
「こんなもんかな。本当に貰っちまって良いのかよ?戌さん。」
4WDの車を撫でながら龍が問う。
「良い良い、どうせもう乗れないからな。そんなことより…」
ネズミと豊を含む5人が別れを惜しんでるのを横目に見ながら、龍の傍に寄りながら小声で呟く。
「午と未は何とか逃がせたが、そっちはどうだ?」
首を横に振りながら「寅は俺の身代わりになってくれた。丑と亥は最前線に立ってくれたから…」と消え入りそうな声で応えた。
「そうか…まぁ、鷹は生きてるだろうなぁ…」励ますように無理やり笑いながら戌が慰めながら右手を差し出す。
「あぁ、あいつは生きてるよ。」そして龍が手を握り返して、やっと笑った。
数十分後、静かになった街の中。
barの裏手に行き、いつもの様に不恰好な石3つに酒をかける。
「聞いたか?あいつはちゃんとお前らの事、気にかけてたぞ。全部終わったらこんな墓標まがいなもんじゃなくて立派な墓を建ててやるからな?寅、丑、亥。」
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております