御伽の国

素うどん

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海音(かいと)の国編

第11話

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女王とは合わずに、王様に会う事が出来た。
王様は体を壊したらしく、自室に居るという事で簡単に会いに行けたのだ。

「そうか…。なら、お前は新しい姫を見つけたと。そう言いたいのか」
「うん、そうだよ。俺は、自分で見つけた姫とこの国を守りたい。」
「親不孝者がっ!俺がっゲホッゲホッ!何年探して彼女を見つけたと思うのだ!」
「知らないよ。どうせ、勢力が保たれる様に姫を探したんでしょ?あいつは俺に合わないよ」
「何を今更!婚約は決まった!!もうっ、変えられないっだぞ!?」
「婚約破棄して、勢力を半分に切り離して。あいつの父と話し合えば良い」
「それが出来てたら、俺は苦労はしとらん!」
「なら、しなよ。老ぼれの王に出来るのは俺を助けることでしょ?」
「なっ!!!!」
王様は激怒し、勢い良く飛び起きた。
「貴様っ!!王を何だと思っている!?」
「昔は親だったけど。今は老ぼれの爺だよ。」
「育ててやったのを仇で返す気っ!!」
大声を出しながら話したせいか、王様は血を吐き出した。
体調を壊しているのだから、体のどこかが悪いのだろう。
これ以上いても、王様に悪いと思いユズハは海音の袖を引く。

「王様のお身体が心配です。海音様、帰りましょう?」
「話が終わるまで待ってて。婚約は破棄するから」
「は、はい…」
海音の雰囲気が怖くなり、逆らえなかった。
「という事で、老ぼれ。俺は彼女と婚約する。婚約破棄の書類もあるよ。」
「何だとっ!?」
「じゃ、精々残された時間を謳歌しなよ」
「お待ち下さい、海音様。先程の御無礼をお謝り下さい!!」
「嫌だよ。だって、次の王は俺でしょ?」
「貴様に王座は渡さんっ」
「良いよ、いつでも下剋上してあげるからさ?」
「っ!」
「王座は貰うよ」
カツカツと音を立て、海音は王の側を離れた。
「バカ息子がっ」
「褒め言葉だよ」
ニコッと笑い、海音は2人に話は終わったよと言った。
「失礼しましたっ」
「失礼しました。」
黒羽とユズハは頭を下げ出て行った。
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