御伽の国

素うどん

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珠樹(じゅき)の国編

第3話

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「……誰?」
「黄瀬良様の国の方だと思います。」
「黄瀬良さんの?」
「はい…。珠樹様の執事でございます」
「ちっさい…」
「失礼ですぞ!これでも国では大きい方なのです!」
「そうなの!?」
ユズハよりもひと回り小さい執事は、ポカポカとユズハの足を叩く。
「ねぇ、何でそんなに小さいの?」
「其れは…」
執事は、口ごもった。
「私が代わりにお答えしましょうか?」
「大丈夫ですぞ、自分で話せますぞ」
「分かりました。」
黒羽は、口を閉じた。
「私の国は…、戦争の国と知っておるだろう?」
「はい、勉強しましたから」
「戦争のせいで、食料は王家にしか回らずいつも戦争をしてるのです」
「っ!」
「そんな時、珠樹様はこの老いぼれの私めを引き取って下さったのです!」
「黄瀬良さんが?」
「私の家族も一緒に住めるようにしてくれ、市民の安全にも取り組んで下さったのです!」
「だから、大きい方と。」
「はい。ですが、王様が珠樹様を"裏切り者"と追い出したのです。」
「何で自分の息子を裏切り者に?」
「それは、戦争を止めようと考える事自体裏切り行為だと仰られておりましたから…」
「黄瀬良さんは、知ってるの?」
「いえ!私めが来た事も知らないかと。チラリと様子を見て帰ろうとした矢先ぶつかったのです」
「何で会わないの?」
「質問の多い姫様ですね。珠樹様が王様に捨てられた原因は私達です。合わせる顔がありません!」
「隠れて会われても、嬉しく無いけどな」
「姫様もそう思われ…」
クルリと後ろを振り返ると、執事さんは固まった。
「さっきから、五月蝿いと思ってたら来てたんだな。」
「は、はいっ!ご無礼をお許し下さいっ!!」
「会いたかった…」
執事の頭を撫で、微笑む。
「珠樹様ぁぁぁっ」
涙を流しながら、微笑む
「家族は無事か?生活は変わってねぇか?」
「何1つ変わっておりませぬ」
執事は、嬉しそうに近況報告をした。
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