御伽の国

素うどん

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紅蓮(こうれん)の国編

第9話

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色んな王子の国に来て思う事。
皆それぞれの目的があり、それを達成する為には自分の命も投げ出す覚悟だという事。
何でそこまでするのか、良く分からないがユズハはただ王子達が叶えたい願いに全力で手助けするという事。
それしか出来なかった。

知らず知らずのうちに、ユズハの力は強くなっていった。
それが発揮出来るのかは、未だ分からない。
でも、確実に力は強くなっている。
それを感じた紅蓮は考えた。

"もし、ユズハが力を使ってくれれば。自分の国を変えられる"と。
勿論変えるというのは、戦争でも後継ぎ争いでも無い。
全員の記憶を消し、茨姫という物語を消す事。それが目的だった。


「ねぇ、ユズハ」
「何ですか?」
「休暇に来たんだよね?」
「はい!」
「ならさ、ガーデンでお茶しよう?」
「分かりました!」
ユズハはまた茨姫の絵本を読んでいた。
それを見たくなくて、紅蓮は外に連れ出す事にした。
黒羽は、危険が無いか周りを警戒に行っているらしい。
今なら、ユズハの力を勝手に借りられる。黒羽がいれば猛反対されるだろう。何故ならー…
「ユズハ、こっちだよ」
「はい!」
ユズハは素直についていく。
「ここで、お茶しよう」
ガーデンテラスの中に入り、すぐ近くの椅子に座った。
「紅茶は飲める?」
「大丈夫ですよ!」
「良かった」
紅蓮は、ハーブティーを持ってきた。
「わぁ!いい匂いです!」
「でしょ。お祖母様直伝のハーブティーだからね」
「では、いただきま…」
「ユズハ様!飲んではいけません!」
「えっ!?」
ユズハは驚いて、ガチャンとカップを落とした。
「あっつ!」
盛大に洋服にかかり、ユズハは顔をしかめた。
「お風呂お借りしますよ」
タオルである程度紅茶を拭き、ユズハを横抱きにして去った。
「あ、緑矢さん!紅茶、ゴメンなさい!」
連れて行かれながらも、謝った。

1人残された紅蓮は、悔しそうに顔を歪めた。
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