御伽の国

素うどん

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紅蓮(こうれん)の国編

第13話

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「お祖母様…ですか?」
「そう…じゃ。よく知っておるな」
「聞きましたから」
「紅蓮からか。」
「はい」
「そうかそうか、で?例の薬は飲んだのかぇ?」
「例の…薬?」
「おや、その様子じゃ…。飲んで…ないのかぇ」
「ハーブティーですか?」
「そう…じゃ。飲んだのかぇ?」
「執事が止めてくれました」
「執事が…。」
「はい。」
「フンッ、まぁ、良いじゃろう。今からでも遅う…無い」
「飲んで死んだら貴方達のせいです」
「何を…根拠に?」
「私のお母さんを殺したっ、ハーブティーがあわないからっ…」
「っ!!ハ、ハルヒの娘かっ!?」
「はい。」
「お、主はっ…。」
お祖母様は、杖を落とした。
「えっ?」
「出て行けっ」
「あの…」
「出て行けっ!!!」
お祖母様は、杖を拾い去った。
「追い出します」
「ちょっ!?」
執事から、肩を掴まれ追い出された。

「な、何なのよっ」
ユズハは、ポカンとした。
訳も分からずに追い出されて、ユズハは行くあてを失った。
「ユズハ様!」
黒羽は、ユズハの所へ駆け寄った。
「く、黒羽っ?何でここにっ」
「ユズハ様の気配を感じて、ここに」
「良かっ、良かったっ!!」
ユズハは目に涙を浮かべて、黒羽に抱きついた。
「ユズハ様っ」
「ユズハッ、ゴメンね…」
「緑矢さん…」
「ゴメンッ、ゴメンッ!」
「緑矢さんっ。大丈夫ですよっ」
「だって…」
「大丈夫です。何もされてませんから」
「え!?」
「追い出されました。」
「なら、帰りましょう」
黒羽は髪を戻した。
「似合ってたのに。」
「嫌です。ホラ、行きますよ?」
「うん!」
黒羽は、執事服に着替えた。
「着替えちゃったの?」
「はい。」
「残念…」
「あ…」
紅蓮は、一緒に歩く足を止めた。
「どうしたんですか?」
「ゴメン、一緒に帰れないや」
「どうして?」
「お祖母様に…。挨拶してない」
紅蓮は歩くのをやめた。
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