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波羅(はら)の国編
第7話
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ユズハは、真っ直ぐに波羅を見つめて言葉を放った。
「うっ…」
痛い所を突かれたのか、波羅は顔を歪めた。
「分かるの?知らない国に放置されて。親も分からず生きた弟の気持ちをっ!」
「それは…」
「もしかしたら、その弟はすぐ近くにいて。でも、波羅の事を恨んで無かったら?」
「恨んでるよ、だって。僕は、幸せの国に産まれたって教えられたから」
「でも、波羅は幸せだった?不安でいっぱいだったのに、幸せだったの?」
「幸せ?何それって。毎日のように思った。隣にいるはずの弟が居なくて。探しても聞いても教えて貰えなくて」
「波羅…」
「何が幸せなのか分からずに、僕はずっと過ごしてきたんだ」
「波羅様、では今は幸せですか?」
「どうだろ」
「ユズハ様の温かい心に触れて、幸せでしたか?」
「分かった事は…。こんな幸せオーラに包まれてるバカも居るんだなって事だけ」
「バカッて!」
「私も思いました。ユズハ様に出会い、凄く前向きで温かい方だと感じました。」
「黒羽?」
「それに…。真剣に悩み、問題に向き合う姿に心を打たれました。」
「心を?あの黒羽が?」
「はい。」
「あの…黒羽が?」
「冷酷で残酷な黒羽が心を打たれるなんてね。」
「今は、冷酷でも残酷でも無くただのユズハ様の執事です」
「落ちたね、黒羽。昔の黒羽が好きだったのに」
「私は嫌いです。歪んだ愛情しか知らない波羅様に好かれたくありません」
ニコッと微笑み、波羅を見る。
「そんなっ、そんな瞳で僕を見るな!」
波羅は、手から雪を出し黒羽に向けて放つ。
「ユズハ様、下がっていて下さい」
「黒羽がっ!」
「私は大丈夫です。」
ユズハを真っ直ぐに見つめた。
ユズハはこの目を知ってる。
信じても良いという瞳だった。
「分かった」
ユズハはゆっくり黒羽と距離を取る。
何かあったら、黒羽を庇う為だ。
「そんな目で僕を見るな!憐れむな!」波羅は荒れた。
「うっ…」
痛い所を突かれたのか、波羅は顔を歪めた。
「分かるの?知らない国に放置されて。親も分からず生きた弟の気持ちをっ!」
「それは…」
「もしかしたら、その弟はすぐ近くにいて。でも、波羅の事を恨んで無かったら?」
「恨んでるよ、だって。僕は、幸せの国に産まれたって教えられたから」
「でも、波羅は幸せだった?不安でいっぱいだったのに、幸せだったの?」
「幸せ?何それって。毎日のように思った。隣にいるはずの弟が居なくて。探しても聞いても教えて貰えなくて」
「波羅…」
「何が幸せなのか分からずに、僕はずっと過ごしてきたんだ」
「波羅様、では今は幸せですか?」
「どうだろ」
「ユズハ様の温かい心に触れて、幸せでしたか?」
「分かった事は…。こんな幸せオーラに包まれてるバカも居るんだなって事だけ」
「バカッて!」
「私も思いました。ユズハ様に出会い、凄く前向きで温かい方だと感じました。」
「黒羽?」
「それに…。真剣に悩み、問題に向き合う姿に心を打たれました。」
「心を?あの黒羽が?」
「はい。」
「あの…黒羽が?」
「冷酷で残酷な黒羽が心を打たれるなんてね。」
「今は、冷酷でも残酷でも無くただのユズハ様の執事です」
「落ちたね、黒羽。昔の黒羽が好きだったのに」
「私は嫌いです。歪んだ愛情しか知らない波羅様に好かれたくありません」
ニコッと微笑み、波羅を見る。
「そんなっ、そんな瞳で僕を見るな!」
波羅は、手から雪を出し黒羽に向けて放つ。
「ユズハ様、下がっていて下さい」
「黒羽がっ!」
「私は大丈夫です。」
ユズハを真っ直ぐに見つめた。
ユズハはこの目を知ってる。
信じても良いという瞳だった。
「分かった」
ユズハはゆっくり黒羽と距離を取る。
何かあったら、黒羽を庇う為だ。
「そんな目で僕を見るな!憐れむな!」波羅は荒れた。
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