異世界に転生したはずなのに、こうなるんですね

第1章

白い娘① side？？？

あの村に行ったのはただの気まぐれだった。

何の変化もない長い時を生きていることが、とてもつまらなかった。人が生と死を繰り返すこの世界に、俺だけが取り残されてしまったようで、孤独を感じていた。

別に寂しかったわけじゃない。周りには俺を支えてくれる奴もいたし、俺を慕ってくれる奴もいた。

だが、何かが足りなかった。
その何かを埋めるために、護衛を引き連れてあの村を襲った。俺一人で来たかったが、何かあると困るからと、護衛をつけられた。

人の泣き叫ぶ声を聞くことで、自分がきちんと地を歩いていることを実感できた。人と同じ時を刻んでいるように感じられた。

足りない何かに無理矢理蓋をするように、ただただ命を奪い続けた。

あらかた殺したところで、ある１軒の家の中に踏み込んだ。何故そこに入ろうとしたのかは分からないが、きっと運命のいたずらだったのだと思う。

中に入って一番奥の部屋に地下へと続く隠し階段を見つけた。その先に珍しい宝でも眠っているのかと思い、下へと降りた。

そこにあったのは、髪が白く、エメラルドグリーンのような瞳をもつ少女がいた。