world in the book

To-y

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1ページ目「本の世界」

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俺は歩くただひたすら、森の中にただずっと続く一本道を。ただ、ひたすらに…

「何故、俺はこんな所にいるんだー!!」

数時間前。。。

「今日は特別な日だ!何故ならこの俺!社雄飛が迎える18回目の生誕日だ!楽しみでしかない!今日のために1年ぶりに掃除をした!久々に見る床は気持ちいいものだ!ハハハハハ!」

ピーンポーン

「む?これはこれは私の生誕日を祝う者が訪れたようだな!はいはーい、今出ますよーっと」

雄飛が扉を開けるとそこには2人の男女が並んでいた。

「やけにテンション高いわね。雄飛。」

「その調子なら明日には学校に来れるね。」

その2人の姿を見た雄飛はガックリと項垂れた。

「なんだ、『岸稲人』に『初土舞志代』か。もう俺は学校にはいかん。男に二言は無い!用はそれだけか?なら帰った!帰った!俺は用事があんだよ。」

雄飛はシッシッと手を払いながら扉を閉めようとする。しかし、舞志代がガッと扉を無理やり開こうとする。 

「私たちがただそれだけの為にここに来たとでも?それに何故フルネームで言った!言え!答えろ!吐け!」

ギリギリと扉の間が開かれる。

「え?いや…皆お前達の名前知らないだろ…?いやいやいや、そんなことよりなんで来た…あっ!もしかして俺の生誕祭に参加するのか?良かった!1人じゃ寂しいと思ってたんだよ!」 

雄飛はパァッと顔を明るくした。

「はぁ?お前の誕生日なんか知るかよ!」

雄飛のさっきの表情とは一転して暗くなる。

「だって、ほら、こんな日以外に俺ん家に来たこと1回も無かったから…」

怯える雄飛と舞志代の間に稲人が間に入る。

「まぁまぁ、舞志代落ち着いて。ごめんね。雄飛、別にお前の誕生日を忘れたわけじゃないから。ほら、プレゼント持ってきたよ」

プレゼントを受け取り、雄飛はコロッと明るい顔に戻った。

「なんだよ!持ってきてんなら言えよな!よし、俺の生誕祭の参加権をお前に与えよう!」

雄飛は稲人を家の中へ招待する。

「待って!私も!」

追う舞志代に雄飛は手で抑止し、クルッと手のひらを返す。

「な、何よ…」

「何って、プレゼントだよ。まさか、もってこなかったわけじゃないだろーなー。」

ニヤニヤしながら舞志代の顔を覗く。

「うっ、あるけど…恥ずいから、目、瞑って。」

「はぁ?なんで?」

「な、何でもよ!良いから目を瞑って!瞑らなかったら目を潰す。」

不思議な顔をしつつ目を瞑る。すると、『ピーンポーン、ちわー、どこでも宅配便でーす。』とチャイムが鳴った。

「お!今度こそきたな!ん?何してんだ?口笛の練習か?」

「死ねっ!」

舞志代のマグナムが雄飛の腹に突き刺さる。雄飛はドサッとその場に倒れ込む。

「ふんっ、今の行動を後悔すべきね!」

舞志代は雄飛を通り抜け家の中に入る。

「おいおい、いいの?」

「ほっとけば?」

「だけど、配達の人帰っちゃうよ。一応受け取っとこうよ。」

「そこなの?」

稲人は配達物を受け取るために玄関に向かった。

(本当にアイツらは何考えてんだかわかんないわ…)

稲人は荷物を持ち帰ってくる。

「で?何それ?」

「いや、多分雄飛が買った誕生日プレゼント何じゃないかな?」

「は?1人でそんなの買ったの?馬鹿みたい。」

「馬鹿とはなんだ、馬鹿とは」

雄飛が匍匐前進をしながら部屋に入ってくる。

「それは最近有名になっている『テレビゲーム版大乱闘人生どん底ゲーム』だ。お前達が来た時にやろうと思ってたんだ。」

「来なかったら?」

「1人でやってた。」

舞志代は呆れた顔で「馬鹿だわ…」呟く。雄飛は荷物に包まれた放送を丁寧に破いた。しかし、中身はただの真っ白な本が入っていた。

「あれ?」

「?どうかした?雄飛」

稲人がのぞき込む、それにつられて舞志代ものぞき込んできた。

「本?配達間違い?」

「多分な。しかし、不思議な本だな。何も書かれていないぞ。」

雄飛はパラパラとページを捲る。

「ちょっと、何捲ってんのよ。」

「ちょっとだけ」と雄飛はジェスチャーをする。

「いや、確かに不思議だ。何も書かれていない本なんて。」

「はぁ…」と舞志代はため息をつく。

「あのねぇ、それは一応人の物なんだし。それに…」

舞志代が二人から取り上げた時、本に『welcome』書かれ、パアッと当たりが光だした。
 
「「「うわぁっっ!!」」」 

そして、3人はその光に包まれ部屋から消えていった。

『ようこそ、本の世界へ…』

つづく。。。

登場人物説明。
社 雄飛 (やしろ ゆうひ)
ひきこもり以上。
岸 稲人 (きし いなと)
イケメンで優しい以上。
初土 舞志代 (ういつち ましよ)
容姿端麗、成績優秀、運動音痴以上。



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