48 / 194
黒猫と共に迷い込む
ドラゴンが従魔になりました
しおりを挟む
倒れたドラゴンの側に寄ると、男も櫓の上から降りて駆け寄ってきた。
「おい! 起きろ! この愚図! まだ負けてない!!」
と言いながらドラゴンに蹴りを入れる。
ところがドラゴンの鱗が硬かったのか、足を押さえている。バカだ。
「ウェヌル、もう勝負はついた」
後ろからそう声が聞こえ、振り返ると先程受付にいたおじさん。屈強そうな男の人と、ひょろっとした男の人を連れている。
「うるさい! まだ勝負はついてねぇ! ペガサスが倒れてねぇだろう!」
うちの子を勝手に倒さないでください。
「ドラゴンが倒れ、意識を失っている。戦闘の続行は不可能。こちらのヤエコさんの勝ちだ」
「うるせぇ! 俺は認めねぇぞ!」
「やはりこうなるか。押さえろ」
ターレンさんの一言で、屈強そうな男の人がウェヌルと呼ばれた男を押さえ込む。
「ちくしょう! 離せ!」
後ろから羽交い締めされ、ジタバタ暴れている。
「さてウェヌル。約束だ。お前が持っている従魔を1頭差し出すのだ」
「待て、違う! 違うんだ!」
「何が違うと言うんだね? こうして誓約書まで書いておいて」
と懐からあの紙を取り出した。いつの間に持ってたんだターレンさん。
「違う! 騙されたんだ! その女が卑怯な手を使ったんだ!!」
卑怯、あれを卑怯と呼ぶのかしら?
ちゃんと始めに、私が連れている子達全員を参加させること、道具を使って良いことを確認しているのだが。全部クロの受け売りだけど。
まあ、まさか香辛料入りの玉を投げることになるとは思わなかったけど。
「じゃなきゃあ、俺のドラゴンが倒されるわけがねぇ!」
「見苦しいぞ。私も見ていたが、不正が行われたような事はなかった。彼らは彼らの持つ技量で精一杯戦ったのだ。その結果がこれだ。いい加減負けを認めろ」
「ちきしょう!!」
まだわーわーと騒いでいたが、それを無視し、ターレンさんがこちらに振り向く。
「約束通り、ドラゴンを貴女の従魔にしよう。契約できる従魔師も連れてきた」
ひょろっとした男の人が前に出る。
ドラゴンの胸の辺りに行くと、おいでおいでと手招きされた。
「やめろ! 止めてくれ! 俺のドラゴンだ!」
ウェヌルがぎゃいぎゃい騒いでいるけど気にしない。
側に行くと、瓶を取り出す。
「髪の毛でいいから、この中に入れて貰えるかな」
「はいはい」
シロガネ達の時もこうだったよね。
1本抜いて、瓶の中へ。不思議とすぐに消えていく。
また訳の変わらない呪文を唱え、手の甲に、今度は書くのではなく、なぞる感じだった。
ドラゴンの胸の辺りにも、同じ紋様を描いていく。
そして呪文が唱え終わり、手の甲とドラゴンの胸が光った。
「これで、貴女の従魔になった」
「ありがとうございます」
って、今更思ったけど、ドラゴンなんて手に入れてどうしろとおおお?
表情には出さずに、内心焦りまくり。
なんでクロは受けろなんて言ったんだろう。
「さっそくだけど、ドラゴン早めに起こして連れてってくれないかな?」
ひょろっとした男の人が言った。
人力ではドラゴンは動かせないためと。そりゃそうですね。
ウェヌルは屈強そうな男の人に引き摺られながら、去って行った。
ターレンさんは何やら私がすることを見学するつもりらしい。
「んじゃ、シロガネとリンちゃん、お願いね」
「了解だぞ主」
リン!
2頭がお尻の方と頭の方で別れる。
リンちゃんも水の魔法が少し使えるらしい。
リンちゃんがお尻の方を洗浄、シロガネが目の周りの洗浄。
終わったらリンちゃんが回復させる。
「いやぁ、素晴らしいですね。どうやったらそんなに従順に従魔を操れるのです?」
ターレンさんが聞いてきた。ひょろっとした男の人も耳を傾けているようだ。
「えと? 操ってなんかないですよ?」
「いや、しかし、従魔達、素直に言うことを聞いているではないですか」
「私はお願いしてるだけですよ? 言うことを聞かせているわけではないです」
「ええ?」
「はい?」
なんか認識が違うなぁ。
「従魔にお願いしたって、素直に言うことなど聞かないでしょう?」
「嫌がることはやらせません。出来ることだけお願いするんです」
「はあ?」
「はい?」
認識がずれてるなぁ。
「従魔ですよ? 付き従わせるものでしょう?」
「私は従わせるつもりないですから」
「ええ?」
「ええ」
私にとってはみんな大事な仲間だもの。従わせてるつもりはないですよ。
「従魔ですよ?」
「従魔ですよ」
うん、認識がずれてるね。
「私は従魔だからと言って、物のように扱う気はありません。大事な仲間として扱います」
「従魔ですよ?」
「従魔ですから」
だからなんじゃい。
だって、こんなに可愛い妖精とか、グリフォンとか、大きくて抜けてるように見えるけどちょっと頼りになるペガサスとか、みんな可愛いし、それにみんな私を助けてくれるし。
ていうか、助けられてばかりな気がするけど。
「ありがとう」と言うことはあっても、「やれ」と命令する気にはなれないけどなぁ。
ターレンさんが考え込んでいる。
うん、これを機に、従魔の扱いの改善が図れたら良いね。
そんな感じで話している間に、リンちゃんの治療も終わったようだ。
ドラゴンが目を覚まし、こちらに頭を向けてきた。
「あ、ども。新しく主になった八重子です。とりあえず、邪魔になるそうだから、ここから移動したいのだけど、体は大丈夫?」
ドラゴンがマジマジとこちらを見つめてきた。
爬虫類も結構好きなんだけど、やっぱりドラゴンに見つめられるのはちょっと背筋が凍るわね。
「グウ…」
押し殺したような声を上げ、ドラゴンが体を起こした。どうやら大丈夫なようだ。
聞いた所によると、ドラゴンを収容できる宿などないので、いつもこのコロシアムの専用の待機所に押し込められていたらしい。
どこか違う所に預けたいけど、さすがに大きすぎるので場所がない。
仕方がないので、またその待機所にいてもらうことにする。
その話を聞いていたのか、ドラゴンがずしんずしんと歩き始めた。
一歩がでかいよ。
ターレンさん達にお礼を言って、ドラゴン専用の待機所へと向かった。
だから一歩がでかいって。
ドラゴンが大人しく待機所に入っていく。
石で囲まれ、鉄格子があって、暗くて少し寒い。
つまり、あまり良い環境じゃないね。
腰を下ろすというか、丸くなると言うか、ドラゴンが大人しく部屋の真ん中で丸くなった。
「う~ん、こんなところでごめんね。どこか良い所ないかな~?」
街中で無理なら、外で待機させるとか?
それだと騒ぎになるかな?
「其方が新しい主か」
ドラゴンが聞いてきた。低い重低音が響く。
「うん。そう。八重子っていうの。よろしくね」
「前のボンクラよりも遙かにましな者が主になったものじゃの。よろしゅう」
ドラゴンが軽く頭を下げた。
おお、なんか賢そうだ。いや、ドラゴンだから賢いのか?
「それで、主殿。其方、かなり従魔に好かれておるようじゃが」
「あはは、動物には好かれやすい方だとは思ってるけど」
「動物…」
あれ、動物と魔獣って違うか?
「ドラゴン殿、我はシロガネ。主の1の従魔である。こちらのグリフォンがハヤテ、妖精がリンという名を主から頂いておる」
1の従魔と聞いて、リンちゃんが頭の上で抗議しているみたいだ。ハヤテは多分意味を理解していない。
「我らは主によって救われた。故に、主のために今働けることに誇りを持っている」
あらやだ。あんなにつっけんどんだったシロガネが、こんな風に言ってくれるなんて。
ちょっと顔が熱くなっちゃうよ。
「ほう、ペガサス殿がそこまで言うとは、余程主に惚れ込んでいるのであるのう。これは僥倖。良い主に出会えるのは誠嬉しいことであるぞ」
ドラゴンが嬉しそうに目を細めた。
うん、やっぱ爬虫類も好きだわ。それも正面から見た顔が好き。なんか可愛いよね。
「いや~、過大評価な気もしないけど」
照れるわ。
「この場所であるならば、気にせずとも良い。慣れておる」
気を使っているのか、本当に慣れてるのか、でもこんな場所嫌だよね。
「爬虫類、ドラゴンが爬虫類に分類されるのかちょっと分からないけど、爬虫類って変温動物でしょ? 寒いと動きが鈍ったりしない?」
「へん…? まあ、多少はの」
ああ、この世界に変温動物という知識はないのか。
「シロガネみたいに人に化けられるとか、大きさを変えられるとかなら、宿に連れて行けたのにね」
「人に化ける? ペガサス殿、人化の術が使えるのかえ?」
「もちろんである。このように」
ほわんとシロガネが淡く光、人の姿になった。
「ほお…、人前で人化の術を使うか…。本当に信頼されているのだのう」
ドラゴンが目を見開いた。
あ、そーなの?信頼されてるんだ、私。嬉しくなっちゃうね。
「ならば、よいな」
そう言うと、ドラゴンの体も淡く光を放った。
え?
まさか、人化の術ですか?
光が収まると、緩くうねる腰まで伸びる赤い髪、燃えるような赤い瞳、そして、ボインな胸にくびれた腰にぷりんとしたお尻…。
「女―――!? ていうか、服――――――――!!!」
なんでこういう時って、お約束のように服着てないんだーーー!!!
「おお、そうじゃった。久方ぶりなので忘れておったわ」
うっかりと言うばかりに体を見る。腕を開くな開くな。
体が光ると、着物のような服が現われる。
「め、女《メス》だったのか…」
おやクロも驚いている。気付いてなかったのか。
「め、女《メス》だったのか…」
シロガネも驚いている。
ハヤテとリンちゃんは首を傾げている。リンちゃん肩に乗ってます。この二人はあまり性別気にしないだろうね。
「これで良かろう?」
赤いドラゴンだった女性が、立ち上がり、どこからか取り出した扇子で口元を隠した。
綺麗で色気のある女性が、檻の中で立っていた。
「おい! 起きろ! この愚図! まだ負けてない!!」
と言いながらドラゴンに蹴りを入れる。
ところがドラゴンの鱗が硬かったのか、足を押さえている。バカだ。
「ウェヌル、もう勝負はついた」
後ろからそう声が聞こえ、振り返ると先程受付にいたおじさん。屈強そうな男の人と、ひょろっとした男の人を連れている。
「うるさい! まだ勝負はついてねぇ! ペガサスが倒れてねぇだろう!」
うちの子を勝手に倒さないでください。
「ドラゴンが倒れ、意識を失っている。戦闘の続行は不可能。こちらのヤエコさんの勝ちだ」
「うるせぇ! 俺は認めねぇぞ!」
「やはりこうなるか。押さえろ」
ターレンさんの一言で、屈強そうな男の人がウェヌルと呼ばれた男を押さえ込む。
「ちくしょう! 離せ!」
後ろから羽交い締めされ、ジタバタ暴れている。
「さてウェヌル。約束だ。お前が持っている従魔を1頭差し出すのだ」
「待て、違う! 違うんだ!」
「何が違うと言うんだね? こうして誓約書まで書いておいて」
と懐からあの紙を取り出した。いつの間に持ってたんだターレンさん。
「違う! 騙されたんだ! その女が卑怯な手を使ったんだ!!」
卑怯、あれを卑怯と呼ぶのかしら?
ちゃんと始めに、私が連れている子達全員を参加させること、道具を使って良いことを確認しているのだが。全部クロの受け売りだけど。
まあ、まさか香辛料入りの玉を投げることになるとは思わなかったけど。
「じゃなきゃあ、俺のドラゴンが倒されるわけがねぇ!」
「見苦しいぞ。私も見ていたが、不正が行われたような事はなかった。彼らは彼らの持つ技量で精一杯戦ったのだ。その結果がこれだ。いい加減負けを認めろ」
「ちきしょう!!」
まだわーわーと騒いでいたが、それを無視し、ターレンさんがこちらに振り向く。
「約束通り、ドラゴンを貴女の従魔にしよう。契約できる従魔師も連れてきた」
ひょろっとした男の人が前に出る。
ドラゴンの胸の辺りに行くと、おいでおいでと手招きされた。
「やめろ! 止めてくれ! 俺のドラゴンだ!」
ウェヌルがぎゃいぎゃい騒いでいるけど気にしない。
側に行くと、瓶を取り出す。
「髪の毛でいいから、この中に入れて貰えるかな」
「はいはい」
シロガネ達の時もこうだったよね。
1本抜いて、瓶の中へ。不思議とすぐに消えていく。
また訳の変わらない呪文を唱え、手の甲に、今度は書くのではなく、なぞる感じだった。
ドラゴンの胸の辺りにも、同じ紋様を描いていく。
そして呪文が唱え終わり、手の甲とドラゴンの胸が光った。
「これで、貴女の従魔になった」
「ありがとうございます」
って、今更思ったけど、ドラゴンなんて手に入れてどうしろとおおお?
表情には出さずに、内心焦りまくり。
なんでクロは受けろなんて言ったんだろう。
「さっそくだけど、ドラゴン早めに起こして連れてってくれないかな?」
ひょろっとした男の人が言った。
人力ではドラゴンは動かせないためと。そりゃそうですね。
ウェヌルは屈強そうな男の人に引き摺られながら、去って行った。
ターレンさんは何やら私がすることを見学するつもりらしい。
「んじゃ、シロガネとリンちゃん、お願いね」
「了解だぞ主」
リン!
2頭がお尻の方と頭の方で別れる。
リンちゃんも水の魔法が少し使えるらしい。
リンちゃんがお尻の方を洗浄、シロガネが目の周りの洗浄。
終わったらリンちゃんが回復させる。
「いやぁ、素晴らしいですね。どうやったらそんなに従順に従魔を操れるのです?」
ターレンさんが聞いてきた。ひょろっとした男の人も耳を傾けているようだ。
「えと? 操ってなんかないですよ?」
「いや、しかし、従魔達、素直に言うことを聞いているではないですか」
「私はお願いしてるだけですよ? 言うことを聞かせているわけではないです」
「ええ?」
「はい?」
なんか認識が違うなぁ。
「従魔にお願いしたって、素直に言うことなど聞かないでしょう?」
「嫌がることはやらせません。出来ることだけお願いするんです」
「はあ?」
「はい?」
認識がずれてるなぁ。
「従魔ですよ? 付き従わせるものでしょう?」
「私は従わせるつもりないですから」
「ええ?」
「ええ」
私にとってはみんな大事な仲間だもの。従わせてるつもりはないですよ。
「従魔ですよ?」
「従魔ですよ」
うん、認識がずれてるね。
「私は従魔だからと言って、物のように扱う気はありません。大事な仲間として扱います」
「従魔ですよ?」
「従魔ですから」
だからなんじゃい。
だって、こんなに可愛い妖精とか、グリフォンとか、大きくて抜けてるように見えるけどちょっと頼りになるペガサスとか、みんな可愛いし、それにみんな私を助けてくれるし。
ていうか、助けられてばかりな気がするけど。
「ありがとう」と言うことはあっても、「やれ」と命令する気にはなれないけどなぁ。
ターレンさんが考え込んでいる。
うん、これを機に、従魔の扱いの改善が図れたら良いね。
そんな感じで話している間に、リンちゃんの治療も終わったようだ。
ドラゴンが目を覚まし、こちらに頭を向けてきた。
「あ、ども。新しく主になった八重子です。とりあえず、邪魔になるそうだから、ここから移動したいのだけど、体は大丈夫?」
ドラゴンがマジマジとこちらを見つめてきた。
爬虫類も結構好きなんだけど、やっぱりドラゴンに見つめられるのはちょっと背筋が凍るわね。
「グウ…」
押し殺したような声を上げ、ドラゴンが体を起こした。どうやら大丈夫なようだ。
聞いた所によると、ドラゴンを収容できる宿などないので、いつもこのコロシアムの専用の待機所に押し込められていたらしい。
どこか違う所に預けたいけど、さすがに大きすぎるので場所がない。
仕方がないので、またその待機所にいてもらうことにする。
その話を聞いていたのか、ドラゴンがずしんずしんと歩き始めた。
一歩がでかいよ。
ターレンさん達にお礼を言って、ドラゴン専用の待機所へと向かった。
だから一歩がでかいって。
ドラゴンが大人しく待機所に入っていく。
石で囲まれ、鉄格子があって、暗くて少し寒い。
つまり、あまり良い環境じゃないね。
腰を下ろすというか、丸くなると言うか、ドラゴンが大人しく部屋の真ん中で丸くなった。
「う~ん、こんなところでごめんね。どこか良い所ないかな~?」
街中で無理なら、外で待機させるとか?
それだと騒ぎになるかな?
「其方が新しい主か」
ドラゴンが聞いてきた。低い重低音が響く。
「うん。そう。八重子っていうの。よろしくね」
「前のボンクラよりも遙かにましな者が主になったものじゃの。よろしゅう」
ドラゴンが軽く頭を下げた。
おお、なんか賢そうだ。いや、ドラゴンだから賢いのか?
「それで、主殿。其方、かなり従魔に好かれておるようじゃが」
「あはは、動物には好かれやすい方だとは思ってるけど」
「動物…」
あれ、動物と魔獣って違うか?
「ドラゴン殿、我はシロガネ。主の1の従魔である。こちらのグリフォンがハヤテ、妖精がリンという名を主から頂いておる」
1の従魔と聞いて、リンちゃんが頭の上で抗議しているみたいだ。ハヤテは多分意味を理解していない。
「我らは主によって救われた。故に、主のために今働けることに誇りを持っている」
あらやだ。あんなにつっけんどんだったシロガネが、こんな風に言ってくれるなんて。
ちょっと顔が熱くなっちゃうよ。
「ほう、ペガサス殿がそこまで言うとは、余程主に惚れ込んでいるのであるのう。これは僥倖。良い主に出会えるのは誠嬉しいことであるぞ」
ドラゴンが嬉しそうに目を細めた。
うん、やっぱ爬虫類も好きだわ。それも正面から見た顔が好き。なんか可愛いよね。
「いや~、過大評価な気もしないけど」
照れるわ。
「この場所であるならば、気にせずとも良い。慣れておる」
気を使っているのか、本当に慣れてるのか、でもこんな場所嫌だよね。
「爬虫類、ドラゴンが爬虫類に分類されるのかちょっと分からないけど、爬虫類って変温動物でしょ? 寒いと動きが鈍ったりしない?」
「へん…? まあ、多少はの」
ああ、この世界に変温動物という知識はないのか。
「シロガネみたいに人に化けられるとか、大きさを変えられるとかなら、宿に連れて行けたのにね」
「人に化ける? ペガサス殿、人化の術が使えるのかえ?」
「もちろんである。このように」
ほわんとシロガネが淡く光、人の姿になった。
「ほお…、人前で人化の術を使うか…。本当に信頼されているのだのう」
ドラゴンが目を見開いた。
あ、そーなの?信頼されてるんだ、私。嬉しくなっちゃうね。
「ならば、よいな」
そう言うと、ドラゴンの体も淡く光を放った。
え?
まさか、人化の術ですか?
光が収まると、緩くうねる腰まで伸びる赤い髪、燃えるような赤い瞳、そして、ボインな胸にくびれた腰にぷりんとしたお尻…。
「女―――!? ていうか、服――――――――!!!」
なんでこういう時って、お約束のように服着てないんだーーー!!!
「おお、そうじゃった。久方ぶりなので忘れておったわ」
うっかりと言うばかりに体を見る。腕を開くな開くな。
体が光ると、着物のような服が現われる。
「め、女《メス》だったのか…」
おやクロも驚いている。気付いてなかったのか。
「め、女《メス》だったのか…」
シロガネも驚いている。
ハヤテとリンちゃんは首を傾げている。リンちゃん肩に乗ってます。この二人はあまり性別気にしないだろうね。
「これで良かろう?」
赤いドラゴンだった女性が、立ち上がり、どこからか取り出した扇子で口元を隠した。
綺麗で色気のある女性が、檻の中で立っていた。
11
あなたにおすすめの小説
【改訂版アップ】10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~
ばいむ
ファンタジー
10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~
大筋は変わっていませんが、内容を見直したバージョンを追加でアップしています。単なる自己満足の書き直しですのでオリジナルを読んでいる人は見直さなくてもよいかと思います。主な変更点は以下の通りです。
話数を半分以下に統合。このため1話辺りの文字数が倍増しています。
説明口調から対話形式を増加。
伏線を考えていたが使用しなかった内容について削除。(龍、人種など)
別視点内容の追加。
剣と魔法の世界であるライハンドリア・・・。魔獣と言われるモンスターがおり、剣と魔法でそれを倒す冒険者と言われる人達がいる世界。
高校の休み時間に突然その世界に行くことになってしまった。この世界での生活は10日間と言われ、混乱しながらも楽しむことにしたが、なぜか戻ることができなかった。
特殊な能力を授かるわけでもなく、生きるための力をつけるには自ら鍛錬しなければならなかった。魔獣を狩り、いろいろな遺跡を訪ね、いろいろな人と出会った。何度か死にそうになったこともあったが、多くの人に助けられながらも少しずつ成長し、なんとか生き抜いた。
冒険をともにするのは同じく異世界に転移してきた女性・ジェニファー。彼女と出会い、ともに生き抜き、そして別れることとなった。
2021/06/27 無事に完結しました。
2021/09/10 後日談の追加を開始
2022/02/18 後日談完結しました。
2025/03/23 自己満足の改訂版をアップしました。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
異世界で目覚めたら、もふもふ騎士団に保護されてました ~ちびっ子だけど、獣人たちの平穏のためお世話係がんばります!!~
ありぽん
ファンタジー
神のミスで命を落とした芽依は、お詫びとして大好きな異世界へ転生させてもらえることに。だが転生の際、またしても神のミスで、森の奥地に幼女の姿で送られてしまい。転生の反動で眠っていた瞳は、気づかないうちに魔獣たちに囲まれてしまう。
しかしそんな危機的状況の中、森を巡回していた、獣人だけで構成された獣騎士団が駆け付けてくれ、芽依はどうにかこの窮地を切り抜けることができたのだった。
やがて目を覚ました芽依は、初めは混乱したものの、すぐに現状を受け入れ。またその後、同じ種族の人間側で保護する案も出たが、ある事情により、芽依はそのまま獣騎士団の宿舎で暮らすことに。
そこで芽依は、助けてくれた獣騎士たちに恩を返すため、そして日々厳しい任務に向かう獣人たちが少しでも平穏に過ごせるようにと、お世話係を買って出る。
そんな芽依に、当初は不安だった獣人たちだったが、元気で明るい瞳の存在は、次第に獣人たちの力となっていくのだった。
これはちびっ子転生者の芽依が、獣人や魔獣たちのために奮闘し、癒しとなっていく。そんな、ほっこりまったり? な物語。
幼女と執事が異世界で
天界
ファンタジー
宝くじを握り締めオレは死んだ。
当選金額は約3億。だがオレが死んだのは神の過失だった!
謝罪と称して3億分の贈り物を貰って転生したら異世界!?
おまけで貰った執事と共に異世界を満喫することを決めるオレ。
オレの人生はまだ始まったばかりだ!
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
通販で買った妖刀がガチだった ~試し斬りしたら空間が裂けて異世界に飛ばされた挙句、伝説の勇者だと勘違いされて困っています~
日之影ソラ
ファンタジー
ゲームや漫画が好きな大学生、宮本総司は、なんとなくネットサーフィンをしていると、アムゾンの購入サイトで妖刀が1000円で売っているのを見つけた。デザインは格好よく、どことなく惹かれるものを感じたから購入し、家に届いて試し切りをしたら……空間が斬れた!
斬れた空間に吸い込まれ、気がつけばそこは見たことがない異世界。勇者召喚の儀式最中だった王城に現れたことで、伝説の勇者が現れたと勘違いされてしまう。好待遇や周りの人の期待に流され、人違いだとは言えずにいたら、王女様に偽者だとバレてしまった。
偽物だったと世に知られたら死刑と脅され、死刑を免れるためには本当に魔王を倒して、勇者としての責任を果たすしかないと宣言される。
「偽者として死ぬか。本物の英雄になるか――どちらか選びなさい」
選択肢は一つしかない。死にたくない総司は嘘を本当にするため、伝説の勇者の名を騙る。
《完結》当て馬悪役令息のツッコミ属性が強すぎて、物語の仕事を全くしないんですが?!
犬丸大福
ファンタジー
ユーディリア・エアトルは母親からの折檻を受け、そのまま意識を失った。
そして夢をみた。
日本で暮らし、平々凡々な日々の中、友人が命を捧げるんじゃないかと思うほどハマっている漫画の推しの顔。
その顔を見て目が覚めた。
なんと自分はこのまま行けば破滅まっしぐらな友人の最推し、当て馬悪役令息であるエミリオ・エアトルの双子の妹ユーディリア・エアトルである事に気がついたのだった。
数ある作品の中から、読んでいただきありがとうございます。
幼少期、最初はツラい状況が続きます。
作者都合のゆるふわご都合設定です。
日曜日以外、1日1話更新目指してます。
エール、お気に入り登録、いいね、コメント、しおり、とても励みになります。
お楽しみ頂けたら幸いです。
***************
2024年6月25日 お気に入り登録100人達成 ありがとうございます!
100人になるまで見捨てずに居て下さった99人の皆様にも感謝を!!
2024年9月9日 お気に入り登録200人達成 感謝感謝でございます!
200人になるまで見捨てずに居て下さった皆様にもこれからも見守っていただける物語を!!
2025年1月6日 お気に入り登録300人達成 感涙に咽び泣いております!
ここまで見捨てずに読んで下さった皆様、頑張って書ききる所存でございます!これからもどうぞよろしくお願いいたします!
2025年3月17日 お気に入り登録400人達成 驚愕し若干焦っております!
こんなにも多くの方に呼んでいただけるとか、本当に感謝感謝でございます。こんなにも長くなった物語でも、ここまで見捨てずに居てくださる皆様、ありがとうございます!!
2025年6月10日 お気に入り登録500人達成 ひょえぇぇ?!
なんですと?!完結してからも登録してくださる方が?!ありがとうございます、ありがとうございます!!
こんなに多くの方にお読み頂けて幸せでございます。
どうしよう、欲が出て来た?
…ショートショートとか書いてみようかな?
2025年7月8日 お気に入り登録600人達成?! うそぉん?!
欲が…欲が…ック!……うん。減った…皆様ごめんなさい、欲は出しちゃいけないらしい…
2025年9月21日 お気に入り登録700人達成?!
どうしよう、どうしよう、何をどう感謝してお返ししたら良いのだろう…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる