キーナの魔法

小笠原慎二

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ミドル王国編

四大精霊の宝玉

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「お城というものを一回見てみたかった!」

と言う言葉を残し、キーナがお城の探検に出かけた。

「先生・・・」

テルディアスがおもむろに口を開いた。

「本当に他に方法はないんですか?」
「む?」

おじいさんが少し困ったような顔をした。

「ないこともないがの・・・」

おじいさんは窓の外を眺めながら言った。

「それは?」

テルディアスの瞳が光る。

「・・・、四大精霊の宝玉」
「宝玉?」
「火、水、風、地。それぞれの力を宿した宝玉があるという噂じゃが、この四つの宝玉を合わせて使うと、光、闇に匹敵する力を使えるらしい」

テルディアスが真剣に考え込むのを見て、おじいさんが少し慌てた。

「あくまでも噂じゃよ。う・わ・さ」

まず、その宝玉が存在するかどうかもよく分かっていないのである。
だが、他にテルディアスの呪いを解く方法もないことも事実であり・・・。

「ま、どうせ光や闇の宮殿に行っても門前払いにあうだけじゃろうし、探してみるのもよいかもな」

元の姿に戻りたい。
テルディアスの切なる思いを感じ取り、おじいさんは言った。
テルディアスの瞳が決意の色を示す。
例え噂であっても、元の姿に戻れるかもしれないという微かな希望に縋りたい。
テルディアスの瞳はそう語っていた。

「行く気か・・・?」
「はい」

止めても無駄なようだ。

「あの子は?」
「ここに置いて行こうと・・・」

それはミドル王国に来る途中、ずっと考えていたことでもあった。
何処から来たのかもよく分からない少女。
あいつは家に帰すべきだ。
危険な旅に巻き込むわけにはいかない。
そうでなくても、自分のせいであの魔女に狙われるようになってしまった。
置いていくのが一番いい方法なのだ。
例え・・・例え・・・この先ずっと、独りきりの旅になろうとも。

「そうか、分かった」

おじいさんがテルディアスの決意を感じ取ったか、うなずく。

「よろしくお願いします」

テルディアスが深々と頭を下げた。

「あの子には言うのか?」
「いえ、言ったらついて来そうで・・・」

多分、そうなるだろう。
あのやんちゃ坊主・・・おっと、やんちゃガール? が大人しく言うことを聞くとも思えない。

「それに・・・」

テルディアスが切なそうな、少し哀しそうな表情を見せた。

(ホオ・・・?)

そこへ、

「たっだいまーーーーー!!!」

キーナの元気な声が鳴り響いた。

「? テル、何してるの?」

テルディアスが壁に顔をめり込ませていた。

「別に・・・」

キーナの声に驚いてそうなったとも言えない。

(テルディアスがあんな顔をするとはのう・・・)

おじいさんもびっくりしていた。
テルディアスの行動も然り、その表情の変わりよう・・・。

(昔は本当に無表情で冷たい目をしていたのに・・・)

全てを遠ざけ、否定するような、そんな冷たい感じがしていた。
自分本位で他人のことなど考えず、必要のないものは切り捨てていた。
そんなテルディアスが・・・。
目の前の少女には優しい眼差しを向けていた。

(変えたのは呪法か? それとも・・・その子か?)

顔を抑えて振り向くテルに、キーナが「大丈夫?」と声をかける。
城の探索がよっぽど楽しかったのか、ルンルンと鼻歌が聞こえてきそうだ。

「テル~すごいね~お城って! あっちにね~お風呂もあったんだよぉ!」

そしてにっこり笑っていった。

「一緒に入らない?」

バコッ!

ズリッ

テルディアスは頭を余計に壁にめり込ませ、おじいさんは思わず滑った。
なんと大胆な・・・。

「お、おま・・・おま!」

あまりのことに言葉の続かないテル君。

「やあね~、冗談に決まってるっしょ♪」

にやり、と笑うキーナ。

「何を想像したのやら」

クスクスと肩越しにテルディアスを嘲笑う。
さすがのテルディアスもこれにはムカッと来た。

「あのなぁ!」

と怒ってはみるが、

「わはは、怒った怒った♪」

キーナには効果がないようだ。
大変だねぇ。テル君。

(大方・・・この子のおかげなんだろうな・・・)

二人のじゃれあい? を見て、おじいさんは思った。












ちゃっぽ~ん。
漫画だったら貴重なキーナの入浴シーンを見せられるのだけど。
まったく残念だなぁ。

「あ~久しぶりのお風呂☆」

ひろ~い浴槽に身を沈めながら、キーナはふい~、とリラックスしていた。
その時テルディアスは、ふ~、とため息をつきながら、おじいさんの書斎へと入ってきた。

「なんじゃ、もうあがってきたのか」

なにやら書類の整理をしていたおじいさんがテルディアスに気づき言った。

「いつもの癖で」

人がいる所で裸になるのはかなり勇気がいる。たとえ絶対に人が入ってこないと約束されていても。

「人が来るんじゃないかとヒヤヒヤしましたよ」

おじいさんの手伝いをしながらテルディアスが言った。

「大丈夫じゃと言うたろう」

おじいさんが苦笑いをする。仕方のないこととは分かってはいるが。

「ところでテルディアス。一つ聞きたかったのじゃが」
「何か?」

珍しくおじいさんが真面目な顔で言ったので、テルディアスも真面目に答える。

「あの子とは最後までやったのか?」

バキイッ

テルディアスが作業机に頭突きをかまし、机が真っ二つになった。

「やはりまだじゃったか。お前は奥手じゃのう」

おでこにでっかいたんこぶの出来たテルディアスが半分呆れ顔でおじいさんを見つめる。

「あいつはまだガキですよ。んなもの感じません」

冷静にテルディアスが答える。
ちっちっちと指を振り、おじいさんがやはり真顔で言い放つ。

「ふ、甘いのうテルディアス。14といったらもう立派な大人の女性じゃよ」

ちなみに、この世界では15歳で成人ということを念頭に入れてもらいたい。
ということは、キーナもガキに見えて、一応大人の一歩手前・・・。
作者驚き。

「ガキにしか見えんというのは、お前がガキとしてしか見ていないということじゃ。実際あの子はなかなかの美人じゃぞ。一年後にはどうなってるものやら」

美人? ほぼ初対面で男の子に間違えられているのに?

「そしたらワシの専属の助手でもやってもらおうかのう・・・」

バキッ

机を直そうとしていたテル君が、余計に机を壊した。
っつーかこの人、守備範囲広!

(そうだ。この人はこういう人だった・・・)

その昔、騎士になるためにはある程度の魔道は必要だからと、剣の師の昔馴染みだというこの人を訪ねてきた。
確かに魔道にかけてはかなりの実力者であることには違いなかった。
だが・・・。
それに輪をかけて、ひどく女癖が悪かったのだ。

(呆れた俺はとにかく必修科目を必死になって体得して、逃げるようにここから去ったんだっけ・・・)

だから思い出すのに時間がかかったのだ。

(俺はとんでもない所にあいつを置いていこうとしてるんじゃ・・・)

まさかあんなお子様に手は出さないだろうとは・・・思いたい。
出すかもしれない。この人なら。
テルディアスは不安になった。

「17にもなって女も知らんとは、やれやれ」

ため息をつきながらおじいさんが言った。

「お前、巷では男色家だろうと噂されとるぞ」

ドシャッ

テルディアスが滑った。

「前から言っとるじゃろう! 男は女を知ってこそ一人前なんじゃ!」

腕を組んで力説するおじいさん。
それを壊れた作業机に埋もれながら、テルディアスは頭を抱えて聞いていた。
修行時代から何度も聞かされた理論だ。
男は女に溺れることなかれ。女を知り、女を超えてこそ、一人前になる。
これがおじいさんの持論である。
だがその前に、テルディアスは女など眼中にない。
寂しい奴め。

「夜、体がなかんか?」

いや~ん、とおじいさんが体をくねらす。

「い・・・、いい加減にしてください」
折れた机の足をおじいさんの喉元に突きつけながら、テルディアスはドスの聞いた声で言った。

「ほんの茶目っ気じゃ」

本当にそれだけかい。
とそこへ、

「あ~、いいお風呂だった」

キーナがお風呂から帰ってきた。
そして、書斎の惨状を見て、

「何かあったの?」

素直に疑問を口にした。

「や、別に・・・」

おじいさんが真っ二つになった机を直そうと頑張り、その後ろの棚で、テルディアスが何やら資料を探していた。
その背中が何やら機嫌が悪そうなのは気のせいだろうか?

「テルディアス。嬢ちゃんと一緒に展望台に行って来い」

ひそひそとおじいさんがテルディアスに耳打ちする。

「何でですか?」

いろいろな書物を調べるのに忙しいというにという、とても素直な顔をしてテルディアスは不機嫌そうに答える。

「あそこは落としやすいのじゃよ」

ひそひそひそ。
それはどういう意味だろう。
机の折れた残骸を拾い、テルディアスがその鋭くなった部分をおじいさんに向けて迫る。
今にも喉に突き刺しそうだ。

「い、いや、夜景がきれいだから・・・」

後ずさりながらおじいさんが言い直した。
本音は最初に言ったほうだろう?

(? 何してんだろ?)

二人の奇妙な行動を見て、キーナが無邪気に考える。
君には一生分かるまい。














おじいさんに言われ、キーナがルンルンと展望台への階段を上がって行く。
その後ろにテルディアスも続いた。
階段を上りきると、少し開けた場所に出た。
周りを見渡してみても闇しか見えない。
所々遠くがボヤァっと明るいのは、別の街があるのだろうか。
端から見下ろしてみると、ちらちらと街の明かりが見えた。

「わお」

キーナが感嘆の声を上げる。

「僕の世界よりは暗いな」

人工照明があまりない世界なのだ。暗くて当然だ。
今日は月も猫の爪のように細く、代わりに星々のか細い光が夜空を埋め尽くしていた。

「あ、やっぱり。星はキレー」

キーナにつられてテルディアスも空を見上げた。
数え切れないほどの星々が夜空を満たしている。
不思議と吸い込まれそうな錯覚さえ覚えた。

「ね、この世界にも星座ってあんの?」
「あるぞ」

問いかけに少々疑問を抱きつつ、テルは夜空の星々を指で結んでいく。

「・・・と、あの赤い星らを結んで、フェリオズス」
「へ~あるんだね~」

元々星好きなキーナ。この世界にも星座があると知りちょっと嬉しくなった。
神話などもあるのだろうか?
それを聞こうとした時、体が軽く冷えを覚え、ブルっと震えた。
テルディアスがそれを見て、マントを広げた。









「寒いだろ。この中へお入り」
「ありがとテル。あったかい・・・」
「もっと近くへおいで」
「うん☆」

そして二人の唇が近づき・・・。

「とは行かないだろうな・・・」

独りで妄想を繰り広げていたおじいさんがため息をついた。









「入れ、湯冷めするぞ」

テルディアスが冷静な声で言った。

「うん・・・」

キーナが素直にテルディアスの言葉に従う。
そのままマントに包まり、テルディアスとラブラブに・・・なるわけもなく、マントの間から顔を出し、

「へへ~、あったかい」

と、ちょっと間抜けな構図になる。

「こうして見てると、別世界に来たなんて信じられないね」

キーナが街を眺めながらポツリと話し始めた。

「一週間くらい前は、僕は普通の中学生で、みんなと勉強してて、お母さんにお醤油買ってきてって言われて・・・帰れないなんて・・・・思わなくて・・・」

キーナの目から、一筋の涙がこぼれた。

「キーナ?!」
「覚悟はしてたよ。もしかしたら帰れないかもしれないって。でも・・・本当に帰れないなんて・・・。やっぱり、どこか・・・帰れるって期待してて・・・」

ポロポロと涙をこぼし、キーナが秘めていた思いを吐き出す。
帰れるかもしれない。
その希望に縋ってここまでやってきた。
しかし、突きつけられた現実。
やはりそう甘くはない。
次元や空間、時を超える。
それがいかに大変なことかは、ファンタジー好きのキーナには何となく分かっていた。
だが、この世界ならば。
魔法が使えるこの世界ならば、できるかもしれない。
そう思っていた。
涙は止まらず、次々と溢れ出してくる。

「キーナ・・・」

テルディアスがキーナの頭を自分の胸に押し付けた。

「ブ」

突然押し付けられて変な声が出たキーナ。

「今だけ貸してやる。好きなだけ泣け」

テルディアスの思い付く限りの精一杯の優しさだった。
もともと他人なんぞどうでもいいと思っていたテルディアス。こういう時の対処法が分からない。
だが、今のキーナにはそれで十分だった。
安心して泣ける場所がある。
それだけで十分だった。

「う・・・うああああああああああ・・・」

声の限りに泣いた。
こんなに声を出して泣くのはいつ以来だろう?
大きくなるにつれて、涙をこらえることを覚えた。
無理してでも笑うことを覚えた。
泣くことが恥ずかしいことになって、泣かなくなった。
小さい頃はあんなに泣いていたのに。
お父さんやお母さん、学校に友達。
もう二度と会えない、その現実を、悲しみを全て吐き出すかのように、キーナは泣き続けた。

















「ありがと。テル」

泣きすぎて顔が少し赤くなっている。
布団に身を沈めながらキーナが言った。

「いや、別に・・・」

役に立ったんだかどうだかよく分からないテルディアス。返事も曖昧。
キーナの肩まで布団をきちんとかけてやる。

「寒くないか?」
「うん。大丈夫」

キーナがにっこり答えた。
思いっきり泣いたせいか、すっきりしているようだ。

「眠るまで側にいて・・・」

キーナが手を伸ばす。その手をテルディアスの手が優しく包み込んだ。

「ああ・・・」

柔らかな小さな手。気丈に見えてもやはり子供だ。

「どこにも行かないでね・・・」

その言葉にテルディアスは一瞬ギクリとなった。

「ああ・・・」

どうにか言葉を吐き出す。
そういう意味じゃない。
キーナが知るはずがない。

「先生心配してたね」

テルディアスの動揺に気づかず、キーナが言った。

「そうだな」

展望台から帰ってきたときのことを思い出す。
もう遅いからそのまま寝るとキーナが言ったので、とりあえず、おじいさんにおやすみなさいの挨拶をしに部屋へ行った。
キーナの赤く泣きはらした顔を見て顔が青くなったおじいさん。
何を想像したのだろう。

「テル・・・」
「ん?」

キーナの瞼が少し重くなってきたようだ。

「テルがもし泣きたい時があったら、僕が胸を貸すからね」

俺が泣きたい時など来るのか?
そんな疑問は置いといて。

「小さいから難しそうだな」

素直に思ったことを吐き出すが、

「それどういう意味・・・?」

キーナが違う意味で捉えた。

「いや、背が小さいってことだ」

慌ててフォローするテルディアス。
すぐに気づくということは、テルディアスも実はそう思ってるのか?
ニヤリ。

「テル・・・」
「ん?」
「手を、離さないでね・・・」
「・・・ああ」

キーナの瞳が閉じられる。
もはや眠りにつくのは時間の問題。

「なんでかなぁ・・・、テルといると安心するの・・・。あの怖い夢も・・・見ないで・・・すむと・・・おも・・・」

すう、と安らかな寝息をたてて、キーナが眠りについた。
相変わらず早い。

(キーナ・・・)

安心して眠るキーナの顔を見ながら、テルディアスはそっとキーナの手を離した。

(すまない、キーナ)

顔にかかる髪をあげ、頭を軽くそっとなでる。

(だが、これ以上お前を危険な目に合わせるわけには行かない。ここなら魔女の目も眩ませられるだろうし、安全だ。後は目印になっている俺がいなくなれば・・・)

魔女の手はキーナに及ばなくなるだろう。
別れの時が来たのだ。
耳につけていた双子石をはずす。
そしてそれを、キーナも枕元にそっと置いた。
これで、テルディアスを追うことも出来ない。

「お前と出会えたこの数日間、楽しかった・・・」

久しぶりに人と話した。
久しぶりに人と関わった。
久しぶりに街にも入ったし、久しぶりにベッドで眠ることも出来た。
ずっと人の目を避け、森の中をさ迷っていた自分が、久しぶりに人として生活することが出来た。
キーナと出会えたからこそ、人として過ごすことの喜びを味わえた。
それだけで満足だ。
だからこそ、別れなければならない。
キーナを守るために。
テルの顔がキーナに近づき、安らかに眠るキーナの頬にそっと唇を押し当てる。
柔らかくてすべすべしていた。
ふと我に返り、自分のとった行動に赤くなる。

(・・・調子に乗りすぎた?!)

もう一度キーナの寝顔を眺め、そして、そっと部屋を出て行った。

パタン。

扉の閉まる音。
その音に反応したかのように、キーナがもぞもぞと寝返りを打つ。

「ん・・・」

そして、つぶやいた。

「テル・・・、僕がいるよ・・・」

その言葉は闇に溶け、誰にも届かなかった。















コツコツコツ・・・

暗い廊下に足音が響く。
闇の中からテルディアスが、明るい書斎に姿を現す。
おじいさんが机の前でテルディアスを待っていた。

「テルディアス。行くのか?」
「はい。あいつをよろしくお願いします」

礼儀正しくテルディアスが頭を下げる。

「一晩くらい泊まっていったらどうじゃ?」
「いえ、魔女が探していますから・・・」

頭を下げたままテルディアスが答える。
考えを変える気はなさそうだ。

(まったく・・・)

ふう、と溜め息をつく。
用意しておいた巾着をテルディアスに向かって放り投げた。

「餞別じゃ」

飛んできた巾着をハシッと受け止め、その重さにテルディアスは思わず中身を確認した。

「こんなに?!」
「いーからもってけ」

鼻をほじりながら面倒臭そうにおじいさんが言った。

「しかし・・・」
「聞く耳持たん」

テルディアスに背中を向ける。
当惑顔のテルディアスではあったが、おじいさんがそういった以上、もう何を言っても無駄だと思い、素直に受け取ることにした。

「たまには顔を見せに来いや」

背を向けたままおじいさんが言った。
その背中を見つめ、テルディアスがもう一度頭を下げる。

「重ね重ね、お世話になりました」

それが別れの言葉だった。
くるりとおじいさんに背を向けると、足早に部屋を出て行った。
その足音を聞きながら、おじいさんはテルディアスの無事を祈った。
魔女の手から逃れ、元の姿を取り戻し、再び会えることを・・・。













城を出、街を出、街道を少し行って、テルディアスは初めて振り返った。
残してきた者のことを思いながら・・・。

(元気で・・・)

二度と会うことはない。
その言葉だけが頭の中を巡る。
込み上げるいろいろな感情を押さえ込み、テルディアスは夜の街道を独り、歩き始めた。
いつ終わるとも知れぬ長い旅路へと。
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