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奴の名はサーガ
雪山へ
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てくてくてく
でくでくでく
二つの足音が軽快に響いていく。
「おいふぃ~」
「だな」
街を出る前に買った焼き鳥のようなものを二人で揃って食べていた。
うまそうだ。
(サーガがおごってくれるなんて変なの。なんかいつもより優しい気もする…?)
大きく口を開けて肉をほおばるサーガ。
いつも通りにも見えるのだが…?
気のせいなのか?
なんやかやと歩き、地図を見て確認して(おもにサーガが)、テルの元へと歩みを進める。
と、サーガが道端のなにやら草の種らしきものをぷちぷちぷち。
気づかないキーナの背にその草の種をひょいひょいと投げつけると、草の種がひっついた。
オナモミのような草の種らしい。
なんだか変な顔をしてキーナを眺める。
それに気づくキーナ。
ふと後ろを見ると、マントに草の種がいっぱい。
気づかれたサーガ走り出す。
キーナ、草の種を取っては投げ取っては投げしてサーガを追い回す。
遊んでるんとちゃう?
「あ~、4,5日前に来たわね」
外はどっぷり夜になり、街道途中の宿に半分無理やりサーガがキーナを放り込んだ。
夕食の途中、宿屋のおかみさんにこんな奴は見かけなかったと話を聞くと、どうやら立ち寄って行ったらしい。
「ケルゴル山に登るからって、うちで色々買い込んで行ったよ。この時期雪に全部埋まってるから、行っても何もないのに」
「山?」
「そこの窓から見える山だよ。夏とか秋ならともかくね。竜が住んでるとかって伝説もあるそこそこ有名な山よ。雪山は危ないからやめときなって言ったんだけどねぇ」
星の見える夜空を背に、雪に埋もれた高い山がそびえたっていた。
「雪山に何の用があるってんだよ」
何度目かの愚痴をサーガが吐く。
「ぜってー正気の沙汰じゃねぇ」
「ブツブツ言わないん!」
それでもぐちぐちぶつぶつ言いながら、キーナの横を歩く。
宿屋で防寒着も買って着込んでいるので、一応寒さはある程度凌げるはずではあるが、寒さが苦手なのか、なかなかぶちぶち言い終わらないサーガ。
「大体雪山に何があるってんだよ。文字通り雪と山しかねーぞ」
「でも行くの!」
サーガの愚痴は無視して歩みを進めるキーナ。
雪山に二つの足跡が並んで続いていく。
「せっかくだからよ、火の結界張って行こうぜ」
サーガが提案した。
「火の結界? どして?」
「寒さから守るんだよ!」
「なるほろ」
寒いせいか、火の精の気配も弱めであったが、なんとか探し出して言葉を紡ぐ。
「火壁(イラ・ロー)」
するとふわりと温かい気配が二人の周りを囲った。
刺すような空気が柔らかくなった。
ホーっと長い溜息を吐くサーガ。
よほど寒かったのか?
「あり? サーガも魔法使えるんでないの?」
そういえばこの前使ってたよなぁ。
「俺は風しか使えねーの」
おやまあ。
「戦場に出るにゃ、ある程度は魔法も使えにゃならんのだが、相性が悪いんだかなんだか、俺は風しか習得できなかったんだ」
相性なんてあるんだ?
とキーナが首を傾げた。
「たま~にいたんだよ。風しか使えねーっての。ま、風は癒し系の魔法も使えるし、いっかなってな」
「へ~」
サクサク
ザクザク
前を飛ぶキューちゃんを頼りに、二人は雪山を登って行く。
真っ白い景色の中を、こげ茶と黄色い頭が吸い込まれるように小さくなっていった。
夕方辺りからなにやら雲行きが怪しくなり、ちらほらと雪が舞い始めたかと思うと風が出てきて、あっという間に吹雪になってしまった。
山の天気は変わりやすいというが本当だ。
吹雪を察したサーガが、進もうとするキーナを押しとどめ、なんとかかまくらを作り、ビバークすることにした。
夜になり、ますます吹雪く外を眺めながら、キーナがマントを体に巻きつけ、丸くなっている。キューちゃんもキーナの横で丸くなっている。もともと丸いか。
「何見てんだよ」
「すごい風」
びゅうびゅう、ごうごう、怖いくらいに風が鳴っている。
舞い踊るというより、空間を切り裂くようにして目の前を過ぎていく。
一面白い世界。
他には何も見えない。
この吹雪のどこかに、テルがいるのだろうか。
(テル…大丈夫かな…)
なんとなくではあるが、テルに近づいていることが感じられた。
(もうすぐ…、もうすぐ会える…。テル…)
キーナの左右の耳に下がる双子石がキラリと光った。
朝になると、昨日の吹雪はどこへやら。
真っ白な世界を朝の太陽が照らし出した。
新雪が足元でギュッギュッと音を立てる。
足を取られて動きにくいはずなのに、キーナは軽やかに雪の上を歩いていく。
歩くというより小走りか。
「急ぐな! あぶねーぞ!」
サーガの忠告も耳には届かず、ひたすら前へ前へ前へ前へ前へ…。
ズル
やっぱり滑った。
「わ!」
「どわっ!」
とっさにサーガが庇う。
思ったら新雪だから庇う必要はなかったな。
キーナの下敷きになりながらふと考えた。
「ご、ごめんね! サーガ! ありがと!」
慌てて起き上がる。
「だから急ぐなっつったろ」
「うん…でも…」
もじもじもじ
「テルに近づいてるって思ったら…、なんとなく…」
サーガ君、小さく溜息を一つ。
起き上がろうとして、
「ち…」
肩がズキリと痛んだ。
「どしたの!?」
「や、軽く肩を打ったみたいで…」
「治す!」
キーナ、勢いよく立候補。
まではよかったが…、
「呪文なんだっけ?」
(自分で治したが早いか…?)
四大精霊の中で一番治癒の力が強いのが地。
治す意味の言葉は精霊語で「リー」
つまり、
「地治療(ウル・リー)」
となります。
サーガの肩に力を注ぎこむ。
そんなたいしたものではないのだから、ほっといてもよかったのだが。
一応大人しく治療されるサーガ。
治療に専念するキーナの顔を見ながら、
(契約は…、テルディアスが見つかるまで、だったな)
おそらく、もうすぐにでも見つかるのだろう。
なんとなく勘が言っている。
そうしたら用心棒の契約は終わりをつげ、晴れて自由の身。
そして、このへんちくりんの女ともお別れ。
それでよかったのだ。
もともと金づるとしてついて来ただけだし。
だが…、だが今は…。
『あんたはあんたの幸せを見つけて…』
スターシャの言葉が頭の中で回っている。
そして、スターシャに立てた誓いも…。
場末の酒場。
その言葉がぴったりの場所に、少し幼い顔をした黄色い髪の黄色い瞳の青年(?)が、酒を飲んでいた。
もちろんサーガだ。
戦場から帰ってみたら、村は襲われ、襲った盗賊は殲滅したが、大事に思っていた女、スターシャは殺されていた。
スターシャが最後に遺した言葉、
『あんたはあんたの幸せを見つけて…』
その約束を果たすために村を出たはいいが、何が幸せなのかも分からず、とりあえず腐れて酒を飲んでいた。
何をすればいいのか、どこに行けばいいのかも分からず、暗闇を手探りで進むような感覚に疲れ切って、酔おうにも、頭のどこかが酔うに酔わせない緊迫感があり、まんじりともせず、ただ酒をあおるだけあおっていた。
(幸せ探し…か)
どうしたらいいんだ…。
指標も何もない。
分からないことだらけ。
(自分にとって何が幸せなのか分からにゃ、どうやって探しゃいいのかも分からねえ…)
そもそも幸せとはどうやったら手に入るのだろう?
(俺は、スターシャのために…何もしてないな…)
サーガのために体を売ることをやめたスターシャ。
そんなこと知らなかった。そんな苦労を、覚悟をしていたなんて。
(俺は…何も…)
そんな時、ふと隣からの話し声が耳に入ってきた。
「……で、そのテルディアス・ブラックバリーが、最年少ソードマスターになったってよ!」
「すげぇな!」
げらげらと盛り上がる隣の二人組。
(ソードマスターったって、お貴族様のおちゃらけ剣術だろうが)
大体戦場で、お貴族様達が剣を振るうことはめったにない。
最前線で戦うのはいつも傭兵である自分たちだ。
お貴族様と手合せしたこともあったが、型にはまりすぎてなんともあっけなかった。
卑怯と罵られようと、戦場では生きたものが勝ち。
お貴族様はそこん所が分かってねぇなと、よく愚痴をこぼしていたものだ。
まてよ…?
(そうだ…。ソードマスターったって、所詮お貴族様のおちゃらけ剣術。そいつを俺が倒せば…、うまくすりゃその称号…)
さすがに傭兵に称号は無理かもしれない。
だが、自信はある。
死地を乗り越えた剣と、型にはまった綺麗な剣術、となれば…。
(なんにしても、ソードマスターが一介の野戦士に負けたりしたら…)
ソードマスターと呼ばれる者が、一傭兵に負けるなどと…。
(スターシャにその名誉を捧げてやろうじゃねえか!)
幸せはどんなものかも分からないので、気長に探す。
そして、何もしてやれなかったスターシャに、サーガは自分にできる精いっぱいのことをしようと誓った。
ソードマスター、テルディアス・ブラックバリーを倒すこと。
少し硬いつまみをガチリと食い切り、ガブリと酒を飲みほした。
でくでくでく
二つの足音が軽快に響いていく。
「おいふぃ~」
「だな」
街を出る前に買った焼き鳥のようなものを二人で揃って食べていた。
うまそうだ。
(サーガがおごってくれるなんて変なの。なんかいつもより優しい気もする…?)
大きく口を開けて肉をほおばるサーガ。
いつも通りにも見えるのだが…?
気のせいなのか?
なんやかやと歩き、地図を見て確認して(おもにサーガが)、テルの元へと歩みを進める。
と、サーガが道端のなにやら草の種らしきものをぷちぷちぷち。
気づかないキーナの背にその草の種をひょいひょいと投げつけると、草の種がひっついた。
オナモミのような草の種らしい。
なんだか変な顔をしてキーナを眺める。
それに気づくキーナ。
ふと後ろを見ると、マントに草の種がいっぱい。
気づかれたサーガ走り出す。
キーナ、草の種を取っては投げ取っては投げしてサーガを追い回す。
遊んでるんとちゃう?
「あ~、4,5日前に来たわね」
外はどっぷり夜になり、街道途中の宿に半分無理やりサーガがキーナを放り込んだ。
夕食の途中、宿屋のおかみさんにこんな奴は見かけなかったと話を聞くと、どうやら立ち寄って行ったらしい。
「ケルゴル山に登るからって、うちで色々買い込んで行ったよ。この時期雪に全部埋まってるから、行っても何もないのに」
「山?」
「そこの窓から見える山だよ。夏とか秋ならともかくね。竜が住んでるとかって伝説もあるそこそこ有名な山よ。雪山は危ないからやめときなって言ったんだけどねぇ」
星の見える夜空を背に、雪に埋もれた高い山がそびえたっていた。
「雪山に何の用があるってんだよ」
何度目かの愚痴をサーガが吐く。
「ぜってー正気の沙汰じゃねぇ」
「ブツブツ言わないん!」
それでもぐちぐちぶつぶつ言いながら、キーナの横を歩く。
宿屋で防寒着も買って着込んでいるので、一応寒さはある程度凌げるはずではあるが、寒さが苦手なのか、なかなかぶちぶち言い終わらないサーガ。
「大体雪山に何があるってんだよ。文字通り雪と山しかねーぞ」
「でも行くの!」
サーガの愚痴は無視して歩みを進めるキーナ。
雪山に二つの足跡が並んで続いていく。
「せっかくだからよ、火の結界張って行こうぜ」
サーガが提案した。
「火の結界? どして?」
「寒さから守るんだよ!」
「なるほろ」
寒いせいか、火の精の気配も弱めであったが、なんとか探し出して言葉を紡ぐ。
「火壁(イラ・ロー)」
するとふわりと温かい気配が二人の周りを囲った。
刺すような空気が柔らかくなった。
ホーっと長い溜息を吐くサーガ。
よほど寒かったのか?
「あり? サーガも魔法使えるんでないの?」
そういえばこの前使ってたよなぁ。
「俺は風しか使えねーの」
おやまあ。
「戦場に出るにゃ、ある程度は魔法も使えにゃならんのだが、相性が悪いんだかなんだか、俺は風しか習得できなかったんだ」
相性なんてあるんだ?
とキーナが首を傾げた。
「たま~にいたんだよ。風しか使えねーっての。ま、風は癒し系の魔法も使えるし、いっかなってな」
「へ~」
サクサク
ザクザク
前を飛ぶキューちゃんを頼りに、二人は雪山を登って行く。
真っ白い景色の中を、こげ茶と黄色い頭が吸い込まれるように小さくなっていった。
夕方辺りからなにやら雲行きが怪しくなり、ちらほらと雪が舞い始めたかと思うと風が出てきて、あっという間に吹雪になってしまった。
山の天気は変わりやすいというが本当だ。
吹雪を察したサーガが、進もうとするキーナを押しとどめ、なんとかかまくらを作り、ビバークすることにした。
夜になり、ますます吹雪く外を眺めながら、キーナがマントを体に巻きつけ、丸くなっている。キューちゃんもキーナの横で丸くなっている。もともと丸いか。
「何見てんだよ」
「すごい風」
びゅうびゅう、ごうごう、怖いくらいに風が鳴っている。
舞い踊るというより、空間を切り裂くようにして目の前を過ぎていく。
一面白い世界。
他には何も見えない。
この吹雪のどこかに、テルがいるのだろうか。
(テル…大丈夫かな…)
なんとなくではあるが、テルに近づいていることが感じられた。
(もうすぐ…、もうすぐ会える…。テル…)
キーナの左右の耳に下がる双子石がキラリと光った。
朝になると、昨日の吹雪はどこへやら。
真っ白な世界を朝の太陽が照らし出した。
新雪が足元でギュッギュッと音を立てる。
足を取られて動きにくいはずなのに、キーナは軽やかに雪の上を歩いていく。
歩くというより小走りか。
「急ぐな! あぶねーぞ!」
サーガの忠告も耳には届かず、ひたすら前へ前へ前へ前へ前へ…。
ズル
やっぱり滑った。
「わ!」
「どわっ!」
とっさにサーガが庇う。
思ったら新雪だから庇う必要はなかったな。
キーナの下敷きになりながらふと考えた。
「ご、ごめんね! サーガ! ありがと!」
慌てて起き上がる。
「だから急ぐなっつったろ」
「うん…でも…」
もじもじもじ
「テルに近づいてるって思ったら…、なんとなく…」
サーガ君、小さく溜息を一つ。
起き上がろうとして、
「ち…」
肩がズキリと痛んだ。
「どしたの!?」
「や、軽く肩を打ったみたいで…」
「治す!」
キーナ、勢いよく立候補。
まではよかったが…、
「呪文なんだっけ?」
(自分で治したが早いか…?)
四大精霊の中で一番治癒の力が強いのが地。
治す意味の言葉は精霊語で「リー」
つまり、
「地治療(ウル・リー)」
となります。
サーガの肩に力を注ぎこむ。
そんなたいしたものではないのだから、ほっといてもよかったのだが。
一応大人しく治療されるサーガ。
治療に専念するキーナの顔を見ながら、
(契約は…、テルディアスが見つかるまで、だったな)
おそらく、もうすぐにでも見つかるのだろう。
なんとなく勘が言っている。
そうしたら用心棒の契約は終わりをつげ、晴れて自由の身。
そして、このへんちくりんの女ともお別れ。
それでよかったのだ。
もともと金づるとしてついて来ただけだし。
だが…、だが今は…。
『あんたはあんたの幸せを見つけて…』
スターシャの言葉が頭の中で回っている。
そして、スターシャに立てた誓いも…。
場末の酒場。
その言葉がぴったりの場所に、少し幼い顔をした黄色い髪の黄色い瞳の青年(?)が、酒を飲んでいた。
もちろんサーガだ。
戦場から帰ってみたら、村は襲われ、襲った盗賊は殲滅したが、大事に思っていた女、スターシャは殺されていた。
スターシャが最後に遺した言葉、
『あんたはあんたの幸せを見つけて…』
その約束を果たすために村を出たはいいが、何が幸せなのかも分からず、とりあえず腐れて酒を飲んでいた。
何をすればいいのか、どこに行けばいいのかも分からず、暗闇を手探りで進むような感覚に疲れ切って、酔おうにも、頭のどこかが酔うに酔わせない緊迫感があり、まんじりともせず、ただ酒をあおるだけあおっていた。
(幸せ探し…か)
どうしたらいいんだ…。
指標も何もない。
分からないことだらけ。
(自分にとって何が幸せなのか分からにゃ、どうやって探しゃいいのかも分からねえ…)
そもそも幸せとはどうやったら手に入るのだろう?
(俺は、スターシャのために…何もしてないな…)
サーガのために体を売ることをやめたスターシャ。
そんなこと知らなかった。そんな苦労を、覚悟をしていたなんて。
(俺は…何も…)
そんな時、ふと隣からの話し声が耳に入ってきた。
「……で、そのテルディアス・ブラックバリーが、最年少ソードマスターになったってよ!」
「すげぇな!」
げらげらと盛り上がる隣の二人組。
(ソードマスターったって、お貴族様のおちゃらけ剣術だろうが)
大体戦場で、お貴族様達が剣を振るうことはめったにない。
最前線で戦うのはいつも傭兵である自分たちだ。
お貴族様と手合せしたこともあったが、型にはまりすぎてなんともあっけなかった。
卑怯と罵られようと、戦場では生きたものが勝ち。
お貴族様はそこん所が分かってねぇなと、よく愚痴をこぼしていたものだ。
まてよ…?
(そうだ…。ソードマスターったって、所詮お貴族様のおちゃらけ剣術。そいつを俺が倒せば…、うまくすりゃその称号…)
さすがに傭兵に称号は無理かもしれない。
だが、自信はある。
死地を乗り越えた剣と、型にはまった綺麗な剣術、となれば…。
(なんにしても、ソードマスターが一介の野戦士に負けたりしたら…)
ソードマスターと呼ばれる者が、一傭兵に負けるなどと…。
(スターシャにその名誉を捧げてやろうじゃねえか!)
幸せはどんなものかも分からないので、気長に探す。
そして、何もしてやれなかったスターシャに、サーガは自分にできる精いっぱいのことをしようと誓った。
ソードマスター、テルディアス・ブラックバリーを倒すこと。
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