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テルディアス求婚騒動編
4人の朝
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所々に雲が流れ、その間を朝の光が挿してくる。
朝の早い小鳥達が、餌を求めてあちらこちらでその可愛らしい声でさえずる。
メリンダが夢から現実へと舞い戻り、その重い瞼をゆっくりとこじ開ける。
そしてギョッとなった。
目の前に、気持ちよさそうに眠る黄色い髪の男の寝顔。
すかーと大口を開けて寝こけている。
メリンダが今の自分の状態を確かめ、何がどうなっているのやらと昨夜からの記憶を呼び起こす。
(やば…。あのまま寝ちゃったのね…)
そろりと身を起こす。
男が起きる気配は無い。
その間抜けな寝顔をじっと睨み、メリンダが頭を抱えた。
(くそぅ……。ものすごく良かった…)
久しぶりという事もあったのだろうが、この男の手練手管に完全に我を忘れてしまった。
事が終わったら、
「ふ、こんなもん?」
と嘲りながら、さっさと部屋に戻ろうと思っていたのに。
こんなもんどころじゃなかった。こんちくしょう。
(何なのよこいつ! 一体どれだけ経験積んでんのよ! 見た目若いけど結構年いってるとか?!)
いつも手玉に取っていたはずの男に、反対に手玉に取られ、何だかものすごく悔しい。
思いつく限りの悪態を心の中で喚く。
(大体あんなことどこで…)
「うわああああああ!!!」
「ん?」
早朝からはた迷惑な悲鳴が上がった。
「なんだ?! 何があった?!」
悲鳴に驚き、サーガがガバッと身を起こす。
「あ~、いつものことでしょ」
その悲鳴の正体を知っているメリンダは慌てない。
しかし、
「いつものこと?」
何故かサーガは頭にハテナマーク。
あれ?一緒に旅してたんじゃなかったっけ?と思いながら、
「あんた知らないの?」
「何が?」
本当に知らないようだ。
「キーナちゃんが毎夜、テルディアスのベッドに忍び込んでいく事」
サーガの顔が引きつる。
「なんだ?! その美味しい状況は?!」
と悔しそうに叫ぶ。
(ま、こーゆーのが普通よね…)
大概の男ならこうなんだろうなと、メリンダ一安心。
いや、安心するところではないのだろうけど。
「あんただったらどうする?」
もし可愛い女の子が、寝ている間に自分のベッドに忍び込んで来たならば…。
「もちろん! とりあえず味見させて頂く!」
頑張ります!と左手をぐっと握りしめる。
そこに、メリンダの裏拳が飛んだ。
「キーナちゃんに手を出したら…、酷いわよ…?」
恐ろしい形相でサーガを睨む。
「も…、十分酷い目にあってますが…」
壁に半分めり込んだサーガが、息も絶え絶え、なんとか壁から戻ってくる。
風の魔法ででなんとか痛みを取りながら、
「っかしいなぁ。俺と二人の時は、んなこと一回もなかったのに」
キーナと二人で部屋で寝た事もあったが、ベッドに忍び込んで来る事など一度も無かった。
と、メリンダの纏う空気が殺気を帯びてくる。
ビクッとなるサーガ。
何を怒ってらっしゃるのかしら?
「………………」
メリンダが微妙に聞こえない声量で、膝に突っ伏しながらなにやらグチグチ言っている。
「あたしなんて…」とか、「こいつは二人きりで…」とか端々に聞こえてくるが、何を言っているのかよく分からない。
とりあえず触れない方が良さそうだと、サーガが頭をかいて、話題の転換を図る。
「あ~、んで…? 姐さん、どうだった? 昨夜は?」
メリンダのグチグチがピタリと止まった。
殺気もどこかに吹っ飛んでいってしまう。
「大分感じてたようだけど、満足した?」
自分の技にかなりの自信を持つサーガ。やっぱり良かったと言わせたい。
メリンダがそっぽを向く。
「ま、まーまーよ!」
「え~~~! まじ?」
サーガ少なからずともショック。
今まで大概の女には「良かったわ♡」と言わせてきた。
メリンダはそっぽを向きながら、何気に顔が赤い。
(素直に満足したなんて言えるか!)
メリンダのプライドがなめくさってた男に、素直に満足したなどと言わせない。
そんなこと言ったら余計につけ上がるだけだし!と心の中で頷く。
「そんじゃあ、姐さん」
サーガがメリンダの肩に手を置いて、メリンダを振り向かせる。
「朝で息子も元気だし、もう一回」
視線を落とせば、布団の下、サーガの股間らしき所がもっこりと膨れあがっている。
メリンダは拳に火の気を集めた。
「ぷぎゃあああ!!」
ドゴオ!!
本日二度目の悲鳴が上がった。
少しして、身だしなみをキチンと整えたメリンダが、サーガの部屋から出てくる。
「まったく…! 下半身馬鹿!!」
とバタンと扉を乱暴に閉める。
と、隣の部屋の扉が開き、キーナが出て来た。
「あ、メリンダさん」
「あ、おはよう。キーナちゃん」
キーナが軽く首を傾げる。
「あり? そっちってサーガの…」
ギクリとなるメリンダ。
「あ~…、ああ…。ち、ちょっと、軽い、運動してたの~…」
としどろもどろ誤魔化す。
その様子に何か不穏な空気を珍しく感じ取るキーナ。
(またサーガ何かしたのかしらん?)
考える方向は間違っているけれども。
そんなキーナの背を押しながら、
「さ、早く支度して、朝食に行きましょ!」
とそそくさとその場を後にする。
「うん」
キーナも特にそれ以上考える事もなく、足早に自分達の部屋へと戻って行った。
その頃、男達の部屋では…。
部屋の隅でうずくまり、壁に向かって暗く落ち込むテルディアスの姿と、ベッドの脇に、少し焦げたサーガが転がっていた…。
朝の早い小鳥達が、餌を求めてあちらこちらでその可愛らしい声でさえずる。
メリンダが夢から現実へと舞い戻り、その重い瞼をゆっくりとこじ開ける。
そしてギョッとなった。
目の前に、気持ちよさそうに眠る黄色い髪の男の寝顔。
すかーと大口を開けて寝こけている。
メリンダが今の自分の状態を確かめ、何がどうなっているのやらと昨夜からの記憶を呼び起こす。
(やば…。あのまま寝ちゃったのね…)
そろりと身を起こす。
男が起きる気配は無い。
その間抜けな寝顔をじっと睨み、メリンダが頭を抱えた。
(くそぅ……。ものすごく良かった…)
久しぶりという事もあったのだろうが、この男の手練手管に完全に我を忘れてしまった。
事が終わったら、
「ふ、こんなもん?」
と嘲りながら、さっさと部屋に戻ろうと思っていたのに。
こんなもんどころじゃなかった。こんちくしょう。
(何なのよこいつ! 一体どれだけ経験積んでんのよ! 見た目若いけど結構年いってるとか?!)
いつも手玉に取っていたはずの男に、反対に手玉に取られ、何だかものすごく悔しい。
思いつく限りの悪態を心の中で喚く。
(大体あんなことどこで…)
「うわああああああ!!!」
「ん?」
早朝からはた迷惑な悲鳴が上がった。
「なんだ?! 何があった?!」
悲鳴に驚き、サーガがガバッと身を起こす。
「あ~、いつものことでしょ」
その悲鳴の正体を知っているメリンダは慌てない。
しかし、
「いつものこと?」
何故かサーガは頭にハテナマーク。
あれ?一緒に旅してたんじゃなかったっけ?と思いながら、
「あんた知らないの?」
「何が?」
本当に知らないようだ。
「キーナちゃんが毎夜、テルディアスのベッドに忍び込んでいく事」
サーガの顔が引きつる。
「なんだ?! その美味しい状況は?!」
と悔しそうに叫ぶ。
(ま、こーゆーのが普通よね…)
大概の男ならこうなんだろうなと、メリンダ一安心。
いや、安心するところではないのだろうけど。
「あんただったらどうする?」
もし可愛い女の子が、寝ている間に自分のベッドに忍び込んで来たならば…。
「もちろん! とりあえず味見させて頂く!」
頑張ります!と左手をぐっと握りしめる。
そこに、メリンダの裏拳が飛んだ。
「キーナちゃんに手を出したら…、酷いわよ…?」
恐ろしい形相でサーガを睨む。
「も…、十分酷い目にあってますが…」
壁に半分めり込んだサーガが、息も絶え絶え、なんとか壁から戻ってくる。
風の魔法ででなんとか痛みを取りながら、
「っかしいなぁ。俺と二人の時は、んなこと一回もなかったのに」
キーナと二人で部屋で寝た事もあったが、ベッドに忍び込んで来る事など一度も無かった。
と、メリンダの纏う空気が殺気を帯びてくる。
ビクッとなるサーガ。
何を怒ってらっしゃるのかしら?
「………………」
メリンダが微妙に聞こえない声量で、膝に突っ伏しながらなにやらグチグチ言っている。
「あたしなんて…」とか、「こいつは二人きりで…」とか端々に聞こえてくるが、何を言っているのかよく分からない。
とりあえず触れない方が良さそうだと、サーガが頭をかいて、話題の転換を図る。
「あ~、んで…? 姐さん、どうだった? 昨夜は?」
メリンダのグチグチがピタリと止まった。
殺気もどこかに吹っ飛んでいってしまう。
「大分感じてたようだけど、満足した?」
自分の技にかなりの自信を持つサーガ。やっぱり良かったと言わせたい。
メリンダがそっぽを向く。
「ま、まーまーよ!」
「え~~~! まじ?」
サーガ少なからずともショック。
今まで大概の女には「良かったわ♡」と言わせてきた。
メリンダはそっぽを向きながら、何気に顔が赤い。
(素直に満足したなんて言えるか!)
メリンダのプライドがなめくさってた男に、素直に満足したなどと言わせない。
そんなこと言ったら余計につけ上がるだけだし!と心の中で頷く。
「そんじゃあ、姐さん」
サーガがメリンダの肩に手を置いて、メリンダを振り向かせる。
「朝で息子も元気だし、もう一回」
視線を落とせば、布団の下、サーガの股間らしき所がもっこりと膨れあがっている。
メリンダは拳に火の気を集めた。
「ぷぎゃあああ!!」
ドゴオ!!
本日二度目の悲鳴が上がった。
少しして、身だしなみをキチンと整えたメリンダが、サーガの部屋から出てくる。
「まったく…! 下半身馬鹿!!」
とバタンと扉を乱暴に閉める。
と、隣の部屋の扉が開き、キーナが出て来た。
「あ、メリンダさん」
「あ、おはよう。キーナちゃん」
キーナが軽く首を傾げる。
「あり? そっちってサーガの…」
ギクリとなるメリンダ。
「あ~…、ああ…。ち、ちょっと、軽い、運動してたの~…」
としどろもどろ誤魔化す。
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(またサーガ何かしたのかしらん?)
考える方向は間違っているけれども。
そんなキーナの背を押しながら、
「さ、早く支度して、朝食に行きましょ!」
とそそくさとその場を後にする。
「うん」
キーナも特にそれ以上考える事もなく、足早に自分達の部屋へと戻って行った。
その頃、男達の部屋では…。
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