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男娼の館編
少年達救出大作戦その1
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ドガバーン!!
激しい音が鳴り響き、外のバルコニーに繋がる大きな窓、というよりガラス張りの扉が勢いよく開かれた。
「な、何…?」
ピンクの領主が体を上げると、そこには怒りに顔を引き攣らせ、仁王立ちになったテルディアスの姿があった。
しかも何故かフードが外れ、顔丸出しになっている。
「な…! ダーディン…だけど、いい男…♡」
ドストライクだった。
いや、違くて…。
テルディアスが片足を、ピンクの領主の目の前に掲げる。
「失せろ。ゴミが」
そう言うと、思い切りピンクの領主の顔を足の裏でどついた。
壁まで吹っ飛ばされる。
壁にぶち当たり、鼻血を垂れ流しながら、気絶する前にピンクの領主は呟いた。
「い…いい…」
どうやら怪しい扉まで開いてしまったようだ。
「テルゥ~」
キーナが涙混じりの声でテルディアスに呼びかける。
「キーナ…」
心底ほっとした顔でテルディアスがキーナを見下ろした。
そっとその顔に手を伸ばし、
「大丈夫か?」
と優しく声をかける。
「うん、大丈夫」
キーナもほっとした顔をしてテルディアスを見上げた。
大きく息を吐くテルディアス。
そのまま力が抜けたのか、キーナの上にポソリと覆い被さり、キーナの頭を抱える。
「あまり、心配かけるな…」
キーナの耳元で呟いた。
その安堵した声を聞き、さすがにちょっと反省するキーナ。
「うん…。ゴメンにゃ…」
素直にその言葉が口から漏れ出でた。
と、なにやらテルディアスが開け放った窓の方から、ボソボソと人の話す声が聞こえてきた。
「どうする? なんかすんごく入り辛いんだけど」
「いや姐さん。これは入り辛いじゃなくて、入れないの間違いだろ」
との会話が聞こえて来て、テルディアスが慌ててキーナに覆い被さっていた体を引き起こした。
端から見れば、しっかりラブシーンに見える状況だった。
ピンクの領主の体をメリンダがまさぐり(テルディアスは何故か本能的に嫌がった)、キーナの枷を取る鍵を取り出す。
鍵を差し込み回して、枷がガチャリと音を立てて外れる。
数時間ぶりに自由になった自分の手首をさすり、自由を噛みしめる。
ちょっと大袈裟だ。
「大丈夫か?」
テルディアスが枷で擦れたりはしてないかと心配するも、その必要はなさそうだ。
と、キーナがなんだかむにょむにょとした顔をして、テルディアスに擦り寄り、そっと顔を埋める。
そんな時、例に漏れずテルディアスの目はこれでもかと優しい光を宿す。
この時もやはりこれでもかと優しい光を宿しながら、キーナを見つめ、その頭を優しく撫でた。
「少しは懲りたか?」
「にゅう…」
キーナが小さく呻いた。
さすがに今回は怖かったのだ。
そんな二人の様子を眺めながら、またもやメリンダとサーガがヒソヒソと言葉を交わす。
「やっぱりあたし達邪魔?」
「先に行くか?」
「…オイ!」
テルディアスには丸聞こえでした。
ちょっと顔赤いよ?
メリンダがサーガを手伝い、入って来た窓に向かう。
テルディアスも立ち上がり、キーナに向かって手を伸ばす。
「長居は無用だ。行くぞ」
「あ…、待って! お願い!」
キーナがテルディアスの手を掴んで引き留める。
その必死な声にメリンダとサーガも歩みを止め、キーナに振り返る。
「あの…、あのね…。助けたいの。ここにいる子達…」
テルディアス、メリンダ、サーガが目をパチクリさせる。
キーナの言っている事を、遅ればせながら脳が理解し始める。
「だって…、だって…、あの子達も…」
自分を助けてくれたタクト。
競りにかけられていた少年。
その他、下にいた少年達。
皆一様に暗い顔をしていた。
その顔を思い出すだけで胸が痛くなる。
助けたい。あの子達を助けたいとキーナは思う。
あの暗く沈んだ顔を、どうにかしてあげたいと思う。
自分もあんな怖い目に遭ったのだ。
あの子達も今頃…。
テルディアスは渋面をつくる。
メリンダとサーガも顔を見合わせた。
キーナの言いたい事は分かる。しかし、助ける事になんのメリットがあるというのか。
騒ぎを大きくすれば、下手したらテルディアスのことがバレ、また街から急いで逃げ出さなくてはならなくなる。今はサーガもまともに動けない状態なのだ。危ない事はできるだけしたくない。
「キーナ」
テルディアスがキーナの肩に手を置く。
「身の丈に合わんことには手を出すなと、そう言ったよな?」
キーナの顔が引き攣った。
腰を落とし、キーナと視線の高さを合わせ、その目を覗き込む。
「今のお前に何ができる?」
痛烈な言葉だった。
今のキーナには、今のキーナには何もできない。そう何も。
魔法も何も使えない。戦う事もできない。なにもできないただの少女だ。
「でも…、でも…」
キーナの顔が苦しそうに歪む。
「今の僕は何もできないかもしれないけど…! でも…、テル達がいてくれたら…、できるもん!!」
キーナが顔を上げ、テルディアスの瞳を覗き込む。
「お願い…、テル…」
消え入りそうな声で、キーナは必死に嘆願した。
瞳が潤み、少し上気した頬が赤くなっている。
その必死な態度と、そのあまり普段見せない表情に、テルディアスタジタジ。
それを見ながらメリンダとサーガは思った。
(折れたな…)
(折れたわね…)
なんだかんだで、テルディアスはキーナには敵わないのであった。
「てな作戦でどうだ?」
サーガが意見を纏めた。
「オーライ!」
「いいだろう」
「分かったわ」
三者三様に了解の意を示し、少年達救出大作戦は幕を開けた。
「んじゃ、まずは姐さん、よろしく」
「おっまかせ!」
メリンダが集中し始めた。
作戦その1:メリンダが屋敷に火を付ける。
といっても広い屋敷の中。メリンダもさすがに見えない場所に火を付けるのは容易ではないので、火の気配のする場所、台所などの火気を探り当て、そこの火力を押し上げて屋敷に火を放つのだ。
その混乱に乗じて、作戦その2を実行する。
「おい、テルディアス」
「あ?」
「フード。忘れんなよ」
サーガの言葉に、一瞬テルディアスポカンとなる。
そして慌ててフードを被った。
(いつの間に!!)
(やっぱ気付いてなかったか…)
突入前。
木陰で屋敷の様子を探っていた時。
その時既にマスクは取っていた状態だったのだが、さすがにフードは被っていた。
「落ち着けってテルディアス!あそこはそういう所だから、追い出されんのを待った方が良いだろ!」
「…だが!」
ギリギリと歯を食いしばるテルディアス。
サーガの探索能力で、既にその屋敷が男娼の館であることは分かっていた。
ならば女と分かったらすぐにキーナは放り出されるはずだ。
つまり何もしなくてもキーナは無事に回収できるはずだった。
歯ぎしりをするテルディアスを見ながら、メリンダも落ち着かない気分であった。
(気持ちは痛いほどよく分かるわテルディアス。でも今はサーガの言う通り動かない方が良い…。あたしだって、もしできることなら、あの屋敷丸ごと炎に包んでやりたい…)
結構考えてる事は過激だった。
心配そうに屋敷を見つめる。
無事にキーナが出て来てくれる事を祈る。
「む?」
サーガの顔が曇った。
「どうした?!」
機敏に察知するテルディアス。
「いや、なんか風向きが…」
キーナのいる部屋を盗聴していたのだが、何やら会話がおかしな方向に流れ始めている。
「! テルディアス! 右側! 一番奥の部屋だ! 急げ!」
風向きが完全に変わった。しかもヤバい方へ。
「風翔《カウレイ》!!」
テルディアスが直ぐさま飛び立つ。
その時、木の枝に引っかかり、フードが外れた。
いつもならば気付くであろうことに、この時は急いでいたのと焦っていたので、気付かずにそのまま行ってしまったのだ。
「俺達も…」
「ええ!」
サーガを支えながら、メリンダ達も後からテルディアスを追いかけた。
フードが取れた事は、気付いているものだと思っていた。
(気付かないまま飛び込んでいくとは思わなかったが…)
どれだけ必死であったのだろう。
「取ってたんでないの?」
「いや、その…」
てっきりダーディンの畏怖を使ってピンクの領主を脅しに来たのだとキーナは思っていた。
テルディアスとしては、必死すぎて気付いてなかった。などと素直に言えない。
その時、
ドッゴオオン!!
轟音が響き渡った。
「なんだ?! 今の爆発?!」
サーガが警戒する。
「あは…」
その横でメリンダが苦笑いした。
「え?」
ちらりとメリンダを見ると、ポリポリと頬をかいている。
皆の視線がメリンダに集まると、メリンダはテヘペロと、悪戯っ子のような顔をした。
「火力、間違えて吹っ飛ばしちゃったカモ…」
(わざとじゃないのか…?)
男二人は心の中で呟いた。
キーナの事となると、メリンダもなんだかそのタガが外れやすくなることは、男二人も察していた。
キーナだけが素直に轟音に驚いていた。
激しい音が鳴り響き、外のバルコニーに繋がる大きな窓、というよりガラス張りの扉が勢いよく開かれた。
「な、何…?」
ピンクの領主が体を上げると、そこには怒りに顔を引き攣らせ、仁王立ちになったテルディアスの姿があった。
しかも何故かフードが外れ、顔丸出しになっている。
「な…! ダーディン…だけど、いい男…♡」
ドストライクだった。
いや、違くて…。
テルディアスが片足を、ピンクの領主の目の前に掲げる。
「失せろ。ゴミが」
そう言うと、思い切りピンクの領主の顔を足の裏でどついた。
壁まで吹っ飛ばされる。
壁にぶち当たり、鼻血を垂れ流しながら、気絶する前にピンクの領主は呟いた。
「い…いい…」
どうやら怪しい扉まで開いてしまったようだ。
「テルゥ~」
キーナが涙混じりの声でテルディアスに呼びかける。
「キーナ…」
心底ほっとした顔でテルディアスがキーナを見下ろした。
そっとその顔に手を伸ばし、
「大丈夫か?」
と優しく声をかける。
「うん、大丈夫」
キーナもほっとした顔をしてテルディアスを見上げた。
大きく息を吐くテルディアス。
そのまま力が抜けたのか、キーナの上にポソリと覆い被さり、キーナの頭を抱える。
「あまり、心配かけるな…」
キーナの耳元で呟いた。
その安堵した声を聞き、さすがにちょっと反省するキーナ。
「うん…。ゴメンにゃ…」
素直にその言葉が口から漏れ出でた。
と、なにやらテルディアスが開け放った窓の方から、ボソボソと人の話す声が聞こえてきた。
「どうする? なんかすんごく入り辛いんだけど」
「いや姐さん。これは入り辛いじゃなくて、入れないの間違いだろ」
との会話が聞こえて来て、テルディアスが慌ててキーナに覆い被さっていた体を引き起こした。
端から見れば、しっかりラブシーンに見える状況だった。
ピンクの領主の体をメリンダがまさぐり(テルディアスは何故か本能的に嫌がった)、キーナの枷を取る鍵を取り出す。
鍵を差し込み回して、枷がガチャリと音を立てて外れる。
数時間ぶりに自由になった自分の手首をさすり、自由を噛みしめる。
ちょっと大袈裟だ。
「大丈夫か?」
テルディアスが枷で擦れたりはしてないかと心配するも、その必要はなさそうだ。
と、キーナがなんだかむにょむにょとした顔をして、テルディアスに擦り寄り、そっと顔を埋める。
そんな時、例に漏れずテルディアスの目はこれでもかと優しい光を宿す。
この時もやはりこれでもかと優しい光を宿しながら、キーナを見つめ、その頭を優しく撫でた。
「少しは懲りたか?」
「にゅう…」
キーナが小さく呻いた。
さすがに今回は怖かったのだ。
そんな二人の様子を眺めながら、またもやメリンダとサーガがヒソヒソと言葉を交わす。
「やっぱりあたし達邪魔?」
「先に行くか?」
「…オイ!」
テルディアスには丸聞こえでした。
ちょっと顔赤いよ?
メリンダがサーガを手伝い、入って来た窓に向かう。
テルディアスも立ち上がり、キーナに向かって手を伸ばす。
「長居は無用だ。行くぞ」
「あ…、待って! お願い!」
キーナがテルディアスの手を掴んで引き留める。
その必死な声にメリンダとサーガも歩みを止め、キーナに振り返る。
「あの…、あのね…。助けたいの。ここにいる子達…」
テルディアス、メリンダ、サーガが目をパチクリさせる。
キーナの言っている事を、遅ればせながら脳が理解し始める。
「だって…、だって…、あの子達も…」
自分を助けてくれたタクト。
競りにかけられていた少年。
その他、下にいた少年達。
皆一様に暗い顔をしていた。
その顔を思い出すだけで胸が痛くなる。
助けたい。あの子達を助けたいとキーナは思う。
あの暗く沈んだ顔を、どうにかしてあげたいと思う。
自分もあんな怖い目に遭ったのだ。
あの子達も今頃…。
テルディアスは渋面をつくる。
メリンダとサーガも顔を見合わせた。
キーナの言いたい事は分かる。しかし、助ける事になんのメリットがあるというのか。
騒ぎを大きくすれば、下手したらテルディアスのことがバレ、また街から急いで逃げ出さなくてはならなくなる。今はサーガもまともに動けない状態なのだ。危ない事はできるだけしたくない。
「キーナ」
テルディアスがキーナの肩に手を置く。
「身の丈に合わんことには手を出すなと、そう言ったよな?」
キーナの顔が引き攣った。
腰を落とし、キーナと視線の高さを合わせ、その目を覗き込む。
「今のお前に何ができる?」
痛烈な言葉だった。
今のキーナには、今のキーナには何もできない。そう何も。
魔法も何も使えない。戦う事もできない。なにもできないただの少女だ。
「でも…、でも…」
キーナの顔が苦しそうに歪む。
「今の僕は何もできないかもしれないけど…! でも…、テル達がいてくれたら…、できるもん!!」
キーナが顔を上げ、テルディアスの瞳を覗き込む。
「お願い…、テル…」
消え入りそうな声で、キーナは必死に嘆願した。
瞳が潤み、少し上気した頬が赤くなっている。
その必死な態度と、そのあまり普段見せない表情に、テルディアスタジタジ。
それを見ながらメリンダとサーガは思った。
(折れたな…)
(折れたわね…)
なんだかんだで、テルディアスはキーナには敵わないのであった。
「てな作戦でどうだ?」
サーガが意見を纏めた。
「オーライ!」
「いいだろう」
「分かったわ」
三者三様に了解の意を示し、少年達救出大作戦は幕を開けた。
「んじゃ、まずは姐さん、よろしく」
「おっまかせ!」
メリンダが集中し始めた。
作戦その1:メリンダが屋敷に火を付ける。
といっても広い屋敷の中。メリンダもさすがに見えない場所に火を付けるのは容易ではないので、火の気配のする場所、台所などの火気を探り当て、そこの火力を押し上げて屋敷に火を放つのだ。
その混乱に乗じて、作戦その2を実行する。
「おい、テルディアス」
「あ?」
「フード。忘れんなよ」
サーガの言葉に、一瞬テルディアスポカンとなる。
そして慌ててフードを被った。
(いつの間に!!)
(やっぱ気付いてなかったか…)
突入前。
木陰で屋敷の様子を探っていた時。
その時既にマスクは取っていた状態だったのだが、さすがにフードは被っていた。
「落ち着けってテルディアス!あそこはそういう所だから、追い出されんのを待った方が良いだろ!」
「…だが!」
ギリギリと歯を食いしばるテルディアス。
サーガの探索能力で、既にその屋敷が男娼の館であることは分かっていた。
ならば女と分かったらすぐにキーナは放り出されるはずだ。
つまり何もしなくてもキーナは無事に回収できるはずだった。
歯ぎしりをするテルディアスを見ながら、メリンダも落ち着かない気分であった。
(気持ちは痛いほどよく分かるわテルディアス。でも今はサーガの言う通り動かない方が良い…。あたしだって、もしできることなら、あの屋敷丸ごと炎に包んでやりたい…)
結構考えてる事は過激だった。
心配そうに屋敷を見つめる。
無事にキーナが出て来てくれる事を祈る。
「む?」
サーガの顔が曇った。
「どうした?!」
機敏に察知するテルディアス。
「いや、なんか風向きが…」
キーナのいる部屋を盗聴していたのだが、何やら会話がおかしな方向に流れ始めている。
「! テルディアス! 右側! 一番奥の部屋だ! 急げ!」
風向きが完全に変わった。しかもヤバい方へ。
「風翔《カウレイ》!!」
テルディアスが直ぐさま飛び立つ。
その時、木の枝に引っかかり、フードが外れた。
いつもならば気付くであろうことに、この時は急いでいたのと焦っていたので、気付かずにそのまま行ってしまったのだ。
「俺達も…」
「ええ!」
サーガを支えながら、メリンダ達も後からテルディアスを追いかけた。
フードが取れた事は、気付いているものだと思っていた。
(気付かないまま飛び込んでいくとは思わなかったが…)
どれだけ必死であったのだろう。
「取ってたんでないの?」
「いや、その…」
てっきりダーディンの畏怖を使ってピンクの領主を脅しに来たのだとキーナは思っていた。
テルディアスとしては、必死すぎて気付いてなかった。などと素直に言えない。
その時、
ドッゴオオン!!
轟音が響き渡った。
「なんだ?! 今の爆発?!」
サーガが警戒する。
「あは…」
その横でメリンダが苦笑いした。
「え?」
ちらりとメリンダを見ると、ポリポリと頬をかいている。
皆の視線がメリンダに集まると、メリンダはテヘペロと、悪戯っ子のような顔をした。
「火力、間違えて吹っ飛ばしちゃったカモ…」
(わざとじゃないのか…?)
男二人は心の中で呟いた。
キーナの事となると、メリンダもなんだかそのタガが外れやすくなることは、男二人も察していた。
キーナだけが素直に轟音に驚いていた。
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