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狙われる御子編
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「姐さんっ! 姐さんっ!」
「う…ん?」
少し激しく肩を揺さぶられ、メリンダが目を覚ました。
「何? 着いたの?」
半分寝ぼけ眼のまま、サーガに問いかける。
「ついたっつーか、片は付いた」
「?」
少し呆れた顔をしたサーガの顔を不思議に思いながら、馬車の中からサーガに手を取られて出てみると、馬車の周りに転がる人影が3つ。
「何? 何? 何が起きたの?」
訳が分からず周りを見渡すメリンダ。
「え~と、まあ、結論から言うと、キーナが攫われて俺達は始末される所だったと…」
「何ですって?!」
渋い顔をしながら説明するサーガに、詳しく話せと詰め寄るメリンダ。
「姐さん馬車の中で甘い匂いがしてきたとか言ってたろ?」
それは出発していくらか経った頃、
「ねえ、なんか甘い匂いがして…こな…い…?」
メリンダはそう言って、そのまま意識を失った。
匂いに気付いた時点で風の結界を顔の周りに張っていた男2人は、そのまま寝たふりをして様子を伺っていた。
そしてそのまましばらく走っていた馬車が、周りが静かになった所で動きを止めた。
少し外から様子を伺うような気配があり、テルディアスとサーガもこっそりと身構える。
そして外から馬車の扉がゆっくりと開けられた所で、2人は飛び出した。
あとは瞬殺である。
「ってわけ」
「あたしが寝てる間にそんなことが…」
メリンダは起きていてもどうせ役に立たないので寝かせて…ゲホンゲホン、危ないので寝かせたままにしといたのである。
「キーナが光の御子だってバレてたみたいなんだ」
サーガが険しい目つきで言った。
「ええ?!」
見た目男の子。
説明しても疑われ、御子だと言っても皆最初は半信半疑。
そんなキーナが光の御子だと、説明もされてないのにどうして分かったのか。
「おい、急げ!」
テルディアスが怒ったように叫ぶ。
「わーってるって」
メリンダと共にテルディアスの側に寄り、サーガが風の結界を張り出す。
「一つ気になってる事がある」
「何?」
結界で包まれた3人が宙に浮かび、王都に向かって飛び出す。
「キーナと一緒に乗ってた奴、光の者の気配がした」
「光の…?」
光の宮の関係者なのか?
まさかこんな所までその手を伸ばして来ていたのか?
一抹の不安を覚えながら、3人は大分離されてしまった王都へと急ぐ。
「ん…、はぁ…」
キーナが熱い吐息をもらす。
(ここ、どこだろう…? テル達は、どうしたんだろう…?)
馬車の中で眠らされ、気付けば知らない部屋の知らないベッドの上に寝かされていた。
しかも服は脱がされ、際どい下着にスケスケのネグリジェを着せられている。
(それに、この甘ったるい匂い…。力が入らない…)
頭はなんだかボーッとするし、身体中重くて力が入らない。
なのになんだか体中が火照っていて…。
(熱い…。熱い…)
キーナの呼吸が少し荒くなった。
陽も大分傾いた頃。
城の近くの暗がりに身を潜める3つの影。
「どうだ?」
テルディアスが様子を探っていたサーガに問いかける。
「ん…」
集中するために閉じていたサーガの目が開かれる。
「左から2番目の塔だな」
「あれか」
少し奥まった、他より幾分細めのその白い塔。
その最上階からキーナの気配がするという。
「じき陽が落ちる。闇に紛れて動くぞ」
「うい」
「ええ」
空に残る赤みが、ゆっくりとその色を消していった。
月はさほど明るくも無く、闇に紛れて動くには好都合であった。
軽々と塀を乗り越えた3人は、塔を目指して駆け出す。
見回りの兵にも見つかる事も無く、容易く塔の真下に辿り着く。
「この塔だな」
テルディアスが塔を見上げた。
この上にキーナがいる。
「おし、暴れんなよ」
「ああ」
サーガが結界を張り、3人を包み込む。
そのままゆっくりと空に浮かび上がる。
まっすぐ塔に沿って上がって行くと、すぐにキーナのいる部屋の窓辺に着いた。
「おし、さっさとキーナ連れて来い」
「ああ」
テルディアスが窓を静かにこじ開け、中へと入っていった。
(甘ったるい匂い…?)
部屋の中は馬車の中で嗅いだのと少し違う、甘ったるい匂いに満たされていた。
仄かに灯る灯りの中で、ベッドの上に横たえられたキーナをすぐに見つける。
「テル…?」
「キーナ!」
駆け寄り、すぐにキーナの全身を見渡す。
際どい格好ではあったが、特に異常はなさそうであった。
「良かった。無事か」
「う…ん」
顔が赤いのが少し気になるが、ともかく無事である事に安堵する。
(しかし…、なんて格好…)
ついついおかしな所に視線が行ってしまいそうになるのを極力避けながら、テルディアスがキーナの服装をどうにかしないとと考えていると、キーナの腕が伸びてきて、テルディアスの首に巻き付いた。
少し強めに抱きつくキーナ。
固まるテルディアス。
「テル…」
耳元で囁かれるキーナの声が、何だかオカシイ。
「熱いの…」
テルディアスの頭に血が上りかける。
必死に冷静さを保つテルディアス。
(媚薬か!!)
でなけりゃ色気ゼロのキーナがこんなおかしな声を出すはずがない。
強く巻き付かれた腕を引き剥がし、キーナの体から距離を取るテルディアス。
「キーナ、待て、落ち着け」
「ふ?」
トロンとした目つきでテルディアスを見上げるキーナ。
その表情にちょっとドギマギしながらも、説得を試みるテルディアス。
「とにかくここを出るんだ。ここを出れば…」
キーナがテルディアスのフードとマスクを外した。
そしてそのまま身を寄せてくる。
「その熱さも収まる…から!」
キーナに押し倒されるテルディアス。
前にもあったな。
「キ、キーナ…」
なんとか体を離そうともがくテルディアス。
「テル…」
しかしキーナもテルディアスにその火照った体を押しつけ、扇情的な眼差しでテルディアスを見つめる。
「いちゃついてる暇はないぜ~、テルディアス」
その様子をずっと見ていたサーガが、ニヤニヤしながら声を掛ける。
「やかましい!!」
仄かに顔を赤らめながら、サーガに怒鳴り返すテルディアス。
メリンダも頬を染めながら、2人の様子をガン見していた。
「! メリンダ、キーナの服を探してやってくれ!」
キーナがこれではまともに動けないと判断したテルディアスがメリンダに助力を求める。
「そうね、その格好はまずいわね」
女として放っては置けんと、メリンダも窓枠を乗り越えて部屋に入った。
「俺は別に構わないんだが」
「あんたの意見は聞いてないっ」
サーガの言葉に突っ込みを入れ、メリンダが部屋を物色し始める。
テルディアスもなんとかキーナを剥がし、とりあえずベッドに座らせる。
すると、
「おおおっ?!」
サーガが突然声を上げ、窓枠に手を掛けぶら下がった。
「何?! どうしたの?!」
メリンダがサーガを見ると、必死にサーガがよじ登ってきた。
「っぶねー。落ちるかと思った」
サーガが部屋の中に転がり込む。
「どうしたのよ?」
「分からん。突然魔法が…」
そう言って、サーガが何やら押し黙った。
そのまま何かを探っているようであったが、顔を険しくすると重く口を開く。
「まずいぞ。魔法が封じられた」
「何ですって?!」
あらかじめ用意されていた物ではない。
「まさか…」
「みたいだな…」
どうやら侵入に気付かれていて、術士によって簡易的に魔法封じの結界を張られたらしい。
「どど、どうやって逃げるのよ!」
高い塔の上。
窓から逃げられないとなると…。
「ま~、残された方法は一つ…。一点突破?」
と、この部屋唯一の出入り口の扉を指さした。
確かに窓から逃げられないのなら、扉しかないのではあるが…。
その間にあるであろう障害を考えると、頭が痛くなりそうである。
『その必要はない』
どこからともなく声が聞こえたと思った瞬間、3人の腕に突如光る輪が出現し、その輪が3人を壁に縫い付けた。
「!!」
「何だこりゃぁ!!」
突然身動きが出来なくなり、藻掻く3人。
しかし、その光の腕輪はどう足掻いても抜け出せそうには無かった。
「う…ん?」
少し激しく肩を揺さぶられ、メリンダが目を覚ました。
「何? 着いたの?」
半分寝ぼけ眼のまま、サーガに問いかける。
「ついたっつーか、片は付いた」
「?」
少し呆れた顔をしたサーガの顔を不思議に思いながら、馬車の中からサーガに手を取られて出てみると、馬車の周りに転がる人影が3つ。
「何? 何? 何が起きたの?」
訳が分からず周りを見渡すメリンダ。
「え~と、まあ、結論から言うと、キーナが攫われて俺達は始末される所だったと…」
「何ですって?!」
渋い顔をしながら説明するサーガに、詳しく話せと詰め寄るメリンダ。
「姐さん馬車の中で甘い匂いがしてきたとか言ってたろ?」
それは出発していくらか経った頃、
「ねえ、なんか甘い匂いがして…こな…い…?」
メリンダはそう言って、そのまま意識を失った。
匂いに気付いた時点で風の結界を顔の周りに張っていた男2人は、そのまま寝たふりをして様子を伺っていた。
そしてそのまましばらく走っていた馬車が、周りが静かになった所で動きを止めた。
少し外から様子を伺うような気配があり、テルディアスとサーガもこっそりと身構える。
そして外から馬車の扉がゆっくりと開けられた所で、2人は飛び出した。
あとは瞬殺である。
「ってわけ」
「あたしが寝てる間にそんなことが…」
メリンダは起きていてもどうせ役に立たないので寝かせて…ゲホンゲホン、危ないので寝かせたままにしといたのである。
「キーナが光の御子だってバレてたみたいなんだ」
サーガが険しい目つきで言った。
「ええ?!」
見た目男の子。
説明しても疑われ、御子だと言っても皆最初は半信半疑。
そんなキーナが光の御子だと、説明もされてないのにどうして分かったのか。
「おい、急げ!」
テルディアスが怒ったように叫ぶ。
「わーってるって」
メリンダと共にテルディアスの側に寄り、サーガが風の結界を張り出す。
「一つ気になってる事がある」
「何?」
結界で包まれた3人が宙に浮かび、王都に向かって飛び出す。
「キーナと一緒に乗ってた奴、光の者の気配がした」
「光の…?」
光の宮の関係者なのか?
まさかこんな所までその手を伸ばして来ていたのか?
一抹の不安を覚えながら、3人は大分離されてしまった王都へと急ぐ。
「ん…、はぁ…」
キーナが熱い吐息をもらす。
(ここ、どこだろう…? テル達は、どうしたんだろう…?)
馬車の中で眠らされ、気付けば知らない部屋の知らないベッドの上に寝かされていた。
しかも服は脱がされ、際どい下着にスケスケのネグリジェを着せられている。
(それに、この甘ったるい匂い…。力が入らない…)
頭はなんだかボーッとするし、身体中重くて力が入らない。
なのになんだか体中が火照っていて…。
(熱い…。熱い…)
キーナの呼吸が少し荒くなった。
陽も大分傾いた頃。
城の近くの暗がりに身を潜める3つの影。
「どうだ?」
テルディアスが様子を探っていたサーガに問いかける。
「ん…」
集中するために閉じていたサーガの目が開かれる。
「左から2番目の塔だな」
「あれか」
少し奥まった、他より幾分細めのその白い塔。
その最上階からキーナの気配がするという。
「じき陽が落ちる。闇に紛れて動くぞ」
「うい」
「ええ」
空に残る赤みが、ゆっくりとその色を消していった。
月はさほど明るくも無く、闇に紛れて動くには好都合であった。
軽々と塀を乗り越えた3人は、塔を目指して駆け出す。
見回りの兵にも見つかる事も無く、容易く塔の真下に辿り着く。
「この塔だな」
テルディアスが塔を見上げた。
この上にキーナがいる。
「おし、暴れんなよ」
「ああ」
サーガが結界を張り、3人を包み込む。
そのままゆっくりと空に浮かび上がる。
まっすぐ塔に沿って上がって行くと、すぐにキーナのいる部屋の窓辺に着いた。
「おし、さっさとキーナ連れて来い」
「ああ」
テルディアスが窓を静かにこじ開け、中へと入っていった。
(甘ったるい匂い…?)
部屋の中は馬車の中で嗅いだのと少し違う、甘ったるい匂いに満たされていた。
仄かに灯る灯りの中で、ベッドの上に横たえられたキーナをすぐに見つける。
「テル…?」
「キーナ!」
駆け寄り、すぐにキーナの全身を見渡す。
際どい格好ではあったが、特に異常はなさそうであった。
「良かった。無事か」
「う…ん」
顔が赤いのが少し気になるが、ともかく無事である事に安堵する。
(しかし…、なんて格好…)
ついついおかしな所に視線が行ってしまいそうになるのを極力避けながら、テルディアスがキーナの服装をどうにかしないとと考えていると、キーナの腕が伸びてきて、テルディアスの首に巻き付いた。
少し強めに抱きつくキーナ。
固まるテルディアス。
「テル…」
耳元で囁かれるキーナの声が、何だかオカシイ。
「熱いの…」
テルディアスの頭に血が上りかける。
必死に冷静さを保つテルディアス。
(媚薬か!!)
でなけりゃ色気ゼロのキーナがこんなおかしな声を出すはずがない。
強く巻き付かれた腕を引き剥がし、キーナの体から距離を取るテルディアス。
「キーナ、待て、落ち着け」
「ふ?」
トロンとした目つきでテルディアスを見上げるキーナ。
その表情にちょっとドギマギしながらも、説得を試みるテルディアス。
「とにかくここを出るんだ。ここを出れば…」
キーナがテルディアスのフードとマスクを外した。
そしてそのまま身を寄せてくる。
「その熱さも収まる…から!」
キーナに押し倒されるテルディアス。
前にもあったな。
「キ、キーナ…」
なんとか体を離そうともがくテルディアス。
「テル…」
しかしキーナもテルディアスにその火照った体を押しつけ、扇情的な眼差しでテルディアスを見つめる。
「いちゃついてる暇はないぜ~、テルディアス」
その様子をずっと見ていたサーガが、ニヤニヤしながら声を掛ける。
「やかましい!!」
仄かに顔を赤らめながら、サーガに怒鳴り返すテルディアス。
メリンダも頬を染めながら、2人の様子をガン見していた。
「! メリンダ、キーナの服を探してやってくれ!」
キーナがこれではまともに動けないと判断したテルディアスがメリンダに助力を求める。
「そうね、その格好はまずいわね」
女として放っては置けんと、メリンダも窓枠を乗り越えて部屋に入った。
「俺は別に構わないんだが」
「あんたの意見は聞いてないっ」
サーガの言葉に突っ込みを入れ、メリンダが部屋を物色し始める。
テルディアスもなんとかキーナを剥がし、とりあえずベッドに座らせる。
すると、
「おおおっ?!」
サーガが突然声を上げ、窓枠に手を掛けぶら下がった。
「何?! どうしたの?!」
メリンダがサーガを見ると、必死にサーガがよじ登ってきた。
「っぶねー。落ちるかと思った」
サーガが部屋の中に転がり込む。
「どうしたのよ?」
「分からん。突然魔法が…」
そう言って、サーガが何やら押し黙った。
そのまま何かを探っているようであったが、顔を険しくすると重く口を開く。
「まずいぞ。魔法が封じられた」
「何ですって?!」
あらかじめ用意されていた物ではない。
「まさか…」
「みたいだな…」
どうやら侵入に気付かれていて、術士によって簡易的に魔法封じの結界を張られたらしい。
「どど、どうやって逃げるのよ!」
高い塔の上。
窓から逃げられないとなると…。
「ま~、残された方法は一つ…。一点突破?」
と、この部屋唯一の出入り口の扉を指さした。
確かに窓から逃げられないのなら、扉しかないのではあるが…。
その間にあるであろう障害を考えると、頭が痛くなりそうである。
『その必要はない』
どこからともなく声が聞こえたと思った瞬間、3人の腕に突如光る輪が出現し、その輪が3人を壁に縫い付けた。
「!!」
「何だこりゃぁ!!」
突然身動きが出来なくなり、藻掻く3人。
しかし、その光の腕輪はどう足掻いても抜け出せそうには無かった。
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