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緑の男
この村を出よう!(男達の切実な願い)
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地の一族の仮の住まいでは、久しぶりの沢山の食料や酒を楽しんでいた。つまりは宴を開いて騒いでいた。
「もっとお食べ! もっとお飲み!」
お腹がいっぱいになっても勧めてくる女性達。悪い人達ではないのだが、ちょっと押しが強すぎる。
さすがにもう厳しいと、キーナとメリンダはなんとか自分達のテントに避難。苦しいお腹を抱えながら、早々に寝ることにしたのだった。
宴はまだまだ続きそうだ。
キーナがテントに入ると、暗がりで何かが丸くなっていた。
「? 誰?」
自分のテントに何が入り込んだのかと警戒するも、それはすぐに顔を見せた。
「なんだ、テルか」
思い出してみれば、途中からテルディアスの姿が見えなくなっていた気がする。
「こんな所でどうしたの?」
寝る支度をしながら訪ねる。せめて着替えは気を遣え。
気を遣ったテルディアスが、視線を闇の中に沈めながら答えた。
「…。その、このままここで警護しようかと…」
苦しい言い訳だ。
「警護? この村の中なら安全でしょ?」
人も沢山いるし、今日は皆寝ないかもしれない。
言い淀むテルディアス。他に特に上手い言い訳が思いつくわけもなく、アワアワしていると、
「まあいいけど。なんなら、一緒に寝てもいいよ?」
何故そっちに持ち込もうとするのか…。
メリンダも自分のテントに入ると、何故か客がいた。
「よ、姐さん」
「サーガ? あんた、こんな所で何してんのよ」
思い出してみれば、何故かいつも浴びるように飲む酒に一切口を付けず、食事もなんだか警戒しながら少し食べて、いつの間にか姿が見えなくなっていた。
「お願いします。俺を一晩ここに置いて下さい」
綺麗な土下座を披露した。
「…。何があったの?」
「知りたいなら詳しくお話しします」
寝る支度をしながらサーガの話を聞き、メリンダも呆れ果てた。
「そういうことならしょうがないわね。いいわよ」
「では早速、添い寝を…」
「あんた、女はこりごりって言ってなかったっけ? その割には昨日かなり激しかったけど…」
「姐さんは別腹です」
「べ、別腹って…」
「だってさ~、昨日の姐さん、かなり色っぽかったぜぇ? 萎えてた俺の息子が元気になるくらい…」
「黙れ」
メリンダチョップが炸裂。サーガはギリ舌を噛まずにすんだ。
「あたしは今日はゆっくり寝たいの。邪魔したら、外に放り出すわよ」
「しませんしません。外に放り出さないで下さい!」
ぺこぺこ土下座するサーガにちょっと笑えるものを感じつつ、メリンダは布団にくるまった。宣言通りサーガが添い寝してくる。
(なんかしたら即座に放り出してやる)
そう考えていたメリンダだったが、いつもなら某かの悪戯をしてくるサーガも、この日は本当に何もしてこなかった。それほど外の女達が怖いのか。
ちょっと拍子抜けしながらも、メリンダも眠りに就くのだった。
「おかしいね。男達の姿が見えないよ」
「昨日の今日だからね。警戒されたのかもしれない」
「黄色い髪のボウヤ、縛り付けておけば良かったかね」
「ダーディンのボウヤもちょっと味見してみたかったんだけど」
そういう時間になってきて、女達が男達を探し始めた。
しかしすでに彼らは彼女らの探知の範囲外。結局見つけることは出来ず、女達は諦めてテントに戻るのだった。
次の日。男達の切実な強い要望により、少し早いが地の村を発つ事になった。
村長の所に挨拶に訪れる。
「もう行くのかい? もっとゆっくりしていっていいのに」
何故か視線は男達を射止めていた。身震いする2人。
「他にも色々見たいものもあるので」
キーナがお断りを入れる。
「そうかい。それじゃあ、1つだけ、あたしから頼みがあるんだけどね。聞いて貰えるかい?」
「聞くだけならまあ」
「言うねお嬢ちゃん。ダン! ちょっとおいで!」
テントを揺るがすかのような大声で、ダンを呼んだ。テントの中にいるのに、村の端まで声が届きそうだ。
慌ててダンがテントにやって来た。
「ダン、旅支度を整えな。頼みってのはね、こいつを一緒に連れて行って欲しいって事なんだよ」
「へ?」
ダンを見れば、顔を青くしていた。
「なんだい? 行きたくないってのかい? 駄目だ。これは村長としての命令だよ。この子達に付いていって、見聞を広げておいで。お前は村長になるにはまだちょっと頼りなさ過ぎる」
顔を横に振るダン。
「反論は許さないよ! 行かないってんなら、夜の勤めを毎夜やってもらうよ」
ドスのきいた声に反応したのか、はたまたその内容に戦慄したのか、涙目になりながら、ダンは諦めたように首を縦に振った。
「そういう訳なんだけど、こいつを連れて行ってくれるかい?」
「ほぼ事後承諾な気もするけど、良いですよ! 歓迎します!」
「キーナ…」
「キーナちゃん…」
「こいつは…」
誰にも相談もなく決める、これがキーナだ。まあ、誰も反対はないのだけど。
「有り難う。よろしく頼むよ。かなりの人見知りでかなりの臆病者でかなりの小心者だけど、まあ役には立つからね」
「はい! もちろんです!」
にこやかに了承するキーナ。3人の保護者達も苦笑いを浮かべ、頷くのだった。
「いや、そんなに持って行けないでしょう」
遅いなぁとダンのテントにやって来れば、背負えるだけの荷物を背負ってしまえの勢いで荷造りをしていた。
待ったをかけて、皆で荷物を解体し始める。アワアワするダンであったが、手を出せない。
「これいらないでしょう」
「それ、いるの?」
「あれもいらんどれもいらん」
テルディアスはダンの隣で解体を見ていた。
本当に必要な物以外は後で買ったり売ったり拾ったり、盗んだりはしません、すればいいのだ。
「結局、身を守る武器と金と少しの食料くらいだよな」
もちろんだが、キーナ達も着替えなんかは持ってません。下着なんかを数枚持っているだけ。あとは必要なら洗濯したり買ったり、捨てたりしている。下着は再利用しません。
ところが納得しないダン。その後もああでもないこうでもないと言い合いを続け、とりあえず軽く背負えるだけの荷物まで減らすことに成功した。
行く前から疲れ果ててしまう一行。すでに昼になっていたので、昼食をご馳走になってから行くことになってしまった。
このままだと微妙な時間になるから泊まっていけばというお誘いは、男達が全力で断ったのだった。
「もっとお食べ! もっとお飲み!」
お腹がいっぱいになっても勧めてくる女性達。悪い人達ではないのだが、ちょっと押しが強すぎる。
さすがにもう厳しいと、キーナとメリンダはなんとか自分達のテントに避難。苦しいお腹を抱えながら、早々に寝ることにしたのだった。
宴はまだまだ続きそうだ。
キーナがテントに入ると、暗がりで何かが丸くなっていた。
「? 誰?」
自分のテントに何が入り込んだのかと警戒するも、それはすぐに顔を見せた。
「なんだ、テルか」
思い出してみれば、途中からテルディアスの姿が見えなくなっていた気がする。
「こんな所でどうしたの?」
寝る支度をしながら訪ねる。せめて着替えは気を遣え。
気を遣ったテルディアスが、視線を闇の中に沈めながら答えた。
「…。その、このままここで警護しようかと…」
苦しい言い訳だ。
「警護? この村の中なら安全でしょ?」
人も沢山いるし、今日は皆寝ないかもしれない。
言い淀むテルディアス。他に特に上手い言い訳が思いつくわけもなく、アワアワしていると、
「まあいいけど。なんなら、一緒に寝てもいいよ?」
何故そっちに持ち込もうとするのか…。
メリンダも自分のテントに入ると、何故か客がいた。
「よ、姐さん」
「サーガ? あんた、こんな所で何してんのよ」
思い出してみれば、何故かいつも浴びるように飲む酒に一切口を付けず、食事もなんだか警戒しながら少し食べて、いつの間にか姿が見えなくなっていた。
「お願いします。俺を一晩ここに置いて下さい」
綺麗な土下座を披露した。
「…。何があったの?」
「知りたいなら詳しくお話しします」
寝る支度をしながらサーガの話を聞き、メリンダも呆れ果てた。
「そういうことならしょうがないわね。いいわよ」
「では早速、添い寝を…」
「あんた、女はこりごりって言ってなかったっけ? その割には昨日かなり激しかったけど…」
「姐さんは別腹です」
「べ、別腹って…」
「だってさ~、昨日の姐さん、かなり色っぽかったぜぇ? 萎えてた俺の息子が元気になるくらい…」
「黙れ」
メリンダチョップが炸裂。サーガはギリ舌を噛まずにすんだ。
「あたしは今日はゆっくり寝たいの。邪魔したら、外に放り出すわよ」
「しませんしません。外に放り出さないで下さい!」
ぺこぺこ土下座するサーガにちょっと笑えるものを感じつつ、メリンダは布団にくるまった。宣言通りサーガが添い寝してくる。
(なんかしたら即座に放り出してやる)
そう考えていたメリンダだったが、いつもなら某かの悪戯をしてくるサーガも、この日は本当に何もしてこなかった。それほど外の女達が怖いのか。
ちょっと拍子抜けしながらも、メリンダも眠りに就くのだった。
「おかしいね。男達の姿が見えないよ」
「昨日の今日だからね。警戒されたのかもしれない」
「黄色い髪のボウヤ、縛り付けておけば良かったかね」
「ダーディンのボウヤもちょっと味見してみたかったんだけど」
そういう時間になってきて、女達が男達を探し始めた。
しかしすでに彼らは彼女らの探知の範囲外。結局見つけることは出来ず、女達は諦めてテントに戻るのだった。
次の日。男達の切実な強い要望により、少し早いが地の村を発つ事になった。
村長の所に挨拶に訪れる。
「もう行くのかい? もっとゆっくりしていっていいのに」
何故か視線は男達を射止めていた。身震いする2人。
「他にも色々見たいものもあるので」
キーナがお断りを入れる。
「そうかい。それじゃあ、1つだけ、あたしから頼みがあるんだけどね。聞いて貰えるかい?」
「聞くだけならまあ」
「言うねお嬢ちゃん。ダン! ちょっとおいで!」
テントを揺るがすかのような大声で、ダンを呼んだ。テントの中にいるのに、村の端まで声が届きそうだ。
慌ててダンがテントにやって来た。
「ダン、旅支度を整えな。頼みってのはね、こいつを一緒に連れて行って欲しいって事なんだよ」
「へ?」
ダンを見れば、顔を青くしていた。
「なんだい? 行きたくないってのかい? 駄目だ。これは村長としての命令だよ。この子達に付いていって、見聞を広げておいで。お前は村長になるにはまだちょっと頼りなさ過ぎる」
顔を横に振るダン。
「反論は許さないよ! 行かないってんなら、夜の勤めを毎夜やってもらうよ」
ドスのきいた声に反応したのか、はたまたその内容に戦慄したのか、涙目になりながら、ダンは諦めたように首を縦に振った。
「そういう訳なんだけど、こいつを連れて行ってくれるかい?」
「ほぼ事後承諾な気もするけど、良いですよ! 歓迎します!」
「キーナ…」
「キーナちゃん…」
「こいつは…」
誰にも相談もなく決める、これがキーナだ。まあ、誰も反対はないのだけど。
「有り難う。よろしく頼むよ。かなりの人見知りでかなりの臆病者でかなりの小心者だけど、まあ役には立つからね」
「はい! もちろんです!」
にこやかに了承するキーナ。3人の保護者達も苦笑いを浮かべ、頷くのだった。
「いや、そんなに持って行けないでしょう」
遅いなぁとダンのテントにやって来れば、背負えるだけの荷物を背負ってしまえの勢いで荷造りをしていた。
待ったをかけて、皆で荷物を解体し始める。アワアワするダンであったが、手を出せない。
「これいらないでしょう」
「それ、いるの?」
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本当に必要な物以外は後で買ったり売ったり拾ったり、盗んだりはしません、すればいいのだ。
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もちろんだが、キーナ達も着替えなんかは持ってません。下着なんかを数枚持っているだけ。あとは必要なら洗濯したり買ったり、捨てたりしている。下着は再利用しません。
ところが納得しないダン。その後もああでもないこうでもないと言い合いを続け、とりあえず軽く背負えるだけの荷物まで減らすことに成功した。
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