キーナの魔法

小笠原慎二

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シゲール襲来編

で・え・と

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「で・え・と、だあ?」

翌日、サーガの元へとやって来たダンが2人のことを報告すると、サーガのこめかみに青筋が走った。

「人が苦労してる間に、でえとかよ。良いご身分だなあ? ああ?」

正面から怒りの感情をぶつけられ、タジタジとなるダン。
これもキーナの身を守る為に必要なのだと分からせたいのだが、これまでのこともまともに説明できていないのでなんともしようがない。

「ひ、必要。キーナ、働く…」
「てめーの報告は訳分かんねーよ!」

何故働く為にキーナがテルディアスとデートする必要があるのか。脈絡が全く分からない。

「あー?」

メリンダが首を傾げる。

「あ~、姐さんに怒ったんじゃないよ~。人の苦労も知らんで遊んでる奴等に怒っただけだからね~」

とメリンダの頭をナデナデ。

「あー」

メリンダが嬉しそうに笑う。

「うん。姐さん元気になったら俺達も街でデートしよう。そうしよう。あいつらが遊んでる分たっぷり俺達も遊ぼう。なー?」
「あー」

サーガがメリンダに笑いかけると、メリンダも笑う。
ダンはちょっぴり身の置き所に困った。しかしうまく説明できる訳でもないので諦めた。
メリンダはハイハイから立ち上がって歩くことを覚えたらしい。昨日よりもあちらこちらへとよく動いている。

「あー、それは食べる物じゃないぜ?」
「あー?」

赤子のように落ちている物を口に運ぼうとすることもあるので違う意味で目が離せない。
サーガを休ませてやりたかったが、ダンがメリンダの世話を出来るわけもなく、サーガにメリンダの世話を任せてその間に炊事洗濯掃除を済ませてしまう。
お昼を食べた後にサーガの子守唄で寝かせた後、サーガにも寝て貰った。
睡眠時間が短くなってしまうが仕方がない。

「なに。姐さんが回復したらたっぷり寝させてもらうさ」

戦場に出ればあまり寝られないこともざらだとサーガが平気な顔で言った。
さすが鍛えている者は違うと、ダンはサーガを尊敬の眼差しで見つめる。

「見つめるな気持ち悪い…」

違う意味で取られたようだ。













そして夕方になる前に仮宿へと帰る。さっさと掃除と夕飯の仕度を済ませ、昨日作り始めた物に取り掛かる。キーナ達が弦を買ってきてくれるはずなので、あとはその台となる部分を作るだけだ。
一心不乱に削ったり曲げたりと格闘していると、

「ダン~! ただいま~」

キーナ達が帰って来た。
おや、手は繋いでいないようだ。
早速夕飯の準備に取りかかる。そして報告会も始まった。

「メリンダ。変わらない」
「昨日とほとんど変わらないのね。食事もちゃんと食べてた?」

ダンが頷く。

「そか。でも、食べられたなら大丈夫だよね」

キーナが少し安心したように言った。
2人はどうだったのかと目で問う。

「あ、ダンから頼まれてた物、あったよ」

キーナがテルディアスを見た。テルディアスが横に置いていた袋をダンに差し出す。
ダンが袋を受け取って中を見る。太さの違う弦が4本入っていた。
頷くダン。

「良かった~。さっぱり分からなくてさ。テルと街中を歩き回ってきたよ」
「そうだな」

テルディアスが思い出したように溜息を吐いた。やはりなかなか店が見つからなかったのだろうか。

「まず取り扱ってるお店が分からなくてさ。何処を探せば良いのかって、まずはそこから探し始めたんだよ」

キーナが説明し始めた。













キーナとテルディアスの仲を疑う者達へ、2人がいちゃらぶしている所を見せつけよう作戦を実行するため、街へ行った2人。
ダンと別れてとりあえずふらりと歩き出した。

「で、どこへ行けば良いのかしら?」
「わからん」

ダンに頼まれた買い物をしようにも、それを取り扱ってるお店があるのかどうだか分からない。

「一日あるのだし、ゆっくり探せば良いだろう」

あまり早く用事を終わらせすぎても、その後の過ごし方が分からないのでゆっくり探そうとテルディアスが言う。

「そだね」

キーナもデートというものがいまいち分からないので、その意見に賛成だ。
恋人繋ぎで歩いて行くが、どうにも普段そんな手を繋いで歩くということをしないので、微妙にソワソワする。
キーナは目に付いた物に飛びついて行きたいのだが、テルディアスと手を繋いでいるのでそれが出来ない。
テルディアスは飛び出すキーナを捕まえておくには良いのだが、やはり慣れないので落ち着かない。

「なんだか、慣れないね…」
「そうだな…」

やはりどこか恋人らしさが足りない2人だった。

「せっかくだからお店に行ってみようか」
「店?」
「もしかしたら誰か知ってるかもしれないし」

ということで、行く当てもなかったのでキーナが働いているお店に行ってみることにした。
ぶらぶら歩いて店にやってくる。

「あれ? 今日は混んでなさそう」

いつもならばそろそろ混み始めるのだという。そんな早くからやってくる者達は、仕事はどうしているのだろうとテルディアスは思う。もしやさぼり?
疑問に思いつつ店に入った。

「いらっしゃいませ~。ってキーナじゃない」
「こんちは~」

どこか暇そうにしたレイファとチナ、それにキーナの空いた穴を埋める人員だろうか、もう1人がいた。

「どうしたの? 今日は休暇でしょ?」

3人が寄ってくる。店には全く客がいなかった。

「ちょっと聞きたい事があってね。ていうか、今日は暇そうだね」
「キーナがお休みって聞いたら客が引いてったわ」

レイファがへっ、と笑った。

「ここんとこ忙しかったからたまにはいいわ。で、聞きたい事って?」
「うん、あのね」

キーナがダンに頼まれた物を説明し始めた。

「う~ん、ちょっと分からないなぁ」
「わたしも、聞いた事ありませんわ」

レイファとチナが首を傾げる。

「あ、そうだ。昨日買い物の帰りに吟遊詩人を見かけたわ。その人に聞いてみたら?」

緑の髪の女性、アースラが言った。

「どこで見かけたの?」
「私の家の近くの噴水広場よ。場所は…」

アースラに詳しい場所を聞き、とりあえずそこへ行ってみることにした。

「ありがとう。じゃ、お店頑張ってね」
「キーナもせいぜい見せつけてくるのよ!」
「うへぇ、頑張ります…」

レイファの激励に力なく手を振って、キーナが店を出る。テルディアスもそれに続く。
店を出ると早速とばかりにキーナが足を早めた。テルディアスがその後を追って行く。

「忘れてるわね…」
「普段手を繋がないって言ってましたものね」

2人の様子を見送って、3人が溜息を吐く。

「で、あのテルディアスって人、本当にかっこいいのかな?」
「フードにマスクまでしてましたよ。なんであんなに顔を隠すんでしょう」
「顔に酷い傷があるから隠してるって聞いたけど」

3人が暇なのもあり、噂話に花を咲かせる。

「1人くらい抜けて後をつけても大丈夫そうじゃない?」
「レイファ、ミラさんに言いつけますよ」
「でも気になるじゃない」

わちゃわちゃと3人は楽しそうに語り合ったのだった。














「こっちだっけ?」

すでに手のことなどすっぽりと忘れてしまったキーナが、足早に進んで行く。

「キーナ。落ち着け」

首に縄、ではなく手を繋がなくなったので行動範囲の広まってしまったキーナを追っていくテルディアス。下手に見失うとすぐにどこかへ消え去ってしまうのだ。

(やはり繋いでいた方が便利か…)

慣れないけれど、慣れた方が良いのかもしれない…。照れくさいけれども。
しかしテルディアスが近づくと、同じくらいキーナが遠ざかる。磁石か。
余計な裏路地などに入っていかないように注視しつつ、テルディアスはキーナの後を追った。
噴水広場に着いたが、いつも吟遊詩人がいるわけでもない。

「どうしようか」
「それらしい所を歩き回って探すしかないな。運が良ければ見つかるだろう」
「見つからなかったら?」
「何か別の手を探す」

ということで、やはり街中をぶらつくことになった。

「手」
「あ、忘れてた」

この方がキーナを見失うこともない。後々の安全の為にも、慣れる為にも手を繋ぐことにしたテルディアス。安全の為です。
各所広場を見て回り、少し高台になっている所に上ってみる。

「おお、良い景色だねいテル」
「そうだな」

意図せずデートっぽくなっていることに気付いていない2人。
いちゃらぶとまでは行かないが、仲が良さそうには見える。見せつけるという目標は達成できているのかもしれない。
有り難い事にその高台の広場に吟遊詩人がいた。なので早速話しを聞いてみた。
修理などを頼んだりする木工工房があると教えてもらい、そこを目指す。

「そろそろ昼だな」
「行く前にどこかで何か食べようか」

レイファから聞いたお勧めの店が近くにあったので、そこへ入ってみた。

「いらっしゃいま…キーナさん?!」
「はい? えと、どちらさまでしたっけ?」

カウンター内にいた20歳くらいの男性が驚いた声を上げた。

「あ、あの、俺、いや僕、ドイルって言います! あの、あのお店で、その…」
「ああ、お客さんで来てくれた人ですか? またどうぞ来て下さいね」

キーナがにっこり微笑む。

「はい! もちろんです! ささ、お席へ…」

そこまで言ってテルディアスに気付いたようだった。

「あの、キーナさん、まさか、恋人ができたという噂は…」
「ああ、そうです。この人です。テルって言います。よろしくね」

キーナはにっこり微笑む。

「そ、そうですか…」

ドイルの目がテルディアスを睨み付けた。
テルディアスも睨み返す。
これみよがしに、キーナの肩を抱いて引き寄せる。

「? テル?」
「席はあそこでいいか?」
「え、ええ…。もちろん…」

窓際の眺めの良さそうな席に、キーナの肩を抱いたまま進んで行って座った。ドイルの視線を背中に感じたまま。

「どしたの? テル」
「別に」

キーナは気付いていないようだった。
どうやらドイルとその父親が2人で切り盛りしている店のようだった。お勧めされるだけあってなかなかの味だった。
食べている時も会計を済ませて店を出る時も背中に視線を感じていたが、それほど気にならないどころか、優越感を感じていたテルディアスだった。












教えられた工房は少し裏路地に入った所だった。入り組んだ路地を抜けていくと、じきに教えられた工房が見つかった。そこで頼まれた物がないかと聞いてみた。
するとまた別の道具屋でそれを作っているという。その道具屋の場所を教えてもらい、工房を出た。

「・・・・・・」

テルディアスはなんとなく嫌な気配を感じ取っていた。
キーナの手を少し強く握る。

「? テル? どしたの?」

人気のない路地。手前の路地から男が出て来た。そして後ろにも。
いかにも~な危ない雰囲気を携えている。なんと分かりやすい。

「こんな所で何してんのかな~?」

男の一人がいかにもな下卑た視線を寄越してくる。前に3、後ろに2。
テルディアスは溜息を吐く。

「おい。何もしなければ見逃してやる。そこをどけ」
「あんだあ?! いい気になってんじゃねーぞてめえ」

男達がテルディアスを睨み付ける。

「そっちのお嬢ちゃんを寄越すなら、見逃してやっても良いぜ」

とニヤニヤ。
はい、ギルティ。何故髪が短いキーナを一目で女と見破ったのか。
路地の奥で息を潜めている人物に、もちろんだがテルディアスは気付いている。

「仕方ない。キーナ、壁際に立ってろ」
「はいな」

キーナがすぐ側の壁に背中をつけて見物を決め込んだ。
テルディアスが片手を前に出し、ちょいちょいと手招きする。

「来るなら来い。軽く相手してやる」
「こいつ…!」

テルディアスの挑発に憤った男達が、一斉にテルディアスに飛びかかった。
次の瞬間には全員が叩き伏せられていた。
割愛。
呻く男達を放って、テルディアスが息を殺して隠れているもう一人の元へと向かう。

「いでででででで!」

腕を捻って無理矢理男を一人連れてきた。

「キーナ、この顔に見覚えは?」
「あ、お客さんの中にいた気がする」
「すいませんすいません! 放して! 折れる!」
「話しを聞いてからな」

喚く男が話し出す。
仲よさそうに歩く2人を見かけて、腹を立てた。なので男達をけしかけてピンチに追い込もうとしたのだと。キーナが危なくなったところに颯爽と現われて助ける演出を考えていたらしい。
キーナの目が可哀相な残念な物を見る目になる。

「テルの強さも分からないんだね…」

顔を隠しているせいだろうか?

「キーナに2度と近づかんと誓え」
「誓います誓います! 折れる! 助けて!」

解放してやると男はとっとと逃げて行った。
キーナが溜息を吐く。自分が魅了の力を持っているとは聞いたが、ここまでとは思わなかった。正直面倒くさい。

「なんか、どこかの山の中で引きこもりたくなってきたよ」
「お前が引きこもれるのか?」
「どうだろう?」

転がった男達はどうせ気がつけば自分で立ち去るだろうと、そのまま放っておいて道具屋へと向かったのだった。
そして道具屋で目当ての物を見つけ、やっと見付けたと買い付けた。
その後は軽くお茶をしてまた適当にぶらついて帰って来たのだそうだ。














「てな感じでね~。見せつけることには多分、成功したんじゃないかな~?」

食後のお茶をすするキーナ。

「まあ多分、成功はしていると思うぞ」
「そう?」
「ああ」

なにやら確信があるようなテルディアス。

「お客さん多少は減るかしら? そしたら少し楽になるのに」

盛況なのはお店にとっては有り難いのかもしれないが、忙しすぎるのは大変だ。

「減ると良いな」

テルディアスも同意した。












そして寝る仕度を始め、またテルディアスと2人きりの報告会。
メリンダには然程変化はない。ハイハイが2足歩行になったくらいだ。
ダンは先程の成功しているというテルディアスの言葉について聞いてみた。何故そんなに確信が持てているのか?

「視線が痛かったからな」

街を歩くにつれ多くなっていく視線。あれは嫉妬に駆られた男達の視線だろう。
ダンは想像して体を縮こませた。そんな視線に晒されたら、ダンの神経では持たない。

「雑魚共の視線など痛くも痒くもない」

テルディアスが鼻で笑った。









そしてキーナはベッドに潜り込み、枕元に置いている火の宝玉に祈る。
メリンダさんの所へ早くお見舞いに行けますように。と。
久しぶりにテルディアスと2人きりで過ごした今日を思い返しながら、キーナは眠り就いた。
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