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青い髪の少女編
テルディアス脱兎
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翌朝。
シアは率先して料理を手伝った。と言っても材料を2、3刻んだだけだったが。
食事時になってもいつもとは違い、黙って黙々と食べている。
なんだかいつもキャンキャンうるさい奴がいっとう静かにしているというのもなんとなくいたたまれず…。
しかしそんなことも気にせず話すサーガという強者もいたりする。サーガのおかげで重苦しい空気も吹き飛び、和やかに食事は進んだ。
(そういえば、皆さん私が王族だというのに、気にしてませんわね)
今までは自分が王族だと言えば皆それなりに遜ったりしたものだ。時には疑う者がいたりもしたけれども。
庶民から見れば王族など雲の上の存在。下手な事をすれば簡単に首が飛ぶ。なので王族と知れば皆失礼な事はしてこない。
しかし目の前にいる者達はそんなこと忘れているかのようにシアを扱う。
実際忘れているのかもしれない。というか「光の御子」というまさに「特別な存在」が目の前にいるので感覚が麻痺しているのかもしれない。
シアは幼い頃を思い出す。まだ自分の力や立ち位置などを知らない頃は、腹違いの兄や姉と遊ぶこともあった。そんな時は自分は特別な存在などではなく、皆と同じ「王の子供」の1人だった。
しかしだんだんと自分の力の意味や立ち位置を知ることになると、兄や姉は自分の近くに寄らなくなっていった。水の王国は王族と言えど、力がなければ市井に下ることも少なくない。
将来を約束されたシアと、将来の為にいろいろ学ばなければならない兄や姉達。差がつくのも当然のことだった。
そしてシアを支えてくれていた母も側からいなくなり、唯一対等に接してくれるのは父だけとなっていったのだ。その父も政務が忙しかったりすればなかなか会うことは出来ない。
上に立つ者として教育されてきたシア。しかし時折なんとも言えない寂しさを感じていた。
(お母様。「特別」って、そんなにいいことなんですの?)
幼い頃から胸に過ぎる疑問。母に投げかけることは出来ず、今はもう聞くことも出来ない。
「シア、大丈夫? 食欲無い?」
キーナが心配そうに声を掛けてきた。ダンも心配そうに見下ろしている。
ぼんやりといろいろ考えていたら手が止まっていたようだった。
「だ、大丈夫ですわ!」
急いで食べ始める。ダンの食事は毎度美味しい。あんな粗末に見える食材がよくぞここまで美味しくなる物だと感心したくなるほどに。
「昨日ずぶ濡れで帰って来たわよね。風邪でも引いたんじゃない?」
「よく温まったはずだけどねぇ…」
キーナが若干遠い目をする。
メリンダのおかげで大分温かいお風呂でした。
「なんとかは風邪引かねーって言うけどなぁ」
「そのなんとかの見本が目の前にいるしねぇ」
「姐さん? その見本って誰のことかしらん?」
メリンダとサーガが顔を見合わせてにっこりと笑い合う。
仲が良いのか悪いのか、よく分からない2人である。
テルディアスは全く気にしていないのか、黙々と食べ続けている。関わりたくないだけかもしれない。
「大丈夫ですわ! 私元気でしてよ!」
勝手になんやかんや言い合うので、シアが口を出す。
「体調悪いなら早めにダンに言うんだよ。ダンがお薬出してくれるから」
一行の主治医的な立場となっているダン。此奴一番有能かもしれない。
「ダンのお薬はよく効くからね~」
キーナがしみじみと言った。すでになんらかの薬を処方して貰っているのだろう。
ダンがなにやら照れている。
「ホント、助かってるわ~」
メリンダもしみじみと言った。美容系にも強いので、メリンダのお肌のケアの相談にも乗っていたりする。なんと万能。
「ふ~ん。そんなに凄いのか」
お前もいろいろ飲んだことがあるだろうに、サーガが呟く。まあサーガが飲まされてきたのは主に睡眠の効果が強いものばかりだったな…。
「じゃあ俺も1つ頼んでみようかな」
「何を?」
サーガが何か閃いたのか、その呟きにメリンダが尋ねる。
「もち、精力ざ…」
バキィ!!
全て言い切る前にメリンダの拳がサーガの顔面を捕らえた。今は朝であり、食事中である。
(…分かりましたわ。ここにいる人達(テルディアスを除いて)おかしな人達なんですわ…)
シアを特別扱いしない者達。
自称光の御子の少年にしか見えない少女。切れると容赦ない熱地獄鉄拳美女。下ネタ満載口も頭も悪そうな度変態男。こう書くと変人しかいないなぁ。
まともなのはテルディアスと、ギリギリでダンくらい。しかしテルディアスに至ってはシアを毛嫌いしていて、ダンは王族のシアを明らかに子供扱いしている…。
(私だって、あと3年もすれば立派な淑女ですわ!)
確かに微妙に成長が遅いような気もしないでもないが、それほど子供扱いしなくてもいいではないかとも思う。12歳と言えば社交デビューも済ませているような年だし、市井でも立派に働きに出ている年だ。確かに成人前ではあるが、ダンがシアに対する態度はそれこそ何も知らない幼児を相手にするような感じである。
実際常識が無いと思うのだが。
(そういえば、お父様が昔、広く見識を持てと仰ってましたわね)
上に立つ者として、いろいろな知識を身に付け、いろいろな視点に立ってものを見ろと、父はシアに話した。実を言うと今代の水の王も自分が王に選ばれるとは思ってもおらず、市井で暮らす為にいろいろ知識を蓄えていたそうな。しかしビックリ仰天まさかの自分が王に選ばれた。今はその頃に蓄えた知識や経験が役に立っているとかなんとか。
水の王国は人ではなく、宝玉が王を選ぶのです。
父として娘を心配して助言したのであったが、王としての責務に忙しく、あまり構ってやれなかったのだ。
ここに来て、この一行に関わるようになり、シアは今まで知らなかったことをいろいろ知ることになった。お金や仕事、稼ぎ方。そして料理。自分で調理して食べる事の面白さ。
(この人達に付いて行けば、もっといろいろ面白いことを知ることが出来るのかしら?)
何よりテルディアスに嫌われたままというのは嫌だ。せめて多少なりとも好感を持って貰えるようになりたい。その為の方法は、きっとダンが知っているはず。
(お父様、申し訳ありませんわ。私、将来国を背負って立つという重責を果たす為にも、もう少しこの方達について回っていろいろ勉強しようと思いますわ!)
国に帰るということも頭にちらついたのだが、なんというかかんというか、まだもう少しテルディアスの側にいたかった。例え嫌われていても。出来れば少しでも好感度を上げてから。もし行けるならばキーナを押しのけてその隣に居座れるくらいに。
どんどん欲深になってません?
(せっかく運命を感じられる方と出会ったのですから! 女としてここで引けませんわ!)
シアは悪者に捕らえられたお姫様が素敵な王子様に助け出される話しが大好きであった。
だからなんだ。
「キーナさん!」
「はい?!」
突然声を掛けられて驚くキーナ。
「私、負けませんわ!」
「はい?」
何がでしょう。
「例えテルディアス様のお気持ちが今は貴女に向いていようと、私は…」
テルディアスがもの凄い勢いでシアの口元を押さえて引っつかんで、森の奥へと消えていった。
「…テル?」
「「・・・・・・」」
あまりのテルディアスの素早い行動に驚き呆れつつ見送ったキーナ。テルディアスはシアが苦手ではなかったのか?と首を傾げている。
サーガとメリンダは半目になって、残りの食事を進める。
ダンも珍しく驚きに目を見開いて、シアがいた場所と去って行った方向を見比べていた。
「何を言い出す!!」
声が届かないだろうくらい奥に来た所でシアを放し、木に押しつける。
「て、テルディアス様…?」
シアはきょとんとテルディアスを見上げる。こんな近くにテルディアスを見たのは初めてなので、胸がどきどきする。
「あ、あの、私、何かおかしな事を言いまして?」
「言っただろう!!」
分かっていないシア。分かっていないことを察したテルディアス。
はあ~と長い溜息を吐く。
シアの肩から手を離し、距離を取る。まだ警戒しているようだ。
「お、俺が、その、キーナを、お、想ってるとか、く、口にするな」
辿々しくテルディアスが口にする。顔が若干赤い。
そこでシアは気付いた。
(片想いでしたのね!!)
ううん、ちょっと違うかな!
「そ、それは、失礼な事を致しました…」
意味は違えど己の過ちに気付いたシアが頭を下げる。
「あ、ああ…。気をつけろ…」
テルディアスは分かったならもういいとばかりに歩き始める。
(お二人はまだくっついていらっしゃらないのですね…。ということは、私にも勝機はありますわ!)
ポジティブ思考であった。
少し距離を取りつつも宿営地の方へと戻る2人。
「いいか、そういうことは今後決して口にはするな。その、あいつは光の御子で、運命の相手とやらがいるらしいんだ。変に俺を意識するようになったら、まずい…」
そう言いながら何故語尾がどんどん暗くなっていくのか。本当は多少なりとも意識して欲しいくせに。
「はあ、光の御子ですか…」
「まさか、まだ信じていないのか…」
「テルディアス様のお話より信じられませんが」
昨夜のお風呂で確かにドキッとするような場面はあったが、未だに信じられない。
テルディアスは溜息を吐いた。キーナのあの姿を見なければ、信じられないのも無理はないかもしれない。どうせこの先一緒に行くならばいずれあの姿を見ることになるだろう。そうすれば否応なしに信じる気も起こるだろう。
放っておくことにした。
「運命の相手というと、婚約者でもいるんですの?」
それならばいっそう丁度いいとシアは尋ねる。
「いや。光の御子の相手は闇の御子らしい。キーナはそいつを探して旅をしているんだ」
そういえばシアが光の御子という事を信じないので、その辺りの話しはしていなかったなと思い出す。
「闇の御子様? 闇の宮にいらっしゃるのでは?」
「いいや。この前訪れたがいなかった。闇の宮の連中も知らんと言っていた」
「変ですわね。どうして御子ともあろう方々が、宮にいらっしゃらないのでしょう?」
光の宮はまあいろいろありましたので。
そう言えば闇の御子も宮にいないというのも変な話しだ。少なくとも闇の宮は光の宮と違いまともな場所だった。闇の力が発現すれば、否応なしに闇の宮へと追い出されるはず。となると、闇の御子はまだ力が顕現していないのだろうか?
しかし光の御子がいるならば必ずどこかに闇の御子はいると言っていたはずだ。それが何故いないのだろうか?
嫌な考えが燻り始める。
「敵対しているなかでの運命の相手…。ちょっと素敵ですわね…」
どうもシアはロマンス脳らしい。世間一般的には光と闇は敵対していると思われている。実際は違うのだが。
「ということは、闇の御子様も光の御子様をお捜ししているということでしょうか?」
「…。まあ、そういうことになるだろうな…」
あの穴をキーナ1人でなんとか進行を止めた。闇の御子もいなければ穴を処理するのは難しいと言っていた。キーナが多少なりとも記憶を取り戻しているならば、闇の御子の方も同じくらい記憶を持っているだろうと考えられる。となればあちらもこちらを探しているだろう。
そこでテルディアスは違和感を持つ。何かよく分からない違和感。
「変ですわね。私、ここに来るまであちらこちらで光の御子様のお噂は耳にしましたけれど、闇の御子様については全くと言って良いほど耳にしませんでしたわ」
シアが答えを言った。
そうだ。キーナはあちらこちらで光の力を発現させている。直接人に見られたことはあまりないが、そうと分かる痕跡は所々残している。光の宮の連中でさえキーナを見付けた。もし本当に闇の御子が光の御子を探しているのであれば、その影が見えても可笑しくないはずである。
だが実際に何もない。人に知られないように慎重に行動しているのか、まだ力が発現していないのか。それともキーナが探しに来るのを待っているのか…。
ちらりと嫌な考えが浮かぶが、テルディアスはそれを頭を振って消し去る。そんなことあって欲しくない。
「おい。今の話、誰にもするなよ」
「は、はい」
テルディアスの瞳に剣呑な光を見て、シアが少し萎縮する。
テルディアスは何か考え事に集中しているようで、シアの方を見ていない。シアはこっそりとテルディアスとの距離を詰めた。まだちょっと手を伸ばしても届かない距離ではあるが、そこまで近づけたことを嬉しく思う。それと、誰にも言えない秘密を共有できた。これはちょっと嬉しい。
女の子は秘密を共有するのが大好きなのであります。
(いずれは、お手を繋げたら…)
体をすっぽりと隠してしまうマントを身につけているので、その手を見ることは出来ない。しかしいずれ、いずれ手を繋いで歩くことが出来たらば、とシアは夢見る。
そんなシアに気付かず、テルディアスは嫌な考えを打ち消すように別の可能性について考え込んでいた。
そして秘密のお話などまったくあってないような男が焚き火の前で朝食を終えていた。
(そうなんだよな。光の御子の噂はあっても、一度も闇の御子についての話は聞いた事がない)
闇は空間跳躍が出来るので、うまく身を隠しているということも考えられる。しかし、だとしたら居場所の見当はついているであろう光の御子の元に何故やって来ないのか。
(上手く存在を隠している、力が発現してない、下手に動くと擦れ違いそうでどこかに留まっている…)
なんだか微妙に説得力に欠ける理由である。
(それか、この世界のどこにもいない…)
キーナがこことは違う別の世界から来たと言う話は、最初の頃にちらりと聞いた事がある。なんのこっちゃと思っていたが、時折見せる常識外れな行動になんとなく納得しかけてもいる。
そして最後に考えられる事は…。
(闇の魔女…か)
キーナも危惧していた存在。どうなったのか詳しいことは分からないが、赤の賢者によってその存在はどこかに封じ込められているらしい、とは理解している。
(でもなぁそうなると、わけ分からんことが出てくるんだよなぁ)
キーナが出会えば分かると公言している闇の御子。これはまだ光の御子として自覚が無かった頃に出会ったから気付かなかったとも言える。しかし、
(何故光の御子を殺そうとする?)
キーナの話によれば、魔女はキーナを殺しにかかってきたと言う。あの穴を塞ぐ為に光と闇の御子はいるのだとキーナは言っていた。つまり相手がいなくなってしまったらそれも出来なくなる。殺そうとするのはおかしい。そんなことをして、世界を壊すつもりなのだろうか。
(闇の御子も、暴走している、とか?)
それならあり得そうだ。だがしかし…。
(あの女は80年前には現われている…)
サーガは知らない。魔女が80年前に現われていることを。
闇の御子のみが80年前に現われているというのもおかしな話しだ。それに何故今まで光の御子を探そうとしてこなかったのか?おかしな事が多すぎる。
(「必ず貴様を消滅させてやる!」)
そう叫んでいたあの魔女。闇の御子を探し求めるキーナとは違いすぎる。
(やはり、まだ何か、足りないな…)
何か必要な情報が足りていない。それさえ見つかれば、闇の御子を示す何かが見つかるのかも知れない…。
「あ、帰って来た」
前方から暢気な声が聞こえてきた。いつの間にか戻って来ていたようだった。
闇の御子が見つかれば…この暢気な声も、気が抜けるような笑顔も見ることはなくなるのだ…。
「もう冷めちゃってるよ~」
キーナがテルディアスが置いていった器を手に持っている。慌てて放り投げて行ったのだが、上手いことキャッチしていたのだろうか。シアの器も席に置かれていた。
「なんか、仲良くなった?」
キーナの問いに、テルディアスはいつの間にかシアが近くに寄っていたことに気付いた。風のように素早く動き、キーナの後ろに隠れた。
「う…、さすがに傷つきますわ…」
テルディアスに嫌われているとは分かっていても、それを直に見せられるのは辛い。
「ご飯、食べる」
「特別に温めてあげるから」
ダンが器を差し出す。メリンダが器を見つめた。シアが器を手に取ると、ほんのりと温かくなってくる。便利だ。
その後、テルディアスも温かい食事を取ることが出来たのだった。メリンダ様様である。
シアは率先して料理を手伝った。と言っても材料を2、3刻んだだけだったが。
食事時になってもいつもとは違い、黙って黙々と食べている。
なんだかいつもキャンキャンうるさい奴がいっとう静かにしているというのもなんとなくいたたまれず…。
しかしそんなことも気にせず話すサーガという強者もいたりする。サーガのおかげで重苦しい空気も吹き飛び、和やかに食事は進んだ。
(そういえば、皆さん私が王族だというのに、気にしてませんわね)
今までは自分が王族だと言えば皆それなりに遜ったりしたものだ。時には疑う者がいたりもしたけれども。
庶民から見れば王族など雲の上の存在。下手な事をすれば簡単に首が飛ぶ。なので王族と知れば皆失礼な事はしてこない。
しかし目の前にいる者達はそんなこと忘れているかのようにシアを扱う。
実際忘れているのかもしれない。というか「光の御子」というまさに「特別な存在」が目の前にいるので感覚が麻痺しているのかもしれない。
シアは幼い頃を思い出す。まだ自分の力や立ち位置などを知らない頃は、腹違いの兄や姉と遊ぶこともあった。そんな時は自分は特別な存在などではなく、皆と同じ「王の子供」の1人だった。
しかしだんだんと自分の力の意味や立ち位置を知ることになると、兄や姉は自分の近くに寄らなくなっていった。水の王国は王族と言えど、力がなければ市井に下ることも少なくない。
将来を約束されたシアと、将来の為にいろいろ学ばなければならない兄や姉達。差がつくのも当然のことだった。
そしてシアを支えてくれていた母も側からいなくなり、唯一対等に接してくれるのは父だけとなっていったのだ。その父も政務が忙しかったりすればなかなか会うことは出来ない。
上に立つ者として教育されてきたシア。しかし時折なんとも言えない寂しさを感じていた。
(お母様。「特別」って、そんなにいいことなんですの?)
幼い頃から胸に過ぎる疑問。母に投げかけることは出来ず、今はもう聞くことも出来ない。
「シア、大丈夫? 食欲無い?」
キーナが心配そうに声を掛けてきた。ダンも心配そうに見下ろしている。
ぼんやりといろいろ考えていたら手が止まっていたようだった。
「だ、大丈夫ですわ!」
急いで食べ始める。ダンの食事は毎度美味しい。あんな粗末に見える食材がよくぞここまで美味しくなる物だと感心したくなるほどに。
「昨日ずぶ濡れで帰って来たわよね。風邪でも引いたんじゃない?」
「よく温まったはずだけどねぇ…」
キーナが若干遠い目をする。
メリンダのおかげで大分温かいお風呂でした。
「なんとかは風邪引かねーって言うけどなぁ」
「そのなんとかの見本が目の前にいるしねぇ」
「姐さん? その見本って誰のことかしらん?」
メリンダとサーガが顔を見合わせてにっこりと笑い合う。
仲が良いのか悪いのか、よく分からない2人である。
テルディアスは全く気にしていないのか、黙々と食べ続けている。関わりたくないだけかもしれない。
「大丈夫ですわ! 私元気でしてよ!」
勝手になんやかんや言い合うので、シアが口を出す。
「体調悪いなら早めにダンに言うんだよ。ダンがお薬出してくれるから」
一行の主治医的な立場となっているダン。此奴一番有能かもしれない。
「ダンのお薬はよく効くからね~」
キーナがしみじみと言った。すでになんらかの薬を処方して貰っているのだろう。
ダンがなにやら照れている。
「ホント、助かってるわ~」
メリンダもしみじみと言った。美容系にも強いので、メリンダのお肌のケアの相談にも乗っていたりする。なんと万能。
「ふ~ん。そんなに凄いのか」
お前もいろいろ飲んだことがあるだろうに、サーガが呟く。まあサーガが飲まされてきたのは主に睡眠の効果が強いものばかりだったな…。
「じゃあ俺も1つ頼んでみようかな」
「何を?」
サーガが何か閃いたのか、その呟きにメリンダが尋ねる。
「もち、精力ざ…」
バキィ!!
全て言い切る前にメリンダの拳がサーガの顔面を捕らえた。今は朝であり、食事中である。
(…分かりましたわ。ここにいる人達(テルディアスを除いて)おかしな人達なんですわ…)
シアを特別扱いしない者達。
自称光の御子の少年にしか見えない少女。切れると容赦ない熱地獄鉄拳美女。下ネタ満載口も頭も悪そうな度変態男。こう書くと変人しかいないなぁ。
まともなのはテルディアスと、ギリギリでダンくらい。しかしテルディアスに至ってはシアを毛嫌いしていて、ダンは王族のシアを明らかに子供扱いしている…。
(私だって、あと3年もすれば立派な淑女ですわ!)
確かに微妙に成長が遅いような気もしないでもないが、それほど子供扱いしなくてもいいではないかとも思う。12歳と言えば社交デビューも済ませているような年だし、市井でも立派に働きに出ている年だ。確かに成人前ではあるが、ダンがシアに対する態度はそれこそ何も知らない幼児を相手にするような感じである。
実際常識が無いと思うのだが。
(そういえば、お父様が昔、広く見識を持てと仰ってましたわね)
上に立つ者として、いろいろな知識を身に付け、いろいろな視点に立ってものを見ろと、父はシアに話した。実を言うと今代の水の王も自分が王に選ばれるとは思ってもおらず、市井で暮らす為にいろいろ知識を蓄えていたそうな。しかしビックリ仰天まさかの自分が王に選ばれた。今はその頃に蓄えた知識や経験が役に立っているとかなんとか。
水の王国は人ではなく、宝玉が王を選ぶのです。
父として娘を心配して助言したのであったが、王としての責務に忙しく、あまり構ってやれなかったのだ。
ここに来て、この一行に関わるようになり、シアは今まで知らなかったことをいろいろ知ることになった。お金や仕事、稼ぎ方。そして料理。自分で調理して食べる事の面白さ。
(この人達に付いて行けば、もっといろいろ面白いことを知ることが出来るのかしら?)
何よりテルディアスに嫌われたままというのは嫌だ。せめて多少なりとも好感を持って貰えるようになりたい。その為の方法は、きっとダンが知っているはず。
(お父様、申し訳ありませんわ。私、将来国を背負って立つという重責を果たす為にも、もう少しこの方達について回っていろいろ勉強しようと思いますわ!)
国に帰るということも頭にちらついたのだが、なんというかかんというか、まだもう少しテルディアスの側にいたかった。例え嫌われていても。出来れば少しでも好感度を上げてから。もし行けるならばキーナを押しのけてその隣に居座れるくらいに。
どんどん欲深になってません?
(せっかく運命を感じられる方と出会ったのですから! 女としてここで引けませんわ!)
シアは悪者に捕らえられたお姫様が素敵な王子様に助け出される話しが大好きであった。
だからなんだ。
「キーナさん!」
「はい?!」
突然声を掛けられて驚くキーナ。
「私、負けませんわ!」
「はい?」
何がでしょう。
「例えテルディアス様のお気持ちが今は貴女に向いていようと、私は…」
テルディアスがもの凄い勢いでシアの口元を押さえて引っつかんで、森の奥へと消えていった。
「…テル?」
「「・・・・・・」」
あまりのテルディアスの素早い行動に驚き呆れつつ見送ったキーナ。テルディアスはシアが苦手ではなかったのか?と首を傾げている。
サーガとメリンダは半目になって、残りの食事を進める。
ダンも珍しく驚きに目を見開いて、シアがいた場所と去って行った方向を見比べていた。
「何を言い出す!!」
声が届かないだろうくらい奥に来た所でシアを放し、木に押しつける。
「て、テルディアス様…?」
シアはきょとんとテルディアスを見上げる。こんな近くにテルディアスを見たのは初めてなので、胸がどきどきする。
「あ、あの、私、何かおかしな事を言いまして?」
「言っただろう!!」
分かっていないシア。分かっていないことを察したテルディアス。
はあ~と長い溜息を吐く。
シアの肩から手を離し、距離を取る。まだ警戒しているようだ。
「お、俺が、その、キーナを、お、想ってるとか、く、口にするな」
辿々しくテルディアスが口にする。顔が若干赤い。
そこでシアは気付いた。
(片想いでしたのね!!)
ううん、ちょっと違うかな!
「そ、それは、失礼な事を致しました…」
意味は違えど己の過ちに気付いたシアが頭を下げる。
「あ、ああ…。気をつけろ…」
テルディアスは分かったならもういいとばかりに歩き始める。
(お二人はまだくっついていらっしゃらないのですね…。ということは、私にも勝機はありますわ!)
ポジティブ思考であった。
少し距離を取りつつも宿営地の方へと戻る2人。
「いいか、そういうことは今後決して口にはするな。その、あいつは光の御子で、運命の相手とやらがいるらしいんだ。変に俺を意識するようになったら、まずい…」
そう言いながら何故語尾がどんどん暗くなっていくのか。本当は多少なりとも意識して欲しいくせに。
「はあ、光の御子ですか…」
「まさか、まだ信じていないのか…」
「テルディアス様のお話より信じられませんが」
昨夜のお風呂で確かにドキッとするような場面はあったが、未だに信じられない。
テルディアスは溜息を吐いた。キーナのあの姿を見なければ、信じられないのも無理はないかもしれない。どうせこの先一緒に行くならばいずれあの姿を見ることになるだろう。そうすれば否応なしに信じる気も起こるだろう。
放っておくことにした。
「運命の相手というと、婚約者でもいるんですの?」
それならばいっそう丁度いいとシアは尋ねる。
「いや。光の御子の相手は闇の御子らしい。キーナはそいつを探して旅をしているんだ」
そういえばシアが光の御子という事を信じないので、その辺りの話しはしていなかったなと思い出す。
「闇の御子様? 闇の宮にいらっしゃるのでは?」
「いいや。この前訪れたがいなかった。闇の宮の連中も知らんと言っていた」
「変ですわね。どうして御子ともあろう方々が、宮にいらっしゃらないのでしょう?」
光の宮はまあいろいろありましたので。
そう言えば闇の御子も宮にいないというのも変な話しだ。少なくとも闇の宮は光の宮と違いまともな場所だった。闇の力が発現すれば、否応なしに闇の宮へと追い出されるはず。となると、闇の御子はまだ力が顕現していないのだろうか?
しかし光の御子がいるならば必ずどこかに闇の御子はいると言っていたはずだ。それが何故いないのだろうか?
嫌な考えが燻り始める。
「敵対しているなかでの運命の相手…。ちょっと素敵ですわね…」
どうもシアはロマンス脳らしい。世間一般的には光と闇は敵対していると思われている。実際は違うのだが。
「ということは、闇の御子様も光の御子様をお捜ししているということでしょうか?」
「…。まあ、そういうことになるだろうな…」
あの穴をキーナ1人でなんとか進行を止めた。闇の御子もいなければ穴を処理するのは難しいと言っていた。キーナが多少なりとも記憶を取り戻しているならば、闇の御子の方も同じくらい記憶を持っているだろうと考えられる。となればあちらもこちらを探しているだろう。
そこでテルディアスは違和感を持つ。何かよく分からない違和感。
「変ですわね。私、ここに来るまであちらこちらで光の御子様のお噂は耳にしましたけれど、闇の御子様については全くと言って良いほど耳にしませんでしたわ」
シアが答えを言った。
そうだ。キーナはあちらこちらで光の力を発現させている。直接人に見られたことはあまりないが、そうと分かる痕跡は所々残している。光の宮の連中でさえキーナを見付けた。もし本当に闇の御子が光の御子を探しているのであれば、その影が見えても可笑しくないはずである。
だが実際に何もない。人に知られないように慎重に行動しているのか、まだ力が発現していないのか。それともキーナが探しに来るのを待っているのか…。
ちらりと嫌な考えが浮かぶが、テルディアスはそれを頭を振って消し去る。そんなことあって欲しくない。
「おい。今の話、誰にもするなよ」
「は、はい」
テルディアスの瞳に剣呑な光を見て、シアが少し萎縮する。
テルディアスは何か考え事に集中しているようで、シアの方を見ていない。シアはこっそりとテルディアスとの距離を詰めた。まだちょっと手を伸ばしても届かない距離ではあるが、そこまで近づけたことを嬉しく思う。それと、誰にも言えない秘密を共有できた。これはちょっと嬉しい。
女の子は秘密を共有するのが大好きなのであります。
(いずれは、お手を繋げたら…)
体をすっぽりと隠してしまうマントを身につけているので、その手を見ることは出来ない。しかしいずれ、いずれ手を繋いで歩くことが出来たらば、とシアは夢見る。
そんなシアに気付かず、テルディアスは嫌な考えを打ち消すように別の可能性について考え込んでいた。
そして秘密のお話などまったくあってないような男が焚き火の前で朝食を終えていた。
(そうなんだよな。光の御子の噂はあっても、一度も闇の御子についての話は聞いた事がない)
闇は空間跳躍が出来るので、うまく身を隠しているということも考えられる。しかし、だとしたら居場所の見当はついているであろう光の御子の元に何故やって来ないのか。
(上手く存在を隠している、力が発現してない、下手に動くと擦れ違いそうでどこかに留まっている…)
なんだか微妙に説得力に欠ける理由である。
(それか、この世界のどこにもいない…)
キーナがこことは違う別の世界から来たと言う話は、最初の頃にちらりと聞いた事がある。なんのこっちゃと思っていたが、時折見せる常識外れな行動になんとなく納得しかけてもいる。
そして最後に考えられる事は…。
(闇の魔女…か)
キーナも危惧していた存在。どうなったのか詳しいことは分からないが、赤の賢者によってその存在はどこかに封じ込められているらしい、とは理解している。
(でもなぁそうなると、わけ分からんことが出てくるんだよなぁ)
キーナが出会えば分かると公言している闇の御子。これはまだ光の御子として自覚が無かった頃に出会ったから気付かなかったとも言える。しかし、
(何故光の御子を殺そうとする?)
キーナの話によれば、魔女はキーナを殺しにかかってきたと言う。あの穴を塞ぐ為に光と闇の御子はいるのだとキーナは言っていた。つまり相手がいなくなってしまったらそれも出来なくなる。殺そうとするのはおかしい。そんなことをして、世界を壊すつもりなのだろうか。
(闇の御子も、暴走している、とか?)
それならあり得そうだ。だがしかし…。
(あの女は80年前には現われている…)
サーガは知らない。魔女が80年前に現われていることを。
闇の御子のみが80年前に現われているというのもおかしな話しだ。それに何故今まで光の御子を探そうとしてこなかったのか?おかしな事が多すぎる。
(「必ず貴様を消滅させてやる!」)
そう叫んでいたあの魔女。闇の御子を探し求めるキーナとは違いすぎる。
(やはり、まだ何か、足りないな…)
何か必要な情報が足りていない。それさえ見つかれば、闇の御子を示す何かが見つかるのかも知れない…。
「あ、帰って来た」
前方から暢気な声が聞こえてきた。いつの間にか戻って来ていたようだった。
闇の御子が見つかれば…この暢気な声も、気が抜けるような笑顔も見ることはなくなるのだ…。
「もう冷めちゃってるよ~」
キーナがテルディアスが置いていった器を手に持っている。慌てて放り投げて行ったのだが、上手いことキャッチしていたのだろうか。シアの器も席に置かれていた。
「なんか、仲良くなった?」
キーナの問いに、テルディアスはいつの間にかシアが近くに寄っていたことに気付いた。風のように素早く動き、キーナの後ろに隠れた。
「う…、さすがに傷つきますわ…」
テルディアスに嫌われているとは分かっていても、それを直に見せられるのは辛い。
「ご飯、食べる」
「特別に温めてあげるから」
ダンが器を差し出す。メリンダが器を見つめた。シアが器を手に取ると、ほんのりと温かくなってくる。便利だ。
その後、テルディアスも温かい食事を取ることが出来たのだった。メリンダ様様である。
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