キーナの魔法

小笠原慎二

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サーガの村編

サーガの村を出立

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翌日からそれぞれに仕事に散っていった。いや、お前らミドル王国行かなくて良いのかよ。なんてツッコミはしないでおいてあげて下さい。
キーナは人助け大好きで、しかもこんなに色々作る作業も大好きだったりするので行くはずがない。ダンも同様。テルディアスはキーナが動かねば動くはずもない。いや、お前1人だけでも行けるだろうとかツッコまないで。
メリンダもキーナが動かねば動くはずもなく、衣装を作るのも楽しんでいた。シアはまあ社交ダンスを教え終わった後は、シアが知っている物語などを書き出す羽目になった。何気に此奴はこの世界の物語に詳しいので。
サーガは村に案内したのだからすでにお役御免で1人旅立っても良いのだが、まあ宝玉を預かった身としてみんなと共に行こうと考えてくれているようである。基本良い奴なんだよね。下半身脳みそであっても…。

そんなこんなで日々を過ごした。手の空いたシアがキーナと共に小道具を作ろうとして盛大に失敗したとか、大道具作りを手伝おうとしてやっぱり盛大に失敗したとか、衣装作りを手伝ってもお針子仕事などした事もないので指を穴だらけにしたとか、まあいろいろやらかしていたりはしたけれど。
そんなこんなで組み立て式の簡易舞台が出来上がったり、いろいろ使えそうな小道具を作ったり用意したり、衣装も丈を合わせて仕上げたりといろいろ出来上がった。
シアもその毒舌と一応審美眼?を期待されて、役者の動きなどをチェック。大分見れる形に仕上がった。

最終チェックを兼ねてキーナ達と手が空いた者達が、舞台を鑑賞することとなった。
組み立て式の簡易舞台には幕もきちんと用意され、まさに舞台の幕が開いた。
最初の頃よりも芝居は洗練され、歌や踊りも格段に良くなっている。殺陣は迫力があり、そして泣けて笑えた。ここまで色々昇華出来るものかと感心しながら、キーナ達は芝居に見入ったのだった。

「もう無理。もう無理。涙止まらない~~」

感激屋のメリンダの涙腺は崩壊し、タオルを2枚渡してもまだ涙が止まらない。

「本当、良かったね~」

キーナもメリンダほどではないが涙を流していた。
ダンも涙を流しつつも、その表情は動いていない。反対に凄くないか?

「本当、まさかここまでの物になるとは…」

シアも涙をフキフキ感想を言う。
テルディアスはそっぽを向いている。
サーガはこの場から消えている。ナンデカナー。

「いや、まさか、ここまでの物が出来るとは…」
「本当に、涙が止まらないよ…」

クラウダーとマリアーヌも目尻を拭いている。良かったらしい。

「これでしたら、売りに出しても文句は出ないと思いますわ!」

あれほど拘っていたシアも太鼓判を押した。大道芝居が気に入ったらしい。

「ありがとう。そう言って貰えると有り難いね」

クラウダーがまだ潤む瞳を向けて、にっこりと笑った。
ダンが舞台の様子を見に行く。シアもそれに付いて行った。メリンダも衣装についてちょっと話があると行ってしまった。小物は後を任せているのでキーナは特に用はない。

「少し話があるんだが、ちょっといいかな?」

クラウダーに呼ばれて、キーナとテルディアスはその後に付いていった。クラウダーのテントに入る。

「さて、となれば、ええと、これからどうすれば良いのかな? なにせこういうことに関しては素人でね。この先の流れが良く分からないんだよ」

座ると早速聞いてきた。
舞台は仕上がった。となればこれから先は宣伝してお客を増やさなければならない。

「この先の街で宣伝するといいと言っていたな」

あの商人の言葉を思い出しているらしい。

「あの~、もしなんでしたら、最初だけ無料でご招待、とかしたら如何でしょう?」

キーナが手を上げて発言。お行儀がよろしい。

「無料で招待?」
「はい。最初だけ「特別」に無料で招待して、そのお客さんにどれだけ良かったか噂を広げて貰うんです。それこそあの時に来ていた商人さんとか、町の名士とか」

有名人や話しを広げる人に「良い」と思って貰えれば、それだけで話しは広まっていく。

「ほう、面白い作戦だね」
「あの商人さんはいたく気に入ってくれたみたいだったので、あの方は特別に招待して、あの人に事情を話して人を選んで貰ったら如何でしょう? みんな「特別」は大好きですからね」

「特別」という餌をぶら下げてこちらの意のままに動いて貰う。立派な商戦です。

「なるほど。そういう手もあるか」

クラウダーが納得したように頷いた。キーナの言っている意味、その先に待つものを理解したのだろう。

「それで、あの商人さんのお名前は?」
「…。聞かなかったな…」
「え…」

いきなり手詰まりになった。

「う~ん、そうなると、地道に広告なんかを出すとか、チンドン屋でもするか…」
「チンドン屋とはなんだい?」
「チンドン屋って言うのは…」
「気配なら分かんぜ」

突然サーガがテントに入って来て、クラウダーとキーナの間にしゃがみ込んだ。

「たまたま前通ったら話しが聞こえて来たからさ」

さすが耳が良い。テントの外だからといってしっかり話しが聞こえるような音量では話してはいなかった。

「俺なら追えるけど? 俺から話してみっか?」
「さすがはサーガだな。じゃ、よろしく頼むわ」

クラウダーが気軽にサーガの肩を叩いた。

「軽いな。まあいいか。んじゃ早速行って来るわ」

そう言うとさっさとテントから出て行った。

「「「・・・・・・」」」

なんとなく無言になる3人。

「この村には時々ああいう無茶苦茶な奴がいてね」

クラウダーがポツリと呟く。

「「気配なら覚えてる」とか「臭いで分かる」とか。訳の分からんことを言う奴がいるんだよ。「臭いで分かる」なんて犬じゃあるまいし」
「本当ですね」

キーナとクラウダーが互いの目を合わせた。そして苦笑いする。

「サーガの父親のオーガもそういう面があったけど、やっぱりサーガもか…」
「サーガのお父さんて、サーガにそっくりだったって聞きましたけど」

良く話題に出るオーガの名前。皆口を揃えて「サーガにそっくりだった」と言う。

「そうなんだだけはそっくりでなぁ。2人並べば双子かと思うほどに。ああ、生きてたらどんな感じだったんだろうなぁ」

サーガの父親のオーガは、サーガが生まれた時に戦場で死んだとは聞いている。そして母親のサラもサーガを産み落として死んだらしい。サーガは生まれたその時に両親を亡くしているのだ。

「オーガはなぁ…」

クラウダーはオーガの親友であった。そして純粋に憧れており、オーガの事が好きだった。それ故か、クラウダーがオーガの話しをし出すと止まらなくなる。どんなにオーガがいい男だったか、強く雄々しい者だったかと饒舌に語る。キーナは興味津々で話しに聞き入り、テルディアスも顔が隠れて見えないが、興味深そうに聞いていた。珍しい。
そこへ帰って来たマリアーヌも加わって更に話しは盛り上がる。マリアーヌもオーガのファンだったのだ。そして仕事を終えたメリンダやダン達もやって来て話しに加わった。

「そんなにいい男だったんですか? サーガのあの顔で?」
「顔はそっくりなんだが、なんというか気遣いが出来る奴でなぁ」
「気品があるって言う感じかしらねぇ」

興味を持ったメリンダが更に質問して更に話しは盛り上がる。そして話しが佳境を迎えると、そこからはサーガの話しへと転換して行くことになるのだった。

「サーガはまさにオーガとは正反対の悪戯小僧で…」
「まさに悪戯ばかりで女子に嫌われてて…」

先程よりも興味津々となった一同が話に聞き入る。メリンダとテルディアスの口元が若干してやったりとにやけているのは気のせいかもしれない。
サーガが帰って来た時にはサーガの赤裸々な昔話で盛り上がっており、サーガが慌てて場に乱入したのは言うまでもない。













ミドル王国へ向かうと言っていたキーナ達。しかし風の村も見捨てては置けぬと歌劇の形が整うまで滞在することになって早3週間が過ぎようとしていた。いいのか。
傭兵の道を選んだ者達も、歌劇がある程度の形になってくると趣旨替えをしたりする者も出て来た。良い傾向、なのかもしれない。何より傭兵になることを渋っていた女性陣は大歓迎であったが。
それでも傭兵となることを決めた者達は出発の準備を整え、一部の者達はサーガのように流れの傭兵になることを選んだようだった。その者達は自分の準備が整うと、早村を発ってしまった。
そして傭兵組は歌劇の初上演を前に村を出立してしまった。これ以上人が減るのが嫌だったのか、単に風の気性で早く発ちたかったからなのか。

そして初の上演日がやって来た。お金を貰うわけではないが、初めてまともに客を入れてやるということで皆ソワソワしていた。
天気は上々。最悪雨が降ってきても風の力で屋根を作れるとのこと。さすがだ。
大道芝居なので特に決められた席があるわけではないが、地面に腰を下ろすのもなんだと、敷物を用意していた。女性陣のアイデアである。
あの商人、名前をオンタコスさんというらしいが、口の早い商人仲間などを揃えてきてくれたらしい。町の名士などを呼んでいないのは「ああいう良い所の人達は空の下での芝居など見ないだろう」だからだそうな。皆シアを一瞬思い浮かべてしまったのは仕方ないことかもしれない。

それぞれに思い思いの場所に腰を下ろし、そして芝居が始まった。舞台がきちんと整えられ、幕もある。音楽が鳴り始めてその幕がするすると開いて行く。役者達が歌いながら舞台へと上がっていった。
美しい歌声に、美しい音色。あれから数や種類を増やしていた音楽隊の演奏はまさに聞き入る者達を虜にしていく。
観客達は時に笑い、時に涙し、そして剣戟が始まると拳を振り上げて応援した。まさに話しにのめり込んでいるようだった。そして終幕を迎える。
物語が大団円で終わりを迎え、幕が閉じられる。惜しみない拍手が送られる。もう一度幕が開くと、役者達が勢揃いして頭を下げた。更に拍手が送られ、そして幕が閉じた。

「良かった。いや、良かった!」

堪えきれない涙を流しながら、オンタコスさんを始め商人達が良かった良かったと褒め称える。

「ありがとうございます。喜んで頂けて何よりです」

クラウダーが商人達の元へと挨拶に行った。




「いや~、凄い感じになったね~」

裏でキーナ達も感想を言い合っていた。

「始めの頃と比べても凄く良くなったわ」

メリンダも自分が裁縫した衣装が舞台で煌めいているのを見て満足していた。

「本当に良い物になりましたわ」

シアもうんうんと頷いている。
ダンも無言で頷き、テルディアスは、まあいつも通りだ。
サーガはどこかで何かしているのかこの場にはいない。

「ここまで見たら、もう良いよね?」

少し名残惜しそうにキーナが言う。

「そうね、名残惜しいけど、これはこの村の問題なのよね」

メリンダも少し寂しそうに言う。

「何がですの?」

トンチンカンなことを言い出すシア。

「あたし達はミドル王国を目指すんでしょうが」
「は! そうでしたわ!」

思いだしたかい。

「気は済んだのか?」

大道具製作などを手伝っていたテルディアスも、少し名残惜しいのだろうか。

「もう僕達がいなくても大丈夫でしょ?」

キーナが少し寂しそうに笑った。












その日の夕飯で、キーナ達は出立することを伝えた。

「そうか。寂しくなるなぁ」

村の一員になりかけていたキーナ達。馴染みすぎじゃないか?

「おい、俺聞いてないぞ」

話し合いの場にいなかったサーガが文句を言ったが、メリンダに睨まれて大人しくなる。
出立の話しを知った村の者達も、別れを惜しんでそれぞれに挨拶に来た。色々世話になったからと。

「サーガはいいのか?」

クラウダーがサーガに問いかける。
一緒に行かないのかと聞いているのだろう。

「う~ん、面白そうだけど、俺はもう少しこいつらと一緒に行くわ」
「そうか」

特に引き留めもしないのは、風の性質から来るものだろうか。













次の日、キーナ達は惜しまれつつ出立。風の村はここで少し公演して、路銀を稼いだら次の場所を決めて移動するのだそうだ。移動することが大前提で舞台なども作ってあるので大丈夫である。

「それじゃあお世話になりました。また何処かでお会いできるの楽しみにしてます」
「こちらこそ、世話になったよ。何れ君達のいる街にも行けたらいいなと思うよ」

今までは戦場がなければ流れるだけだったが、今度は戦がなくとも色々な街に行くことが出来る。
惜しまれつつ、一行は風の村を後にした。いや、サーガの村か。

「本当に良かったの? サーガ。今度いつ会えるとも分からないのに」

メリンダが少し茶化すようにサーガに問う。

「別に。あの村出た時にそんな覚悟は出来てるよ」

二度と会えない、そんな覚悟を持って村を出ていたようである。何も言えなくなってしまうメリンダ。

「バカ」
「て。え? なんで俺殴られるん?」
「あんたがバカだからよ」
「え、酷くない?」

そんな2人の姿を生暖かい目でニヤニヤ見つめつつ、キーナはテルディアスと少しだけ距離を取る。
あの日からどうしても、その一歩を近づけなくなってしまった。小さいようで大きな一歩。
ちらりとテルディアスの様子を盗み見するも、テルディアスは平然としている。ちょっと面白くない。

「キーナ? どうかしたか?」

キーナの様子に気付いたのか、テルディアスが声を掛ける。

「べ~つ~に~」

また何もしていないのにキーナの機嫌が悪くなっている。

「そ、そうか?」

どうしたらいいのかも分からず、平静を装いながら歩くテルディアス。頑張れ。

「なんだかキーナさんとテルディアス様、喧嘩でもしたかしら?」

2人の空気を珍しく感じ取ったのか、シアも首を傾げる。
その頭をポンポンと軽く叩きつつ、ダンはいつもの無表情(本人としては生暖かい目)でそれぞれを見つめていた。
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