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最終章~光の御子と闇の御子~
はぐれ闇達との戦い
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「あ~あ、来たのね」
さも面倒くさそうに魔女が呟いた。
「せっかくあの空間まで追いやったのに。どうやったかは知らないけどこんなに早く戻って来るなんて」
とキーナを睨み付ける。
「魔女、いえ、リー・リムリィ。貴女と話したいことがあるんだけど」
そう言って、キーナが部屋の中へと足を踏み入れる。今までと違う重圧を感じた。
「あらやだ。テルディアスもいるじゃない。なあに? やっと私の元へ帰ってくる気になった?」
キーナの言葉を無視し、その後ろに続いて入って来たテルディアスへと目を向ける。だがテルディアスは黙って魔女を睨み付けたまま。
何の反応もないことに腹を立てたのか、魔女がむっとした顔になる。
「お願い、話しを聞いて。その力は元々貴女のものではないでしょう? 使い続けていたらそのうち貴女の身にも…」
「うるさいわねぇ! 人様の家に来てぎゃーぎゃーと。大体あなた、最初から気にくわないのよ!」
魔女がイライラしたように足を組み替える。
「いきなり私のテルディアスの前に現われて、すんなり仲良くなって。目障りなのよ! 消えて!」
今までにない重圧を感じ、テルディアスは思わず足に力を入れて踏ん張る。同時に光の結界がキーナを中心にして展開される。
「子供みたいなこと言ってないで、話しを聞いて!」
すぐにキーナが結界を解いた。一時的に力を解放しただけのようだ。
「誰か、出て来なさい」
キーナの言葉に耳を貸さず、魔女が指を鳴らす。すぐに魔女の後ろの空間から、2人の黒髪の男女が出て来た。その顔は見たことがない。はぐれ闇の一味なのだろう。
「目障りな害虫が侵入してきたわ。片付けて」
「はい。お方様」
2人が魔女に向かって頭を下げると、すぐにキーナ達に向かって飛んで来た。
咄嗟にテルディアスはキーナの前に立つ。しかし、風が吹いたと思った時にはすでに2人は床に倒れていた。
「ん~、こういうのを片付ければいいんだな?」
どこか嬉しそうにサーガが剣を振るった。
「あら、有象無象かと思ってたら、以外といい駒を持って来たわね」
ここに来て初めて気付いたと言う風に魔女がサーガを見た。
「面倒だわ。オルト、ルーン。連れて来られる者全て連れてきなさい。皆で害虫退治よ」
「はい。お方様」
どこからかあの少年オルトの声がした。サーガは警戒してすぐに剣を構える。あのオルトは油断ならない。
少しして目の前の空間から十数人の闇の者達が現れ始めた。最後にオルトとルーンも現われる。
「殺してしまって構わないわ。やった後はきちんと部屋を片付けて置いてね」
「はい。かしこまりました」
オルトとルーンが魔女に向かって頭を下げ、こちらに向き直る。
皆も油断なく身構える。キーナだけは魔女を見つめていた。
「前とは違って、ここは僕らの空間だからね。逃がさないよ」
闇の力を纏い、一斉に襲いかかってくる。ダンが結界を張り、攻撃を凌ぐ。
サーガだけは結界の外で器用に襲いかかる力をかい潜り、確実に1人1人昏倒させていく。
そんなサーガを狙って闇の者が襲いかかろうとするが、水の矢がそれを阻む。
「させませんわ!」
出掛ける前にテルディアスから渡されていた水の宝玉の力のおかげか、シアの攻撃力も上がっていた。
何人かの闇の者が地の力の主導権を奪おうと結界の外で何かをしていたが、何故か奪えない。
「何故、四大精霊が言うことを聞かないんだ?!」
油断しているその隙に、メリンダの火球が打ち込まれる。
「どんどん行くわよ!」
サーガを巻き込まないように注意しながら、メリンダも闇の者を昏倒させていく。
そんな光景を見ているのかいないのか、キーナと魔女が互いに睨み合っている。テルディアスには分からない戦いが繰り広げられているのだろう。
テルディアスだけ何もできない。結界の外で繰り広げられる戦いに入っていけない。自分が酷く場違いなことを感じ、悔しさと居たたまれなさで唇を噛む。せめて闇の力を使えたらとも思うが、その力を与えた張本人が目の前に居てどれくらい役に立てるものなのか。
「ああもう! うざったらしいわね!」
魔女が突然怒ったように立ち上がる。
「そんなに相手にして欲しければ、こっちに来てみなさいな。まあ、来たらどうなるか、分かってるでしょうけど」
魔女がにやりと笑うと、その横で空間の穴が開いた。そしてキーナを見ながらこれ見よがしにその穴へと入って行く。
「待って!」
キーナが慌てる。このまま逃がしてしまうわけにはいかない。
「ダン! 一瞬だけ結界を解いて!」
「キーナ?!」
テルディアスがキーナの肩に手を置く。あんなに見え見えの手に嵌めるわけにはいかないと。
ダンはキーナの言葉に従い、攻撃の切れ間に一瞬だけ結界を解く。キーナはその瞬間に移動した。その一瞬の間に、キーナとテルディアスの姿は穴の向こうへと消え去っていた。
「テルディアス?!」
共に消えてしまったテルディアスの名をメリンダは呼ぶが、穴はすでに消えてしまっている。
「余所見している場合ではありませんわよ!」
シアの言葉にハッとなるメリンダ。
「ぐ…!」
四大精霊一の防御力を誇るダンの結界が揺らいでいる。オルトとルーンだ。他の者達は粗方片付けられたものの、やはりこの2人は規格外だ。
サーガは結界の外でうまく力を避けてはいるようだが、全てではない。反撃に転じようとするもこの空間の中ではうまく立ち回れないようだ。
「何か、いい手はないのかしら?」
このままではジリ貧だ。キーナは魔女の相手で手一杯。ここで抑えられなければオルトとルーンを魔女の元へ行かせてしまう。そうなればキーナも危ない。
メリンダもシアも隙を見つけては火球や水の矢を浴びせてはいるが、その度にひょいひょいと空間を移動してしまう。なんともやりにくい相手だ。
かといって向こうもこっちを攻撃しあぐねているようだ。足止めという役割は果たしているが、これでは埒があかない。
その時だった。
「加勢致します!」
声の方を見れば、空間に新たに出来た穴。そこから闇の者達、そして光の者達も出てくるではないか。
「ええ?!」
驚いて声を上げるメリンダ。何故敵対していた者同士が? というか何故自分達が戦っていると知っているのか?
混乱するメリンダを置いて、光の者達がオルトとルーンに向かって力を放つ。
「ち!」
余裕綽々の態度であったオルトが初めて焦ったような顔になる。
「空間は、開かせませんよ」
落ち着いた女性の声がして、オルトが開けようとしていた空間が閉じられる。
「くそ!」
慌てて結界を張って攻撃をいなすオルト。
「ルーン! ばらけてちゃまずい! こっちに来い!」
オルトがルーンに向かって声を掛けるが、何かを見つめたまま動かないルーン。
「ルーン?!」
その視線の先には1人の光の者の男性。こちらもルーンを見つめたまま固まっている。
「ジャド?」
「ルーン? 本当に君なのか?」
ジャドと呼ばれた男が、ルーンに一歩近づくと、ルーンは一歩後退る。
「違う…。違うわ…。ジャドは、光に取られて、2度と会えないのよ…」
「ルーン、やっぱり、君なんだね?」
ルーンが激しく首を横に振る。
「やめて! 見ないで! 近寄らないで!」
ジャドはゆっくりとルーンに近づく。ルーンは後退るもすぐに壁に背がついた。
「ルーン、君を1人にしてごめん…。僕が、悪かったんだ。あの時、強引にでも一緒に行けば良かった…」
「やめて! やめてやめてやめて!」
ルーンはしゃがみ込んだ。ジャドは側に寄って膝を付き、肩に手を置く。
「ルーン。ずっと会いたかった。1人にしてごめん」
ルーンがゆっくりと顔を上げる。
「違うわ。あなたの知ってるあたしじゃない。あたしはもう、あなたの知ってるルーンじゃない…」
「君の綺麗な瞳は昔のままだよ。もう君を1人にはしない。僕が側にいるから。大丈夫」
「ジャン…。ごめんなさい…ごめんなさい…」
「僕もごめん…」
2人が泣き出す。すでにルーンは戦意を喪失してしまっている。
「なんなんだよ…」
オルトはそんな2人を見て激しい怒りを感じる。同じ孤独を感じる仲間だと思っていたルーンが、側に寄りそう者を見付けた。これでひとりぼっちは自分だけ。
「なんなんだお前ら!」
「オルト!」
怒りにまかせ力を解放しようとしたその時、懐かしい声がオルトの名を呼んだ。
「オルト、なの?」
声の方へ視線を向ければ、昔の面影を残したままの幼馴染みの彼女が立っていた。
「ロウニー…」
「オルト、どうして、どうして子供のままの姿なの?」
さも面倒くさそうに魔女が呟いた。
「せっかくあの空間まで追いやったのに。どうやったかは知らないけどこんなに早く戻って来るなんて」
とキーナを睨み付ける。
「魔女、いえ、リー・リムリィ。貴女と話したいことがあるんだけど」
そう言って、キーナが部屋の中へと足を踏み入れる。今までと違う重圧を感じた。
「あらやだ。テルディアスもいるじゃない。なあに? やっと私の元へ帰ってくる気になった?」
キーナの言葉を無視し、その後ろに続いて入って来たテルディアスへと目を向ける。だがテルディアスは黙って魔女を睨み付けたまま。
何の反応もないことに腹を立てたのか、魔女がむっとした顔になる。
「お願い、話しを聞いて。その力は元々貴女のものではないでしょう? 使い続けていたらそのうち貴女の身にも…」
「うるさいわねぇ! 人様の家に来てぎゃーぎゃーと。大体あなた、最初から気にくわないのよ!」
魔女がイライラしたように足を組み替える。
「いきなり私のテルディアスの前に現われて、すんなり仲良くなって。目障りなのよ! 消えて!」
今までにない重圧を感じ、テルディアスは思わず足に力を入れて踏ん張る。同時に光の結界がキーナを中心にして展開される。
「子供みたいなこと言ってないで、話しを聞いて!」
すぐにキーナが結界を解いた。一時的に力を解放しただけのようだ。
「誰か、出て来なさい」
キーナの言葉に耳を貸さず、魔女が指を鳴らす。すぐに魔女の後ろの空間から、2人の黒髪の男女が出て来た。その顔は見たことがない。はぐれ闇の一味なのだろう。
「目障りな害虫が侵入してきたわ。片付けて」
「はい。お方様」
2人が魔女に向かって頭を下げると、すぐにキーナ達に向かって飛んで来た。
咄嗟にテルディアスはキーナの前に立つ。しかし、風が吹いたと思った時にはすでに2人は床に倒れていた。
「ん~、こういうのを片付ければいいんだな?」
どこか嬉しそうにサーガが剣を振るった。
「あら、有象無象かと思ってたら、以外といい駒を持って来たわね」
ここに来て初めて気付いたと言う風に魔女がサーガを見た。
「面倒だわ。オルト、ルーン。連れて来られる者全て連れてきなさい。皆で害虫退治よ」
「はい。お方様」
どこからかあの少年オルトの声がした。サーガは警戒してすぐに剣を構える。あのオルトは油断ならない。
少しして目の前の空間から十数人の闇の者達が現れ始めた。最後にオルトとルーンも現われる。
「殺してしまって構わないわ。やった後はきちんと部屋を片付けて置いてね」
「はい。かしこまりました」
オルトとルーンが魔女に向かって頭を下げ、こちらに向き直る。
皆も油断なく身構える。キーナだけは魔女を見つめていた。
「前とは違って、ここは僕らの空間だからね。逃がさないよ」
闇の力を纏い、一斉に襲いかかってくる。ダンが結界を張り、攻撃を凌ぐ。
サーガだけは結界の外で器用に襲いかかる力をかい潜り、確実に1人1人昏倒させていく。
そんなサーガを狙って闇の者が襲いかかろうとするが、水の矢がそれを阻む。
「させませんわ!」
出掛ける前にテルディアスから渡されていた水の宝玉の力のおかげか、シアの攻撃力も上がっていた。
何人かの闇の者が地の力の主導権を奪おうと結界の外で何かをしていたが、何故か奪えない。
「何故、四大精霊が言うことを聞かないんだ?!」
油断しているその隙に、メリンダの火球が打ち込まれる。
「どんどん行くわよ!」
サーガを巻き込まないように注意しながら、メリンダも闇の者を昏倒させていく。
そんな光景を見ているのかいないのか、キーナと魔女が互いに睨み合っている。テルディアスには分からない戦いが繰り広げられているのだろう。
テルディアスだけ何もできない。結界の外で繰り広げられる戦いに入っていけない。自分が酷く場違いなことを感じ、悔しさと居たたまれなさで唇を噛む。せめて闇の力を使えたらとも思うが、その力を与えた張本人が目の前に居てどれくらい役に立てるものなのか。
「ああもう! うざったらしいわね!」
魔女が突然怒ったように立ち上がる。
「そんなに相手にして欲しければ、こっちに来てみなさいな。まあ、来たらどうなるか、分かってるでしょうけど」
魔女がにやりと笑うと、その横で空間の穴が開いた。そしてキーナを見ながらこれ見よがしにその穴へと入って行く。
「待って!」
キーナが慌てる。このまま逃がしてしまうわけにはいかない。
「ダン! 一瞬だけ結界を解いて!」
「キーナ?!」
テルディアスがキーナの肩に手を置く。あんなに見え見えの手に嵌めるわけにはいかないと。
ダンはキーナの言葉に従い、攻撃の切れ間に一瞬だけ結界を解く。キーナはその瞬間に移動した。その一瞬の間に、キーナとテルディアスの姿は穴の向こうへと消え去っていた。
「テルディアス?!」
共に消えてしまったテルディアスの名をメリンダは呼ぶが、穴はすでに消えてしまっている。
「余所見している場合ではありませんわよ!」
シアの言葉にハッとなるメリンダ。
「ぐ…!」
四大精霊一の防御力を誇るダンの結界が揺らいでいる。オルトとルーンだ。他の者達は粗方片付けられたものの、やはりこの2人は規格外だ。
サーガは結界の外でうまく力を避けてはいるようだが、全てではない。反撃に転じようとするもこの空間の中ではうまく立ち回れないようだ。
「何か、いい手はないのかしら?」
このままではジリ貧だ。キーナは魔女の相手で手一杯。ここで抑えられなければオルトとルーンを魔女の元へ行かせてしまう。そうなればキーナも危ない。
メリンダもシアも隙を見つけては火球や水の矢を浴びせてはいるが、その度にひょいひょいと空間を移動してしまう。なんともやりにくい相手だ。
かといって向こうもこっちを攻撃しあぐねているようだ。足止めという役割は果たしているが、これでは埒があかない。
その時だった。
「加勢致します!」
声の方を見れば、空間に新たに出来た穴。そこから闇の者達、そして光の者達も出てくるではないか。
「ええ?!」
驚いて声を上げるメリンダ。何故敵対していた者同士が? というか何故自分達が戦っていると知っているのか?
混乱するメリンダを置いて、光の者達がオルトとルーンに向かって力を放つ。
「ち!」
余裕綽々の態度であったオルトが初めて焦ったような顔になる。
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「くそ!」
慌てて結界を張って攻撃をいなすオルト。
「ルーン! ばらけてちゃまずい! こっちに来い!」
オルトがルーンに向かって声を掛けるが、何かを見つめたまま動かないルーン。
「ルーン?!」
その視線の先には1人の光の者の男性。こちらもルーンを見つめたまま固まっている。
「ジャド?」
「ルーン? 本当に君なのか?」
ジャドと呼ばれた男が、ルーンに一歩近づくと、ルーンは一歩後退る。
「違う…。違うわ…。ジャドは、光に取られて、2度と会えないのよ…」
「ルーン、やっぱり、君なんだね?」
ルーンが激しく首を横に振る。
「やめて! 見ないで! 近寄らないで!」
ジャドはゆっくりとルーンに近づく。ルーンは後退るもすぐに壁に背がついた。
「ルーン、君を1人にしてごめん…。僕が、悪かったんだ。あの時、強引にでも一緒に行けば良かった…」
「やめて! やめてやめてやめて!」
ルーンはしゃがみ込んだ。ジャドは側に寄って膝を付き、肩に手を置く。
「ルーン。ずっと会いたかった。1人にしてごめん」
ルーンがゆっくりと顔を上げる。
「違うわ。あなたの知ってるあたしじゃない。あたしはもう、あなたの知ってるルーンじゃない…」
「君の綺麗な瞳は昔のままだよ。もう君を1人にはしない。僕が側にいるから。大丈夫」
「ジャン…。ごめんなさい…ごめんなさい…」
「僕もごめん…」
2人が泣き出す。すでにルーンは戦意を喪失してしまっている。
「なんなんだよ…」
オルトはそんな2人を見て激しい怒りを感じる。同じ孤独を感じる仲間だと思っていたルーンが、側に寄りそう者を見付けた。これでひとりぼっちは自分だけ。
「なんなんだお前ら!」
「オルト!」
怒りにまかせ力を解放しようとしたその時、懐かしい声がオルトの名を呼んだ。
「オルト、なの?」
声の方へ視線を向ければ、昔の面影を残したままの幼馴染みの彼女が立っていた。
「ロウニー…」
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