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獣王国へ編
王都のギルド
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オックスに豪華な夕飯を奢ってもらい、兄のエックスにも紹介してもらった。そして夜はそちら系列の店へと寄り道して、誰にも居場所を知られないようにと適当に目に付いた安宿に泊まり込んだ翌日。
「一応ギルドに挨拶してった方がいいのかな?」
昨日は狩った獲物を置いて書類を出しに行っただけだった。初めての場所ならば顔を売っておく必要があるだろう。特に仕事をする気があるわけでもないけれど、昨日納品した物の査定もそろそろ出来ているだろうしと、ギルドへ赴く事にした。
ちなみに白焔パーティーは今日から3日程皆休暇を取るそうである。買い出しや王都観光をするのだそうだ。
「俺も後で観光行ってみるかな」
ギルドへ行く途中で呟く。王都というだけあってかなり広い。そして人が多い。お祭り好きのサーガとしては人が多いのも気にならない。反対にちょっとウキウキしてしまう。
足取り軽くギルドへ到着。
「こんちゃ~」
5つある受付をちらっと見て、一番可愛いと思える女の子がいる場所へと向かった。現金な奴である。
「こんちは~。昨日の獲物の査定って出来てます?」
「はい? ええと、お名前をよろしいでしょうか」
「サーガ君でーす」
「サーガさんですね」
突っ込まないのはプロだからか呆れているからか。
「サーガさん、サーガさん…。あの、サランの街からいらっしゃったサーガさんですか?」
「そうだけど…?」
「では、ギルドマスターがお話があるそうなので、まずそちらへご案内致します」
「後じゃ駄目?」
「先で」
にっこり微笑むオレンジがかった髪の綺麗なお姉さん。有無を言わさぬその笑顔に、サーガの笑顔が引き攣った。
「君がサーガ君かね」
「そーすけど」
ギルマスの部屋へと案内されると、重厚な机に座るおっさん(サーガ視点)が1人。案内してくれたオレンジ髪のお姉さんはすぐに下がってしまった。真に面白くない。
「ふん。ヤンも耄碌したか? こんな小男のどこが実力者だと言うんだ」
おっさんは呟いたつもりかもしれないが、十分に部屋の何処にいても聞こえる声量だった。それとも聞かせる為に呟いたのか。
何にせよ「小男」と言われ、サーガのこめかみがひくつく。
「私の名はカツターブ。この街のギルドマスターをやっている。サランの街ではどんな手を使ったのかは知らないが、この街ではランクを上げるときはきちんと試験を受けてもらうよ。そうしないとランクを上げることは出来ん。分かったかね?」
「そーすか」
特にサーガにはランクに執着はない。そこそこ稼げるだけの仕事が出来ればそれで良いのだ。上げたがっていたのはヤン達である。
「早速受けるのかね? であれば…」
「いやいーっす。また気が向いた時に」
カツターブがキョトンとした顔になる。今までにランク上げを断られたことはなかった。皆早くランク上げをしていい仕事を貰いたいがために、上げられると分かればその時点で申し込んで来るからだ。
「ほ、本当に良いのかね? ヤンからもくれぐれも優遇しろと言ってきてあるのだが…」
「いーっす。しばらく観光とかして体も休めたいし」
そういえば護衛の仕事をしてきたばかりかとカツターブは思い出した。
「良かろう。まあ、受けたくなったらいつでも声をかけてくれ。すぐに用意させよう」
「へーい」
適当に返事を返し、サーガはそそくさと出ていった。
その後サーガが再びカツターブの前に現れることはなかった。
「さっさと観光して次の街に行こう」
そんな独り言を呟き、1人頷きながら道を行く。
もちろんだが先程のギルマスが気に入らなかったせいである。一番気に入らないのは人を小さい呼ばわりしたことだ。
ランクを上げるとその担当のギルドにもポイントが入る。つまりランクの高い者が多いほど、ギルドも潤うのだ。だからといってホイホイ上げて死人が出たら元も子もない。故に試験は厳しい物にもなる。
ヤンがさっさと上げてと言っていたのも、実はこの辺の事情があったりする。
そんなことを実は知っていたサーガ。なのでこの街では仕事をしないことに決めた。
早速耳寄りな情報を求めて、酒場へと入って行くのだった。
酒場には口の軽くなった者達が沢山。とりあえずエールを注文し、持ってきた看板娘に王都の見どころは何処か聞いてみる。
看板娘はいい笑顔でいろいろ教えてくれた。いい子だ。
エールを口に含み、ついでに耳をそばだてる。
温いエールになんだか違和感を感じた。
「姐さんがいりゃあ冷やしてくれるのになぁ」
思わず呟き、首を傾げる。
「姐さんて誰だっけ?」
気になるけれど気にしない事にした。
いろいろな話が耳に飛び込んでくる。1番多いのはアオイも言っていた勇者の話だ。
決まったようだとかいやまだだとか、情報が錯綜している。
「勇者になれば女も選り取りみどりだろう?」
「馬鹿。だったら獣王国に行けよ」
「無理無理。俺そんなに強くない」
ガハハと笑い合う。
気になったのでよくよく耳をそばだててみれば、獣王国では強い者ならば何人奥さんを持っても良いらしい。ただしきちんと養える事が条件だが。
「面白い国だな…」
気になったサーガは次に目指す場所を決めた。
別に奥さんが欲しいわけでは無いが、公認ハーレムには心惹かれる。
エールを飲み干すと、サーガは王都観光へと繰り出した。
観光地と言えば良いのか、デートスポットと言えば良いのか…。
戦略的にカップルを対象にしたものも多く、となれば必然的にカップルが多いわけで…。
独り身のサーガにはなんだか肩身が狭かった。何故だ。何故独りきりというだけで肩身が狭くなるのか…。
「思ったより面白くねーな」
塞ぎ込む気分を振り払うように、サーガは近くの酒場へと再び入って行った。
エールを注文し、グビリと飲む。そして徐ろに立ち上がると、エールを持ったまま少し離れたテーブルへとドカドカ近づく。
そのテーブルにはフードを目深に被った2人連れが座っていた。断りもなく空いていた席にドカリと腰を下ろす。
「で? おたくら俺に何か御用?」
微かに2人がギクリとしたように見えた。
「な、何かとは何だ? そちらこそ我らに何か用かね?」
答えた声は男のものだった。
「とぼけても無駄よ。だいぶ前から俺のことつけてたっしょ。俺そういうの敏感なのよね~」
2人を睨みつけながらまたグビリとエールを喉に流し込む。
「ま、まさか…。たまたま行き先が同じだったのでは…」
「やめろカエデェス。どうやらお見通しのようだぞ」
もう1人の声は若い女性のようだった。
「気に障ってしまったのならば謝ろう。ただ貴君に害意を持っているわけではない。どこかで話しかけるタイミングを図っていたらつけ回すような感じになってしまっただけだ。申し訳ない」
「ま…! ティエラ様…」
「ふ~ん。で、話って?」
「ここで話せる内容ではないのだ。申し訳ないが私達の泊まっている宿までご足労願えないだろうか」
「俺はここでもいいんだけど」
「話だけでは分からないこともあるのだよ」
「ふ~ん」
怪しそうに2人を睨みつけながら、サーガがエールを飲み干した。
「もちろん、ここの勘定は持ってくれるんだよな?」
「え? あ、ああ…」
ティエラが戸惑ったように返事をする。
慌ててカエデェスが懐から財布を取り出した。
しっかりちゃっかりしているものだ。
しっかり奢ってもらい、2人の後を付いていく。
身なりからして安宿かと思えば、それなりにセキュリティのしっかりした宿へと案内された。ローブの下は思っているよりいい服なのかもしれない。サーガは頭の中のメモ帳にメモっておく。
2階の部屋に案内される。もちろんだがベッドは2つあった。
部屋に入るとカエデェスが神経質そうに厳重に鍵を確かめた。魔法の気配もしたので、何かしら結界でも張ったのかも知れないと思った。
ティエラも窓のカーテンをしっかりと閉めた。
カエデェスがティエラの側に寄り頷く。
「よし。良いだろう。遅れたが私はティエラ。こっちは私の従者の1人でカエデェスだ」
カエデェスが軽く頭を下げた。
「サーガだ」
短く自己紹介。
「さて、何故君を付け回していたのかということなのだが、それは私達が信仰する神が関係している」
「はぁ~神ね~」
サーガの顔が胡散臭いと言っている。
「神より御神託を賜ったのだ。世界を滅ぼそうと邪神が密かに動いていると。それを阻止する為に2人の御使いを遣わしたと」
「は~そ~」
「その1人が貴殿だ」
「は~…はあ?」
「もう1人はまだ見つかっていないが、見つけ次第助力を乞うつもりだ。もちろん貴殿にも」
「帰っていいすか?」
「そうは行かぬよ」
ティエラがフードに手をかける。
「顔を隠したままで信頼を得ようというのが無理な話だな。すまないが何を見ても騒いでくれないで欲しい」
女の子の顔が見られるとサーガが凝視する。ティエラの横でカエデェスがなにやら身構える。
フードを取ると、赤黒い髪に黒い瞳の美人が出て来た。何故かフードの下にまた帽子を被っている。
「私達が信仰しているのはこの世を支える一柱の神、生と創造を司るアルカディア様だ。君達人間の信仰する神とはまた違う。君達人間が信仰しているのは、確かバルモア神とか言ったな」
「俺は別に信仰してないけど。確かそんな名前を言ってたな」
聖教国で信仰されているのが創造神バルモア。この世界を作り管理している偉大なる神だという。
ティエラが自身の帽子に手を掛ける。
「私の話し方で察しはついたかもしれないが、私はただの人間ではない」
帽子を取ると、頭には3本の角が生えていた。
「髪と肌の色を変えているが、私は歴とした魔族の一人だ」
「一応ギルドに挨拶してった方がいいのかな?」
昨日は狩った獲物を置いて書類を出しに行っただけだった。初めての場所ならば顔を売っておく必要があるだろう。特に仕事をする気があるわけでもないけれど、昨日納品した物の査定もそろそろ出来ているだろうしと、ギルドへ赴く事にした。
ちなみに白焔パーティーは今日から3日程皆休暇を取るそうである。買い出しや王都観光をするのだそうだ。
「俺も後で観光行ってみるかな」
ギルドへ行く途中で呟く。王都というだけあってかなり広い。そして人が多い。お祭り好きのサーガとしては人が多いのも気にならない。反対にちょっとウキウキしてしまう。
足取り軽くギルドへ到着。
「こんちゃ~」
5つある受付をちらっと見て、一番可愛いと思える女の子がいる場所へと向かった。現金な奴である。
「こんちは~。昨日の獲物の査定って出来てます?」
「はい? ええと、お名前をよろしいでしょうか」
「サーガ君でーす」
「サーガさんですね」
突っ込まないのはプロだからか呆れているからか。
「サーガさん、サーガさん…。あの、サランの街からいらっしゃったサーガさんですか?」
「そうだけど…?」
「では、ギルドマスターがお話があるそうなので、まずそちらへご案内致します」
「後じゃ駄目?」
「先で」
にっこり微笑むオレンジがかった髪の綺麗なお姉さん。有無を言わさぬその笑顔に、サーガの笑顔が引き攣った。
「君がサーガ君かね」
「そーすけど」
ギルマスの部屋へと案内されると、重厚な机に座るおっさん(サーガ視点)が1人。案内してくれたオレンジ髪のお姉さんはすぐに下がってしまった。真に面白くない。
「ふん。ヤンも耄碌したか? こんな小男のどこが実力者だと言うんだ」
おっさんは呟いたつもりかもしれないが、十分に部屋の何処にいても聞こえる声量だった。それとも聞かせる為に呟いたのか。
何にせよ「小男」と言われ、サーガのこめかみがひくつく。
「私の名はカツターブ。この街のギルドマスターをやっている。サランの街ではどんな手を使ったのかは知らないが、この街ではランクを上げるときはきちんと試験を受けてもらうよ。そうしないとランクを上げることは出来ん。分かったかね?」
「そーすか」
特にサーガにはランクに執着はない。そこそこ稼げるだけの仕事が出来ればそれで良いのだ。上げたがっていたのはヤン達である。
「早速受けるのかね? であれば…」
「いやいーっす。また気が向いた時に」
カツターブがキョトンとした顔になる。今までにランク上げを断られたことはなかった。皆早くランク上げをしていい仕事を貰いたいがために、上げられると分かればその時点で申し込んで来るからだ。
「ほ、本当に良いのかね? ヤンからもくれぐれも優遇しろと言ってきてあるのだが…」
「いーっす。しばらく観光とかして体も休めたいし」
そういえば護衛の仕事をしてきたばかりかとカツターブは思い出した。
「良かろう。まあ、受けたくなったらいつでも声をかけてくれ。すぐに用意させよう」
「へーい」
適当に返事を返し、サーガはそそくさと出ていった。
その後サーガが再びカツターブの前に現れることはなかった。
「さっさと観光して次の街に行こう」
そんな独り言を呟き、1人頷きながら道を行く。
もちろんだが先程のギルマスが気に入らなかったせいである。一番気に入らないのは人を小さい呼ばわりしたことだ。
ランクを上げるとその担当のギルドにもポイントが入る。つまりランクの高い者が多いほど、ギルドも潤うのだ。だからといってホイホイ上げて死人が出たら元も子もない。故に試験は厳しい物にもなる。
ヤンがさっさと上げてと言っていたのも、実はこの辺の事情があったりする。
そんなことを実は知っていたサーガ。なのでこの街では仕事をしないことに決めた。
早速耳寄りな情報を求めて、酒場へと入って行くのだった。
酒場には口の軽くなった者達が沢山。とりあえずエールを注文し、持ってきた看板娘に王都の見どころは何処か聞いてみる。
看板娘はいい笑顔でいろいろ教えてくれた。いい子だ。
エールを口に含み、ついでに耳をそばだてる。
温いエールになんだか違和感を感じた。
「姐さんがいりゃあ冷やしてくれるのになぁ」
思わず呟き、首を傾げる。
「姐さんて誰だっけ?」
気になるけれど気にしない事にした。
いろいろな話が耳に飛び込んでくる。1番多いのはアオイも言っていた勇者の話だ。
決まったようだとかいやまだだとか、情報が錯綜している。
「勇者になれば女も選り取りみどりだろう?」
「馬鹿。だったら獣王国に行けよ」
「無理無理。俺そんなに強くない」
ガハハと笑い合う。
気になったのでよくよく耳をそばだててみれば、獣王国では強い者ならば何人奥さんを持っても良いらしい。ただしきちんと養える事が条件だが。
「面白い国だな…」
気になったサーガは次に目指す場所を決めた。
別に奥さんが欲しいわけでは無いが、公認ハーレムには心惹かれる。
エールを飲み干すと、サーガは王都観光へと繰り出した。
観光地と言えば良いのか、デートスポットと言えば良いのか…。
戦略的にカップルを対象にしたものも多く、となれば必然的にカップルが多いわけで…。
独り身のサーガにはなんだか肩身が狭かった。何故だ。何故独りきりというだけで肩身が狭くなるのか…。
「思ったより面白くねーな」
塞ぎ込む気分を振り払うように、サーガは近くの酒場へと再び入って行った。
エールを注文し、グビリと飲む。そして徐ろに立ち上がると、エールを持ったまま少し離れたテーブルへとドカドカ近づく。
そのテーブルにはフードを目深に被った2人連れが座っていた。断りもなく空いていた席にドカリと腰を下ろす。
「で? おたくら俺に何か御用?」
微かに2人がギクリとしたように見えた。
「な、何かとは何だ? そちらこそ我らに何か用かね?」
答えた声は男のものだった。
「とぼけても無駄よ。だいぶ前から俺のことつけてたっしょ。俺そういうの敏感なのよね~」
2人を睨みつけながらまたグビリとエールを喉に流し込む。
「ま、まさか…。たまたま行き先が同じだったのでは…」
「やめろカエデェス。どうやらお見通しのようだぞ」
もう1人の声は若い女性のようだった。
「気に障ってしまったのならば謝ろう。ただ貴君に害意を持っているわけではない。どこかで話しかけるタイミングを図っていたらつけ回すような感じになってしまっただけだ。申し訳ない」
「ま…! ティエラ様…」
「ふ~ん。で、話って?」
「ここで話せる内容ではないのだ。申し訳ないが私達の泊まっている宿までご足労願えないだろうか」
「俺はここでもいいんだけど」
「話だけでは分からないこともあるのだよ」
「ふ~ん」
怪しそうに2人を睨みつけながら、サーガがエールを飲み干した。
「もちろん、ここの勘定は持ってくれるんだよな?」
「え? あ、ああ…」
ティエラが戸惑ったように返事をする。
慌ててカエデェスが懐から財布を取り出した。
しっかりちゃっかりしているものだ。
しっかり奢ってもらい、2人の後を付いていく。
身なりからして安宿かと思えば、それなりにセキュリティのしっかりした宿へと案内された。ローブの下は思っているよりいい服なのかもしれない。サーガは頭の中のメモ帳にメモっておく。
2階の部屋に案内される。もちろんだがベッドは2つあった。
部屋に入るとカエデェスが神経質そうに厳重に鍵を確かめた。魔法の気配もしたので、何かしら結界でも張ったのかも知れないと思った。
ティエラも窓のカーテンをしっかりと閉めた。
カエデェスがティエラの側に寄り頷く。
「よし。良いだろう。遅れたが私はティエラ。こっちは私の従者の1人でカエデェスだ」
カエデェスが軽く頭を下げた。
「サーガだ」
短く自己紹介。
「さて、何故君を付け回していたのかということなのだが、それは私達が信仰する神が関係している」
「はぁ~神ね~」
サーガの顔が胡散臭いと言っている。
「神より御神託を賜ったのだ。世界を滅ぼそうと邪神が密かに動いていると。それを阻止する為に2人の御使いを遣わしたと」
「は~そ~」
「その1人が貴殿だ」
「は~…はあ?」
「もう1人はまだ見つかっていないが、見つけ次第助力を乞うつもりだ。もちろん貴殿にも」
「帰っていいすか?」
「そうは行かぬよ」
ティエラがフードに手をかける。
「顔を隠したままで信頼を得ようというのが無理な話だな。すまないが何を見ても騒いでくれないで欲しい」
女の子の顔が見られるとサーガが凝視する。ティエラの横でカエデェスがなにやら身構える。
フードを取ると、赤黒い髪に黒い瞳の美人が出て来た。何故かフードの下にまた帽子を被っている。
「私達が信仰しているのはこの世を支える一柱の神、生と創造を司るアルカディア様だ。君達人間の信仰する神とはまた違う。君達人間が信仰しているのは、確かバルモア神とか言ったな」
「俺は別に信仰してないけど。確かそんな名前を言ってたな」
聖教国で信仰されているのが創造神バルモア。この世界を作り管理している偉大なる神だという。
ティエラが自身の帽子に手を掛ける。
「私の話し方で察しはついたかもしれないが、私はただの人間ではない」
帽子を取ると、頭には3本の角が生えていた。
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