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2話彼女を思い出す
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――ホル視点――
やっと、会えた。
ドアが開いた瞬間、胸の奥がきゅっと鳴った。
ほら、やっぱり。ここだった。
間違ってなかった。
悠人は少し驚いた顔をしている。
でも――思っていたより、ずっと優しそうだった。
疲れてる匂い。
頑張った人の匂い。
それだけで、胸がいっぱいになる。
(ああ……ほんものだ)
ホルは、彼が戸惑っていることに気づいていなかった。
だって、怖がられるなんて、考えてもいなかったから。
会いたかった。
ただ、それだけ。
ずっと、考えてた。
夜も、朝も、目を閉じるたびに。
――悠人は、ホルのことを好きだって言ってくれた。
夢の中で。
でも、あれは夢なんかじゃなかった。
(だって、あんな顔で言うんだよ?)
少し照れて、でも真っ直ぐで。
ホルの名前を呼んで、ちゃんと見てくれて。
だから、会いに来た。
当たり前みたいに。
サキュバスは、想いに引き寄せられる。
強い感情ほど、はっきりと。
ホルは胸に手を当てる。
どくどくしてる。
嬉しくて、嬉しくて、どうしていいかわからない。
「……えへ……やっと会えたね」
小さくこぼれた声。
悠人に聞こえたかどうかは、わからない。
少し怖そうな顔をしているのも、
緊張しているのも、
今は「久しぶりだから」くらいにしか思っていなかった。
だって――
嫌われてるはず、ない。
だって悠人は、
ホルを好きだって言ってくれたんだから。
⸻
――悠人視点――
「……好き、って言った?」
ホルの言葉が、頭の中で反響する。
サキュバス。
会ったこともないはずの彼女。
なのに、「好きだと言われた」と、迷いなく言った。
(そんなはず……)
悠人は目を伏せた。
その瞬間、胸の奥が、じわりと熱を帯びる。
思い出す。
夢だ。
確かに、夢だったはず。
暗くて、静かな場所。
でも、不思議と怖くなかった。
そこにいたのは、ホルだった。
今と同じショートヘア。
少し無邪気で、距離が近くて。
やけに笑顔が眩しくて。
――自然に、話していた。
仕事のこと。
疲れていること。
誰かに必要とされたい、なんて弱音まで。
ホルは、ただ聞いてくれた。
頷いて、笑って、そばにいて。
「悠人は、優しいね」
そう言われた時、胸が熱くなった。
気づいたら、言っていた。
「……ホルのこと、好きかもしれない」
夢の中だからだ。
現実じゃないから言えた。
そう、思っていた。
でも――
目の前の彼女は、その言葉を覚えている。
「夢、だったよな……?」
悠人が呟くと、ホルは首を傾げる。
「夢、だったかもね。でも……」
にこっと笑って、続けた。
「ホルは、ちゃんと聞いたよ?」
否定できなかった。
胸が、あの時と同じようにざわついている。
恐怖は、まだある。
理解できない存在への不安も。
それでも。
――あの夢が、ただの幻想だったとは思えなかった。
悠人は、ゆっくりと顔を上げる。
ホルと、視線が合う。
そこには、期待と嬉しさが混じった瞳。
逃げるべきか。
問い詰めるべきか。
答えは、まだ出ない。
ただ一つ、確かなのは――
この出会いは、夢の続きなのかもしれない、という予感だった。
やっと、会えた。
ドアが開いた瞬間、胸の奥がきゅっと鳴った。
ほら、やっぱり。ここだった。
間違ってなかった。
悠人は少し驚いた顔をしている。
でも――思っていたより、ずっと優しそうだった。
疲れてる匂い。
頑張った人の匂い。
それだけで、胸がいっぱいになる。
(ああ……ほんものだ)
ホルは、彼が戸惑っていることに気づいていなかった。
だって、怖がられるなんて、考えてもいなかったから。
会いたかった。
ただ、それだけ。
ずっと、考えてた。
夜も、朝も、目を閉じるたびに。
――悠人は、ホルのことを好きだって言ってくれた。
夢の中で。
でも、あれは夢なんかじゃなかった。
(だって、あんな顔で言うんだよ?)
少し照れて、でも真っ直ぐで。
ホルの名前を呼んで、ちゃんと見てくれて。
だから、会いに来た。
当たり前みたいに。
サキュバスは、想いに引き寄せられる。
強い感情ほど、はっきりと。
ホルは胸に手を当てる。
どくどくしてる。
嬉しくて、嬉しくて、どうしていいかわからない。
「……えへ……やっと会えたね」
小さくこぼれた声。
悠人に聞こえたかどうかは、わからない。
少し怖そうな顔をしているのも、
緊張しているのも、
今は「久しぶりだから」くらいにしか思っていなかった。
だって――
嫌われてるはず、ない。
だって悠人は、
ホルを好きだって言ってくれたんだから。
⸻
――悠人視点――
「……好き、って言った?」
ホルの言葉が、頭の中で反響する。
サキュバス。
会ったこともないはずの彼女。
なのに、「好きだと言われた」と、迷いなく言った。
(そんなはず……)
悠人は目を伏せた。
その瞬間、胸の奥が、じわりと熱を帯びる。
思い出す。
夢だ。
確かに、夢だったはず。
暗くて、静かな場所。
でも、不思議と怖くなかった。
そこにいたのは、ホルだった。
今と同じショートヘア。
少し無邪気で、距離が近くて。
やけに笑顔が眩しくて。
――自然に、話していた。
仕事のこと。
疲れていること。
誰かに必要とされたい、なんて弱音まで。
ホルは、ただ聞いてくれた。
頷いて、笑って、そばにいて。
「悠人は、優しいね」
そう言われた時、胸が熱くなった。
気づいたら、言っていた。
「……ホルのこと、好きかもしれない」
夢の中だからだ。
現実じゃないから言えた。
そう、思っていた。
でも――
目の前の彼女は、その言葉を覚えている。
「夢、だったよな……?」
悠人が呟くと、ホルは首を傾げる。
「夢、だったかもね。でも……」
にこっと笑って、続けた。
「ホルは、ちゃんと聞いたよ?」
否定できなかった。
胸が、あの時と同じようにざわついている。
恐怖は、まだある。
理解できない存在への不安も。
それでも。
――あの夢が、ただの幻想だったとは思えなかった。
悠人は、ゆっくりと顔を上げる。
ホルと、視線が合う。
そこには、期待と嬉しさが混じった瞳。
逃げるべきか。
問い詰めるべきか。
答えは、まだ出ない。
ただ一つ、確かなのは――
この出会いは、夢の続きなのかもしれない、という予感だった。
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