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6 私にとってのあなたは
コンサートのチケットは二枚。
私が誰を誘ったかと言えば―――
「奏花の友達でよかったって今日ほど思ったことはないわ」
「えっ!?友達でよかったって思ったの今日なの!?」
「そうよ」
なにその即答。
一緒にきたのは寿実だった。
『寿実にはいつもお世話になってるし、お礼もかねて』なんて思って誘ったわけですよ?
それがまさかの友達でよかった発言。
「奏花。とうとう幼馴染み君と付き合うことにしたんだ?」
「違うわよっ!お母さんに聴きに行けって言われたの」
席は二階席で全体をしっかりと見渡すことができる。
いい席なのかどうなのかさえ、わからないド素人な私はキョロキョロとあたりを見回して席に着いた。
まだ開演まで時間があるから、手にしていたパンフレットをぱらぱらとめくる。
そこには悪ガキじゃない三人がいた。
クラシック界の王子らしい三人。
前回のコンサートの様子だろうか。
花束をもらって微笑む渋木さん、目を細め、色っぽい顔でバイオリンを弾く陣川さん。
そして、どこか憂いを秘めたような顔をして弾く逢生。
笑顔じゃないのねと思いながら、その顔を眺めた。
そういえば、逢生は他の人の前だとあまり笑わないかもしれない。
「かっこよすぎー!幼馴染み君もやっぱりイケメンね」
隣に座った寿実は大絶賛だった。
なんとなく面白くなくて最後まで見ずにぱふっとパンフレットを閉じた。
わかってる。
逢生がすごいことくらい。
昔は違ってたのに。
なにをやっても私の方が上だった。
足も早かったし、木登りだって上手だったし、勉強だって逢生に教えてあげていた。
でも、いつの間にか逢生は私より足が早くなって勉強だってできて、私の後に始めたピアノもすぐに私を追い抜いた。
ピアノの先生は逢生の両親に『この子は音楽をやらせるべきです!』と言って、音楽の道をすすめた。
私はまだバイエルを一生懸命練習してたっていうのに―――不公平だ。
馬鹿馬鹿しくなってピアノを弾くのをやめた。
私がピアノを弾かなくなった後、両親はピアノを逢生にあげてしまった。
だから、逢生の部屋にあるピアノは元々は私のピアノだ―――
「奏花どうしたの?険しい顔をして」
「なんでもない」
「ねえ、開演まだよね?」
「そうね。後、三十分はあるわね」
「CDとグッズが欲しいからロビーまで付き合って!」
「は!?いらないでしょ!まだ聴いてないのに買うつもり?なんてチョロい女よ!」
寿実はわかってないわねぇとでもいうような顔で私を見た。
なにその顔。
「帰りになったら行列か売り切れよ。行くわよ。奏花!」
どうだか。
そんな人気あるわけないでしょ。
やれやれと思いながら、寿実と一緒に一階ロビーへと向かった。
「うわぁ……」
すでに行列。
会計待ちの人がずらりと並んでいた。
「どれ買うの?」
「CDとフォトブック!」
稼いでるわね……逢生……
ふうっとため息をついた瞬間、明るい声がした。
「あれ!?もしかして渓内さんじゃないですか?」
私にそう声をかけたのは飲み会にいた弘部君だった。
弘部君は列の整理をする順路のテープを片付けている最中らしく黄色のテープを短くしていた。
「弘部君じゃない。仕事?」
「そうです。あ、もしかして渓内さんは彼氏の演奏を聴きにきたんですか?」
「彼氏!?」
またそれ?そのパターンは何回目?
「違うんですか?」
「よく間違われるんだけど、ただの幼馴染みなの」
「なんだ……。よかった」
弘部君は照れた顔で笑った。
「実は今日、人が足りなくて入場整理のスタッフとして今日は駆り出されていて」
首からスタッフ用のネームプレートをさげていた。
ドア付近に立って席がわからない人のために案内していいたらしい。
「土曜日で仕事なんて憂鬱だなって思っていたんですけど、渓内さんに会えたから得した気分です」
そんなふうに言われると悪い気はしなかった。
しかも、逢生と同じ年齢のはずなのにしっかりしていて礼儀正しい。
「よかったら、渓内さん。コンサートが終わったら―――」
「あー!やだー。弘部君!?本当に仕事だったの?」
グッズ売場で会計を終わらせて戻ってきた寿実が弘部君を見つけるとすばやく駆け寄ってきた。
寿実はずいっと私の前に出る。
「てっきり私の誘いを断るための口実かと思ったわ」
「違います。本当に仕事で……」
なんだ……
寿実は弘部君とデートの約束をしてたんだ。
弘部君が仕事でデートできなかったから私に付き合ってくれた、そういうこと。
感じのいい弘部君のことだ。
こないだの飲み会で私の後輩や寿実が目を付けないわけがない。
「弘部君。また連絡するわね」
寿実と連絡を取り合うくらいの仲らしい。
先週、知り合ったばかりなのにさすが寿実。
なれてるわよね。
「私、先に席に戻るわね」
まだ寿実が話し足りないようだったから、先に席へ戻ろうと気をきかせた。
友人の恋路を邪魔したくない―――そう思った瞬間。
「奏花!」
逢生だ、逢生がまた現れた。
「深月さんっ!走らないでください。髪のセットが崩れます!」
マネージャーらしき人が逢生の後ろを追いかけてきた。
鬼ごっこかな……?
「逢生!?どうしてここに」
タキシード姿で髪をセットされた逢生はいつもの雰囲気とは違って大人っぽい。
「奏花が二階席にいたから」
逢生は嬉しそうな顔で笑っていた。
いつもと同じ顔。
それを見てホッとした。
―――ちゃんと逢生だ。
「ねえ。あれって深月逢生じゃない?」
「似た人じゃなくて?」
「もう開演なんだから、そんなわけないわよ」
そんな声が聞こえて慌てて逢生の背中を押した。
騒ぎになっては困る。
「ここにいたらダメじゃない!」
「そうですよ。早く戻ってくださいよー!まずいですって」
「宰田。先に戻っていいよ」
「そんなわけにはいきませんっ」
宰田さんは泣きそうな声で一緒に戻ってくださいよっーと叫んでいた。
「わかってる。戻るけど、奏花」
ちらりと逢生は弘部君を見る。
まさか、この間、ちょっとしかいなかったのに覚えてるの?
いつもの距離より一歩だけ私のそばに近づいた。
「逢生……?」
なんだか雰囲気がいつもより威圧感がある。
「よそ見しないで俺の演奏をちゃんと聴いてよ?」
そう言うと逢生は私の髪を指ですき、髪の先を持ち上げてキスをした。
そして鋭い目で弘部君を見、挑発するように笑う。
「な、なにしてるの!? 早く行きなさいよっ!」
「そうですよっ!」
「奏花、また後で」
私がコンサートに来たことがそんなに嬉しいのかってくらいの笑顔だった。
「寿実。席に戻るわよ」
「そうね。じゃあ、またね。弘部君」
弘部君は無言で頭を下げて仕事に戻っていった。
さっき出た時と違って席は満席に近い。
静かに席がある場所に戻り、舞台を見下ろす。
あそこが逢生の世界。
なんだろう。
空調のせいか、すうすうとした風を感じた。
それだけじゃないよねと心の声が私に囁いた。
逢生を遠くに感じている―――きっと今までで一番逢生が他人に感じた瞬間だった。
私が誰を誘ったかと言えば―――
「奏花の友達でよかったって今日ほど思ったことはないわ」
「えっ!?友達でよかったって思ったの今日なの!?」
「そうよ」
なにその即答。
一緒にきたのは寿実だった。
『寿実にはいつもお世話になってるし、お礼もかねて』なんて思って誘ったわけですよ?
それがまさかの友達でよかった発言。
「奏花。とうとう幼馴染み君と付き合うことにしたんだ?」
「違うわよっ!お母さんに聴きに行けって言われたの」
席は二階席で全体をしっかりと見渡すことができる。
いい席なのかどうなのかさえ、わからないド素人な私はキョロキョロとあたりを見回して席に着いた。
まだ開演まで時間があるから、手にしていたパンフレットをぱらぱらとめくる。
そこには悪ガキじゃない三人がいた。
クラシック界の王子らしい三人。
前回のコンサートの様子だろうか。
花束をもらって微笑む渋木さん、目を細め、色っぽい顔でバイオリンを弾く陣川さん。
そして、どこか憂いを秘めたような顔をして弾く逢生。
笑顔じゃないのねと思いながら、その顔を眺めた。
そういえば、逢生は他の人の前だとあまり笑わないかもしれない。
「かっこよすぎー!幼馴染み君もやっぱりイケメンね」
隣に座った寿実は大絶賛だった。
なんとなく面白くなくて最後まで見ずにぱふっとパンフレットを閉じた。
わかってる。
逢生がすごいことくらい。
昔は違ってたのに。
なにをやっても私の方が上だった。
足も早かったし、木登りだって上手だったし、勉強だって逢生に教えてあげていた。
でも、いつの間にか逢生は私より足が早くなって勉強だってできて、私の後に始めたピアノもすぐに私を追い抜いた。
ピアノの先生は逢生の両親に『この子は音楽をやらせるべきです!』と言って、音楽の道をすすめた。
私はまだバイエルを一生懸命練習してたっていうのに―――不公平だ。
馬鹿馬鹿しくなってピアノを弾くのをやめた。
私がピアノを弾かなくなった後、両親はピアノを逢生にあげてしまった。
だから、逢生の部屋にあるピアノは元々は私のピアノだ―――
「奏花どうしたの?険しい顔をして」
「なんでもない」
「ねえ、開演まだよね?」
「そうね。後、三十分はあるわね」
「CDとグッズが欲しいからロビーまで付き合って!」
「は!?いらないでしょ!まだ聴いてないのに買うつもり?なんてチョロい女よ!」
寿実はわかってないわねぇとでもいうような顔で私を見た。
なにその顔。
「帰りになったら行列か売り切れよ。行くわよ。奏花!」
どうだか。
そんな人気あるわけないでしょ。
やれやれと思いながら、寿実と一緒に一階ロビーへと向かった。
「うわぁ……」
すでに行列。
会計待ちの人がずらりと並んでいた。
「どれ買うの?」
「CDとフォトブック!」
稼いでるわね……逢生……
ふうっとため息をついた瞬間、明るい声がした。
「あれ!?もしかして渓内さんじゃないですか?」
私にそう声をかけたのは飲み会にいた弘部君だった。
弘部君は列の整理をする順路のテープを片付けている最中らしく黄色のテープを短くしていた。
「弘部君じゃない。仕事?」
「そうです。あ、もしかして渓内さんは彼氏の演奏を聴きにきたんですか?」
「彼氏!?」
またそれ?そのパターンは何回目?
「違うんですか?」
「よく間違われるんだけど、ただの幼馴染みなの」
「なんだ……。よかった」
弘部君は照れた顔で笑った。
「実は今日、人が足りなくて入場整理のスタッフとして今日は駆り出されていて」
首からスタッフ用のネームプレートをさげていた。
ドア付近に立って席がわからない人のために案内していいたらしい。
「土曜日で仕事なんて憂鬱だなって思っていたんですけど、渓内さんに会えたから得した気分です」
そんなふうに言われると悪い気はしなかった。
しかも、逢生と同じ年齢のはずなのにしっかりしていて礼儀正しい。
「よかったら、渓内さん。コンサートが終わったら―――」
「あー!やだー。弘部君!?本当に仕事だったの?」
グッズ売場で会計を終わらせて戻ってきた寿実が弘部君を見つけるとすばやく駆け寄ってきた。
寿実はずいっと私の前に出る。
「てっきり私の誘いを断るための口実かと思ったわ」
「違います。本当に仕事で……」
なんだ……
寿実は弘部君とデートの約束をしてたんだ。
弘部君が仕事でデートできなかったから私に付き合ってくれた、そういうこと。
感じのいい弘部君のことだ。
こないだの飲み会で私の後輩や寿実が目を付けないわけがない。
「弘部君。また連絡するわね」
寿実と連絡を取り合うくらいの仲らしい。
先週、知り合ったばかりなのにさすが寿実。
なれてるわよね。
「私、先に席に戻るわね」
まだ寿実が話し足りないようだったから、先に席へ戻ろうと気をきかせた。
友人の恋路を邪魔したくない―――そう思った瞬間。
「奏花!」
逢生だ、逢生がまた現れた。
「深月さんっ!走らないでください。髪のセットが崩れます!」
マネージャーらしき人が逢生の後ろを追いかけてきた。
鬼ごっこかな……?
「逢生!?どうしてここに」
タキシード姿で髪をセットされた逢生はいつもの雰囲気とは違って大人っぽい。
「奏花が二階席にいたから」
逢生は嬉しそうな顔で笑っていた。
いつもと同じ顔。
それを見てホッとした。
―――ちゃんと逢生だ。
「ねえ。あれって深月逢生じゃない?」
「似た人じゃなくて?」
「もう開演なんだから、そんなわけないわよ」
そんな声が聞こえて慌てて逢生の背中を押した。
騒ぎになっては困る。
「ここにいたらダメじゃない!」
「そうですよ。早く戻ってくださいよー!まずいですって」
「宰田。先に戻っていいよ」
「そんなわけにはいきませんっ」
宰田さんは泣きそうな声で一緒に戻ってくださいよっーと叫んでいた。
「わかってる。戻るけど、奏花」
ちらりと逢生は弘部君を見る。
まさか、この間、ちょっとしかいなかったのに覚えてるの?
いつもの距離より一歩だけ私のそばに近づいた。
「逢生……?」
なんだか雰囲気がいつもより威圧感がある。
「よそ見しないで俺の演奏をちゃんと聴いてよ?」
そう言うと逢生は私の髪を指ですき、髪の先を持ち上げてキスをした。
そして鋭い目で弘部君を見、挑発するように笑う。
「な、なにしてるの!? 早く行きなさいよっ!」
「そうですよっ!」
「奏花、また後で」
私がコンサートに来たことがそんなに嬉しいのかってくらいの笑顔だった。
「寿実。席に戻るわよ」
「そうね。じゃあ、またね。弘部君」
弘部君は無言で頭を下げて仕事に戻っていった。
さっき出た時と違って席は満席に近い。
静かに席がある場所に戻り、舞台を見下ろす。
あそこが逢生の世界。
なんだろう。
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