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38 リサイタル
コンサートから数日後のことだった。
看病のお礼として、マンションのポストに梶井さんのリサイタルのチケットが入っていたのは。
ファンサービスとして海外に行く前にカフェでリサイタルを行うらしいと逢生から聞いた。
海外に行ってしまえば、しばらく日本には帰ってこれないそうだ。
逢生は『永住してほしい』なんて言っていた。
「すごいわね。首席チェリストだって。これ、私でも聞いたことがあるオーケストラの名前よ」
「そうだね」
逢生はコーヒーを飲みながら、興味なさそうにうなずいた。
「逢生。本当に一緒に行かないの?」
梶井さんのお別れリサイタルの当日、『行くな』と言い出すんじゃないのだろうかと思っていたのに余裕の顔で逢生は朝食のトーストをかじっていた。
珍しい。
仕事で疲れているのかもね。
昨日、陣川さん達と仕事で遅く帰ってきた逢生はまだ眠そうにしながら、りんごジュースをちびちびと飲んでいた。
「しばらく帰ってこれないって言ってたわよ?」
「梶井に興味ない」
まーたそんな強がり言っちゃって。
意識してるくせに。
じろっーと逢生を見えていたけど、動く気配はない。
「じゃあ、私一人で行ってくるから昼食は適当に食べてね?」
「わかった」
逢生はあっさりとうなずいた。
おかしいわね。
もっとゴネるんじゃないかなって思っていたけど。
その態度に疑問を感じつつも服を着替えた。
カフェでの演奏だから、カジュアルでもかまわない。
けれど、せっかくの招待だし、あまりくだけた服装もね。
少しはしっかりめにしようとブラウンのタイトスカートシルエットのセットアップ。
当然のことながら身に着けているものはすべて我が社の商品。
着心地バッチリ、色も絶妙。
あとは白のバッグにヒールのあるサンダルを選んだ。
地味になりすぎないようにまとめた髪にはスカーフを結ぶ。
それから、逢生と同じコットンフレグランス。
もともと私が好きで選んだ香りだからいいけど、逢生は絶対に同じ香りにして欲しいという主張をしてきた。
これをつけていると梶井さんが近寄れないらしい。
そんなことを言ってたけど、私が気に入った香水を虫よけスプレーみたいな扱いにするのはやめてほしいわ。
マンションを出て、懐かしい公園を横切り、カフェ『音の葉』がある通りに出る。
天気がよく、初夏の気持ちのいい風が吹いていた。
カフェの窓は爽やかな空気を店内に取り込めるように大きな窓がすべて開け放たれていた。
テラス席が用意されたそこにはコンサートでも見かけた梶井さんのファンの人達が座っている。
「楽しみねぇ」
「首席だなんて誇らしいわ」
「応援してきてよかったわね」
マダム達の明るい声。
息子を応援してきたような心境らしく、自分のことのように嬉しそうにしている。
ステージは小さいものの、テラス席までぎっしり埋まり、梶井さんが登場すると拍手が起こる。
雨音のように激しい拍手が。
梶井さんは私がいることに気づくと、少しだけ目を合わせて微笑んだ。
最初の曲はサンサーンスの白鳥。
思い出の曲。
レクイエムじゃなく、苦しみや悲しみを越えた澄んだ音。
あの日とはまったく違う音だと素人な私にですら、わかった。
梶井さんはもう昔の梶井さんじゃない。
もっとすごい人になって、私の思い出を超えていく。
曲が終わると拍手が起きる。
「やっぱり梶井さんの白鳥は最高ね」
「しばらく聴けなくなると思うと寂しいわ」
「これはオーケストラを聴きに行くしかないわね!」
「ふふっ。私はすでにそのオーケストラを予習してるのよ」
熱い会話がそばで繰り広げられていた、
海外なんてご近所よ!なんて勢いで。
梶井さんのプレリュード、前回のリベルタンゴを弾いたところでザワッと店内が騒がしくなった。
「こんにちはー」
「先輩を見送りにきました」
「後輩だからね」
こっ、この三人っ!
現れたのは陣川さん、渋木さん、そして逢生。
ピアノの伴奏をしていた綺麗な女性が立ち上がった。
「唯冬!梶井さんのリサイタルを邪魔しに来たの!?」
「やだな、姉さん。激励にきただけだよ」
梶井さんのファンの人達は三人のことを悪く思ってはいない。
この間の共演が素晴らしかったと称賛している。
しかも『次に来るわよ、あの子達』なんて言われている。
「嫌な奴らが来たな」
「この間のお詫びとして、飛び込みを許可しました」
グレーのスーツを着た女性が腕を組み、音響設備の隣に立っていた。
淡々とした態度と口調がデキる女というかんじでかっこいい。
「渡瀬、お前……!」
「自分に自信があるのなら平気でしょう?」
どうぞ渡瀬さんが三人を中心へと案内する。
「そういうこと!」
「リベンジさせていただきますよ」
「三人でね」
それは卑怯じゃ?
しっかり楽器持参だし。
逢生がどうして私がマンションを出る時にゴネなかったか、やっとわかったわよ!
伴奏をしていたお姉さんを横にやり、渋木さんがピアノの前に座る。
そのグランドピアノの横に陣川さんが立って、梶井さんが座っていた場所に逢生がチェロを手にして座る。
「なにを弾くのかしら」
「愛のワルツ?」
「グノーのアヴェマリア?」
三人の十八番であるアヴェマリアではなかった。
渋木さんの指が速いスピードでバラバラと鍵盤を叩く。
次に入るのは逢生のチェロ。
大きな羽音。
そして、その次は陣川さんのバイオリンが加わる。
小さな羽音。
「この曲は熊蜂の飛行ね」
さっきまで不満そうにしていた渋木さんのお姉さんがにっこりと微笑んでいた。
弦がまるで蜂の羽音みたいに空気を震わす。
蜂がどんどん増えていくみたい―――三人の音に乱れはない。
緑が多いカフェのせいか、蜂が本当に飛び回っているみたいだった。
殴りあいに来たのではなく、これはお遊びだというような顔で三人は梶井さんを見て笑っていた。
曲が終わると大きな拍手が起こった。
「生意気なガキだ」
そう言って梶井さんは苦笑した。
三人の演奏は梶井さんに負けず劣らず、素晴らしかったことがわかる。
次はなにを弾くのだろうという気持ちにさせられる。
渋木さんは場の雰囲気を察して梶井さんに言った。
「四人で演奏しますか?」
「曲は?」
「アメイジンググレイス」
「うるさい先輩は早く海外に行けって?」
「後輩からの見送りと激励です」
曲を提案した渋木さんは笑った。
それはまるでコンサートのやり直しみたいだった。
今日の演奏は調和のとれたアンサンブル。
清らかで澄んだ音。
梶井さんはふっと優しい顔でほほ笑んだ。
いつになく、三人が真面目に弾いている。
後輩として梶井さんに合わせていた。
これは梶井さんを送る曲なのだとわかった。
晴れ渡る青い空の下、初夏の柔らかな風が吹く午後。
その美しい旋律に道行く人も足を止めて聴き入っていた―――
看病のお礼として、マンションのポストに梶井さんのリサイタルのチケットが入っていたのは。
ファンサービスとして海外に行く前にカフェでリサイタルを行うらしいと逢生から聞いた。
海外に行ってしまえば、しばらく日本には帰ってこれないそうだ。
逢生は『永住してほしい』なんて言っていた。
「すごいわね。首席チェリストだって。これ、私でも聞いたことがあるオーケストラの名前よ」
「そうだね」
逢生はコーヒーを飲みながら、興味なさそうにうなずいた。
「逢生。本当に一緒に行かないの?」
梶井さんのお別れリサイタルの当日、『行くな』と言い出すんじゃないのだろうかと思っていたのに余裕の顔で逢生は朝食のトーストをかじっていた。
珍しい。
仕事で疲れているのかもね。
昨日、陣川さん達と仕事で遅く帰ってきた逢生はまだ眠そうにしながら、りんごジュースをちびちびと飲んでいた。
「しばらく帰ってこれないって言ってたわよ?」
「梶井に興味ない」
まーたそんな強がり言っちゃって。
意識してるくせに。
じろっーと逢生を見えていたけど、動く気配はない。
「じゃあ、私一人で行ってくるから昼食は適当に食べてね?」
「わかった」
逢生はあっさりとうなずいた。
おかしいわね。
もっとゴネるんじゃないかなって思っていたけど。
その態度に疑問を感じつつも服を着替えた。
カフェでの演奏だから、カジュアルでもかまわない。
けれど、せっかくの招待だし、あまりくだけた服装もね。
少しはしっかりめにしようとブラウンのタイトスカートシルエットのセットアップ。
当然のことながら身に着けているものはすべて我が社の商品。
着心地バッチリ、色も絶妙。
あとは白のバッグにヒールのあるサンダルを選んだ。
地味になりすぎないようにまとめた髪にはスカーフを結ぶ。
それから、逢生と同じコットンフレグランス。
もともと私が好きで選んだ香りだからいいけど、逢生は絶対に同じ香りにして欲しいという主張をしてきた。
これをつけていると梶井さんが近寄れないらしい。
そんなことを言ってたけど、私が気に入った香水を虫よけスプレーみたいな扱いにするのはやめてほしいわ。
マンションを出て、懐かしい公園を横切り、カフェ『音の葉』がある通りに出る。
天気がよく、初夏の気持ちのいい風が吹いていた。
カフェの窓は爽やかな空気を店内に取り込めるように大きな窓がすべて開け放たれていた。
テラス席が用意されたそこにはコンサートでも見かけた梶井さんのファンの人達が座っている。
「楽しみねぇ」
「首席だなんて誇らしいわ」
「応援してきてよかったわね」
マダム達の明るい声。
息子を応援してきたような心境らしく、自分のことのように嬉しそうにしている。
ステージは小さいものの、テラス席までぎっしり埋まり、梶井さんが登場すると拍手が起こる。
雨音のように激しい拍手が。
梶井さんは私がいることに気づくと、少しだけ目を合わせて微笑んだ。
最初の曲はサンサーンスの白鳥。
思い出の曲。
レクイエムじゃなく、苦しみや悲しみを越えた澄んだ音。
あの日とはまったく違う音だと素人な私にですら、わかった。
梶井さんはもう昔の梶井さんじゃない。
もっとすごい人になって、私の思い出を超えていく。
曲が終わると拍手が起きる。
「やっぱり梶井さんの白鳥は最高ね」
「しばらく聴けなくなると思うと寂しいわ」
「これはオーケストラを聴きに行くしかないわね!」
「ふふっ。私はすでにそのオーケストラを予習してるのよ」
熱い会話がそばで繰り広げられていた、
海外なんてご近所よ!なんて勢いで。
梶井さんのプレリュード、前回のリベルタンゴを弾いたところでザワッと店内が騒がしくなった。
「こんにちはー」
「先輩を見送りにきました」
「後輩だからね」
こっ、この三人っ!
現れたのは陣川さん、渋木さん、そして逢生。
ピアノの伴奏をしていた綺麗な女性が立ち上がった。
「唯冬!梶井さんのリサイタルを邪魔しに来たの!?」
「やだな、姉さん。激励にきただけだよ」
梶井さんのファンの人達は三人のことを悪く思ってはいない。
この間の共演が素晴らしかったと称賛している。
しかも『次に来るわよ、あの子達』なんて言われている。
「嫌な奴らが来たな」
「この間のお詫びとして、飛び込みを許可しました」
グレーのスーツを着た女性が腕を組み、音響設備の隣に立っていた。
淡々とした態度と口調がデキる女というかんじでかっこいい。
「渡瀬、お前……!」
「自分に自信があるのなら平気でしょう?」
どうぞ渡瀬さんが三人を中心へと案内する。
「そういうこと!」
「リベンジさせていただきますよ」
「三人でね」
それは卑怯じゃ?
しっかり楽器持参だし。
逢生がどうして私がマンションを出る時にゴネなかったか、やっとわかったわよ!
伴奏をしていたお姉さんを横にやり、渋木さんがピアノの前に座る。
そのグランドピアノの横に陣川さんが立って、梶井さんが座っていた場所に逢生がチェロを手にして座る。
「なにを弾くのかしら」
「愛のワルツ?」
「グノーのアヴェマリア?」
三人の十八番であるアヴェマリアではなかった。
渋木さんの指が速いスピードでバラバラと鍵盤を叩く。
次に入るのは逢生のチェロ。
大きな羽音。
そして、その次は陣川さんのバイオリンが加わる。
小さな羽音。
「この曲は熊蜂の飛行ね」
さっきまで不満そうにしていた渋木さんのお姉さんがにっこりと微笑んでいた。
弦がまるで蜂の羽音みたいに空気を震わす。
蜂がどんどん増えていくみたい―――三人の音に乱れはない。
緑が多いカフェのせいか、蜂が本当に飛び回っているみたいだった。
殴りあいに来たのではなく、これはお遊びだというような顔で三人は梶井さんを見て笑っていた。
曲が終わると大きな拍手が起こった。
「生意気なガキだ」
そう言って梶井さんは苦笑した。
三人の演奏は梶井さんに負けず劣らず、素晴らしかったことがわかる。
次はなにを弾くのだろうという気持ちにさせられる。
渋木さんは場の雰囲気を察して梶井さんに言った。
「四人で演奏しますか?」
「曲は?」
「アメイジンググレイス」
「うるさい先輩は早く海外に行けって?」
「後輩からの見送りと激励です」
曲を提案した渋木さんは笑った。
それはまるでコンサートのやり直しみたいだった。
今日の演奏は調和のとれたアンサンブル。
清らかで澄んだ音。
梶井さんはふっと優しい顔でほほ笑んだ。
いつになく、三人が真面目に弾いている。
後輩として梶井さんに合わせていた。
これは梶井さんを送る曲なのだとわかった。
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その美しい旋律に道行く人も足を止めて聴き入っていた―――
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