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理不尽と弟たちと買い出し 後編
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スーパーに入れば、サニーとレインがホルツから下りて、キラキラと目を輝かせながらメルギスクを見上げた。
「兄ちゃん、お菓子売り場見てきていい?」
「そうだなあ、二人で一緒にいること。あと、変な人に声をかけられても絶対について行かないこと。この二つが守れるならいいぞ」
「守るよ! いこう、レイン!」
「待って、サニー。えっと、お兄ちゃんはどこらへんにいるの?」
レインの手を引いて走り出そうとしたサニーを引き留めたレインはメルギスクへ尋ねてくる。
「野菜売り場か卵と牛乳が置いてある場所にいるよ」
「わかった。行こう、サニー」
「うん!」
二人は手をつなぐと、今度こそお菓子売り場へと向かっていった。
ホルツと二人っきりになったメルギスクはカゴを手にとってホルツに告げた。
「それじゃあ、俺たちも行きましょうか」
「ああ、でもその前に」
スッとホルツの手が伸びてきてメルギスクの手にあるカゴをとった。数度瞬きした後、思わずホルツを見上げればいつも通り張り付いた笑みが返ってくる。
「私が持つよ」
「別に持たなくても大丈夫ですよ。たいした重さになりませんし」
「私が持つよ」
一度目よりも圧をのせて繰り返された言葉にメルギスクはそれ以上言うことを諦めた。かわりに眉を下げて軽く微笑んだ。
「じゃあ、お願いします」
「うん」
メルギスクを見下ろすホルツが嬉しそうに見えたのはきっと気のせいだろう。
ずらっと並ぶ野菜から安い野菜を手に取って吟味していると、ホルツがのぞき込んできた。
「なんで安いものばかり手に取るんだい」
「安く済むならそれに越したことはないからですよ」
「ふむ……」
いまいち納得できないのか、ホルツは興味深そうにほかの野菜を眺め始めた。
吟味した末に決めた野菜をカゴにいれて卵と牛乳がある場所まで向かおうとした時、黒髪黒目の中性的な相手がホルツに声をかけてきた。
「ホルツさん、こんにちは。あれ、そちらの方は?」
ホルツの名前を呼ぶ相手を見れば、まとう空気がどことなくホルツに似ている。ゆったりしたキャラメル色のチュニックと白の七部ズボンからのぞく色の抜けた白い肌に加え、吸い込まれるような真っ黒な瞳と髪が妙に印象的だ。
だが、ホルツはなんとも思わないのか、淡々とメルギスクを紹介した。
「彼は私の恋人、メルギスクだよ」
「メルギスクさん、はじめまして。僕はルシアっていいます」
ルシアと名乗った相手がにこっと微笑んでくる。その笑みはさながら天使の微笑みのごとく目映く惚れ惚れするものだった。
顔が熱くなるのを感じながら勢いよく頭を下げた。
「は、はじめまして、俺はメルギスクと申します」
「頭を下げなくてもいいですよ。ほら、顔を上げてください」
「はい。その、すみません」
「メルギスクが謝ることなんて何もないですから。それにしても、ホルツさんの恋人かぁ……」
感慨深そうに呟いたルシアの言葉は、ルシアのまばゆい美貌もあいまって耳に届いていなかった。
天から下りてきたと言われても納得できるルシアの可憐な立ち姿にすっかり見とれていると、様子を見ていたホルツがおもむろに尻尾の付け根を思いっきり握ってきた。
「い゛っ!」
気を抜いていたさなか訪れた痛みに涙目でホルツを睨む。だが、ホルツは素知らぬ顔でにこやかにルシアへ話しかけた。
「きみがここにいるってことはクオルも来てるのかな?」
「はい、ここら辺で待ち合わせしてるのでそろそろ来ると思います」
そういってルシアが振り返れば、黒いノースリーブにカーゴパンツとずいぶんラフな格好をした見覚えのある姿が小さな子供を抱いて近寄ってくる。
「ルシア、もう買い物はいいのか……って、げっ」
ホルツに気づくなり、ホルツによく似た背格好と顔立ちの男――クオルは苦虫を噛みつぶしたかのような表情を浮かべた。
たいしてホルツはクオルに気づくなり、にこにこといっそう微笑んだ。
「やあ、クオル。子供も元気そうでなによりだ」
「白々しいんだよ、てめえは。つーか、管理局の人間がなんで魔人を引き連れてるんだ」
ちらっとメルギスクを見てくる視線は感情がなく、まとう空気はさながら全身に刃物を突きつけられているような錯覚を覚える。
青ざめて黙り込むメルギスクに気遣うようにルシアが口を開いた。
「クオル、メルギスクさんはホルツさんの恋人なんだからそんな態度とったら失礼だよ」
「はぁ、こいつの? あんた、脳みそいじられたのか? それならいい医者紹介してやるぜ」
「クオルっ!」
クオルの言葉に鋭くルシアが名を呼べば、クオルはふんと鼻を鳴らし続けた。
「あんたのために言わせてもらうが、このクソでロクデナシで人を人と思わない根っからの研究クズとは早々に縁を切った方がいいぜ。血縁の俺が保証してやる」
「クオルッ!」
もう一度ルシアが鋭く言うとともに今度はクオルの足を思いっきり踏んだ。
「いって! 踏まなくてもいいだろ」
「クオルが余計なことを言うからだよ」
「事実を言ったまでだ。とにかくメルギスクだっけか? 俺は警告したからな」
さすがのクオルもそれ以上言う気はないのか、子供を抱きかかえ直して背を向けて離れていく。
離れていくクオルを一睨みして、メルギスクとホルツの方へ振り返ったルシアは深々と頭を下げた。
「クオルが失礼なことをたくさん言ってすみません。僕の方でしっかり叱っておきますから」
「えっと、とりあえず顔を上げてください」
困惑しながらルシアに声をかけつつホルツをちらっと見れば、ホルツは鷹揚に頷いた。
「ルシアくんが気にする必要ない。あれはクオルなりの照れ隠しだからね。まったく、まだまだ子供だな」
「……さすがにそれはないと思いますよ」
初対面のメルギスクですら、ろくに会話していなくても全身で拒絶反応を出していたのはわかる。冷静な指摘にホルツは唇の端をつり上げたまま「そんなことはないさ」とやんわり否定してくる。
ようやく顔を上げたルシアは気をとりなおするようにニコッと微笑んだ。
「メルギスクさんはクオルにとっての僕みたいな存在なんですね」
「あの、それは?」
ルシアの例えがいまいちくみ取れず困惑する。だが、ルシアはもう一度微笑んで「それじゃあ、僕は行きますね」と去ってしまった。
「なんだか嵐みたいだったな……」
クオルは確かにホルツとはよく似ていた。けれど、目つきや傷のほか、まとう空気はまるで真逆だ。少なくともクオルから荒々しさがあっても、ホルツの時に感じた不気味さはない。良くも悪くも素直な人間性だ。
そんな風に頭の中を整理しているとどっと疲れが湧いてきた。
「とりあえず俺たちも卵と牛乳を買って帰りましょうか。……ところで、いつまで俺の尻尾掴んでるんですか」
いまだに掴んでいるホルツを上目遣いで睨めば、ホルツは思い出したかのように手を離した。ずっと掴まれていたせいか尻尾の付け根からゆっくり体温が奪われていくのはそわそわして落ち着かない。
そんなメルギスクの内心を見抜いたかのように言ってきた。
「もう一回掴もうか? 今度は優しくするよ」
「結構ですっ。ほら、行きますよ」
くるんと丸まっている尻尾の先に触れてこようとするホルツの手から逃れて、卵と牛乳が置いてある場所へ行けば、菓子を手にレインとサニーが駆け寄ってくる。
四人揃えばメルギスクの日常が戻ってきた気がした。
「兄ちゃん、お菓子売り場見てきていい?」
「そうだなあ、二人で一緒にいること。あと、変な人に声をかけられても絶対について行かないこと。この二つが守れるならいいぞ」
「守るよ! いこう、レイン!」
「待って、サニー。えっと、お兄ちゃんはどこらへんにいるの?」
レインの手を引いて走り出そうとしたサニーを引き留めたレインはメルギスクへ尋ねてくる。
「野菜売り場か卵と牛乳が置いてある場所にいるよ」
「わかった。行こう、サニー」
「うん!」
二人は手をつなぐと、今度こそお菓子売り場へと向かっていった。
ホルツと二人っきりになったメルギスクはカゴを手にとってホルツに告げた。
「それじゃあ、俺たちも行きましょうか」
「ああ、でもその前に」
スッとホルツの手が伸びてきてメルギスクの手にあるカゴをとった。数度瞬きした後、思わずホルツを見上げればいつも通り張り付いた笑みが返ってくる。
「私が持つよ」
「別に持たなくても大丈夫ですよ。たいした重さになりませんし」
「私が持つよ」
一度目よりも圧をのせて繰り返された言葉にメルギスクはそれ以上言うことを諦めた。かわりに眉を下げて軽く微笑んだ。
「じゃあ、お願いします」
「うん」
メルギスクを見下ろすホルツが嬉しそうに見えたのはきっと気のせいだろう。
ずらっと並ぶ野菜から安い野菜を手に取って吟味していると、ホルツがのぞき込んできた。
「なんで安いものばかり手に取るんだい」
「安く済むならそれに越したことはないからですよ」
「ふむ……」
いまいち納得できないのか、ホルツは興味深そうにほかの野菜を眺め始めた。
吟味した末に決めた野菜をカゴにいれて卵と牛乳がある場所まで向かおうとした時、黒髪黒目の中性的な相手がホルツに声をかけてきた。
「ホルツさん、こんにちは。あれ、そちらの方は?」
ホルツの名前を呼ぶ相手を見れば、まとう空気がどことなくホルツに似ている。ゆったりしたキャラメル色のチュニックと白の七部ズボンからのぞく色の抜けた白い肌に加え、吸い込まれるような真っ黒な瞳と髪が妙に印象的だ。
だが、ホルツはなんとも思わないのか、淡々とメルギスクを紹介した。
「彼は私の恋人、メルギスクだよ」
「メルギスクさん、はじめまして。僕はルシアっていいます」
ルシアと名乗った相手がにこっと微笑んでくる。その笑みはさながら天使の微笑みのごとく目映く惚れ惚れするものだった。
顔が熱くなるのを感じながら勢いよく頭を下げた。
「は、はじめまして、俺はメルギスクと申します」
「頭を下げなくてもいいですよ。ほら、顔を上げてください」
「はい。その、すみません」
「メルギスクが謝ることなんて何もないですから。それにしても、ホルツさんの恋人かぁ……」
感慨深そうに呟いたルシアの言葉は、ルシアのまばゆい美貌もあいまって耳に届いていなかった。
天から下りてきたと言われても納得できるルシアの可憐な立ち姿にすっかり見とれていると、様子を見ていたホルツがおもむろに尻尾の付け根を思いっきり握ってきた。
「い゛っ!」
気を抜いていたさなか訪れた痛みに涙目でホルツを睨む。だが、ホルツは素知らぬ顔でにこやかにルシアへ話しかけた。
「きみがここにいるってことはクオルも来てるのかな?」
「はい、ここら辺で待ち合わせしてるのでそろそろ来ると思います」
そういってルシアが振り返れば、黒いノースリーブにカーゴパンツとずいぶんラフな格好をした見覚えのある姿が小さな子供を抱いて近寄ってくる。
「ルシア、もう買い物はいいのか……って、げっ」
ホルツに気づくなり、ホルツによく似た背格好と顔立ちの男――クオルは苦虫を噛みつぶしたかのような表情を浮かべた。
たいしてホルツはクオルに気づくなり、にこにこといっそう微笑んだ。
「やあ、クオル。子供も元気そうでなによりだ」
「白々しいんだよ、てめえは。つーか、管理局の人間がなんで魔人を引き連れてるんだ」
ちらっとメルギスクを見てくる視線は感情がなく、まとう空気はさながら全身に刃物を突きつけられているような錯覚を覚える。
青ざめて黙り込むメルギスクに気遣うようにルシアが口を開いた。
「クオル、メルギスクさんはホルツさんの恋人なんだからそんな態度とったら失礼だよ」
「はぁ、こいつの? あんた、脳みそいじられたのか? それならいい医者紹介してやるぜ」
「クオルっ!」
クオルの言葉に鋭くルシアが名を呼べば、クオルはふんと鼻を鳴らし続けた。
「あんたのために言わせてもらうが、このクソでロクデナシで人を人と思わない根っからの研究クズとは早々に縁を切った方がいいぜ。血縁の俺が保証してやる」
「クオルッ!」
もう一度ルシアが鋭く言うとともに今度はクオルの足を思いっきり踏んだ。
「いって! 踏まなくてもいいだろ」
「クオルが余計なことを言うからだよ」
「事実を言ったまでだ。とにかくメルギスクだっけか? 俺は警告したからな」
さすがのクオルもそれ以上言う気はないのか、子供を抱きかかえ直して背を向けて離れていく。
離れていくクオルを一睨みして、メルギスクとホルツの方へ振り返ったルシアは深々と頭を下げた。
「クオルが失礼なことをたくさん言ってすみません。僕の方でしっかり叱っておきますから」
「えっと、とりあえず顔を上げてください」
困惑しながらルシアに声をかけつつホルツをちらっと見れば、ホルツは鷹揚に頷いた。
「ルシアくんが気にする必要ない。あれはクオルなりの照れ隠しだからね。まったく、まだまだ子供だな」
「……さすがにそれはないと思いますよ」
初対面のメルギスクですら、ろくに会話していなくても全身で拒絶反応を出していたのはわかる。冷静な指摘にホルツは唇の端をつり上げたまま「そんなことはないさ」とやんわり否定してくる。
ようやく顔を上げたルシアは気をとりなおするようにニコッと微笑んだ。
「メルギスクさんはクオルにとっての僕みたいな存在なんですね」
「あの、それは?」
ルシアの例えがいまいちくみ取れず困惑する。だが、ルシアはもう一度微笑んで「それじゃあ、僕は行きますね」と去ってしまった。
「なんだか嵐みたいだったな……」
クオルは確かにホルツとはよく似ていた。けれど、目つきや傷のほか、まとう空気はまるで真逆だ。少なくともクオルから荒々しさがあっても、ホルツの時に感じた不気味さはない。良くも悪くも素直な人間性だ。
そんな風に頭の中を整理しているとどっと疲れが湧いてきた。
「とりあえず俺たちも卵と牛乳を買って帰りましょうか。……ところで、いつまで俺の尻尾掴んでるんですか」
いまだに掴んでいるホルツを上目遣いで睨めば、ホルツは思い出したかのように手を離した。ずっと掴まれていたせいか尻尾の付け根からゆっくり体温が奪われていくのはそわそわして落ち着かない。
そんなメルギスクの内心を見抜いたかのように言ってきた。
「もう一回掴もうか? 今度は優しくするよ」
「結構ですっ。ほら、行きますよ」
くるんと丸まっている尻尾の先に触れてこようとするホルツの手から逃れて、卵と牛乳が置いてある場所へ行けば、菓子を手にレインとサニーが駆け寄ってくる。
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