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理不尽と弟たちと買い出し 前編
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目が覚めてまず入ってきた天井は見覚えのないものだ。
それどころか体を包むほどよいふかふかした広いベッドも部屋を満たす爽やかな匂いもメルギスクにとって覚えのないものだ。
「いい匂いだなあ……」
枕や体にかけられているタオルケットも明らかに自分のにおいではない。だが、不快感はなく、ずっと嗅いでいられる勢いだ。
好みの香りに包まれて幸福感でウトウトしていたが、どこを見ても白い部屋の中、サニーとレインの絵が視界に張った途端、勢いよく飛び起きた。
「ホルツさんはどこだっ?!」
かけられているタオルケットを手に急いでホルツの部屋を飛び出る。
リビングを見渡してソファへよれば、ホルツはそこで寝ていた。腹の上に手を組んで微動だにしない寝姿はまるで棺桶に寝ている亡骸だ。
「ホルツさん?」
不安になって声をかけると、よく見なければわからないほどほんのかすかだが、目蓋がぴくっと震えた。
そっと口元に手をかざしてみるものの、寝ているときですら呼吸音はおろか空気の動きがかろうじてわかるぐらいだ。ホッとしてタオルケットをかけると、ソファの縁に頬杖をついて寝顔を見下ろした。
「寝息を抑えるにしたって限度があるだろ」
以前ホルツは弟を驚かすために音を出さないようにしていたと話していた。だとしても、ここまで音を潜めなければ気づく耳ざといホルツの弟はいったい何者なのか。
「この人もたいがいぶっ飛んでるしな……。もしかして、弟さんは賞金稼ぎとか?」
「そうだよ」
「うわぁあっ!」
独り言に相づちを打たれて思わず尻尾が天井に向けてピン! とまっすぐ伸びた。
ゆっくりと目蓋をあげたホルツは寝起きとは思えないほど爽やかにニコッと微笑んだ。
「おはよう、メル」
「お、はようございます。あの、どこまで聞いてました?」
「きみが私の部屋から出てきたところ」
「最初からか……」
がっくしと肩を落とす傍らホルツが起き上がって軽く肩を回した。
「私も音には聡いからね。私が弟を出し抜ける数少ない特技さ」
「ホルツさんを出し抜くなんて弟さんすごいですね」
ホルツも常識外れだが、それを上回る弟はどんな人間なのか。恐怖と同時に興味も少し湧いてくる。そのような考えが顔に出ていたらしくホルツがふっと笑った。
「まあ、弟は最高グレードの賞金稼ぎだからね。弟に比べたら、私は異能を持ったただの一般市民さ」
「一般市民は魔人相手に攻撃したりしないかと」
はじめて会ったときのことを思いだして、眉を寄せながら尻尾を抱きかかえる。ホルツは目をすがめて続けた。
「心外だな、私は可能な範囲で責任を全うしてるだけさ。世の中そういうものだろう?」
ソファから立ち上がるとホルツは顔を洗いにリビングを出て行った。
少ししてメルギスクの部屋の扉が開き、大きなあくびをしたサニーと目をこすっているレインがやってくる。
「兄ちゃん、おはよー」
「おはよう……」
「おはよう。サニー、レイン。二人も顔を洗ってきな」
ぐらぐらと頭を揺らす二人の傍によると、二人の背中を優しく脱衣所の方へとうながす。そうすれば、二人は重そうに足を引きずりながら向かっていった。
入れ違いに戻ってきたホルツが壁に掛けられている時計へと目を向け、思い出したかのように呟いた。
「九時か。今日は休日だけど、メルはどこかへ行く予定はあるのかい?」
「そうですね、卵と野菜、あとは牛乳がなくなりそうだから買い出しに行きます。ホルツさんはせっかくの休みですし、ゆっくりしてください」
ホルツはただでさえ多忙で、この間腕を失って再生したばかりなのだ。だから、恋人らしい行動として買い物についてくるより体をゆっくり休めてほしかった。
そんな思いで先んじて告げるものの、ホルツは意味がわからないといいたげに首をかしげた。
「どうしてだい?」
「だって毎日働いて疲れているじゃないですか。それに腕を再生したばかりで体に負荷が残ってる可能性だってあります。今は安静すべきかと」
考えを言葉にして伝えれば、ホルツはかしげていた首を戻して腕を組むと顎に手を当てた。
「私は一言も疲れたと言ってないよ。それに端末からいくらでも買えるだろう?」
「それはそうですけど、安く買えるなら手に取って確認して買いたいんですよ」
「ふむ……、なら、私が買い出しについていっても問題ないと思うが?」
淡々とした語り口調とは裏腹に、訴えかけてくる視線はサニーにお留守番を言い渡した時のような雄弁さだ。そうやって考えれば、鋭いまなざしへの恐怖はなく、むしろ――大の大人に感じるのも何だが――かわいささえ覚えた。
メルギスクは頬を緩めると、眉を下げてふっとはにかんだ。
「わかりました。じゃあ、せっかくだしサニーとレインもつれて四人で行きましょう。……一応言っておきますけど、ほんとにただ食材買うだけだから楽しくないですからね」
「かまわないよ。それじゃあ、私は着替えてこよう」
ホルツは滲ませていた圧を引っ込めると、組んでいた手を解いて、自室へ戻っていった。
平日と違って多くの人々が大通りを行き交い、歩道に並ぶショーウィンドーを眺めるものもいる。隣に並ぶホルツと違い、メルギスクの腰あたりまでしかないサニーとレインは見失いかねない。
「サニー、レイン。ほら」
はぐれないようにメルギスクがサニーとレインに手を差し出すものの、サニーはおもむろにホルツを見上げて腕を伸ばした。
「ホルツさん、肩車! 肩車して!」
初日からなついているとは思っていたが、サニーのわがままにメルギスクはぎょっとした。
ホルツに迷惑をかけるわけにもいかない。いさめようと口を開きかけたところで、ホルツが「いいよ」とサニーに返すなり、軽々とサニーを抱き上げて肩車した。
まさかのホルツの対応に頭が混乱しつつも、メルギスクは目尻をつり上げてサニーを見上げた。
「こら、サニー! ホルツさんに迷惑かけちゃだめだろ! 肩車なら俺がしてやるから」
「えー、だって兄ちゃん、ホルツさんより身長低いもん! おれ、高い方がいい!!」
サニーを捕まえようと伸ばしたメルギスクの腕にたいし、サニーはぎゅっとホルツの頭にしがみついて言い返してくる。おもわぬ攻撃で呻きそうになったもののぐっと飲み込んだ。
声が大きかったのか、横を通り過ぎる人々の視線に気づき顔が熱くなる。漏れそうになるため息をぐっと飲み込み、先ほどから静かなレインをちらっと確認する。口にこそださないが、レインもサニーがうらやましいのかチラチラとホルツを見上げていた。
そのことにホルツが気づけば、身をかがめるとレインを片手で軽々と抱き上げた。
「わぁ!」
「どうだい、レイン」
一気に視界が開けたことでレインは目をキラキラと輝かせてあたりを見渡した。
「すごく、高い! 不思議な感じ!」
最初は警戒していたレインもすっかりホルツへ気を許していることに安堵する反面、兄としての立場を奪われた気がしてモヤモヤとする。
そのことが顔に出ていたのか、ホルツがメルギスクの顔をのぞき込んでくると、ゆるっと目を細めた。
「二人が満足したらメルにもしようか?」
「なんでそうなるんです?」
苦虫を噛みつぶした顔をするメルギスクにたいして、ホルツは唇の端を意地悪げにつりあげた。
「おや、違ったのかい」
「違いますよ。俺をいくつだと思ってるんですか」
「資料には二十歳とあったね。ちなみに私は今年で二十六、七あたりだと思う」
「自分の歳はあいまいなんですね」
サラッと教えられた年齢は思ったより年上だった。少々あっけにとられつつも、自身に対して無関心なことを指摘する。
ホルツははしゃぐサニーとレインを支え直しながら、どうでもよさそうに返した。
「私はどのくらい生きたかよりどれくらい研究成果という形で私を残せるか重視してるんだ」
「研究成果、ですか……」
捕まった当初、理不尽な実験の繰り返しだった。メルギスクの心が壊れず、後遺症をもたらさなかったのも、ひとえに弟たちと再会に加え、兄であり保護者である自分がいなくなったら、誰が二人を面倒見るのかという責任感からだ。
通り過ぎる人々のざわめきをぼんやりと聞きながら、メルギスクはためらいがちに口を開いた。
「研究所でされたことを正当化されるのは正直納得いきません。でも、あの実験が誰かを助けるきっかけになるなら……それでいいです」
魔人になってからあまりに理不尽なことばかりが続いた。だが、経緯はどうあれ、今は弟たちと暮らしていられるのだ。もやついた思いを言葉として吐き出したおかげかいくぶん楽になった気がする。
ホルツがメルギスクを一瞥した後、まっすぐ前を向いて「最善を尽くそう」と返した。
それどころか体を包むほどよいふかふかした広いベッドも部屋を満たす爽やかな匂いもメルギスクにとって覚えのないものだ。
「いい匂いだなあ……」
枕や体にかけられているタオルケットも明らかに自分のにおいではない。だが、不快感はなく、ずっと嗅いでいられる勢いだ。
好みの香りに包まれて幸福感でウトウトしていたが、どこを見ても白い部屋の中、サニーとレインの絵が視界に張った途端、勢いよく飛び起きた。
「ホルツさんはどこだっ?!」
かけられているタオルケットを手に急いでホルツの部屋を飛び出る。
リビングを見渡してソファへよれば、ホルツはそこで寝ていた。腹の上に手を組んで微動だにしない寝姿はまるで棺桶に寝ている亡骸だ。
「ホルツさん?」
不安になって声をかけると、よく見なければわからないほどほんのかすかだが、目蓋がぴくっと震えた。
そっと口元に手をかざしてみるものの、寝ているときですら呼吸音はおろか空気の動きがかろうじてわかるぐらいだ。ホッとしてタオルケットをかけると、ソファの縁に頬杖をついて寝顔を見下ろした。
「寝息を抑えるにしたって限度があるだろ」
以前ホルツは弟を驚かすために音を出さないようにしていたと話していた。だとしても、ここまで音を潜めなければ気づく耳ざといホルツの弟はいったい何者なのか。
「この人もたいがいぶっ飛んでるしな……。もしかして、弟さんは賞金稼ぎとか?」
「そうだよ」
「うわぁあっ!」
独り言に相づちを打たれて思わず尻尾が天井に向けてピン! とまっすぐ伸びた。
ゆっくりと目蓋をあげたホルツは寝起きとは思えないほど爽やかにニコッと微笑んだ。
「おはよう、メル」
「お、はようございます。あの、どこまで聞いてました?」
「きみが私の部屋から出てきたところ」
「最初からか……」
がっくしと肩を落とす傍らホルツが起き上がって軽く肩を回した。
「私も音には聡いからね。私が弟を出し抜ける数少ない特技さ」
「ホルツさんを出し抜くなんて弟さんすごいですね」
ホルツも常識外れだが、それを上回る弟はどんな人間なのか。恐怖と同時に興味も少し湧いてくる。そのような考えが顔に出ていたらしくホルツがふっと笑った。
「まあ、弟は最高グレードの賞金稼ぎだからね。弟に比べたら、私は異能を持ったただの一般市民さ」
「一般市民は魔人相手に攻撃したりしないかと」
はじめて会ったときのことを思いだして、眉を寄せながら尻尾を抱きかかえる。ホルツは目をすがめて続けた。
「心外だな、私は可能な範囲で責任を全うしてるだけさ。世の中そういうものだろう?」
ソファから立ち上がるとホルツは顔を洗いにリビングを出て行った。
少ししてメルギスクの部屋の扉が開き、大きなあくびをしたサニーと目をこすっているレインがやってくる。
「兄ちゃん、おはよー」
「おはよう……」
「おはよう。サニー、レイン。二人も顔を洗ってきな」
ぐらぐらと頭を揺らす二人の傍によると、二人の背中を優しく脱衣所の方へとうながす。そうすれば、二人は重そうに足を引きずりながら向かっていった。
入れ違いに戻ってきたホルツが壁に掛けられている時計へと目を向け、思い出したかのように呟いた。
「九時か。今日は休日だけど、メルはどこかへ行く予定はあるのかい?」
「そうですね、卵と野菜、あとは牛乳がなくなりそうだから買い出しに行きます。ホルツさんはせっかくの休みですし、ゆっくりしてください」
ホルツはただでさえ多忙で、この間腕を失って再生したばかりなのだ。だから、恋人らしい行動として買い物についてくるより体をゆっくり休めてほしかった。
そんな思いで先んじて告げるものの、ホルツは意味がわからないといいたげに首をかしげた。
「どうしてだい?」
「だって毎日働いて疲れているじゃないですか。それに腕を再生したばかりで体に負荷が残ってる可能性だってあります。今は安静すべきかと」
考えを言葉にして伝えれば、ホルツはかしげていた首を戻して腕を組むと顎に手を当てた。
「私は一言も疲れたと言ってないよ。それに端末からいくらでも買えるだろう?」
「それはそうですけど、安く買えるなら手に取って確認して買いたいんですよ」
「ふむ……、なら、私が買い出しについていっても問題ないと思うが?」
淡々とした語り口調とは裏腹に、訴えかけてくる視線はサニーにお留守番を言い渡した時のような雄弁さだ。そうやって考えれば、鋭いまなざしへの恐怖はなく、むしろ――大の大人に感じるのも何だが――かわいささえ覚えた。
メルギスクは頬を緩めると、眉を下げてふっとはにかんだ。
「わかりました。じゃあ、せっかくだしサニーとレインもつれて四人で行きましょう。……一応言っておきますけど、ほんとにただ食材買うだけだから楽しくないですからね」
「かまわないよ。それじゃあ、私は着替えてこよう」
ホルツは滲ませていた圧を引っ込めると、組んでいた手を解いて、自室へ戻っていった。
平日と違って多くの人々が大通りを行き交い、歩道に並ぶショーウィンドーを眺めるものもいる。隣に並ぶホルツと違い、メルギスクの腰あたりまでしかないサニーとレインは見失いかねない。
「サニー、レイン。ほら」
はぐれないようにメルギスクがサニーとレインに手を差し出すものの、サニーはおもむろにホルツを見上げて腕を伸ばした。
「ホルツさん、肩車! 肩車して!」
初日からなついているとは思っていたが、サニーのわがままにメルギスクはぎょっとした。
ホルツに迷惑をかけるわけにもいかない。いさめようと口を開きかけたところで、ホルツが「いいよ」とサニーに返すなり、軽々とサニーを抱き上げて肩車した。
まさかのホルツの対応に頭が混乱しつつも、メルギスクは目尻をつり上げてサニーを見上げた。
「こら、サニー! ホルツさんに迷惑かけちゃだめだろ! 肩車なら俺がしてやるから」
「えー、だって兄ちゃん、ホルツさんより身長低いもん! おれ、高い方がいい!!」
サニーを捕まえようと伸ばしたメルギスクの腕にたいし、サニーはぎゅっとホルツの頭にしがみついて言い返してくる。おもわぬ攻撃で呻きそうになったもののぐっと飲み込んだ。
声が大きかったのか、横を通り過ぎる人々の視線に気づき顔が熱くなる。漏れそうになるため息をぐっと飲み込み、先ほどから静かなレインをちらっと確認する。口にこそださないが、レインもサニーがうらやましいのかチラチラとホルツを見上げていた。
そのことにホルツが気づけば、身をかがめるとレインを片手で軽々と抱き上げた。
「わぁ!」
「どうだい、レイン」
一気に視界が開けたことでレインは目をキラキラと輝かせてあたりを見渡した。
「すごく、高い! 不思議な感じ!」
最初は警戒していたレインもすっかりホルツへ気を許していることに安堵する反面、兄としての立場を奪われた気がしてモヤモヤとする。
そのことが顔に出ていたのか、ホルツがメルギスクの顔をのぞき込んでくると、ゆるっと目を細めた。
「二人が満足したらメルにもしようか?」
「なんでそうなるんです?」
苦虫を噛みつぶした顔をするメルギスクにたいして、ホルツは唇の端を意地悪げにつりあげた。
「おや、違ったのかい」
「違いますよ。俺をいくつだと思ってるんですか」
「資料には二十歳とあったね。ちなみに私は今年で二十六、七あたりだと思う」
「自分の歳はあいまいなんですね」
サラッと教えられた年齢は思ったより年上だった。少々あっけにとられつつも、自身に対して無関心なことを指摘する。
ホルツははしゃぐサニーとレインを支え直しながら、どうでもよさそうに返した。
「私はどのくらい生きたかよりどれくらい研究成果という形で私を残せるか重視してるんだ」
「研究成果、ですか……」
捕まった当初、理不尽な実験の繰り返しだった。メルギスクの心が壊れず、後遺症をもたらさなかったのも、ひとえに弟たちと再会に加え、兄であり保護者である自分がいなくなったら、誰が二人を面倒見るのかという責任感からだ。
通り過ぎる人々のざわめきをぼんやりと聞きながら、メルギスクはためらいがちに口を開いた。
「研究所でされたことを正当化されるのは正直納得いきません。でも、あの実験が誰かを助けるきっかけになるなら……それでいいです」
魔人になってからあまりに理不尽なことばかりが続いた。だが、経緯はどうあれ、今は弟たちと暮らしていられるのだ。もやついた思いを言葉として吐き出したおかげかいくぶん楽になった気がする。
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