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名前2*
その後のことはよく覚えていない。何度絶頂を迎えたかわからない。潮を吹きすぎて、ベッドはぐっしょり濡れていたが、気にかける余裕さえなかった。
ただ、最奥にヴィルスが欲しくてしょうがなかった。
「早く、早く……っ」
じっとりと全身は汗ばみ、熱くてしょうがない。止まったはずの涙がもどかしさにまた溢れ、決定的な刺激がもらえない最奥が切ない。
ローターによって刺激され続けた最奥の入り口は何も入ってないのに、雄を求めてずっと震えている。
どのくらい時間が経ったのか。
部屋が薄暗くなり、レースカーテン越しのバルコニーから見える町並みがオレンジ色の光が灯り始めた頃。ガチャリとドアが開く音がした。
室内が薄暗いせいで、ヴィルスの顔は見えないが、かすかに香ったオイルのにおいと汗のにおいでわかった。
待ちに待っていたヴィルスの登場にドキドキとしながら待っていれば、ヴィルスの足音がベッドに近づいてくる。そして、ケイブラムの姿を見ると、わずかに目を細めた。
「すごいことになってるな」
「はやくっ、奥……っ、奥にッ……」
ぐずぐずにとろけきったケイブラムはプライドもかなぐり捨て、腰を高く上げた。そして、自ら双丘を左右に広げて秘部をあらわにする。
ヴィルスはじっとケイブラムの姿を眺めた後、なぜか部屋を出ていった。てっきり犯してもらえると思ったケイブラムはまさかの行動に戸惑う。また涙が溢れてくると、音もなく戻ってきたヴィルスがブーツを脱ぎ捨て、ギシリとベッドにあがってきた。
瓶のコルクを抜いて口に含むなり、ケイブラムを抱き起こして唇を重ねてくる。少し生暖かくなった甘い液体がケイブラムの乾いた体を満たしていった。
「もっと……」
ヴィルスにねだれば、ヴィルスは瓶が半分になるまでケイブラムに口移しをして飲ませた。ようやく満足したケイブラムが一息つけば、ケイブラムを横にした。ヴィルスは手にしている瓶をコルクで封をし、ベッドサイドテーブルに置いた。
じっとりと汗ばんだケイブラムの胸、脇腹、腰に手を滑らせ、汗を含んだ淡い薄緑色の髪に顔をよせた。
「船でやってた時と同じぐらいエロい匂いしてんな」
感慨深そうにヴィルスは呟くと、ケイブラムの匂いを堪能するかのようにゆっくりと深呼吸してくる。そして、秘部から出ている細い線を手にとった。
「これはもういらないだろ」
言葉とともに、勢いよく引っ張られる。その瞬間、ローターが激しく震えながら、柔肉を擦り上げ出ていく感覚に涙を流しながら嬌声を上げる。
「ひっ、ううぅ……っ! あっ、あぁああ――ッ!!」
床に投げ捨てられたローターは透明の液体をまとって転がっていく。
ぐったりと足を開ききって放心しているケイブラムをもう一度見下ろしたヴィルスはつなぎや中に来ていた服を脱ぎ捨て素肌になった。
枕を背もたれ代わりに置き、身を沈めたヴィルスはケイブラムを抱き起こして、背後から太ももを抱える。背中に伝わるヴィルスの鼓動と筋がくっきり浮かぶほど高ぶっている猛りに、ケイブラムの喉が期待で震えた。
「待たせたな。今入れるぞ」
「ん……、はやくっ」
我慢できなくなったケイブラムは自ら双丘を左右に開いた。パクパクと震え、吸収されなかった液体がとろりと糸を引いてヴィルスの先端に落ちる。
ヴィルスはかすかに息を漏らすと、液体を拭うように秘部の周りを先端で擦った。そして、じゅぷりと音を立てて、潜り込んできた。
待ち望んでいた感触に、ケイブラムはポロポロと涙をこぼしながら、恍惚な表情を浮かべた。
「きたぁっ…、あっあっ、きもちいい…っ」
「あんたの中も、トロトロですごく気持ちいいぞ」
絡みついてくる柔肉にヴィルスは深く息をついて、わざとゆっくり最奥へと進む。そうすれば、ケイブラムの爪先がもどかしそうに揺れた。
「はやくぅ、っ…、奥、早くきてぇっ」
「まあ、待て。たまにはゆっくりやるのもいいだろ」
ただでさえ薬で最奥がもどかしくてしょうがない。そこに凶悪なローターによる刺激で限界まで発情させられた最奥は少しでも早くヴィルスを味わおうと、大きく口を広げているのがわかる。
舌を出して喘ぐケイブラムのこめかみにヴィルスは唇を当てた。そのまま、汗ばんでいる小麦色のうなじに顔を擦り寄せ、珠の汗を吸う。
「んぅ、…ぁ、っふ……」
もう一度軽く吸った後、今度は首筋を舐めてきた。
「ぁ、んくぅっ…、はやく、奥……っ、いっぱいついてぇ」
もじもじと腰を振り、きゅうきゅうと締め付けるが、ヴィルスはゆっくりと下ろしていく。
「そういえば、ホップから聞いたぞ。あんた、俺がいるのにホップを誘惑したんだって? まあ、あいつのをしゃぶらなかったから今回は大目に見てやるが……」
半分ほど入ったところで、ヴィルスはケイブラムをベッドに下ろし、太ももから手を離した。
「けど、気に入らないのも事実だ。だから、俺がいれてやるのはここまで。代わりにこうしてやる」
するりと、ヴィルスの手が下腹部にまわれば、指先が下腹部をリズミカルに優しく叩いてくる。そうすれば、最奥に振動が伝わり、ケイブラムは小麦色の喉をのけぞらして、中心から勢いよく潮を吹いた。
「ああっ! きもちいぃぃ…っ、もっと、もっとぉ――っ」
「してやってもいいが、早く奥で俺を味わいたいんだろ? だったら、腰を動かせ」
ヴィルスはケイブラムの耳の形を教えるようにねっとりと舌を這わせて囁いた。ケイブラムは快楽で涙を流しながら、言われたとおり、ヴィルスに腰を押しつける。そうすれば、ヴィルスの高ぶりが奥まで入ってくる。
「んぅっ……」
あと一息で最奥でヴィルスを味わえると思うと、興奮で口の中が唾液で溢れかえる。ふーふーと息を荒くしながら、最奥の入り口にヴィルスの先端を当てる。
最後の一手を押し込もうとしたその瞬間、下腹部を外から刺激していたヴィルスの手の動きが止まり、ケイブラムの腰を掴んで一気に引き寄せた。
「~~~~ッ! …っは、ぁ……っ、ぁ…、ぅう…っ ん、ふ、ぅう――ッ!」
不意打ちの強烈な刺激にガクガクと体が震え、うずくまってしまう。だが、のしかかるようにヴィルスが覆いかぶさり、激しく腰を打ちつけた。
「しんらぅうっ…! もうッ、むりっ…、ァ、あああっ! イくっ、イッちゃぅうっ! あっ、イッ…――ッ!」
ぎゅうと爪先を丸め、シーツに額を押し付ける。
待っていた刺激にとろけた柔肉がヴィルスの高ぶりをこれでもかと包み込む。ヴィルスはかすかに声を漏らすと、ケイブラムの下腹部に腕を回して抱きしめる。そして、肩に思いっきり噛みついてきた。
「ひッ、ぅ……ッ」
犬歯が肌に食い込み、鋭い痛みに涙が滲む。ヴィルスの汗ばんだ髪が首筋をくすぐり、興奮を隠しきれない熱い息づかいが肩にかかる。
痛みによる恐怖で怖くてしょうがないはずなのに、中心からは勢いを失った潮が流れてシーツを濡らし、柔肉はきゅうきゅうとヴィルスの高ぶりを締めつけてしまう。
そうすれば、ヴィルスの腰使いは乱暴になり、溢れ出る雫をケイブラムの中にあますことなく塗りつける。
「あっ、あひっ…、んぅっ、壊れるッ…、壊れちゃぅう――っ!」
暴れまわるヴィルスをあやすようにぎゅうっと一段と締め付ければ、ヴィルスの歯がさらに肩に食い込む。そして、ぶるりと大きく体を震わした。
勢いよく叩きつけられる熱さに、犯されながら食われているような錯覚を覚える。
ヴィルスは肩から口を外し、大きく息をつく。出したにもかかわらず、目に宿る欲情は落ち着くどころかより激しくなっていた。
本能的に逃げようと腰を引いたケイブラムを、ヴィルスは逃さないと言わんばかりに覆いかぶさる。先端から雫が垂れ落ちるほどの猛りを取り戻した高ぶりを早急に押し込むなり、再び最奥を蹂躙し始めた。
「まっへ…ッ、奥っ、奥っ、ほんとにだめになるからぁ…っ! お、お願いだからっ…、まっへぇ…っ」
「悪い、今日はあんたのいう事聞いてやれない…っ。その代わり、キスしながらたくさんイかせてやるからなッ」
荒れた息づかいでヴィルスは返すと、ケイブラムの顎を取って唇を重ねてくる。
一方的な快楽から抗いたいのに、抗わなければならないのに、ヴィルスから与えられる刺激をもっとほしいとねだってしまう。
ようやくケイブラムがヴィルスから解放された時は、ヴィルスが吐き出した熱とお互いの汗や涎が混じり合って全身ベトベトだった。
喘ぎ声すらあげられず、うつ伏せになった姿でピクピクと痙攣しているケイブラムに、ヴィルスはうなじに張り付く淡い薄緑色の髪をかき分け、何度も口づけた。
「今日のあんたは一段と最高だった。今度の週末から、今日みたいな姿で待っててくれよ」
「ふっ、ふざけるのもっ、たいがいにしろっ」
無理やり息を整えたケイブラムはのしかかってきたヴィルスを肘付きで押し返すが、力が入ってないせいかヴィルスを押し返すことは出来なかった。
そんなケイブラムの反応に、ヴィルスはちゅっと唇に触れるだけのキスを何度もしてくる。はじめて犯した時にキスをしてケイブラムが喜んだからなのか、キスをすれば許可してもらえると思っているのだろう。だが、ケイブラムは絶対に許してやるつもりは毛頭ない。
睨んでいるケイブラムに怯えることもなく、ヴィルスは告げた。
「親父から聞いた。あんた俺より年上なんだろ。なら、年下のお願いは叶えるもんじゃないのか」
「お前みたいな可愛げない年下の願いなどお断りだ」
きっぱりと言い返すと、ヴィルスはおもむろにケイブラムの腰を掴んだ。
「じゃあ、いいっていうまで、もう一回やるか」
「そうやって力で押さえ込めば何でも思い通りになると思ってるところが、可愛げないといってるんだ!!」
ぐぷぷと先端が沈みかけ、喘ぎそうになるのを必死に堪える。ヴィルスは凛々しい眉を思いっきり寄せると、入れかけた高ぶりを引き抜いた。
「なら、どうすればいいって言ってくれるんだよ」
「そのぐらい頭を使って自分で考えろ」
ふいっとそっぽをむいて言い切る。
まだ出会って三日と言えど、ケイブラムは疑いのないぐらいヴィルスが大嫌いだった。
何度も快楽に流されてしまったケイブラムにも非はあるが、対話での相互理解を早々に放棄し、顔を合わせてはセックスしかしていない。その上、騙されて結婚させられ、夫だからといって同じ男であるケイブラムを女扱いするのが余計に気に入らない。
おまけに今日は肩を噛んできたのだ。血は止まったようだが、噛まれた痕はジクジクと痛み、熱を孕んでいた。
だが、いつまでも返答が返ってこないことに、さすがにいいすぎたかと肩越しに振り返れば、ヴィルスは顎に手を当てなにやら考えているようだ。
そして、ケイブラムと目が合うと「わかった」と呟いた。
「ようするに、あんたはもっとかまってほしいということか。案外、寂しがり屋なんだな」
「ち、違う! 私はただ顔を合わせてはセックスしかしないことにだなっ!」
「照れることないだろ。ほら、こっちこい」
ヴィルスはケイブラムの横に寝転がると、ぐいっとケイブラムを腕の中に抱き寄せた。ぴったりと密着しているせいか、ヴィルスの逞しい腕に頭が乗り上がってしまった。
いたわるように体を愛撫され、しつこいぐらいにキスの雨が顔に降ってくる。視線を感じて、慌ててヴィルスの逞しい胸に顔を押し付けて隠す。耳に伝わる落ち着いた心音に余計に顔が熱くなっていくのを感じる。
下心丸出しの言動といえど、無理やり体を開かれ、中に出されて放置されるよりはずっと心地よかった。
「なあ、提案があるんだけど」
「なんだ」
「俺にはヴィルスって名前がある」
「知っているが」
なにを今更と思いながら、顔を上げる。ヴィルスはケイブラムの腰をなで、そのまま下腹部へと滑らし、指先で優しく擦ってくる。それだけで、感じてしまうケイブラムは熱のこもった息を吐いた。
「で、あんたにはケイブラムって名前がある」
「……なにがいいたい」
いまいちヴィルスの意図が読めず、眉を寄せ、瞬きする。
ヴィルスはじっとケイブラムを見た後、耳元に顔を寄せて、かすれた声で囁いた。
「あんたのこと、ケイブラムって呼ぶよう気をつけるから。あんたも俺の名前……ヴィルスって呼んでほしい」
はじめて名前を呼ばれたとわかった途端、最奥が甘く疼く。同時に、たかが名前を呼ばれただけで、感じてしまったことが悔しくてヴィルスの胸に顔を押しつけて隠した。
だが、ヴィルスはケイブラムがヴィルスの名前を呼ぶまでやめる気ないのか、何度も耳元でケイブラムを呼んだ。
「名前呼ばれて感じたのか? ケイブラムのここ、すごく震えてるのがわかる」
指先で下腹部を軽く押されれば、鼻にかかった声が漏れて出てしまう。気持ちよくて目尻が垂れ下がり、視界が勝手に潤む。
はふはふと切なげに呼吸をするケイブラムの姿に、ヴィルスの口元にわずかに笑みが浮かぶ。
「ケイブラム」
「し、しつこいッ。名前を呼ぶなっ」
べしりと顔を叩くが、ヴィルスはその手を取り、指を絡めてくる。
「じゃあ、俺の名前呼べよ。呼ぶまでやめない」
そのまま恋人のように手を握られ、もう片手で下腹部をこすられる。それだけでもじゅうぶん絶頂しそうなのに、耳元で名前を囁かれるとケイブラムの胸は痛いぐらい高鳴り、最奥がいよいよ雄を欲して一段と切なくなる。
これ以上名前を呼ばれたら、快楽に堕ちてないのにヴィルスを求めてしまう。それだけは嫌だった。
ケイブラムは唇をかすかに噛んだ後、絞り出すように呟いた。
「ヴィ、ヴィルス……」
蚊の鳴くような声だが、呼んだことには変わりはない。ちらりとヴィルスを見上げれば、ヴィルスの空色の瞳が大きく見開かれていた。そして、絡めている手に痛いほど力がこもった。
犯すと言わんばかりにギラつく瞳にひっと声が漏れる。
「今のかなりきた」
「そ、そうか」
「キスしたい」
「キ、キスだけなら……」
ヴィルスの勢いに怯えながらも、名前をたくさん呼ばれ、たっぷり愛撫されたせいかキスだけならしていいと思えた。
そろりと目を閉じれば、下腹部を撫でていたヴィルスの熱い手が頬に触れて唇が重なる。舌が触れ合う度に、鼻にかかった甘ったるい声が勝手に漏れる。
心地よい口づけに夢中になっていたせいか、無意識のうちに下腹部をヴィルスの高ぶりに押しつけていた。
「はふ…、んぅ……」
ぺちゃりと音を立てて唇が離れれば、ヴィルスがケイブラムを押し倒した。
「くそっ……、今のはあんたが悪い。今すぐあんたの……ケイブラムの中に入りたい。ケイブラムだって、入れてほしいって顔に書いてあるし、いれていいだろ? いいよな? 今、たっぷりイかしてやるから」
かすれた声でヴィルスが早口気味に告げれば、片手は指を絡めたままケイブラムの片足を持ち上げる。そして、ケイブラムが答えるよりも早く、一気に押し込んできた。
「~~~~ッ、うそつきぃ…ッ、き、きすっ、だけ…って、いったのにぃッ」
「そういうわりには、奥がいやらしくしゃぶりついてきてるぞ。本当は入れられるの期待してたんだろ? ケイブラムはいやらしい雌鳥だもんな」
ヴィルスは嬉しそうに優しくなじると、指を絡める手に力を込めた。そのまま、これでもかと乱暴な腰使いでケイブラムの最奥を蹂躙してくる。
はじめて抱かれた時以上に乱暴な動きだが、ケイブラムの最奥は待っていた雄の刺激に喜び、いやらしく締めつけた。なにより名前を呼ばれながら、手を握って向き合う抱き方に今までになく高揚する。
結局、その日もケイブラムが意識を失うまでヴィルスの行為は止まらなかった。
ただ、最奥にヴィルスが欲しくてしょうがなかった。
「早く、早く……っ」
じっとりと全身は汗ばみ、熱くてしょうがない。止まったはずの涙がもどかしさにまた溢れ、決定的な刺激がもらえない最奥が切ない。
ローターによって刺激され続けた最奥の入り口は何も入ってないのに、雄を求めてずっと震えている。
どのくらい時間が経ったのか。
部屋が薄暗くなり、レースカーテン越しのバルコニーから見える町並みがオレンジ色の光が灯り始めた頃。ガチャリとドアが開く音がした。
室内が薄暗いせいで、ヴィルスの顔は見えないが、かすかに香ったオイルのにおいと汗のにおいでわかった。
待ちに待っていたヴィルスの登場にドキドキとしながら待っていれば、ヴィルスの足音がベッドに近づいてくる。そして、ケイブラムの姿を見ると、わずかに目を細めた。
「すごいことになってるな」
「はやくっ、奥……っ、奥にッ……」
ぐずぐずにとろけきったケイブラムはプライドもかなぐり捨て、腰を高く上げた。そして、自ら双丘を左右に広げて秘部をあらわにする。
ヴィルスはじっとケイブラムの姿を眺めた後、なぜか部屋を出ていった。てっきり犯してもらえると思ったケイブラムはまさかの行動に戸惑う。また涙が溢れてくると、音もなく戻ってきたヴィルスがブーツを脱ぎ捨て、ギシリとベッドにあがってきた。
瓶のコルクを抜いて口に含むなり、ケイブラムを抱き起こして唇を重ねてくる。少し生暖かくなった甘い液体がケイブラムの乾いた体を満たしていった。
「もっと……」
ヴィルスにねだれば、ヴィルスは瓶が半分になるまでケイブラムに口移しをして飲ませた。ようやく満足したケイブラムが一息つけば、ケイブラムを横にした。ヴィルスは手にしている瓶をコルクで封をし、ベッドサイドテーブルに置いた。
じっとりと汗ばんだケイブラムの胸、脇腹、腰に手を滑らせ、汗を含んだ淡い薄緑色の髪に顔をよせた。
「船でやってた時と同じぐらいエロい匂いしてんな」
感慨深そうにヴィルスは呟くと、ケイブラムの匂いを堪能するかのようにゆっくりと深呼吸してくる。そして、秘部から出ている細い線を手にとった。
「これはもういらないだろ」
言葉とともに、勢いよく引っ張られる。その瞬間、ローターが激しく震えながら、柔肉を擦り上げ出ていく感覚に涙を流しながら嬌声を上げる。
「ひっ、ううぅ……っ! あっ、あぁああ――ッ!!」
床に投げ捨てられたローターは透明の液体をまとって転がっていく。
ぐったりと足を開ききって放心しているケイブラムをもう一度見下ろしたヴィルスはつなぎや中に来ていた服を脱ぎ捨て素肌になった。
枕を背もたれ代わりに置き、身を沈めたヴィルスはケイブラムを抱き起こして、背後から太ももを抱える。背中に伝わるヴィルスの鼓動と筋がくっきり浮かぶほど高ぶっている猛りに、ケイブラムの喉が期待で震えた。
「待たせたな。今入れるぞ」
「ん……、はやくっ」
我慢できなくなったケイブラムは自ら双丘を左右に開いた。パクパクと震え、吸収されなかった液体がとろりと糸を引いてヴィルスの先端に落ちる。
ヴィルスはかすかに息を漏らすと、液体を拭うように秘部の周りを先端で擦った。そして、じゅぷりと音を立てて、潜り込んできた。
待ち望んでいた感触に、ケイブラムはポロポロと涙をこぼしながら、恍惚な表情を浮かべた。
「きたぁっ…、あっあっ、きもちいい…っ」
「あんたの中も、トロトロですごく気持ちいいぞ」
絡みついてくる柔肉にヴィルスは深く息をついて、わざとゆっくり最奥へと進む。そうすれば、ケイブラムの爪先がもどかしそうに揺れた。
「はやくぅ、っ…、奥、早くきてぇっ」
「まあ、待て。たまにはゆっくりやるのもいいだろ」
ただでさえ薬で最奥がもどかしくてしょうがない。そこに凶悪なローターによる刺激で限界まで発情させられた最奥は少しでも早くヴィルスを味わおうと、大きく口を広げているのがわかる。
舌を出して喘ぐケイブラムのこめかみにヴィルスは唇を当てた。そのまま、汗ばんでいる小麦色のうなじに顔を擦り寄せ、珠の汗を吸う。
「んぅ、…ぁ、っふ……」
もう一度軽く吸った後、今度は首筋を舐めてきた。
「ぁ、んくぅっ…、はやく、奥……っ、いっぱいついてぇ」
もじもじと腰を振り、きゅうきゅうと締め付けるが、ヴィルスはゆっくりと下ろしていく。
「そういえば、ホップから聞いたぞ。あんた、俺がいるのにホップを誘惑したんだって? まあ、あいつのをしゃぶらなかったから今回は大目に見てやるが……」
半分ほど入ったところで、ヴィルスはケイブラムをベッドに下ろし、太ももから手を離した。
「けど、気に入らないのも事実だ。だから、俺がいれてやるのはここまで。代わりにこうしてやる」
するりと、ヴィルスの手が下腹部にまわれば、指先が下腹部をリズミカルに優しく叩いてくる。そうすれば、最奥に振動が伝わり、ケイブラムは小麦色の喉をのけぞらして、中心から勢いよく潮を吹いた。
「ああっ! きもちいぃぃ…っ、もっと、もっとぉ――っ」
「してやってもいいが、早く奥で俺を味わいたいんだろ? だったら、腰を動かせ」
ヴィルスはケイブラムの耳の形を教えるようにねっとりと舌を這わせて囁いた。ケイブラムは快楽で涙を流しながら、言われたとおり、ヴィルスに腰を押しつける。そうすれば、ヴィルスの高ぶりが奥まで入ってくる。
「んぅっ……」
あと一息で最奥でヴィルスを味わえると思うと、興奮で口の中が唾液で溢れかえる。ふーふーと息を荒くしながら、最奥の入り口にヴィルスの先端を当てる。
最後の一手を押し込もうとしたその瞬間、下腹部を外から刺激していたヴィルスの手の動きが止まり、ケイブラムの腰を掴んで一気に引き寄せた。
「~~~~ッ! …っは、ぁ……っ、ぁ…、ぅう…っ ん、ふ、ぅう――ッ!」
不意打ちの強烈な刺激にガクガクと体が震え、うずくまってしまう。だが、のしかかるようにヴィルスが覆いかぶさり、激しく腰を打ちつけた。
「しんらぅうっ…! もうッ、むりっ…、ァ、あああっ! イくっ、イッちゃぅうっ! あっ、イッ…――ッ!」
ぎゅうと爪先を丸め、シーツに額を押し付ける。
待っていた刺激にとろけた柔肉がヴィルスの高ぶりをこれでもかと包み込む。ヴィルスはかすかに声を漏らすと、ケイブラムの下腹部に腕を回して抱きしめる。そして、肩に思いっきり噛みついてきた。
「ひッ、ぅ……ッ」
犬歯が肌に食い込み、鋭い痛みに涙が滲む。ヴィルスの汗ばんだ髪が首筋をくすぐり、興奮を隠しきれない熱い息づかいが肩にかかる。
痛みによる恐怖で怖くてしょうがないはずなのに、中心からは勢いを失った潮が流れてシーツを濡らし、柔肉はきゅうきゅうとヴィルスの高ぶりを締めつけてしまう。
そうすれば、ヴィルスの腰使いは乱暴になり、溢れ出る雫をケイブラムの中にあますことなく塗りつける。
「あっ、あひっ…、んぅっ、壊れるッ…、壊れちゃぅう――っ!」
暴れまわるヴィルスをあやすようにぎゅうっと一段と締め付ければ、ヴィルスの歯がさらに肩に食い込む。そして、ぶるりと大きく体を震わした。
勢いよく叩きつけられる熱さに、犯されながら食われているような錯覚を覚える。
ヴィルスは肩から口を外し、大きく息をつく。出したにもかかわらず、目に宿る欲情は落ち着くどころかより激しくなっていた。
本能的に逃げようと腰を引いたケイブラムを、ヴィルスは逃さないと言わんばかりに覆いかぶさる。先端から雫が垂れ落ちるほどの猛りを取り戻した高ぶりを早急に押し込むなり、再び最奥を蹂躙し始めた。
「まっへ…ッ、奥っ、奥っ、ほんとにだめになるからぁ…っ! お、お願いだからっ…、まっへぇ…っ」
「悪い、今日はあんたのいう事聞いてやれない…っ。その代わり、キスしながらたくさんイかせてやるからなッ」
荒れた息づかいでヴィルスは返すと、ケイブラムの顎を取って唇を重ねてくる。
一方的な快楽から抗いたいのに、抗わなければならないのに、ヴィルスから与えられる刺激をもっとほしいとねだってしまう。
ようやくケイブラムがヴィルスから解放された時は、ヴィルスが吐き出した熱とお互いの汗や涎が混じり合って全身ベトベトだった。
喘ぎ声すらあげられず、うつ伏せになった姿でピクピクと痙攣しているケイブラムに、ヴィルスはうなじに張り付く淡い薄緑色の髪をかき分け、何度も口づけた。
「今日のあんたは一段と最高だった。今度の週末から、今日みたいな姿で待っててくれよ」
「ふっ、ふざけるのもっ、たいがいにしろっ」
無理やり息を整えたケイブラムはのしかかってきたヴィルスを肘付きで押し返すが、力が入ってないせいかヴィルスを押し返すことは出来なかった。
そんなケイブラムの反応に、ヴィルスはちゅっと唇に触れるだけのキスを何度もしてくる。はじめて犯した時にキスをしてケイブラムが喜んだからなのか、キスをすれば許可してもらえると思っているのだろう。だが、ケイブラムは絶対に許してやるつもりは毛頭ない。
睨んでいるケイブラムに怯えることもなく、ヴィルスは告げた。
「親父から聞いた。あんた俺より年上なんだろ。なら、年下のお願いは叶えるもんじゃないのか」
「お前みたいな可愛げない年下の願いなどお断りだ」
きっぱりと言い返すと、ヴィルスはおもむろにケイブラムの腰を掴んだ。
「じゃあ、いいっていうまで、もう一回やるか」
「そうやって力で押さえ込めば何でも思い通りになると思ってるところが、可愛げないといってるんだ!!」
ぐぷぷと先端が沈みかけ、喘ぎそうになるのを必死に堪える。ヴィルスは凛々しい眉を思いっきり寄せると、入れかけた高ぶりを引き抜いた。
「なら、どうすればいいって言ってくれるんだよ」
「そのぐらい頭を使って自分で考えろ」
ふいっとそっぽをむいて言い切る。
まだ出会って三日と言えど、ケイブラムは疑いのないぐらいヴィルスが大嫌いだった。
何度も快楽に流されてしまったケイブラムにも非はあるが、対話での相互理解を早々に放棄し、顔を合わせてはセックスしかしていない。その上、騙されて結婚させられ、夫だからといって同じ男であるケイブラムを女扱いするのが余計に気に入らない。
おまけに今日は肩を噛んできたのだ。血は止まったようだが、噛まれた痕はジクジクと痛み、熱を孕んでいた。
だが、いつまでも返答が返ってこないことに、さすがにいいすぎたかと肩越しに振り返れば、ヴィルスは顎に手を当てなにやら考えているようだ。
そして、ケイブラムと目が合うと「わかった」と呟いた。
「ようするに、あんたはもっとかまってほしいということか。案外、寂しがり屋なんだな」
「ち、違う! 私はただ顔を合わせてはセックスしかしないことにだなっ!」
「照れることないだろ。ほら、こっちこい」
ヴィルスはケイブラムの横に寝転がると、ぐいっとケイブラムを腕の中に抱き寄せた。ぴったりと密着しているせいか、ヴィルスの逞しい腕に頭が乗り上がってしまった。
いたわるように体を愛撫され、しつこいぐらいにキスの雨が顔に降ってくる。視線を感じて、慌ててヴィルスの逞しい胸に顔を押し付けて隠す。耳に伝わる落ち着いた心音に余計に顔が熱くなっていくのを感じる。
下心丸出しの言動といえど、無理やり体を開かれ、中に出されて放置されるよりはずっと心地よかった。
「なあ、提案があるんだけど」
「なんだ」
「俺にはヴィルスって名前がある」
「知っているが」
なにを今更と思いながら、顔を上げる。ヴィルスはケイブラムの腰をなで、そのまま下腹部へと滑らし、指先で優しく擦ってくる。それだけで、感じてしまうケイブラムは熱のこもった息を吐いた。
「で、あんたにはケイブラムって名前がある」
「……なにがいいたい」
いまいちヴィルスの意図が読めず、眉を寄せ、瞬きする。
ヴィルスはじっとケイブラムを見た後、耳元に顔を寄せて、かすれた声で囁いた。
「あんたのこと、ケイブラムって呼ぶよう気をつけるから。あんたも俺の名前……ヴィルスって呼んでほしい」
はじめて名前を呼ばれたとわかった途端、最奥が甘く疼く。同時に、たかが名前を呼ばれただけで、感じてしまったことが悔しくてヴィルスの胸に顔を押しつけて隠した。
だが、ヴィルスはケイブラムがヴィルスの名前を呼ぶまでやめる気ないのか、何度も耳元でケイブラムを呼んだ。
「名前呼ばれて感じたのか? ケイブラムのここ、すごく震えてるのがわかる」
指先で下腹部を軽く押されれば、鼻にかかった声が漏れて出てしまう。気持ちよくて目尻が垂れ下がり、視界が勝手に潤む。
はふはふと切なげに呼吸をするケイブラムの姿に、ヴィルスの口元にわずかに笑みが浮かぶ。
「ケイブラム」
「し、しつこいッ。名前を呼ぶなっ」
べしりと顔を叩くが、ヴィルスはその手を取り、指を絡めてくる。
「じゃあ、俺の名前呼べよ。呼ぶまでやめない」
そのまま恋人のように手を握られ、もう片手で下腹部をこすられる。それだけでもじゅうぶん絶頂しそうなのに、耳元で名前を囁かれるとケイブラムの胸は痛いぐらい高鳴り、最奥がいよいよ雄を欲して一段と切なくなる。
これ以上名前を呼ばれたら、快楽に堕ちてないのにヴィルスを求めてしまう。それだけは嫌だった。
ケイブラムは唇をかすかに噛んだ後、絞り出すように呟いた。
「ヴィ、ヴィルス……」
蚊の鳴くような声だが、呼んだことには変わりはない。ちらりとヴィルスを見上げれば、ヴィルスの空色の瞳が大きく見開かれていた。そして、絡めている手に痛いほど力がこもった。
犯すと言わんばかりにギラつく瞳にひっと声が漏れる。
「今のかなりきた」
「そ、そうか」
「キスしたい」
「キ、キスだけなら……」
ヴィルスの勢いに怯えながらも、名前をたくさん呼ばれ、たっぷり愛撫されたせいかキスだけならしていいと思えた。
そろりと目を閉じれば、下腹部を撫でていたヴィルスの熱い手が頬に触れて唇が重なる。舌が触れ合う度に、鼻にかかった甘ったるい声が勝手に漏れる。
心地よい口づけに夢中になっていたせいか、無意識のうちに下腹部をヴィルスの高ぶりに押しつけていた。
「はふ…、んぅ……」
ぺちゃりと音を立てて唇が離れれば、ヴィルスがケイブラムを押し倒した。
「くそっ……、今のはあんたが悪い。今すぐあんたの……ケイブラムの中に入りたい。ケイブラムだって、入れてほしいって顔に書いてあるし、いれていいだろ? いいよな? 今、たっぷりイかしてやるから」
かすれた声でヴィルスが早口気味に告げれば、片手は指を絡めたままケイブラムの片足を持ち上げる。そして、ケイブラムが答えるよりも早く、一気に押し込んできた。
「~~~~ッ、うそつきぃ…ッ、き、きすっ、だけ…って、いったのにぃッ」
「そういうわりには、奥がいやらしくしゃぶりついてきてるぞ。本当は入れられるの期待してたんだろ? ケイブラムはいやらしい雌鳥だもんな」
ヴィルスは嬉しそうに優しくなじると、指を絡める手に力を込めた。そのまま、これでもかと乱暴な腰使いでケイブラムの最奥を蹂躙してくる。
はじめて抱かれた時以上に乱暴な動きだが、ケイブラムの最奥は待っていた雄の刺激に喜び、いやらしく締めつけた。なにより名前を呼ばれながら、手を握って向き合う抱き方に今までになく高揚する。
結局、その日もケイブラムが意識を失うまでヴィルスの行為は止まらなかった。
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