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意地4
建物から出た頃には、空は赤く染まっており、夕陽が街を照らしていた。
「パン屋に寄るのは今回無理だな。次、でかけた時に行くか」
「それよりおろせ!」
通り過ぎる住民たちが微笑ましそうに見てくるのが鬱陶しい。ただでさえ、人だかりから一つ頭が突きでるほど、ヴィルスは高身長なのだ。当然、ケイブラムはいやでも目立つはめになる。
抱えられて歩いている時点で、感のいいものは察するだろう。言葉よりも雄弁なそれが恥ずかしくてしょうがない。
ケイブラムの部屋でもあるヴィルスの部屋につけば、ベッドの上に降ろされ、つなぎを脱がされた。
「だから、お前は!」
「すごい吸い付いてるな」
秘部からわずかに顔を出してるコルクを指先で揺すられ、ケイブラムの体が小さく震えた。
「今抜いてやるからな」
「あっ、まて……ッ、やるなら風呂場でっ」
ケイブラムの言い分も聞かず、ヴィルスの指が秘部の中に潜り込んだ。
ヴィルスは熱い息づかいでコルクを指先で捉えると、ちゅぽんと抜いた。途端に、中に出された白濁の液が漏れ出て、シーツを濡らした。
「ああぁ…っ、この、馬鹿……っ」
「シーツならあとでいくらでも変えればいいだろ。それにしても、ほんとエロいな」
嬉しそうにヴィルスは呟く。顔を赤くし、涙目になっているケイブラムの目尻に唇を押しあてた。
「あんたがエロいせいで、またやりたくなってきた。いいよな」
「よくないっ! それより、お前に話すことがあるから姿勢を正せ!!」
興奮した息づかいでのしかかってきたヴィルスを押し返して怒鳴れば、ヴィルスはわずかに目を細めて離れた。
ケイブラムは掛け布団をひきよせて体を包むと、向かい合うようにヴィルスの方を向いた。
「いいか、今のお前がいくら抱いても、私は孕まない」
「それがどうした」
興味なさそうに返すヴィルスに対し、ケイブラムのこめかみにピキピキと青筋が浮かぶ。
「お前、私が大事な話を始めようとしている自覚はあるか」
「愛し子である俺が散々抱いてるのに、なぜか孕まないカラクリを話してくれるんだろ」
さらりと返してきたヴィルスに言葉が詰まる。
それを理解しておきながら、どうしてヴィルスはどうでもいいいと言わんばかりの態度なのか。はじめて会った時から帝都につくまで、ヴィルスはケイブラムのことをヴィルスの子を孕むだけのもののように扱っていたはずだ。
そういえば、帝都についてからセックスをしたり雌鳥呼びはするが、孕めと言わなくなった気がする。
一体なんの心境の変化があったのかと思いつつ、気持ちを切り替えるためにわざと空咳をする。
「そうだ、本当は会ったその日に話す予定だったが、どっかの誰かさんが聞く耳をもたなかったからな」
「ひどいやつもいたもんだな」
「お前のことだぞ」
白々しい返答にケイブラムは半目になって睨む。
「いいか、私を孕ませたいなら契りを結べ」
「契り? 具体的には?」
「お互いの血を体内に取り込む。そうすることで私の体に流れる血がお前の血に反応し、体内の一部が孕むために変化する」
「それ以外にはないのか。俺としては、もっと気持ちのいい方法でできるならそっちの方法でやりたい」
すうっとヴィルスの瞳が掛け布団からのぞくケイブラムの小麦色の肌に視線を向ける。
あるといえばある。むしろ、血の契りよりも効果的な方法だ。けれど、その行為をケイブラムは絶対にしたくなかった。
黙ったケイブラムにヴィルスは肉厚で色っぽい唇に笑みを浮かべた。
「その沈黙はあるってことだな」
口にするのが恥ずかしくてしょうがない。唇が震え、顔に熱が集まってくる。
「お互いの精液を飲むこと、だ。お前は少なくても構わないが、私はたくさん飲む必要がある」
「そうはいっても、あんた、潮吹くばっかりで射精できなくなってるだろ」
「な…っ! ちがっ、たまたま調子が悪いだけだ!!」
指摘されて気づいてしまった。慌てて言い繕うもの、体は男であることを放棄しようとしていることに冷や汗が滲み出る。
「じゃあ、潮は飲んでもいいんだよな? 精液じゃないから問題ないよな?」
真剣な顔でジリジリとにじり寄ってきたヴィルスに、ケイブラムは眉をよせて首を振った。
「たぶん、だめだと思う」
「は? それじゃあ、相互フェラできないだろ」
「する必要ないだろ」
なにを考えているんだとため息をつく。だが、ヴィルスは頭をガシガシ掻いて「よくない」と断言した。
「俺の精液を飲んだらあんたは絶対潮を吹く。その潮を飲んであんたをイきよがらせる予定が狂った」
「おい、おい」
なにげなく漏らしたおぞましい予定にケイブラムは今までになく引いた。
「まあ、契りを交わした後、ゴムつければ問題ないか……。でも、やっぱり生のほうが絶対気持ちいいしな……」
唇に手を押し当て、うつむいてブツブツと呟く。
まるで孕ませるのを阻止するかのような物言いに、ケイブラムは違和感を覚えた。
「お前、最初といってることが逆じゃないか」
てっきり教えるなり孕ませようと襲ってくるかと思っていた。少なくとも出会ったときだったらきっとそうしただろう。
どういう風の吹き回しなのか。
いぶかしんでいると、ヴィルスが顔をあげて「決めた」と呟く。
「相互フェラは我慢する。やっぱり直に味わいたいし、そっちのほうがケイブラムも好きだろ」
「好きなわけあるか! そもそも、契り自体は血でも交わせるんだが」
勘違いしていることを考慮して言えば、ヴィルスはケイブラムにのしかかってきた。まっすぐ射抜くようにケイブラムを見つめる空色の瞳を見ていると、吸い込まれそうだ。
「契りはしない」
「……は?」
真剣な顔つきで告げられた言葉に、頭が追いついてこない。
契りはしない。確かにそう言った。だが、契りをしなければ、ケイブラムをいくら抱いても孕むことはない。
それを理解したはずだ。
「お前はなにを考えてるんだ」
ケイブラムがオガルスに来たのはヴィルスの子を孕むためだ。ヴィルスとて、それを望んでいたはずだ。ここにきてケイブラムを捨て、ほかの女に鞍替えするのか。そんな思考がよぎる。
黙り込んだケイブラムに顔を寄せてくると、ヴィルスは息をするように唇を重ねてくる。
「あんたを、ケイブラムを誰にも取られたくないだけだ」
「なに馬鹿なことを……っ」
明確な独占欲と熱のこもったかすれた声にまるで愛の囁きみたいだと錯覚してしまう。
ヴィルスはなにも言わず、肉厚な唇がやんわりとケイブラムの唇に触れた。熱い唇の心地よさにうっとりとしそうになる。
「と、とにかくっ、契りの方法は伝えたからな。あとで聞いてないとか文句言うなよ」
「あんたこそ、責務を果たすとか言って、勝手にフェラしたり血を飲んだり飲ませようとしたりすんなよ」
「誰がするか!」
目尻をつり上げて怒鳴れば、ヴィルスは掛け布団ごとケイブラムを抱きしめた。そして、ベッドに倒れ込むと、薄緑の髪に顔をうずめてくる。
「それならいい。じゃあ、俺は寝る」
そういって、ヴィルスからすぐに心地よさそうな寝息が届いてくる。
あまりの寝付きの早さに感心しつつ、耳に伝わるヴィルスの鼓動と温もりに、急に安心感を覚えたケイブラムも目蓋が下がっていった。
「パン屋に寄るのは今回無理だな。次、でかけた時に行くか」
「それよりおろせ!」
通り過ぎる住民たちが微笑ましそうに見てくるのが鬱陶しい。ただでさえ、人だかりから一つ頭が突きでるほど、ヴィルスは高身長なのだ。当然、ケイブラムはいやでも目立つはめになる。
抱えられて歩いている時点で、感のいいものは察するだろう。言葉よりも雄弁なそれが恥ずかしくてしょうがない。
ケイブラムの部屋でもあるヴィルスの部屋につけば、ベッドの上に降ろされ、つなぎを脱がされた。
「だから、お前は!」
「すごい吸い付いてるな」
秘部からわずかに顔を出してるコルクを指先で揺すられ、ケイブラムの体が小さく震えた。
「今抜いてやるからな」
「あっ、まて……ッ、やるなら風呂場でっ」
ケイブラムの言い分も聞かず、ヴィルスの指が秘部の中に潜り込んだ。
ヴィルスは熱い息づかいでコルクを指先で捉えると、ちゅぽんと抜いた。途端に、中に出された白濁の液が漏れ出て、シーツを濡らした。
「ああぁ…っ、この、馬鹿……っ」
「シーツならあとでいくらでも変えればいいだろ。それにしても、ほんとエロいな」
嬉しそうにヴィルスは呟く。顔を赤くし、涙目になっているケイブラムの目尻に唇を押しあてた。
「あんたがエロいせいで、またやりたくなってきた。いいよな」
「よくないっ! それより、お前に話すことがあるから姿勢を正せ!!」
興奮した息づかいでのしかかってきたヴィルスを押し返して怒鳴れば、ヴィルスはわずかに目を細めて離れた。
ケイブラムは掛け布団をひきよせて体を包むと、向かい合うようにヴィルスの方を向いた。
「いいか、今のお前がいくら抱いても、私は孕まない」
「それがどうした」
興味なさそうに返すヴィルスに対し、ケイブラムのこめかみにピキピキと青筋が浮かぶ。
「お前、私が大事な話を始めようとしている自覚はあるか」
「愛し子である俺が散々抱いてるのに、なぜか孕まないカラクリを話してくれるんだろ」
さらりと返してきたヴィルスに言葉が詰まる。
それを理解しておきながら、どうしてヴィルスはどうでもいいいと言わんばかりの態度なのか。はじめて会った時から帝都につくまで、ヴィルスはケイブラムのことをヴィルスの子を孕むだけのもののように扱っていたはずだ。
そういえば、帝都についてからセックスをしたり雌鳥呼びはするが、孕めと言わなくなった気がする。
一体なんの心境の変化があったのかと思いつつ、気持ちを切り替えるためにわざと空咳をする。
「そうだ、本当は会ったその日に話す予定だったが、どっかの誰かさんが聞く耳をもたなかったからな」
「ひどいやつもいたもんだな」
「お前のことだぞ」
白々しい返答にケイブラムは半目になって睨む。
「いいか、私を孕ませたいなら契りを結べ」
「契り? 具体的には?」
「お互いの血を体内に取り込む。そうすることで私の体に流れる血がお前の血に反応し、体内の一部が孕むために変化する」
「それ以外にはないのか。俺としては、もっと気持ちのいい方法でできるならそっちの方法でやりたい」
すうっとヴィルスの瞳が掛け布団からのぞくケイブラムの小麦色の肌に視線を向ける。
あるといえばある。むしろ、血の契りよりも効果的な方法だ。けれど、その行為をケイブラムは絶対にしたくなかった。
黙ったケイブラムにヴィルスは肉厚で色っぽい唇に笑みを浮かべた。
「その沈黙はあるってことだな」
口にするのが恥ずかしくてしょうがない。唇が震え、顔に熱が集まってくる。
「お互いの精液を飲むこと、だ。お前は少なくても構わないが、私はたくさん飲む必要がある」
「そうはいっても、あんた、潮吹くばっかりで射精できなくなってるだろ」
「な…っ! ちがっ、たまたま調子が悪いだけだ!!」
指摘されて気づいてしまった。慌てて言い繕うもの、体は男であることを放棄しようとしていることに冷や汗が滲み出る。
「じゃあ、潮は飲んでもいいんだよな? 精液じゃないから問題ないよな?」
真剣な顔でジリジリとにじり寄ってきたヴィルスに、ケイブラムは眉をよせて首を振った。
「たぶん、だめだと思う」
「は? それじゃあ、相互フェラできないだろ」
「する必要ないだろ」
なにを考えているんだとため息をつく。だが、ヴィルスは頭をガシガシ掻いて「よくない」と断言した。
「俺の精液を飲んだらあんたは絶対潮を吹く。その潮を飲んであんたをイきよがらせる予定が狂った」
「おい、おい」
なにげなく漏らしたおぞましい予定にケイブラムは今までになく引いた。
「まあ、契りを交わした後、ゴムつければ問題ないか……。でも、やっぱり生のほうが絶対気持ちいいしな……」
唇に手を押し当て、うつむいてブツブツと呟く。
まるで孕ませるのを阻止するかのような物言いに、ケイブラムは違和感を覚えた。
「お前、最初といってることが逆じゃないか」
てっきり教えるなり孕ませようと襲ってくるかと思っていた。少なくとも出会ったときだったらきっとそうしただろう。
どういう風の吹き回しなのか。
いぶかしんでいると、ヴィルスが顔をあげて「決めた」と呟く。
「相互フェラは我慢する。やっぱり直に味わいたいし、そっちのほうがケイブラムも好きだろ」
「好きなわけあるか! そもそも、契り自体は血でも交わせるんだが」
勘違いしていることを考慮して言えば、ヴィルスはケイブラムにのしかかってきた。まっすぐ射抜くようにケイブラムを見つめる空色の瞳を見ていると、吸い込まれそうだ。
「契りはしない」
「……は?」
真剣な顔つきで告げられた言葉に、頭が追いついてこない。
契りはしない。確かにそう言った。だが、契りをしなければ、ケイブラムをいくら抱いても孕むことはない。
それを理解したはずだ。
「お前はなにを考えてるんだ」
ケイブラムがオガルスに来たのはヴィルスの子を孕むためだ。ヴィルスとて、それを望んでいたはずだ。ここにきてケイブラムを捨て、ほかの女に鞍替えするのか。そんな思考がよぎる。
黙り込んだケイブラムに顔を寄せてくると、ヴィルスは息をするように唇を重ねてくる。
「あんたを、ケイブラムを誰にも取られたくないだけだ」
「なに馬鹿なことを……っ」
明確な独占欲と熱のこもったかすれた声にまるで愛の囁きみたいだと錯覚してしまう。
ヴィルスはなにも言わず、肉厚な唇がやんわりとケイブラムの唇に触れた。熱い唇の心地よさにうっとりとしそうになる。
「と、とにかくっ、契りの方法は伝えたからな。あとで聞いてないとか文句言うなよ」
「あんたこそ、責務を果たすとか言って、勝手にフェラしたり血を飲んだり飲ませようとしたりすんなよ」
「誰がするか!」
目尻をつり上げて怒鳴れば、ヴィルスは掛け布団ごとケイブラムを抱きしめた。そして、ベッドに倒れ込むと、薄緑の髪に顔をうずめてくる。
「それならいい。じゃあ、俺は寝る」
そういって、ヴィルスからすぐに心地よさそうな寝息が届いてくる。
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