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三十八 染井の里に残した想い。
しおりを挟むこれは、とある街にある小さな神社に祀られている龍神様とお友達のお話。ここには龍之介と太郎という神様が住んでいる。二人は仙人や精霊や人間の子供、もちろん神様たちが気軽に遊びに来られるようにお食事処を始めてみた。そんな小さな神社のたくさんの、おはなし。
ピンと張りつめたように冷たい空気が朝の光とともに洞穴の入り口に射しこんでいる。
龍之介は空を見上げながらぎゅーんと伸びをした。
苔むした紅葉の根方には霜柱が立っている。
いい天気だ、今日はあの2人登校中に霜柱をザクザク踏んでははしゃいでいるに違いない。
どれ、あったかいぜんざいでも出してやるかな。
そう思いながら奥に戻り夕べから炊いている小豆の味を見た。
「ふむ、良い出来じゃ。餅にするか。そういえばきび餅をもろうたな。あれを焼いても一味違っていいかもしれん。太郎さんどう思うかね?」
龍之介は太郎をうかがいながら話しかけた。
太郎は、夕べからまるで上の空で熱燗だというのにぐいっと一気に飲み干してベロを火傷してしまっていたのだ。
「ふむ。この香り、なんじゃろうの、龍之介さん。昨日の昼から鼻について離れんのじゃ。嗅いだことはあるんじゃが。思い出せぬ。」
「ほほう。いくらわしが龍神であってもな、お前さんの鼻についた香りを言い当てられる訳はなかろう?わしは餅の話をしておるというに。太郎さん、聞いておったかの?」
龍之介の問いに答えることなく太郎は洞穴の入り口にふらふらと出て行ってしまった。
太郎はしばらく入り口の床几でみるとはなしに外を見ていると、鳥居の向こうからなんとも華やかな淡い空色に金糸銀糸の刺繍を施し淡い紅色や桜色の花を染め抜いた着物を身に纏った精霊がまるで鈴を鳴らすようにこちらに向かってゆるゆると歩いてきた。
そして、あのなんともいえぬいい香りが辺り一面に漂い始めた。
「おお!染井姫お前さんじゃったか。この香りどうしても思い出せなんだ。ささこちらへ。温かいぜんざいがあるからの。中に入りなされ。」
「なんと、染井姫まだ季節ではないというにどうしたんじゃ?ささ、まずは足湯で少し温まりなされ。火鉢に炭を足そうの。今日はぜんざいがあるが、蕎麦とぜんざいどちらがいい?」
龍之介はそう言いながら火鉢に炭をいくつか入れ、足湯と手拭いを用意した。
「龍之介さん太郎さんお気遣いなく。春が来る前に木の様子を見に参りましたの。最近変な病気が海を越えてきましたでしょ。海の近くの梅林が全て掘り起されて、土も消毒しなくてはならなかったのでしばらくは梅はダメなようです。桜も危なかったのですが、人が手を入れてくれた事でなんとかまぬがれたのです。でも毎年心配で、この時期この島国の桜は皆無事か見て回るのですよ。恐れ入りますが温かい緑茶をいただけますか?」
染井姫は座敷に上がると火鉢のそばで手を炙りながらそう言った。
そういえばここ数年そのような話を耳にする。梅や桜やそのほかバラ科の植物ががそのような病気にかかると土までダメになるようで、なかなか手立てがないと聞く。
まだこの街にはそのような話は来ていないが、情報は多く集めるに限るな。
龍之介は少し濃いめの緑茶を三つ淹れお茶請けに金平糖と小さなあられを銘々小鉢に分け姫の前に出し、自分も座敷に座った。
太郎は何やら奥でゴソゴソと探し物をしている。
しばらくの間南の方の山崩れの跡や洪水で痛んだ桜たちに元気をつけてきた話、中央も浸水があったり、北のほうもたくさんの地震で大変なことなどお互いの情報交換のように話していると、太郎が鼻の頭を黒く汚して何か小さな香炉を持ってきた。
「染井姫、覚えてなさるか。この香炉にお前さんが樹皮で作った香を分けてくれたじゃろう?あれからたくさんの桜の精たちが香をくれるのじゃがお前の香が一番いい香りなんじゃ。また、いつかのおりでいいゆえ少し分けてはくれまいか。」
太郎はそういうと大事そうに香炉を手拭いで磨き始めた。
昼を過ぎ三時になろうかという頃入り口から賑やかな声が聞こえてきた。
「龍之介さん、太郎さんこんにちはー。今日は三人できましたー。」
三人は入ってくると自分で湯をくんで手と足を洗い手拭いで拭いていつもの台所に一番近い席に着くなり、
「うわぁ!綺麗な人。精霊さんですよね。なんのお花ですか?」
こうきが目を輝かせた。こうきは植物が大好きで植物学者になりたいと思っていた。
「私はソメイヨシノの精ですのよ。数多く桜はあるけれど、ソメイヨシノは特別な桜なんですよ。今日は春に備えて桜たちの様子を見に参りましたの。」
「どんなふうに特別なん?」
たくみが、目を丸くしながら聞いてみるとこうきが
「人が作ったんやんね?たしか、江戸時代に作りはったんやんね。江戸の人ってパッと咲いて一気に散る姿がかっこいいって思いはって、それですごくよろこばはったって聞いたことある。ほら、学校にもあるやん。僕らが初めて喋った時に散ってたやつ。」
と答えた。
そう言えば初めて喋ったのは散りゆく桜を眺めていたこうきにぶつかったのがきっかけだった。
「そうなんですか?学校にもたくさん咲いていますでしょうね。私は江戸の終わりに染井村で作られましたの。それから三百年以上生きていますのよ。ソメイヨシノは種から芽が出ませんの。だから接ぎ木という方法で大きくなりますの。つまり、ずーっと私は一人なんです。次の代が来ることもありません。
私は私の命が尽きて、この世からソメイヨシノがなくなるまでずーっと生き続けますの。何百年何千年生きたとしても神様にはなれません。精霊のまま老いることも枯れることもなく生き続けます。たまにね、それが苦しくなりますのよ。他の桜たちと違って地方にも仲間がおりません。ひとりぼっちなんですのよ。」
染井姫はため息混じりにそう呟いた。
すると、入り口からさざめくような声とともに梅花姫と桜花姫が梅の花を持ってやってきた。
「あら、染井姫お久しぶりです。今ね、天神様の早咲きを一枝持ってまいりましたの。今年は白いお花が一番乗りでしたわ。桜花もね、お家では暇だから龍之介さんのところに誘いましたのよ。染井姫は木々のご様子伺いですの?」
枝を龍之介に渡し足湯もそこそこに座敷に上がると、温かいお蕎麦をといい嬉しそうに染井姫と目を合わせた。
「そう言えば、梅花姫と桜花姫はなんでお花が違うのに姉妹なん?おんなじお花の種類違いとかやったらわかるけど、前から不思議やってん。」
こうきがそうたずねると
「わたくしたちはね、山神様が作ってくださったのよ。普通の精霊とはちょっと違うのかしら。神様にはなれないけれど、神様の娘なの。だから、消えてしまうことはないのよ。お父様が消えてしまえという時までね。」
「ふーん。精霊さんにも色々いはるんやね。人のような姿ができる虫とか、なんか、世界が僕らの知らんところでいろんなことがあって、出来上がってるんやって思うとドキドキする。」
たくみは瞳を輝かせた。
「でも、お二人は姉妹でしらっしゃるでしょ。山神様というお父様までおられる。私は人が作った木ですので親も兄弟もおりません。淋しい限りですわ。」
「え?でも、ソメイヨシノって、たしかエドヒガンザクラとオオシマザクラからできたんやんね?それはいとことは違うの?兄弟ほど仲良しになれるかどうかは分からへんけど、僕はいとこのお兄ちゃんやお姉ちゃんや小さい子たちとも仲良しやけどな。」
こうきは染井姫を心配そうに見つめてそう呟いた。
「僕らね、二人とも一人っ子同士やねん。坊も生まれてまだ五年くらいやけど、小沢滝の精霊やからさ、一人っ子みたいなもんやん。染井姫さんも、お友達たくさんいはるんやろ?僕らもお友達になるやん。そんなに悲しい顔しんといて。僕まで悲しくなる。」
たくみは頬と鼻の頭が赤くなっていた。そろそろ出そうな涙に、心の奥で今出たらあかん!と強く強く思った。
染井姫はしばらく子供達を順に見つめて考えを巡らせるとため息をこぼした。そして、
「そうですわね。たくさんの精霊が地域に一つの草花や川、滝、岩木々に一人ずつの精霊と決まっています。その時は皆他の種の精霊と仲良くなり、滅多にはないですが添い遂げる者もおります。私ね、昔とても好きな松の精霊がいましたのよ。とても優しくて温かな心の方でしたの。でも、大きな戦の後せっかく焼けずに残りましたのに、彼は道を作るからと切られてしまいましたの。根っこも何もかもです。その道は硬いアスファルトで覆われてしまって、彼の子孫すら居なくなってしまいました。あれから、きっと私淋しくて悲しいのですわ。あの方に会うことがもう許されない気がして。」
染井姫はそういうと懐から美しい桜の透かしの入った懐紙に丁寧に包んだ、もう枯れてしまった松の葉を取り出した。
「あの時が秋ならば種の一つも採っておきましたのに。そうすればどこか遠い所に植えることができましたもの。そこから精霊が生まれなくともあの方の子孫がそこに在るというだけで幸せだったように思うのは、後悔というものでしょうか。龍之介さん。」
龍之介は、冷めてしまったお茶を淹れなおし温めたきび餅ぜんざいを皆に配るとタバコに火をつけ、しばらく遠くを見ていた。
太郎は龍之介が何も言わないことにしびれを切らしてつい口を出してしまった。
「染井姫はお一人とおっしゃるが、わしらとて天の神様がもう消えよとおっしゃるまではこの地をこの川を護らねばならぬ。淋しければいつ何時でもここへ参られよ。我らはいつでも待っているゆえ。」
「ふむ、そうじゃの。わしらや各地の神々はお前様の咲く姿を楽しみにしておるよ。それにじゃ、お前が気がついておるかは分からぬが他の桜と交わった種ができておるじゃろう?まだ、精霊ができるほどに成熟しておらぬやもしれぬがそろそろお前の子供達が各地で精霊になり始めるのではないかのう。人というのは身勝手なものじゃ。子を成さぬ女子をまるで家畜のように扱うときもあるというにの。木々や草花には種の無いものを平気で作る。それはなんとも悲しい所業じゃ。じゃが、身勝手に生きることが人の運命であるならばいつか見返りが帰ってこようの。たくみやこうきの事では無いゆえ心配はいらんよ。お前たちはそんな身勝手な型から外れた存在じゃからの。」
「染井姫、一つ向こうのお山に山桜と染井姫のお子が芽生え若木になっていますのよ。お父様が、そろそろこの木にも精霊が宿りそうだとおっしゃってましたの。今度お連れしますわ。たくみさんとこうきさん、坊も精霊が産まれるところをご覧になったことがないでしょう?ご一緒しましょう。わたくしの花びらやセツブンソウの精霊が花束を持っていこうと言っていましたのよ。ロウバイの精霊も参ります。あの山はお稲荷様がおられましてね。お稲荷様とお父様が枯れぬように見守っていましたの。」
梅花姫と桜花姫が顔を見合わせて微笑みながらそう話してくれた。染井は、未来永劫自分に子孫などできるはずもないと思っていたことが恥ずかしくなった。私は一人では何もできないけれど、他の桜と交わることがあろうとは今の今まで気づきもしなかった。そして、今まで凍り付いていた自分の心の奥底に温かな燈が灯るのを感じた。
「うわぁ!僕らも行っていいの?精霊さんが産まれるところを見られるなんてなんかワクワクする!」
たくみはさっきまで頬にこぼれそうになっていた涙がすっと引っ込んで、顔を輝かせた。
こうきはただ黙って嬉しそうにみんなの顔を見ていた。
そして、坊は木々の精霊の産まれる瞬間は本当は杉じいの次の精霊の時がいいな、と少し思った。
とある土曜の午後早く、稲荷山はいつになく華やかな香りに包まれていた。
セツブンソウが淡く青紫の花をなびかせている。
まだ冷たい風が、それでも春の兆しを含んで吹いていた。
若木は十年ほどに成長し、今から春に向けての芽吹きの準備もしっかり整っていた。
珍しく地上に出てきた山神が赤銅色の羽織に瑠璃色の袴姿で梅花姫や桜花姫を引き連れてやってきた。
「さて、皆集まったようじゃの。稲荷殿こちらへ参られよ。本当は少し時期は早いのじゃがの。今回は特別じゃ。染井が寂しがることのないようにという梅花と桜花のたっての願いじゃからの。この蕾にしようかの。」
山神と稲荷神はまだ固く小さな蕾に手をかざすと、祝詞を唱え始めた。あたりがにわかに暖かくなり蕾はみるみる膨らんで可愛らしい春色の小さな花を開いた。そしてその花の真ん中に小さな女の子が座っていた。
「皆様こんにちは。わたくし衣通姫(ソトオリヒメ)と申します。どうぞよろしくお願いします。」
衣通姫は紅色に桜の花と薄緑の流れるような模様の入った着物に銀の帯を締めていた。
そして花の上で手をつき頭を下げた。
たくみとこうきはあまりにも小さな女の子に驚いたと同時に、可愛いことにも感心した。
「坊も来ればよかったのに。こんなに可愛い精霊さんに会えるなんて絶対感動するのに。」
たくみが無邪気にいうと龍之介が、
「坊には坊の思いがあるのじゃろう。今日はそっとしておいてやろうの。さて、巻き寿司を作ってきたから皆で食べようかの。おいなりさんも作ってきましたぞ。ささ、皆毛氈に座った座った。」
染井は可愛らしい衣通姫を手のひらに乗せると長い間話をした。それは果てることのない物語のようだった。
空には赤ちゃんのうす爪のようなお月様が青い青い空にぽっかりと浮かんでいる。
たくみとこうきは、あと何回こんなふうに龍之介さんたちとご飯が食べられるのだろうと少し寂しい思いになった。次の桜が咲いたら六年生だ。
もっともっと時間が欲しい。
月に願わずにはいられなかった。
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