27 / 42
第一部
第27話 愛とか恋とかそんなものじゃなく
しおりを挟む
「もう、この際ついでだから言っておきますが」
「うん?」
「坊っちゃん、坊っちゃんにかけてある封印は、もうじき切れます」
「へ?」
「もう、もたないんです」
「もたない?」
「ええ。私たちの封印が保てないほどに、坊っちゃんの力は、年々つよくなっていますから」
「…………知らなかった」
「あえて、お伝えしていなかったんですよ、主」
馨結の言葉に、驚いてばかりいれば、滉伽がにこりと笑いながら口を開く。
「優しい貴方の負担にならぬよう、十二代目と、十三代目からも、奥様からもお願いされていましたし」
なんでそこでじいちゃんと父さん、それに母さんが出てくるんだ。
まったく把握できない状況に、「なんで?」と首を傾げながら問いかければ、滉伽は困ったように笑う。
「主の力を封じる際に、十二代目は、力の半分を。十三代目は、力のほとんどを、主のために使いました」
「……え……」
「幼い貴方の身を守るにも限界がある。たとえ我々がついていようとも、善悪の区別がつかない内では、どんな隙をつかれるかわからない。それほどまでに貴方という存在は、我々、妖かしにとって魅力的で、貴重で、甘美なもの」
「……そ、え、でも」
なんでそんなに。
なんで、そこまで。
俺なんかのために、どうして。
「え、だって。え、待って。じいちゃんはともかく、父さんが、ほとんど、って。え?」
父さんは、昔からあんまり祓いの力が無い、って。
父さん自身も、言ってたじゃないか。
それは、
「大切だから、ですよ」
「……たいせつ……」
「大事な家族だから。愛しているから。と、十三代目も十二代目も言っていましたね」
「でも、父さんもじいちゃんも」
「主のせいではありません」
「でも!!」
小さい頃、何度か見たことがある。
親戚だと名乗ったあの人たちが、父さんにひどいことを言っていた場面を。
そのたびに父さんは、聞き流しながら、困った顔もしていた。
あの人たちが帰ったあとは、いつもため息をついていた。
本当なら、そんなこと言われる必要なんて、無かったんじゃないか。
全部、
俺のせいで
俺が生まれたせいで
「主」
「だって……っ」
ぽん、ぽん、と滉伽の手が俺の頭を撫でた。
下がっていく視線に、「主」ともう一度、滉伽の声がかかる。
「主。わたしには愛、というのは……いまだにまだよく分かりません」
「……滉伽?」
「ですが」
そう言って、言葉を区切った滉伽が俺の目を見る。
「手放すつもりがない、ということなら、よく分かります」
「……?」
「どこの誰だかも分からないモノたちに、傷をつけさせるつもりも、渡すつもりも、さらさらありません。もっと細かくいうなら、血の一滴も、髪の毛一本だって渡すつもりはありません」
滉伽の額から、目尻に向かって広がる蔦のような紋様が赤く光を帯びる。
「えっ……と?」
「ですから主。いえ、真備様」
「え、あ、はい」
「十二代目と十三代目の力のことも。鍛錬を今までちゃんとやってこなかったと、後悔とやらをする必要はありません。というか後悔するくらいなら、これから、さらに、きちんともっとうんとご自分の力と向き合ってくだい」
「滉伽……」
「ま、というか今まで以上に、ですけどね、坊っちゃん」
「馨結」
ぺた、と俺の頬を触りながら、馨結がくす、と笑う。
「まぁ、一応、十二代目は常時、術の発動をしている状態ではありましたが、あの人ならそんなのいつものことですし」
「え、だ、大丈夫なのじいちゃん?!」
「大丈夫ですって。あの狸爺がこんなことでくたばる訳がありません。そもそも、あの爺の寿命はまだ先ですし」
「狸って……」
「だって狐よりも狸って感じじゃないですか」
ククク、と笑いながら話す馨結に、じいちゃんの姿を思い浮かべても、狸には思えない。
「……どっちといえば、アライグマとかじゃ……」
「そんな可愛くないですって」
首を横に振りながら言う馨結に、滉伽をちらりと見れば、滉伽もまた「それはちょっと可愛く言いすぎですね」と笑う。
「ま、ともかく」
「んぐ」
「坊っちゃん、貴方には、貴方の、坊っちゃんにしかできないことがあるんです」
俺の頬をひっぱりながら、馨結はいう。
「ですから、坊っちゃん。このあとのお話、聞き漏らさずに聞いてくださいね」
「へ?」
「運命とやらに選ばれぬ者にならぬよう。この私と、滉伽があなたと共にいるのですから」
「選ばれぬ者?」
「それに、坊っちゃんだってまだ死にたくはないでしょう?」
にやり、と口元に弧を描き、馨結は妖しく笑った。
「はい、というわけでお待たせしました」
「え、は?! いつの間に?!」
「お、おかえり真備~」
「た、だいま?」
クンッ、と唐突な一瞬の浮遊感のあと、目に映ったのはついさっきまでいた部屋で。
何やら太地とすずはお菓子を、桂岐は積んであった漫画へと手を伸ばしていた、らしい。
「よっしゃ、んじゃ話し合い再開だな!」
「え、あ、うん?」
馨結と滉伽に腕を掴まれたままの俺に、ほら座れよ! と太地は笑顔で敷いてある座布団を叩く。
「つっても、白澤からの説明待ちなんだけどさ!」
けらけらと笑う太地の表情に、思わず横に立つ滉伽を見れば、「でしょうね」と滉伽も笑う。
「とりあえず必要そうなのは三人で地図に書き込んでみたんだけどさ~」
「それは助かります」
「さ、坊っちゃん早く座って」
ぺしぺし、と太地と同じ行動をしながら、ちゃっかり先に座っていた馨結が俺を見上げる。
「この話は貴方がいないと始まらないんですよ」
「うん?」
「だって坊っちゃんのための勉強会なんですから」
「……そうだった」
確かにそんなこと言ってた、と馨結の言葉に苦笑いを浮かべて、手をひかれながら馨結と滉伽の間に座る。
「さて、真備様。まずは最近、この一週間のことでお話しますね」
「うん」
「まぁ、まずはそうですね……ところで真備様。今日、町内を見て回った結果、どのように感じましたか?」
「どのように、って?」
滉伽の質問の意味が分からず、そのまま聞き返せば、「そのままの意味ですよ」と滉伽は静かに笑う。
滉伽の言葉に、少し考えたあと、口を開く。
「えっと……なんか……なんていうか、新鮮だった。今まで見てた景色でも気づかなかったこととか、よく行ってたり通ってたとこに要石があったりしてさ。今日まで気付かなかったことが不思議なくらいでさ。一回気がついたら、そこから先はずっと色んなものが視えてた」
「……物事は、一度知ってしまったら、知らなかった頃には戻れないですからね」
一気に言い切った俺に、馨結がぽそりと言う。
「そう。それ。よく馨結が言ってるけど、まさにその通りだった」
一度、気がついてしまったら、目に映る景色ががらりと変わった。
そのことは怖いというよりも新鮮で、どこか懐かしい気がした。
「なるほど。真備様」
「うん?」
「では、改めて町内図を見てなにかを思いませんか?」
そう言われてもう一度、町内図を見れば、自分が回ったところ以外にも、バツ印がついている。
「……なんか、案外少ないんだね」
人の心が穢れ、澱みの源を生み、悪しきモノがソレを喰らい、増えていく。
人にも社会にも疲れた現代人は、昔よりもソレをうみだしてしまいやすい、と聞いていた気がするんだけど。
そんなことを思いながら呟けば、「坊っちゃん」と馨結に名前を呼ばれる。
「なに?」
「これの話、ちゃんと聞いてました?」
これ、と言いながら、馨結が滉伽に親指を向ける。
「え?」
「町内図を見てどう思ったか。これに一番はじめにそう聞かれた直前の言葉、思い出せます?」
「町内図の前……」
確か……、2回同じこと聞かれて……?
「まずは、はじめにここ最近のことを話す、って」
「その最近とは?」
「えっと……確か……。……あ!」
バッ、と滉伽の顔を見れば、こくり、と滉伽が頷く。
「そうです。これは、この一週間で増えた穢れの数です」
「一週間で……こんなに……?」
ざっと数えても、20箇所以上のバツ印が書いてある。
「でも、じいちゃんも父さんも今までそんなに頻繁に祓いに行ってなかったよね?」
確かに出かけていくことがあったのは知っていたけど、そんなに頻繁に出かけていたか?
ううん、と唸りながら記憶を引っ張りだそうとした時。
1つのことに気がつく。
「もしかして」
原因は、俺なのでは。
声に出せずにいた俺を、桂岐がつい、と目を細めながら見据えた。
「うん?」
「坊っちゃん、坊っちゃんにかけてある封印は、もうじき切れます」
「へ?」
「もう、もたないんです」
「もたない?」
「ええ。私たちの封印が保てないほどに、坊っちゃんの力は、年々つよくなっていますから」
「…………知らなかった」
「あえて、お伝えしていなかったんですよ、主」
馨結の言葉に、驚いてばかりいれば、滉伽がにこりと笑いながら口を開く。
「優しい貴方の負担にならぬよう、十二代目と、十三代目からも、奥様からもお願いされていましたし」
なんでそこでじいちゃんと父さん、それに母さんが出てくるんだ。
まったく把握できない状況に、「なんで?」と首を傾げながら問いかければ、滉伽は困ったように笑う。
「主の力を封じる際に、十二代目は、力の半分を。十三代目は、力のほとんどを、主のために使いました」
「……え……」
「幼い貴方の身を守るにも限界がある。たとえ我々がついていようとも、善悪の区別がつかない内では、どんな隙をつかれるかわからない。それほどまでに貴方という存在は、我々、妖かしにとって魅力的で、貴重で、甘美なもの」
「……そ、え、でも」
なんでそんなに。
なんで、そこまで。
俺なんかのために、どうして。
「え、だって。え、待って。じいちゃんはともかく、父さんが、ほとんど、って。え?」
父さんは、昔からあんまり祓いの力が無い、って。
父さん自身も、言ってたじゃないか。
それは、
「大切だから、ですよ」
「……たいせつ……」
「大事な家族だから。愛しているから。と、十三代目も十二代目も言っていましたね」
「でも、父さんもじいちゃんも」
「主のせいではありません」
「でも!!」
小さい頃、何度か見たことがある。
親戚だと名乗ったあの人たちが、父さんにひどいことを言っていた場面を。
そのたびに父さんは、聞き流しながら、困った顔もしていた。
あの人たちが帰ったあとは、いつもため息をついていた。
本当なら、そんなこと言われる必要なんて、無かったんじゃないか。
全部、
俺のせいで
俺が生まれたせいで
「主」
「だって……っ」
ぽん、ぽん、と滉伽の手が俺の頭を撫でた。
下がっていく視線に、「主」ともう一度、滉伽の声がかかる。
「主。わたしには愛、というのは……いまだにまだよく分かりません」
「……滉伽?」
「ですが」
そう言って、言葉を区切った滉伽が俺の目を見る。
「手放すつもりがない、ということなら、よく分かります」
「……?」
「どこの誰だかも分からないモノたちに、傷をつけさせるつもりも、渡すつもりも、さらさらありません。もっと細かくいうなら、血の一滴も、髪の毛一本だって渡すつもりはありません」
滉伽の額から、目尻に向かって広がる蔦のような紋様が赤く光を帯びる。
「えっ……と?」
「ですから主。いえ、真備様」
「え、あ、はい」
「十二代目と十三代目の力のことも。鍛錬を今までちゃんとやってこなかったと、後悔とやらをする必要はありません。というか後悔するくらいなら、これから、さらに、きちんともっとうんとご自分の力と向き合ってくだい」
「滉伽……」
「ま、というか今まで以上に、ですけどね、坊っちゃん」
「馨結」
ぺた、と俺の頬を触りながら、馨結がくす、と笑う。
「まぁ、一応、十二代目は常時、術の発動をしている状態ではありましたが、あの人ならそんなのいつものことですし」
「え、だ、大丈夫なのじいちゃん?!」
「大丈夫ですって。あの狸爺がこんなことでくたばる訳がありません。そもそも、あの爺の寿命はまだ先ですし」
「狸って……」
「だって狐よりも狸って感じじゃないですか」
ククク、と笑いながら話す馨結に、じいちゃんの姿を思い浮かべても、狸には思えない。
「……どっちといえば、アライグマとかじゃ……」
「そんな可愛くないですって」
首を横に振りながら言う馨結に、滉伽をちらりと見れば、滉伽もまた「それはちょっと可愛く言いすぎですね」と笑う。
「ま、ともかく」
「んぐ」
「坊っちゃん、貴方には、貴方の、坊っちゃんにしかできないことがあるんです」
俺の頬をひっぱりながら、馨結はいう。
「ですから、坊っちゃん。このあとのお話、聞き漏らさずに聞いてくださいね」
「へ?」
「運命とやらに選ばれぬ者にならぬよう。この私と、滉伽があなたと共にいるのですから」
「選ばれぬ者?」
「それに、坊っちゃんだってまだ死にたくはないでしょう?」
にやり、と口元に弧を描き、馨結は妖しく笑った。
「はい、というわけでお待たせしました」
「え、は?! いつの間に?!」
「お、おかえり真備~」
「た、だいま?」
クンッ、と唐突な一瞬の浮遊感のあと、目に映ったのはついさっきまでいた部屋で。
何やら太地とすずはお菓子を、桂岐は積んであった漫画へと手を伸ばしていた、らしい。
「よっしゃ、んじゃ話し合い再開だな!」
「え、あ、うん?」
馨結と滉伽に腕を掴まれたままの俺に、ほら座れよ! と太地は笑顔で敷いてある座布団を叩く。
「つっても、白澤からの説明待ちなんだけどさ!」
けらけらと笑う太地の表情に、思わず横に立つ滉伽を見れば、「でしょうね」と滉伽も笑う。
「とりあえず必要そうなのは三人で地図に書き込んでみたんだけどさ~」
「それは助かります」
「さ、坊っちゃん早く座って」
ぺしぺし、と太地と同じ行動をしながら、ちゃっかり先に座っていた馨結が俺を見上げる。
「この話は貴方がいないと始まらないんですよ」
「うん?」
「だって坊っちゃんのための勉強会なんですから」
「……そうだった」
確かにそんなこと言ってた、と馨結の言葉に苦笑いを浮かべて、手をひかれながら馨結と滉伽の間に座る。
「さて、真備様。まずは最近、この一週間のことでお話しますね」
「うん」
「まぁ、まずはそうですね……ところで真備様。今日、町内を見て回った結果、どのように感じましたか?」
「どのように、って?」
滉伽の質問の意味が分からず、そのまま聞き返せば、「そのままの意味ですよ」と滉伽は静かに笑う。
滉伽の言葉に、少し考えたあと、口を開く。
「えっと……なんか……なんていうか、新鮮だった。今まで見てた景色でも気づかなかったこととか、よく行ってたり通ってたとこに要石があったりしてさ。今日まで気付かなかったことが不思議なくらいでさ。一回気がついたら、そこから先はずっと色んなものが視えてた」
「……物事は、一度知ってしまったら、知らなかった頃には戻れないですからね」
一気に言い切った俺に、馨結がぽそりと言う。
「そう。それ。よく馨結が言ってるけど、まさにその通りだった」
一度、気がついてしまったら、目に映る景色ががらりと変わった。
そのことは怖いというよりも新鮮で、どこか懐かしい気がした。
「なるほど。真備様」
「うん?」
「では、改めて町内図を見てなにかを思いませんか?」
そう言われてもう一度、町内図を見れば、自分が回ったところ以外にも、バツ印がついている。
「……なんか、案外少ないんだね」
人の心が穢れ、澱みの源を生み、悪しきモノがソレを喰らい、増えていく。
人にも社会にも疲れた現代人は、昔よりもソレをうみだしてしまいやすい、と聞いていた気がするんだけど。
そんなことを思いながら呟けば、「坊っちゃん」と馨結に名前を呼ばれる。
「なに?」
「これの話、ちゃんと聞いてました?」
これ、と言いながら、馨結が滉伽に親指を向ける。
「え?」
「町内図を見てどう思ったか。これに一番はじめにそう聞かれた直前の言葉、思い出せます?」
「町内図の前……」
確か……、2回同じこと聞かれて……?
「まずは、はじめにここ最近のことを話す、って」
「その最近とは?」
「えっと……確か……。……あ!」
バッ、と滉伽の顔を見れば、こくり、と滉伽が頷く。
「そうです。これは、この一週間で増えた穢れの数です」
「一週間で……こんなに……?」
ざっと数えても、20箇所以上のバツ印が書いてある。
「でも、じいちゃんも父さんも今までそんなに頻繁に祓いに行ってなかったよね?」
確かに出かけていくことがあったのは知っていたけど、そんなに頻繁に出かけていたか?
ううん、と唸りながら記憶を引っ張りだそうとした時。
1つのことに気がつく。
「もしかして」
原因は、俺なのでは。
声に出せずにいた俺を、桂岐がつい、と目を細めながら見据えた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
月華後宮伝
織部ソマリ
キャラ文芸
★10/30よりコミカライズが始まりました!どうぞよろしくお願いします!
◆神託により後宮に入ることになった『跳ねっ返りの薬草姫』と呼ばれている凛花。冷徹で女嫌いとの噂がある皇帝・紫曄の妃となるのは気が進まないが、ある目的のために月華宮へ行くと心に決めていた。凛花の秘めた目的とは、皇帝の寵を得ることではなく『虎に変化してしまう』という特殊すぎる体質の秘密を解き明かすこと! だが後宮入り早々、凛花は紫曄に秘密を知られてしまう。しかし同じく秘密を抱えている紫曄は、凛花に「抱き枕になれ」と予想外なことを言い出して――?
◆第14回恋愛小説大賞【中華後宮ラブ賞】受賞。ありがとうございます!
◆旧題:月華宮の虎猫の妃は眠れぬ皇帝の膝の上 ~不本意ながらモフモフ抱き枕を拝命いたします~
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる