あの小さな魔女と眠りに落ちよう

kiruki

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・魔女の寿命は1000年で、それ以上もそれ以下も無いらしい。

・魔女はいくら歳をとっても見た目が若い姿をしている。

・いつから魔女が存在していたのかはまだ分かっていない。

・古代から行われ続けた魔女狩りにより、魔女は絶滅してしまっただろうと考えられる。

・しかし、魔女が不思議な力を使ってどこかに身を隠している可能性は十分あるものである。

・寿命で死を迎えるときの様子...死期が近づくと、眼、耳、腕、脚、と身体の能力が次々と失われていき、一番最後に心臓の機能が止まる。まるで一気に年をとっているかのように短い間でこれらの事は起こるらしい。稀に、酷い風邪症状を出す者もいる。

・魔女の寿命を延ばす方法は、無い。

【日記】

○月☓日 魔女の目が、見えなくなったらしい。まさか、彼女の死期が近いと言うことなのか。いや、そんなことがあるはずない。きっと魔法の実験に失敗しただけだろう。けれど念の為に魔女について調べて見ようと思った。

○月▲日 魔女が咳をしていた。風邪を引いたのだろうか。

○月□日 魔女が、足を動かし難そうにしながら廊下を歩いているところを見てしまった。僕が見ていることに気づくと、平気そうな振りをされて誤魔化された。ここまで見てしまったら、もう認めざるを得ない。

○月▽日 彼女が、腕が痛いと言っていた。

○月●日 魔女がとても体調が悪そうにしていた。僕も連日魔女について調べて疲れていたため、禄に看病することができなかった。

○月◇日 比較的元気そうに見える。やけに僕に優しい彼女の様子が気にかかった。

○月☓☓ 彼女が眠ったまま目を覚まさない。心臓は、動いているはずなのに。

…………

●月□日

僕はまだ彼女を助けることを諦めていない。

できることならば、あの小さな魔女と一緒にこの先も生きていきたいと思っている。

たとえ、自分が人間でなくなったとしてもだ。

文字や家事、生きる為の術は全て彼女に教えてもらった。

ずっと昔からの恩を返したい。だから、人間の村に帰らずここに留まることに決めた。

ずっと一人だった彼女にもっと人の温かさを教えてあげたいと思った。

そのためにははやく、早くなんとかして彼女が尽きないようにしなければならない。

僕は、絶対に、諦めたくない。

けれど  もしもその時が来てしまったとき。

僕よりも彼女が早く永遠の眠りについたとき、

そのときは─────────

ここで文章は途切れている。

哀しみと慈しみに溢れる文字が薄暗い部屋の中でポツンと佇んでいた。





○月▲□日 今日もいい天気だった
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